2018年8月の日記

2018年8月29日

添削で学ぶ目的

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テレビ番組「プレバト」をご覧になって俳句に興味を持たれ GHの無料添削を申し込んでくださる方が増えています。とても感謝なことなのですが、添削の目的を正しく理解されずに闇雲に作品を送ってこられ全没が続くとそれっきり…という方も多くとても残念です。

標題のテーマは何度も申し上げているのですがとても大事なことなので重ねて書きます。添削の訓練でいちばん大切なのは的確な写生術を身につけることです。

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

ノーベル賞作家、川端康成の代表作「雪国」の冒頭に出てくる有名な一節は誰でも知っていると思います。 この文章を読むと、自分の乗った汽車が長いトンネルを抜けて真っ白な雪国に出る様子を具体的に思い浮かべますね。川端康成の作品「 古都 」も写生文のお手本だからぜひお読みなさい…と、先生から言われて何度も読みました。

詳細は省略されていて焦点だけを具体的に写生してあるので読む側の感性によっていくらでも連想が広がっていきます。これが写生術の基本なのです。俳句においても感動の焦点を絞りそれを具体的に写し取る訓練がとても大事なのです。

初心者が人事句や心象の句を詠んでも大抵は陳腐に終わります。そしてそうした作品をいくら送ってこられても添削のしようがないのです。 添削で学ぶ間、少なくとも一年間はそれらを詠むことに封印をして写生に徹して頑張ってください。

写生の訓練を重ねることで、写生表現のなかに仄かに主観を包み込む…そういうような素敵な作品を詠むことできるようになります。

2018年8月23日

8月 WEB句会

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今週の土曜日(25日)から8月度の WEB句会の投句受付がはじまります。今回は自由題ではなく兼題(秋草全般)が決められていますので注意してください。

秋草というのは、秋に花が咲く草本の総称です。一般に尾花(ススキ)、桔梗、女郎花、藤袴、葛、萩、菊などを指すますが、俳句では、草の花、千草(八千草)という使い方も多いです。

兼題句会のポイントとしては、季語の説明をしないで取り合わせの句を詠むことです。秋草は基本野外に咲いているので説明がなければ舞台装置としては野原や畦道、山道ということですね。また説明のない季語は旬であることが前提です。つまり秋草であれば、それは既に花が咲いている状況を演出するのだということを意識しましょう。

取り合わせの例句として俳友であった森本佳子さんの作品を揚げておきましょう。

迷はねば来る道でなし吾亦紅 佳子

2018年8月19日

歯に詰まらせずにトウモロコシを食べる技

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トウモロコシはやっぱりハーモニカを吹くように丸かじりで食べたいですよね。でもなぜか歯に詰まるので食べた後に必ず爪楊枝が必要です。

なにか良い方法はとネットで検索するといろいろ裏技がヒットします。スプーンや箸とかでほぐしとったりというのが多いですが風情としてやはり齧りたいです。

そこで、我が家でよくやっている極秘技を紹介します。

  1. まず茹でたトウモロコシを5センチ位の幅で輪切りします。
  2. 切ったトウモロコシを親指を下にして縦に持ちます。
  3. 大きく口を開け上に前歯を当て、下の歯で下から上に削り取るように食べます。
  4. 上の歯は使わず、くるみ割り人形になったつもりで下の歯だけでガーッと。

詳しくは下記のリンクの記事が写真付きで分かりやすいです。

http://dakekimi.jugem.jp/?eid=92

バーべキューのときは、予めこのサイズに切って焼くといいです。ぜひ試してください(^o^)

2018年8月17日

爽やかな朝

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今朝のみのる庵の廃部屋の室温は26℃、爽やかな風が窓に通ってきます。窓の外に目をやると青く澄んだ空にのんびりとした感じで白い雲が浮かんでいます。紛れもなく秋を実感します。やっぱり俳句のある生活は幸せですね。

書淫の眼雲に遊べる秋思かな みのる

2018年8月16日

歴史的仮名遣いに慣れる

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伝統俳句では歴史的仮名遣いを使うことが慣例になっています。

初学1年未満くらいまでならそれほど気にされなくてもいいですが、ベテランの方がいつまでも無頓着のママというのは感心できません。「仮名遣いが間違っている句は採らない」という厳しい選者もいらっしゃいますので、基本的には常に歴史的仮名使いを意識して作句するように習慣づけましょう。

インターネット句会の場合、パソコンを使ってキーボード入力するので、意識しないとそのまま現代仮名遣いで変換されます。投稿するときにかならず確認するように習慣づけましょう。

送り仮名の場合は、国語辞書で簡単に調べることができます。

おも‐う
おもふ 【思う】

体言の場合のそれは難しく覚えて慣れるしかないですが、私の場合はよほどの理由がない限り漢字をあてるようにしています。

てふ【蝶】、あぢさゐ【紫陽花】、あひ【藍】、あふぐ【仰ぐ】、をしへ【教え】

もうひとつの約束として歴史的仮名遣いにおいては拗音、促音は適用しないということです。そもそも拗音、促音というのは現代仮名遣いのルールだからです。

ようおん【拗音】
一音節であって、「キャ」「ショ」「ニュ」「クヮ」などのように、ヤ・ユ・ヨ、またはワを添えて(普通小さく書く)書き表されるもの。

そくおん【促音】
「きって(切手)」「いっしん(一心)」「けっか(結果)」「ラッパ」などの、仮名「つ」「ツ」を小さく書いたもので表される部分の音。つまる音。

前述のとおりパソコンの変換は現代仮名遣いなので拗音、促音ルールが適用されます。こちらもなるべく意識して修正するようにしましょう。

【歴史的仮名遣い=文語、古語】ではないので勘違いしないようにしましょう。【伝統俳句=文語、古語】と決めつける時代は終わりました。 今日では文語を使うか口語を使うか、古語を使うか現代語を使うかというは、俳句表現のバリエーションとして自由に扱われる時代だと私は思います。ただし、一句の中でこれらが入り交じるというのは論外です。

2018年8月15日

右脳俳句(3)

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俳句を詠む上で最も大切なのは季節感だと書きました。その季節感を演出するのが季語なのです。分かりやすい例を揚げてみましょう。

初紅葉、早紅葉、薄紅葉、濃紅葉、照紅葉、谿紅葉、散紅葉、夕紅葉、雑木紅葉…

あなたは、これらの季語のほんとうの意味(本質)を全て的確に説明できるでしょうか。季語の説明だけではなくて実感された体験があるでしょうか。桜という季語もまたしかりです。

花、桜、初桜、糸桜、枝垂桜、朝桜、夕桜、庭桜、牡丹桜、落花、花筏…

ここまで説明すればもうお解りですね。紅葉を見て「ああ、紅葉だ…」、桜を見て「ああ、桜だ…」としか感じられなければいくら右脳を働かせようとしても限界があります。いかに多くのバリエーションを知っているか、且つそれらのもつ本質を実体験しているかということが大切なのです。

春に降るから春の雨、秋に吹くから秋の風というような単純な定義ではなく、もっともっと深い季語の本質というものがあるのだということを学ばなくてはいけません。

何度も例に出していますが、春に見たから「春の鴨」なのではありません。春の鴨(残り鴨)は、冬に見るそれとは全く別の季感だということをしっかり理解してほしいのです。季語の本質を理解していれば、春の鴨が陣をなす…というような写生はありえないからです。

季語のバリエーションを知るだけなら歳時記や季寄を見て覚えればいいだけです。でも、知識として覚えていても感覚として身についていなければ実際に句を詠むときに右脳からは出てきません。

右脳俳句を実践していく上で最も大事なのは、知識として覚えた季語を感覚として右脳へ溜めこむことです。その訓練として最適なのは句の鑑賞です。著名な作家の句集を詠んで琴線に触れた作品からその季語の用法を学び取るのです。

2018年8月14日

俳句と宗教

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現在の日本における宗教の現状を、シンクレティズム(重層信仰)だという指摘があります。これは、仏教、神道、キリスト教などのいくつかの宗教を、生活・文化の場面で合わせ持つ在り方を意味するものだそうです。

お正月には晴れ着を着て家族そろって神社に詣で、若い人たちは結婚式をチャペルで挙げる。しかし家族が亡くなればお寺さんにお葬式をしてもらうという、ある意味で最も一般的な日本人の生活習慣と言えるのではないでしょうか。

私自身は聖書の神様を信じるクリスチャンですが、こうした宗教の現状を不純粋な在り方として捉えるのではなく、むしろ宗教・文化の多様性の中にあって、現在の日本人がお正月、お盆、クリスマスといったさまざまな機会を通して、家族の絆や生きることの意味合いを確かめようとしているものであるとして肯定的に捉えたいと考えています。

『ゴスペル俳句』というサイト名は誤解されやすいですが、特定の宗教に偏るのではなく見えざる摂理によって育まれている生命の尊厳を賛美する詩でありたいと願っています。どの宗教であっても倫理としては尊く、培われてきた歴史や文化もまたそれぞれ素晴らしいと思うからです。

2018年8月11日

となりのトトロ

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日テレ系のテレビ放送(関西では10チャンネル)に金曜ロード SHOW!という番組があるのですが、夏休み特集としてアニメまつりという企画をしています。

金曜ロード SHOW! となりのトトロ

来週(8月17日)は「となりのトトロ」が放映されます。

公開されたのは30年前、子育て真っ最中の頃でした。 漫画やアニメは、俳句の遊びごころを養うのにも役に立ちます。録画しておいてお孫さんと一緒に見ると愉しいですよ(^o^)

どんぐりで作る小トトロ大トトロ  みのる

2018年8月9日

お墓参り

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昨日は大阪府高槻市にある父母の墓参りに行ってきました。例年は阪神高速3号線と名神を乗り継いでマイカー移動するのですが、今年は3月に開通した新名神を通りました。

新舗装且つ交通力も少なくよく空いていたので実に快適なドライブを楽しみました。道中の殆どは山峡を縫う山岳コースで素敵でした。 神戸の自宅を出て高槻 JCTまで約1時間でした。川西までなら30~40分ですから、箕面や池田方面への移動にも便利になりました。

2018年8月7日

広島忌

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体調を崩して施設から病院へ入院していた家内の母は、順調に回復して広島原爆記念日の昨日無事施設に戻りました。

昭和3年生まれの母は今年で90歳になります。昭和20年8月6日原爆投下当日、市内から3Kmほど離れた工場の事務所で被爆したそうです。 幸い顕著な原爆症も発症せず苦労はあったけれど幸せな人生だったと述懐していました。

母のお見舞いのために4日に広島へ移動しましたが、猛暑のさなか山陽道や広島の街中には「市の花」夾竹桃が一斉に咲き誇っていました。

被爆当時、草木が生えるまでに数十年かかるといわれた中で夾竹桃はいち早く蘇って、市民に復興への勇気と元気を与えた。

ネット検索で調べるとこのように書かれていましたが、母は夾竹桃が咲くとその当時を思い出すから大嫌い…とよく言っていました。

6日の夜に放送された NHK広島放送局開局90年ドラマ『夕凪の街 桜の国2018』 を見ました。 伝えられた史実として知るだけの私達と実際の被爆体験者とでは、その思いの重さ、深さが根本的に異なること、次元が違うのだということを再認識しました。

わが妻は被爆二世やヒロシマ忌 みのる

2018年8月5日

蝉の穴

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懐かしい油蝉


蝉の穴

神戸あたりではすっかり見かけなくなった油蝉を広島の実家で見つけました。私の小学生時代にはクマゼミ一匹と油蝉八匹を交換していましたが、今では逆転しています。今年は特に例年よりも落蝉の数が目立ちます。これも猛暑の影響なのでしょうかね。

蝉の穴金輪際というふことば みのる

2018年8月4日

広島に来ています

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今朝神戸を出発して広島にいています。

施設の母の体調が悪く病院へ入院になったのでお見舞いを兼ねて帰省しました。幸い大事なく退院の見通しもついたので一安心です。

広島からでも GHの更新ができるように自動化プログラムを見直したのでそのテストを兼ねて日記を更新しています。明日は、みのる選に挑戦します。

2018年8月1日

WEB句会試運転の結果

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全自動モードで試運転をした結果、何とか実用できることが確認できました。ご協力を感謝します。

課題は、使われる端末によっては投句の訂正機能が動作しないことです。iPad/iPhone では訂正機能が有効にならないことが確認できていますが原因究明に至っておらず未解決です。

5句まとめて連続投句すると清記で隣り合う確率が高くなることもわかりました。1句ずつ時間をあけて投句するなどの工夫をすればリスクを避けることができます。自分の句が隣り合っても気にならなければその必要はありません。

8月は兼題 [秋草全般] で句会を実施します。

季語の説明句ではなく取り合わせの句に挑戦して見て下さい。取り合わせの句は意外と難しく季語が憑きすぎてもいけないし離れすぎてもいけません。具体的には以下の例句が参考になると思います。季語自身は自己主張せず一幅の絵の背景として働いていることに着目してほしいです。

紺碧の海展けたる野菊かな
末枯の野良猫われに媚びにけり
温泉を運ぶパイプなるべし草紅葉

兼題で句を詠むには季語のもつ本質をよく研究することが最も重要です。ことば遊びの虚構を構築するのではなく吟行で溜めた数多の記憶を呼び起こして創作します。常識的な思考を飛び越えて心を遊ばせましょう。三振かホームランか…の冒険句を詠んで挑戦してみて下さい。

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