2023年9月の日記

2023年9月28日

勿忘草

コメントを書く Feedback

みのるの一番好きな草花は 「勿忘草」なのですが、ようやく気に入った画像が見つかったのでGH植物図鑑に追加しました。残念ながら一年草なので毎年苗を植えるか、種まきする必要があるのですが園芸種ぽくなくとても素朴な感じがたまらないのです。

群れ咲く草姿もまた素敵ですが、何よりも俳諧味のある「勿忘草」という名前が気に入っています。「勿忘」と書いて、"わすれな" と読むのですが、「忘れる勿れ(わすれるなかれ)」という意味ですね。毎年この草に心を通わせていると青畝師や紫峡師の慈顔や遺言が思い出されて初心に帰るのです。

槙野博士も、多くの草花の和名を残しておられますが、それぞれに味わい深いです。9月の西田公園吟行で出会った「盗人萩」もそうですね。秋に実がなりますが、その形が "盗人の忍び足の足跡" に似ており、花が萩に似ているところから「盗人萩」の名になったそうです。

園荒れて盗人萩が席巻す みのる

名前の謂れを知ってから思い出して詠んだ句です。草花を詠んだ句はどうしても季語が動きやすいです。草姿の特徴や名前の謂れなどを踏まえ、かつ古歌なども勉強して上手に本歌どりしたりできると味わい深い作品になります。

ネットサーフしていて 「 牧野富太郎の名言・格言」 というページを見つけました。

牧野博士の名言は「雑草という草はない」、「草を褥(しとね)に木の根を枕、花と恋して九十年」などが有名ですが、「植物を愛することは、私にとって一つの宗教である」 という言葉が私は一番心に響きました。

虚子先生の俳論のなかにも、「究極は信仰」という言葉があります。あい通じる信念ではないかと思います。

自然の営み(摂理)に心を通わせ、人との交わりを大切にしながら謙虚に俳句を愛しつづける。

これこそが私達の進むべき道だと私は信じます。平明であることに倦み身勝手な趣向に傾いて邪宗門に陥らないように、伝統と写生という大原則をしっかりと守りつつ継承していきたいですね。

2023年9月26日

虚飾俳句に陥るなかれ

コメントを書く Feedback

最近、毎日句会や一日一句のみのる選をしていて虚飾傾向の作品が目立つのが気になっています。更に残念なのは、そうした作品が互選で高点になってしまうことです。

吟行で詠むことを基本に修練されている方は心配ないのですが、歳時記を睨みながら考えて詠むことに慣れるとどうしてもひとひねりしたくなるのです。

結社ならともかく、 の句会は、高点を競う点取りゲームではありません。何年か先になって自分の句集を編もうとするとき、そうした虚構の作品でページを埋めたいと思う人はいないはずです。

ほんとうに感動した情景を素直で且つ平明に写しとるという大原則を決して見失わないようにしましょう。

俳句における写生は、写真を撮ったり、デッサンしたりするのと同じです。何も考えずにいきなりシャッターを押すのではなく、近づいてマクロで写すのがいいのか、それとも少し引いて遠近法の効果を狙ったほうがいいのか、正面からがいいのかはたまた横からがいいのか、見下ろしたほうが良いのか下から見上げたほうがいいのか等々、対象や情況がもっとも的確に伝わるようにアングルを決めますよね。

俳句も全く同じなのです。対象をどう切り取るかが第一義であり、どう表現するかは二の次です。表現はテクニックなので添削でお手伝いできますが、どう切り取るかは作者の個性なのです。歪んだものを好む人は歪んだ切り取りしかできませんから、虚飾は虚飾を好む…という悪循環に陥るのです。

私の経験からいうと、正しい切り取りをするためのHOW TO本を山ほど読んでもあまり意味はありません。もっとも効果的なのは、できるだけ多くの秀句( 青畝俳句研究 のページがお勧めです)を鑑賞してそこから感じ取ったよきものを吸収し理論ではなく感覚として身につけることです。感覚は瞬間に反応しますが理論は考えないと思い出さないからです。

2023年9月15日

らんまん植物図鑑

コメントを書く Feedback

2023年4月からスタートした朝ドラ「らんまん」もいよいよ終局ですね。ドラマとして多少脚色されていますがかなり忠実に描かれているように思います。

TOPページの「らんまん植物図鑑」は、現在25種になりました。スライドショーの画像が「ふわ〜」と切り替わるように工夫しました。

2023年9月14日

季節の移ろいを捉える

コメントを書く Feedback

俳句の命は季語(季感)です。珍しい情景を写生して手柄としていても季語が動く句(他の季語でも意味が通じる句)は佳句とは呼べないのです。

ある程度俳句に慣れてきたら四季(春夏秋冬)を感じるだけではなく、季節の移ろいに心を遊ばせる訓練をしてステップアップしましょう。 そうすることで作風が広がります。

  • もうすぐ秋だなあ〜
  • 秋はそこまで来ているなあ〜
  • ようやく秋らしくなってきたなあ〜
  • すっかり秋になったなあ〜
  • いよいよ秋も深まって来たなあ〜
  • そろそろ秋も終わりそうだなあ〜
  • いよいよ秋も終わだなあ〜
  • すっかり秋も終わってしまったなあ〜

今が秋だから秋の季語を斡旋する…というふうに理屈や先入観で季節を詠むのではなく、心を遊ばせて季節の移ろいを敏感に感じ取れるように感性を鍛えましょう。

2023年9月5日

大事なのは季語の斡旋

コメントを書く Feedback

よい俳句を詠む上で最も大切なのは、対象と対峙する視点や捉えかた、語彙力、表現力ではなくて季語の斡旋です。選句や鑑賞するときも、斡旋された季語が動かないかどうかを真っ先にチェックしましょう。

いくら新鮮な視点や捉え方の俳句であっても斡旋した季語が不適切であれば価値を失います。季語は俳句の命 であるという認識をいつも忘れないようにしましょう。

吟行のときには出会わせた季語で詠みますが、あとで推敲するときにもっと適切な季語、類季語はないかを考えて必要なら変えてもいいのです。なぜなら俳句は報告文ではなく芸術作品だからです。ただし度が過ぎると虚構になりますので節度は必要です。

2023年9月4日

中級者が陥りやすい落とし穴

コメントを書く Feedback

初心者の句は奇をてらったり、受けを狙うというよう技巧がなく、純粋な感動を素直に写生しているので表現は未熟であっても添削して採れます。

ところが俳句のイロハが少しわかるようになってくると、平明に詠むことに飽きたらなくなりひねり癖がでて虚構に傾き始めます。こうした作品はたいてい鼻持ちならない独りよがりの作品となるので、とうてい採れないのです。

これは大抵の入門者が通る道で初学時代の私もまた例外ではありませんでした。

残念なのは、正しい鑑賞眼を持たない同類の人たちが共感してそうした作品を選んでしまうということ、そしてさらに苦慮すべきは、[互選高点句=佳句] と勘違いする初心者がそうした詠み方を真似てしまうことです。

最近の毎日句会ではその傾向が目立つので憂慮しているのですが、こうした悪癖はできるだけ早期に気づいて軌道修正しないと上達の芽を詰んでしまいます。

互選で高点を得ているのに「みのる選」没なのは何故?

と気づかれた方は、ぜひ初心に返ってその原因を復習してみてほしいです。

2023年9月2日

TOPページイメージ画像

コメントを書く Feedback

少しでも爽やかな気分にと考えて、TOPページのイメージ画像を5秒間隔で自動切り替えするようにしてみました。

NHKの朝ドラ「らんまん」にちなんだものが中心で現在下記の10種10枚です。

  • バイカオウレン
  • ムジナモ
  • アズマイチゲ
  • ムラサキカタバミ
  • シュウカイドウ
  • オオバコ
  • サクラタデ
  • ネジバナ
  • ツユクサ
  • サギソウ

PS:20230907
スライドショー式の切替をやめて、リロード(再読込)のごとに画像を差し替える仕様に変更しました。

2023年9月1日

正しい学びの姿勢

コメントを書く Feedback

テレビで「プレバト」を見て面白そうだから…

と一念発起し、いきなり闇雲に句を詠みはじめる人が多いですが…これではいくら多作しても上達は望めません。ゴールの光が見えない闇の道を走り出すのと同じです。

大事なのは、まずどんな句が詠みたいのかという目標(ゴール)を定めて、お手本となる作者の作品を暗唱できるくらいまで繰り返し読むこと。これが俳句をはじめるための最低条件です。

一日一句の添削日記に「 正しい学びの姿勢」という記事を書きました。ぜひお読みください。

過去の日記一覧

 日記一覧  日記ダイジェスト