2024年6月

目次

山椒魚岩とみまがふ面構へ ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(さんせううをいはとままがふつらがまへ)

合評

ここよりは一輌電車谿若葉 ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(ここよりはいちりやうでんしやたにわかば)

合評

梅雨晴間花壇に虻の躍如たり ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(つゆはれまかだんにあぶのやくじよたり)

  • 虻は蝿の仲間で、蜂は蟻の仲間。
  • 蜂はおしりの毒針で刺し、虻は鋭い口器で皮膚を切り裂き流れ出る血液を吸います。
  • 虻が蜂に似ているのは、天敵から身を守るための擬態とも言われています。
  • 虻は巣をもたないため攻撃性は弱いので刺激せずにそっと距離を保てば大丈夫。

合評

朝涼しサラダは今日も庭の幸 ひとこと

臼井菜々  

(あさすずしサラダはけふもにはのさち)

合評

紅緒蹴り出しては踊る炭坑節 ひとこと

臼井菜々  

(べにをけりだしてはをどるたんこうぶし)

  • 【紅緒】とは紅色の鼻緒のこと

合評

鎮魂のごと日照雨過ぐ原爆忌 ひとこと

臼井菜々  

(ちんこんのごとそばへすぐげんばくき)

合評

蝉時雨背に降りかかる札所道 ひとこと

臼井菜々  

(せみしぐれせにふりかかるふだしよみち)

合評

生身魂勝手つんぼと笑ひけり ひとこと

臼井菜々  

(いきみたまかつてつんぼとわらひけり)

合評

秋めくや庭に日ぐせの通り雨 ひとこと

臼井菜々  

(あきめくやにはにひぐせのとほりあめ)

合評

鰯雲丘の上より弥撒の鐘 ひとこと

臼井菜々  

(いわしぐもおかのうえよりみさのかね)

合評

池の面は合はせ鏡や松手入れ ひとこと

臼井菜々  

(いけのもはあはせかがみやまつていれ)

合評

一燭にゆらぐみほとけ堂の春 ひとこと

臼井菜々  

(いつしよくにゆらぐみほとけどうのはる)


秋篠寺の技芸天

合評

全開す礼拝堂に芽木の風 ひとこと

臼井菜々  

(ぜんかいすれいはいどうにめぎのかぜ)

合評

いぶし銀なる宝冠や古ひひな ひとこと

臼井菜々  

(いぶしぎんなるほうくわんやふるひひな)

合評

校庭の大楠仰ぐ卒業子 ひとこと

臼井菜々  

(こうていのおおくすあふぐそつげふし)

合評

林立す帆柱の空鳥帰る ひとこと

臼井菜々  

(りんりつすほばしらのそらとりかえる)


新西宮ヨットハーバー

合評

若葉風緇衣ひるがへし帰山僧 ひとこと

臼井菜々  

(わかばかぜしえひるがへしきさんそう)

合評

橋裏が秘密基地らし夏休み ひとこと

臼井菜々  

(はしうらがひみつきちらしなつやすみ)

合評

松籟の序破通ひくる夏座敷 ひとこと

臼井菜々  

(しようらいのじよはかよひくるなつざしき)

合評

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