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過去一覧 合評の心がけ

土不踏さすりて老の日向ぼこ ひとこと 合評を書く

やまだみのる  

(つちふまずさすりておいのひなたぼこ)

合評

玻璃窓をノックしてをる冬芽かな ひとこと 合評を書く

やまだみのる  

(はりまどをノックしてをるふゆめかな)

合評

出庫する電車に霜の線路かな ひとこと 合評を書く

やまだみのる  

(しゆつこするでんしやにしものせんろかな)

合評

逆縁の恨み辛みを炉に語る ひとこと 合評を書く

やまだみのる  

(ぎやくえんのうらみつらみをろにかたる)

合評

演説士握り拳をあてて咳く ひとこと 合評を書く

やまだみのる  

(えんぜつしにぎりこぶしをあててせく)

寒々しい朝の駅頭で懸命に政策を訴えている若き政治家の姿です。連日の演説で疲れているのか少し風邪気味なのか、時々突き上げた握りこぶしを口にあてて咳き込んでいます。道行く通勤人はみな忙しそうに足を運び、立ち止まってその声に耳を傾けるとこともなく、むしろみな無視しているかのようで気の毒でした。

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白息に誦す鎮魂の一碑あり ひとこと 合評を書く

やまだみのる  

(しらいきにずすちんこんのいつぴあり)

広島の平和公園で詠んだ句だと思うけれど、大阪池田の久安寺にも心に悼む碑がある。

『閃光の記憶に鶴を折りつづけ』俳句として詠まれたものかどうかは定かではありませんが素直な17文字で綴られたこの詩にも同じような感動を覚えました。鶴が季語なら冬季の句ということになりますが、折鶴に季節感はありません。けれども閃光の記憶という措辞から連想すれば、原爆犠牲者の冥福を祈る鎮魂の詩ではないかと想像でき、季語としての表記はありませんが「原爆忌」としての季感を秘めている良い俳句だと私は思います。

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碧落に孤高の鳶や冬晴るる ひとこと 合評を書く

やまだみのる  

(へきらくにここうのとびやふゆばるる)

冬晴に威風堂々と聳える高嶺をうち仰いでいたとき、更にその天辺に青空高く舞ういっぴきの鳶を見つけた。"あそこに鳶がいるよ!" と句輩に指差喚呼するのだけれど、"どこどこ?" となかなか見つけられない。まさに孤高の鳶だと思った。

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