みのる:清流に生息するオオサンショウウオですがときに陸に揚がることもあるようでツチノコと間違われたりして大騒ぎになります。岩場の岩陰に擬態してじっと獲物を待つという習性なので見つけることも至難ですが、GHの箕面吟行で見つけてみなで詠みました。よし女解のあるように頭でっかちなサンショウウオの様子を「面構へ」と表現したところが非凡ですね。

康子:山椒魚、私は見たことがないので調べてみたところ、山間の渓流や湧水の中に生息していると分かりました。作者は清流を眺めているのですね。澄んだ川の底にふと動くものが!岩かと思っていたら顔をぬっと水面に出してきた。なんと山椒魚!という状況でしょうか。動画を見てみると愛らしいお顔でした。「面構へ」の表現によりそれを表している気がします。山間の涼しい風を感じる御句でした。

よし女:珍しい季語ですね。私も数回しかお目にかかったことはありません。山間の谷川に棲むとかで岩に張り付いていて岩との区別が付かず「みまがふ」の措辞になったと思います。最後の面構へがいいですね。乱暴なようでいて山椒魚をよく表していると思います。