2024年3月

目次

船端をたたきし波の音涼し ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(ふなばたをったきしなみのおとすずし)

合評

ゆさゆさと担ぎもどりし星の竹 ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(ゆさゆさとかつぎもどりしほしのたけ)

合評

滴れる山の駅舎は丸太小屋 ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(したたれるやまのえきしやはまるたごや)

合評

去ぬ子らの尾灯滲ませ秋時雨 ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(いぬこらのびとうにじませあきしぐれ)

合評

秋澄むや堰落つ水のしろがねに ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(あきすむやせきおつみずのしろがねに)

合評

月の浜松影濃ゆく落としけり ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(つきのはままつかげこゆくおとしけり)

合評

母の里訪へばコスモス浄土かな ひとこと 合評を書く

臼井菜々  

(ははのさととへばこすもすじやうどかな)

合評

台風来任地の吾子を案じけり ひとこと

臼井菜々  

(たいふうくにんちのあこをあんじけり)

合評

縁結び絵馬犇めける菊日和 ひとこと

臼井菜々  

(えんむすびえまひしめけるきくびより)

合評

石蕗日和つくばゐは今バードバス ひとこと

臼井菜々  

(つはびよりつくばゐはいまバードバス)

合評

フレームの天井支ふ椰子高し ひとこと

臼井菜々  

(フレームのてんじやうささふやしたかし)


大阪鶴見にある大温室「咲くやこの花館」多分此処のことだと…

合評

風花し丹塗りの宮を荘厳す ひとこと

臼井菜々  

(かざはなしにぬりのみやをしやうごんす)

合評

春光を撒き散らしゐる庭雀 ひとこと

臼井菜々  

(しゆんくわうをまきちらしゐるにはすずめ)

合評

総玻璃のビル春光を弾きけり ひとこと

臼井菜々  

(そうはりのびるしゆんくわうをはじきけり)

合評

一幅は唐の名墨床の春 ひとこと

臼井菜々  

(いつぷくはとうのめいぼくとこのはる)

合評

うぐひすにお隣さんの窓も開く ひとこと

臼井菜々  

(うぐひすにおとなりさんのまどもあく)

参考に動画を貼っておきます。上から地鳴き(笹鳴)、初鳴き(初音)、名調子(老鶯)

合評

鼻めがね落つるに任せ春眠し ひとこと

臼井菜々  

(はなめがねおつるにまかせはるねむし)

合評

さざ波の消ゆれば現るるつつじ影 ひとこと

臼井菜々  

(さざなみのきゆればあるるつつじかげ)

合評

風薫る標高千の吊り橋に ひとこと

臼井菜々  

(かぜかをるへうかうせんのつりばしに)

六甲山牧場の吊橋

合評

ここにある氷室の址や木下闇 ひとこと

臼井菜々  

(ここにあるひむろのあとやこしたやみ)

合評

初なすび洗へばきゆつと鳴きにけり ひとこと

臼井菜々  

(はつなすびあらへばきゆつとなきにけり)

合評

万緑と万緑つなぐ斜張橋 ひとこと

臼井菜々  

(ばんりよくとばんりよくつなぐしやちやうけう)

合評

梅雨最中糠床手入れ怠らず ひとこと

臼井菜々  

(つゆさなかぬかどこていれおこたらず)

合評

嫋やかに藻の花ゆらし鯉よぎる ひとこと

臼井菜々  

(たをやかにものはなゆらしこいよぎる)

合評

昏れてなほ空の青さよ半夏生 ひとこと

臼井菜々  

(くれてなほそらのあをさよはんげしやう)

合評

せみしぐれ二重窓とは思はれず ひとこと

臼井菜々  

(せみしぐれにぢうまどとはおもはれず)

合評

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