みのる:確かにセコイアとメタセコイアとは違うみたいですが句材で詠まれるのはメタセコイアが多いです。そしてむべ解にあるように俳句ではセコイアと省略して詠まれます。黄葉したり芽吹くという現象は基本的に落葉樹にしかないので全体の句意からそれを区別します。芽吹きを詠んでいるので揚句はメタセコイアのことでしょうね。句意はみなさんの鑑賞のとおりですね。

むべ:セコイアとメタセコイアが異なる属で、常緑樹と落葉樹の違いがあることを康子さんの講評で初めて知りました。メタセコイアは6音も使うためセコイアと略して詠んだことがあったような…青くなりました。さて、セコイアの春先の芽吹きは、繊細で精緻なレース編みを思わせるものなのでしょう。太く高い幹とのギャップの妙を感じます。春の芽吹きを自然も作者も喜んでいることが伝わってきます。

康子:調べてみたところ、メタセコイアは落葉樹でセコイアは常緑樹なのですね。セコイアは春になると小枝の先に新しい枝が伸び、その左右に細い葉が並ぶ、とありました。空を背景に、新芽の伸びている様子がまさにレース編みのように繊細だったのでしょう。その気づきに感服です。芽吹きの季語に軽やかなレース編み、その取り合わせにより優しい春の訪れを感じる御句でした。

澄子:セコイヤは太い幹で支えられた高木ですが 空を透かしてみえる無数の細かな小枝は繊細で その小枝が重なる様を繊細なレース編みと喩えられたのでしょうか。全体が淡く煙るような繊細な芽吹きの雰囲気がよく伝わってきます。

よし女:セコイアの並木は山口維新公園にもあります。その葉について調べてみると「葉は扁平な披針形で二列状に付く」とあります。芽吹きの頃は優しく柔らかく言われてみると確かにレース編みのようですね。この形容が素晴らしいと思います。長く懸命に観察していないと出てこない言葉ですね。