いつも喜んでいなさい。
(新約聖書 テサロニケ人への手紙第一5章16節)
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2023年12月4日

添削の意味について

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みのるの添削には幾通りかのパターンがありますが、なぜそのように直したのか…については原則説明していません。原作者が納得してその意図を受け止めていただければ、ご自分の句として受け入れていただければ感謝ですし、どうしても納得が行かない場合は捨てて下さって構いません。

今週のみのる選では、そのパターンがいくつか揃ったので少し説明してみます。

石蕗に寄せ草履揃へえるにじり口

原句:にじり口草履揃える石蕗の花

にじり口のそばに石蕗が咲いているらしい…のは分かりますが、「石蕗の花が草履を揃えてる」という意になっているので添削しました。

下戸なるも酔ひし気分に牡丹鍋

原句:下戸なるは口惜しきかも牡丹鍋

自分は下戸なのでみんなのように酌みながら楽しめないのがちょっと悔しい…というマイナス思考の描写になっています。呑めないながらも楽しく牡丹鍋の和に加わっているよ…と詠んで欲しい。

うたた寝の肩叩かるる炬燵かな

原句:うたた寝に声掛けられぬ古炬燵

古炬燵である必然性が感じられないのと、誰がどこから声をかけたのかもわかりにくく絵として見えてきませんね。「うたた寝したら風邪引くよ!」肩を叩かれたとすれば二人の姿が見えてきます。

花鉢の混み合つてゐる縁小春

原句:花鉢の混み合つてゐる縁の冬

冬の時期、寒さに弱い鉢物を縁側に取り込んである様子ですが、「縁の冬」とすると説明ぽくなります。「縁小春」とすると温かい日差しに喜んでいる鉢物たちの表情も連想できます。

影曳きて人と犬ゆく雪の路地

原句:影曳きて小雪の露地人と犬

作者は、「小雪(しょうせつ)」という季語を使いたかったのですが、返って咲く日が見えてしまいます。「雪の路地」と平明かつ素直に写生したほうがいいと思う。

叩かずに目こぼししたる冬の蝿

原句:叩かんとして躊躇せむ冬の蝿

春や夏の蝿であればためらわなかったであろう…という意は分かりますが、「結局は叩いたの?」と中途半端な写生に終わります。「叩かなかったよ」とすると優しさも伝わります。俳句は愛の目で写生せよ…が青畝師の教えです。

睦まじく寄り添ふ浮寝鳥の二羽

原句:何げなく寄り添ふ二羽の浮寝鳥

「何気なく寄り添ふ」は作者の主観であり、そう捉えると時間が動くので間延びした描写になる。無理に脚色しないで、「陣をなしている浮寝鳥のなかの二羽が仲良く寄り添っているよ」と素直に瞬間描写したほうが強い句となる。その場合は、「二羽の浮寝鳥」ではなく「浮寝鳥の二羽」が正しい表現である。

少し上達してくると平明な表現では物足りなくなり、格調高い句を詠もうとして言葉を選んだり、特異な季語を斡旋したりして独りよがりな作品づくりに陥りやすい。平明な客観写生でありつつ、作者の愛の目や優しさなどが伝わってくるように表現することのほうが遥かに価値があり大切なことだと私は思います。添削はある意味でその警告であることをわかっていただけると嬉しいです。

2023年12月1日

俳句は授かるもの

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吟行が苦手という方の多くは、「感じて詠む」という訓練を実践しないのでいつまでたっても「考えて作る」というスタイルから脱皮できないのです。

俳句で言うところの「感じる」というのは、「詠もうとする対象物からのメッセージを受け取る」ということであって、それを言葉に翻訳することで俳句が授かるです。

俳句は考えて作るものではなく授かるもの

一瞥即感じる…ということは極めて難しく、五感を研ぎ澄まし心静かに時間をかけてはじめて受け取れるものだと考えます。つまり忍耐が必要なのです。

吟行で一番大切なのは足を止めることです。メッセージを受け取るまえに目移り気移りしてせっかちに移動を繰り返していては「感じる」ことはできません。

二、三句詠むまでは一箇所に立ち止まって移動しない…の繰り返しを実行してみて下さい。大事なのは理屈の左脳を封印して、右脳を働かせて心を遊ばせるのです。

後日句会という吟行形式は苦痛がなくて楽しいようですが、油断をするとおしゃべりに終止して「あとから思い出しながら考えて作る」という悪癖につながりがちです。小グループで吟行されるときも喫茶店の片隅でいいので必ず3〜5句のミニ句会をするように習慣づけることが大事です。

手は夜なべ脳は遊びを考へし 品女

2023年11月28日

秋海棠のムカゴ

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秋海棠のムカゴというものを頂いたので庭に埋めてみました。

仁丹より一回り大きく1~2mmくらいです。自生地では地に落ちて春になると芽吹くというので、5cmほどの穴をほって腐葉土を入れ、そのなかに埋めておきました。

秋海棠は、このムカゴでどんどん増えるそうですが環境が合わないと消えてしまうのだそうです。環境の異なる数カ所に分けて埋めてみましたのでどうなるのか楽しみです。

いよいよ本格的な冬に突入するようでアオダモやヤマボウシ、ジューンベリーなどの高木落葉樹はみな裸になりました。萩も刈りました。いまは石蕗が満開でブルーベリーが真っ赤に紅葉しています。

裸木として青空を領しけり みのる

2023年11月26日

今後の活動について

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定例句会の休会を決めたのは、メンバーの高齢化というのも一因ですが「小グループによる吟行+後日WEB句会」という運用が定着してきたからです。今後、小グループ活動が全国各エリアで発展していくことを祈っています。

定例が休会となったことで吟行句会の日程(現状毎月第二水曜日〜)を見直ししては…との声もお聞きしていますが、各グループ間で調整してくださって合議で決めていただければいいと思います。

定例という運用はお休みにしましたが、小グループや有志による吟行句会を随時プランしてくだされば喜んで参加します。年に一度くらいは一泊吟旅もしたいですね。無理に遠出しないで近場のグルメ+温泉の旅でいいと思います。

亀鳴くや否やと論じ湯治翁 みのる

2023年11月24日

定例句会閉会のお知らせ

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過日の定例句会でメンバーの皆さんの合意を得ましたので2023年11月をもって閉会することにしました。12月は句会のみで開催する予定でしたが、会場予約の手違いもあり12月は不開催にします。予定してくださっていた方がおられたらごめんなさい。

2010年に再開してから14年間、われながらよく続けられたと思います。メンバーの皆さまが支えてくださったから頑張ることができました。永年のご協力を心から感謝します。

12月6日に小グループの京都吟行が予定されていますのでその席でこれまでご協力いただいた皆様に感謝のご挨拶をさせていただこうと思います。

TOPページの定例句会アクセスボタンは [SELECT.Me] へ移動しました。過去の成績やみのる選のデーターはこれまで通りご覧いただけます。 それに伴い、兼題句会のボタンをTOPページに戻しています。

2023年11月12日

11月定例句会吟行

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11月21日(火)定例句会の午前有志吟行場所は、昨年同様にカトリック宝塚黙想の家と売布神社です。数日前に黙想の家の管理人さんに連絡をとって入園、吟行の許可をいただきました。

定例句会は来月の12月まで実施の予定ですが、12月の吟行は予定しておりませんので定例句会の日の有志吟行は11月が最後となります。詳細は、吟行案内のブログに書きましたのでご覧ください。

2023.11.21吟行案内

2023年11月5日

定例句会の終了予告

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コロナ禍による休会がつづく中、みなさまのご支援に支えられてなんとか継続してきたオフラインでの定例句会ですが、本年(2023年12月)をもって終了させていただくことにしました。

幸い、今年から推進していただいています小グループ活動が軌道に乗り、「小グループ吟行+後日WEB句会」への運用シフトに目処がついたことも決断の理由です。

当然ながらみなさまのご支援ご協力があって継続してきた活動ですので、私の一存で決めることはできません。11月定例句会で皆さんのご了承が得られたらということになります。

毎日句会、兼題句会、吟行句会、一日一句などのWEB活動は、もう少し頑張って継続できると思います。

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