新しい歌を主に向かってうたえ。

(詩篇 96篇1節)

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2019年3月20日

中山寺吟行


昨日の定例句会はあいにくのお天気でしたがあまりひどく降らず、"雨もまた良し" の愉しい吟行句会でした。初参加の素秀さんと葉月さんを加えて久しぶりに20名句会となり充実しました。吟行地のすぐ近くで句会場が確保できるのはとてもゆっくりできて良かったです。労をとってくださった宏虎さんに感謝します。

よう子さんの句、「紅白に青海波なす梅の丘」に、

"青海波(せいがいは)"

ということばを教わりました。中山寺の満開の梅の丘を写生するたびにいつもあれこれとことばを模索していましたが、この措辞で言い尽くせますね。素晴らしいです。

みのるの近詠もアップしておきましたので御覧ください。

近詠:中山寺

2019年3月11日

4月26日(金)奈良吟行


奈良学園から正式に直哉旧居での句会許可書が届きました。楽しみですね。取り急ぎ、吟行案内にも載せています。乗換案内を調査して近鉄奈良駅での集合をもう少し遅くするかもしれません。

4月26日(金)奈良吟行のご案内

交通費は1dayチケットを購入される方が格段に便利です。大阪や鶴橋からでは格安のメリットは少ないですがバスの乗り降りなどがスムーズですのでぜひ購入をお勧めします。詳細情報は吟行案内に追加します。

3月19日(火)の中山吟行は初参加の方が数名予定されています。みのるが一緒にご案内してアドバイスする予定ですが、親睦配慮として同行いただける方を歓迎します。

2019年3月10日

今週のみのる選から


最近の毎日句会の投句は、新しさに挑戦した冒険句が増えていてとても頼もしく思います。

ただ奇をてらい過ぎると狙いが見え見えで詩情のない陳腐な作品になりがちです。また対象をしっかりと見ずに詠んだ作品は具象性にかけるので実景が見えてきません。ことばで風景画を写しているのだという意識を忘れないようにしましょう。

今週は、そうした点を復習していただくためにあえて強添削したものもあります。また高点句の中に既出の句や類想がありました。それらもあえて採りませんでした。併せてお赦しください。

原:初蝶や地蔵の肩に止まりける
添:初蝶来野辺の地蔵の肩の上に

お地蔵さんが何処におられるのかを写生することで実景が見えてくる。

原:園児にも幹にも名札梅の園
添:園児らは名札に興味梅の園

原句だと梅でなくてもよくなる。梅には雅な名前が多いので園児たちの好奇心は花より名前だ…とすると梅の園が活きてくる。

原:春泥を軽く越へるやハイヒール
添:春泥を大股で越ゆハイヒール

"軽く" ではなく具体的な動作を写生してほしい。ハイヒールでジャンプはないと思うので "大股" にしてみた。

原:新道を知らぬカーナビ山笑ふ
添:道なき道走るカーナビ山笑ふ

カーナビの画面の様子を具体的に写生することで滑稽味が生まれ "山笑ふ" の季語につながる。

原:造形美若草山の焼け残り
添:虎刈りに若草山の焼け残る

"造形美" を具体的に。"虎刈り" が適切がどうかは別問題なのでいい措辞があれば置き換えてください。

原:その昔銀精錬所あせび咲く
添:精錬所跡の荒れ地にあせび咲く

鉱山の町の盛衰を知っているであろう馬酔木に心を通わせて詠みたい。揚句の場合、金銀銅などの区別は必須ではないので 具体的な措辞として "荒れ地" を加えた。

原:改修を終へたる屋根に春日燦
添:復興を終へたる屋根に春日燦

"改修" ではただの普請の意になるので季語の "春日" が動く。

原:日当たりの所為かも梅に遅速あり
添:日表と日裏の遅速宮の梅

情景にもよるが揚句の場合は断定したほうが実景が見えて強い句になる。場所も判るほうがなお良い。

原:遠足の児らを吸ひ込み電車発つ
添:遠足の児らを吐き出す電車かな

実景なのでやむを得ないが、時間経過の写生が気になる。瞬間写生にするために真逆にしてみた。ごめんなさい。遠足子たちの嬉々とした勢いを写生したほうが季語が活きて佳句になると思う。

原:春愁や自転車引いて堤歩く
添:春愁やパンク自転車引き帰る

なぜ自転車を引いているのかを言わないと季語の春愁が動く。

原:山菜の此処が宝庫や野に遊ぶ
添:山菜の宝庫深山の野に遊ぶ

此処が何処なのかを補足したほうがより実景を連想しやすい。

どの作品も佳句なのでみのる選に採りました。決して添削例のために採ったのではないので誤解のないように…

2019年3月4日

互選の意味


俳句ライフの一番の楽しみは仲間と一緒に吟行することです。そして吟行の後の句会はその何倍も愉しいですね。

句会の互選で良い成績が得られたときはルンルン気分で家路につけます。でも、そうでないときもあります。そんなときは気分も落ち込んで足が重くなります。そんな塞いだ気分を払拭するヒントを虚子俳話の中に見つけたのでご紹介しましょう。

句会の互選

句を作った当座はその句の善悪は判りにくい。かなりな句であるように思っていたものが月日が経って後に見ると、詰まらぬ句であることが多い。作る場合は或る一事にこだわって、その事をいい終せて多少得意であるというようなこともあるが、そのある一事というのが後で考えてみると詰まらぬことであったりする。

また措辞が不充分であって言おうと思ったことが充分に出ていなかったりする。つまり熱した制作と冷ややかな鑑賞とは同時に成り立たぬ。それが他人であるとすぐ判る。句会などで、自分の句が他人の選に這入らなかった場合は、十中八、九はそのが正しいとせねばならぬ。そういう意味で句会の互選というものもまた馬鹿にならぬ。

しかし句会の互選というものも或水準以上になると役に立たぬ。或る水準以上の句は, 水準以上の人でなければ選む事が出来ない。そういう場合は他人の選に入らなかったことがむしろその作者の誇りとなるわけだ。けれどもこれは十中一、二かもっと少ない場合である。

(昭和24年6月) - 高浜虚子著 「立子へ抄」より -

実に真理をついたお話ですね。

自分の作品を冷静に自己評価することは難しけれど他の人の作品の場合は、よく判る…という説は、選句の大切さを説かれる虚子先生ならではの分析だと思います。

初めてこの俳話を読んだのは私が結社で懸命に活動している頃でした。かれこれ三十年を経た今、もう一度読み返してみて、最後の段落は虚子先生のウイットに富んだ落ちだと思へるようになりました。

そうなんです。自信作が互選で支持を得られなかったときは、十中一、二に該当するのだと思へば落ち込まなくていいということです(^o^)

結社活動は、成績を競い合うことで切磋琢磨するので上達も早いです。でもそのために大切な人間関係まで歪んでしまっては本末転倒です。上昇志向を持つことは悪いことではないですが成績の虜にならないことが大切です。いつも謙虚にプラス思考で楽しみましょう。

2019年3月1日

梅日和


今日は高砂の落穂句会で梅の名所曽根天満宮を吟行しました。

昨日の雨も上がって青空のもと満開の梅を堪能しました。梅に集まる野鳥を撮ろうと望遠レンズをつけたカメラグループ、施設の人らしい団体など大賑わい、近隣の園児らも遠足にやってきて歌を唄ってくれたりと元気をいただきました。今日の一期一会に感謝!

園児らの無垢の瞳に梅真白 みのる

近詠もアップしましたので御覧ください。

近詠:曽根天満宮の梅

2019年2月28日

選句は実力のバロメーター


昨日は家内の4回目の抗癌治療でした。全8回の治療なのでようやく折り返したことになる。辛くて続かない人もいると聞いていたが、家内の場合はそれほどでもなく元気にしているので感謝です。

さて、今日も、「立子へ抄」から一緒に学んでいきましょう。

俳句の選という事は、俳句を作るという事と相並んで重きをおくべきものである。句会の席上でも作句に努力する人はかなり多いが、選句に努力する人は余り沢山ない事を実は残念に思って居るのである。中には自分の前に廻ってきた句稿を取上げて自分の句が句稿にあるかないか、という事に気を止めるくらいでさっさと次へ廻してしまうような無責任な人もある。こういう人は一生かかっても選句が上手にならぬばかりか作句の進歩も覚束ないものである。

選という事に深く意を払って自分の作句の拙かったのを恥ずるが如く、自分の選の拙ずかった事を恥ずる位に心掛ける人でなければ駄目である。

句会の席上で私の選句にのみ重きを置くのは間違って居る。苦心して選をする人であるならば自然その選の中にその選者の傾向、好尚等を看取する事が出来る。作句に接してその人の風貌を懐かしむ如く、その選句に依ってその人の好尚を看取すべきであろう。

(昭和8年7月) - 高浜虚子著 「立子へ抄」より -

ひいらぎの句会で互選披講中の紫峡先生の様子を観察したことがあります。先生は静かに目を閉じてじっと披講に耳を傾けておられた。句会のあとお茶に誘ってくださった時に、

「互選を聞かれながら先生は何を考えておられるのですか?」

とお聞きしたら、

誰がどんな選句をしているかを注意深く聞いていると、その作者の成長の度合いがよく分かる。 選句力は作句力の裏返し、まぐれで佳句を授かることはあるが、まぐれで良い選をすることはできないから…

と言われました。その時からそれまでの自分の選に対する認識、態度を反省して改めました。

GHの毎日句会の選でも同じことが言えます。上手な人がどのような選をしているか、自分の選とみのる選との合致度はどうかということを分析して復習することはとても有意義なことだと思います。虚子先生の俳話からもわかるように、こうした地道な努力を重ねている人は上達も早いです。

2019年2月27日

吟行で詠む秘訣


私の愛読書の一として「立子へ抄」という文庫本があります。

虚子先生の次女星野立子氏が主宰された「玉藻」の創刊号から30年間書き続けられた「立子へ」は、俳句の作り方、読み方、折々の感懐、回想など虚子先生が興のおもむくままを記録した俳話集です。

今日は、吟行で句を詠むときの心がけについて書かれた一節をご紹介しましょう。

季題を見出す

吟行などの時分、また庭園などで写生する時分に、いちばん大切なことは如何なる季題がそこに存在するか、ということである。勿論さまざまな季題が其処に存在しているであろうが、そのうちで如何なる季題が一番今の心を引くか、ということである。実景に対しては先ず適当な季題を見出すということに心すべきである。その季題さえ見出し得れば、その季題と心とは旨く結びついて、句が出来るであろう。

季題のことを考えずに、俳句を作ろうとあせる人は無駄な時間を費やすことになる。

(昭和24年12月) - 高浜虚子著「立子へ抄」より -

虚子先生の言われる季題というのは、季語というよりも季感というほうが適切かもしれませんが、ややこしくなるので季語の意で説明を続けましょう。

俳句を始めたばかりの頃は、五感を駆使して感じる訓練ができていないのでどうしても目で見える季語が主体になります。でも忍耐強く吟行の訓練をしていると、聴覚、触覚、味覚、臭覚も併せて季語を探せるようになります。いちばん大事なのはこの季題を探すという訓練なのです。

つまり、季語に対して五感のアンテナを張るわけです。けれども実際に季題を見出そうとする時、実体験を通して自分の感覚として身につけたものしか役に立ちません。知識として覚えたそれは単なることばとして記憶しているだけなので、実景を詠もうとするときに心に響いて湧き出てくるということはないからです。

歳時記で目新しい季語を見つけたから…というような理由でお試しで使う人がいます。新しさを追求することは大切な姿勢ですが、実感として身についていない季語に頼んで佳句が授かるということはあり得ないのです。

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