みのる:この時期の庭雀は日溜まりをジプシーして飛び回ります。啓蟄の虫などが動き出すのでそれを目あてに啄むですのですね。庭木の枝写りをしたりはたまた地に降り立ったりと羽うつのでそのたびに春光を弾く感じに映るのでしょう。

康子:「庭雀」によりご自宅でのゆったりした時間と分かります。雀が巣作りでもしていてお庭をあちこち動き回っているのしょうか。もしくは体がまだ白い雀の子供なのかもしれません。お庭の芝の光を受け、ぴょんぴょんと楽しそうにホッピングしている様子を「撒き散らしゐる」と表現しているのでしょう。空へと飛んでは戻り、まるで春光がそのまま飛び交っている、そして雀だけでなく辺り一面も春の日に光っている様子も浮かびます。「春光」をこんな風に表現する方法があるのか、と思いました。作者はお庭にお米でも撒いていたのでしょうか、そっと遠くから雀を眺めているお姿を想像しました。

澄子:中七「撒き散らしいる」(変換出来ず失礼します)…………秀逸で雀が絶え間なく動いている感じ それによってまた新たな一瞬一瞬の光陰が生まれゆく感じがよく捉えられていると思いました。雀は地面で種等を探しているイメージですが 斑日の下であればよりそんな感じになるのではないかと想いました。

かえる:雀が春光を撒き散らす、という様がイメージ出来ず色々な画像を見ましたが、雀が飛びあがろうとする瞬間に広げた羽が陽光に透けて輝くようなものがあり、庭で啄んでいた雀がなにかの拍子に一斉に羽ばたいたら、確かに光を撒き散らしゐるだなと想像しました。庭に雀がおっとりと散らばる様子は長閑で春そのもの。作者のお庭はお水やお砂が用意されていたりして、鳥の楽園なのかもしれません。

むべ:作者の庭で見かけた日常の一コマかなと思いました。中七「撒き散らしゐる」が非凡で、庭にやって来た雀の敏捷な動きにより、羽毛表面に輝く春光がキラキラ反射している様子がわかります。春のやわらかな陽光や、雀の地鳴きなどもありありと想像でき、平和な日常にもたらされた出会いに感謝している作者の心を感じました。