2024年1月
目次
(ばんりよくのやまのたいないしようにゆうどう)
秋芳洞|秋吉台の地下に広がる日本屈指の大鍾乳洞
多分これではないかと思いますが、京都、滋賀、奈良、兵庫にも小規模なのはあるのでわかりません。
合評
(ふんすいいますいじやうバスをこのなかに)
作者が詠んだのは多分この噴水です。中之島公園東端の剣先にあるこの噴水は、10時~20時30分までの毎時0分と30分に約5分間水が噴き出します。
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水上から大阪を散策できる観光船「水上バス・アクアライナー」は、四季折々の風情を楽しめる大川(旧淀川)を中心としたエリアを運航。
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大正レトロビルの中央公会堂、桜の通り抜けで馴染みのある造幣局、大阪のランドマークである大阪城などを望むことができる。
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アクアライナーは天井にもガラス窓を使用し、存分に水上の散策が楽しめる。
合評
(つゆしげしねこのゐすわるかつてぐち)
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季語がどう働いているかを考察するのが鑑賞の基本…を忘れないように。
合評
(あおばかぜおしやべりはづむカフェテラス)
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木の芽風は早春で芳しく、若葉風は中春で頬に麗らかな感じを与えます。
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萌黄の若葉がしっかり青ずんでくると風薫る初夏になります。
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俳人は俗人とは違う繊細な季節感を持っているのです。
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その意味でいうと青葉風は風薫るとともに涼風にも通じる感覚ですね。
合評
(ありのみちまさかわがやのさとうつぼ)
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定年後第二就職した某大学の職員室でもよく似た事件が発生した。
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その道を辿るととあるお偉いさんの脇机の引き出しの中のスナック菓子でした。
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延々30m近い道のりでした(^o^)
合評
(みねぐもへコンビナートはけむりあぐ)
合評
(にはやさいまんさいカレーしよにたふる)
合評
大夕立町モノクロに一変す ひとこと
(おおゆだちまちモノクロにいつぺんす)
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モノクロとは、モノクローム(monochrome)を省略した言葉で意味は「単色」です。
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モノクロというと「白黒」を連想するかもしれませんが、白黒はモノクロのうちの一種です。
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赤や青、セピアなど、どんな色でも単色(1色)で印刷されていれば、モノクロと呼ぶことができます。
合評
蝉しぐれ耳朶豊かなる布袋尊 ひとこと
(せみしぐれじだゆたかなるほていそん)
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七福神とは、恵比須天、大黒天、毘沙門天、寿老人、福禄寿、弁財天、布袋尊の集まり。
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笑う門には福来る…の福の神として家に福をもたらしてくれる来訪神のこと。
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宝船に乗ってやって来て家々を廻ると言われている。
合評
モノレール曲りて西日避けられず ひとこと
(モノレールまがりてにしびさけられず)
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モノレールを「バス」「電車」に置き換えても一応意味は通じます。
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でもやっぱりこの句は「モノレール」でないと実感がありません。
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車窓俳句を詠むとき、バス、電車、新幹線、飛行機等々その特徴を捉えることが大事です。
合評
奥宮へ昼も小暗き露の磴 ひとこと
(おくみやへひるもをぐらきつゆのとう)
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露は、秋の季語のひとつです。
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秋分をはさんで白露と寒露があります。
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露はすぐ消えるので、はかないものの象徴として詠まれる例句も多いです。
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露の宿、露の袖、露の世、露の身などがそうです。
合評
一片の雲を台座に望の月 ひとこと
(いつぺんのくもをだいざにもちのつき)
合評
村豊むと見たり稲穂の黄金波 ひとこと
(むらとむとみたりいなほのこがねなみ)
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感覚的な鑑賞に終わらず、一幅の絵として連想し具体的な景を思い浮かべましょう。
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曖昧な感動ではなく具体的に感じる訓練が作句にも生かされてきます。
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具体的な写生を学ぶ…という意味では、川端康成の小説「古都」は秀逸です。
合評
湯煙かはた夏霧か山の宿 ひとこと
(ゆげむりかはたなつぎりかやまのやど)
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はた(将)…は古語で、「もしかすると。ひょっとして」「あるいは。それとも」等々の意味があります。
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たった二文字なのに味わい深いですね。
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青畝先生の句に「月山かはた白雲か鳥渡る」があります。
合評
喉元へまろぶ真清水涼新た ひとこと
(のどもとへまろぶましみずりやうあらた)
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俳句の季節眼についてのお勉強です。
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夏暑く冬寒いのはあたりまえ。それを詠んでも報告になりがち。
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滝、噴水、清水、等々が夏とされるのは涼しさを感じるから。
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夏は涼しさを、冬は暖かさを見つけるのが秘訣。
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窓涼し、卓涼し、笑み涼し、声涼し、音涼し、樹下涼し、等々無尽蔵です。
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これらにぴったりな情景を見つければ一句になる。
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同様に春は麗らかさを秋は爽やかさを見つけるとよい。
合評
画架たつる豆画伯らに牧は秋 ひとこと
(がかたつるまめがはくらにまきはあき)
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秋の牧…ではなく、牧は秋…とした表現に学びましょう。
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あたかも牧に意思があるかのように感じます。
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これが青畝師のいう「命を写す」ということではないかと思う。
合評
売店はサイロの形牧うらら ひとこと
(ばいてんはサイロのかたちまきうらら)
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十七文字の俳句では多くのことを一枚のカンバスに写生することが出来ない。
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ゆえに省略が求められる。
合評
イエス像翳す双手に小鳥来る ひとこと
(イエスぞうかざすもろてにことりくる)
合評
家居よし木犀の香に包まれて ひとこと
(いへゐよしもくせいのかにつつまれて)
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表面的に直訳するだけではなくて作者の小主観を探りましょう。
合評
酢橘搾る今宵家族の揃ふ卓 ひとこと
(すだちしぼるこよいかぞくのそろふたく)
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字余りは上級者がテクニックとして使う手法だと覚えてほしい。
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初学のうちは絶対に字余りは詠まないと決め定形にこだわりたい。
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十七文字であれば句またがりは気にしなくていいです。
合評
文化の日孫に教へる箸づかひ ひとこと
(ぶんかのひまごにおしへるはしづかひ)
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菜々さんの句集の作品は全て 参加後のみのる選のものです。
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語彙力を活かした格調高い詠みっぷりが彼女の特徴であり個性でもあります。
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今後吟行で詠む大切さに目覚めた菜々さんの作風が徐々に変化していきます。
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そうした視点でも鑑賞しつつ、自身の作風についても見極めていきましょう。
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二句一章は、取り合わせ、二物衝撃ともいわれます。
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雑魚寝なる二等船室秋の蝿、温泉を引けるパイプなるべし草紅葉
合評
星一つ寄せぬ孤高の冬の月 ひとこと
(ほしひとつよせぬこかうのふゆのつき)
合評
ひなたぼこ特等席はいつも猫 ひとこと
(ひなたぼことくとうせきはいつもねこ)
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「合評を書く」の右側に をつけました。玉出箱をあけてみてください。
合評
誰にでも笑ふ赤子や日向ぼこ ひとこと
(だれにでもわらふあかごやひなたぼこ)
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何じゃこれ?と思ったらたぶん古語なので古語辞典で調べましょう。
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格調高く詠むために古語を使う…のは間違った理解です。
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古語には短い字数で含蓄あることばが多いので都合がいいからです。
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「べし」「もがな、もがもな」「な…そ」などは俳句では常用語です。
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わざわざ古語を勉強する必要はなく折りに触れて覚えればいいのです。
合評
年の市とゆきかくゆき足棒に ひとこと
(としのいちとゆきかくゆきあしぼうに)
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句集の作品は連作ではないので、季語が近くても前作を引きづって鑑賞しないこと。
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と行き斯く行き…と書いて古語です。
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「と」は強調を示し、「斯く」は「こう、このよう(に)」の意。
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要するに右往左往する…ということ。
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彼行此行(かゆきかくゆき)も意味は似ていますが「 かなたへ行き、こなたへ行きして」の意なので微妙に違いますね。
合評
年の市トロ箱は潮したたらせ ひとこと
(としのいちトロばこはしをしたたらせ)
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「トロ箱は潮・したたらせ」ではなく、「トロ箱は・潮したたらせ」と読みます。
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5・5・7というわけです。このような形態を「句またがり」といいます。
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句のリズムに変化をつけることができ、表現の幅が大きく広がります。
合評
父の忌に続く母の忌年の暮 ひとこと
(ちちのきにつづくははのきとしのくれ)
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選句の訓練でもあるので時間をかけて迷わず瞬時で感じとりましょう。
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絶対正解も間違いもありません。気にせずに具体的に断定しましょう。
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他の人の鑑賞を、なるほどね…と受けとめることで成長できるのです。
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歳時記で季語を事前確認することだけは励行します。
合評
笑顔よき巫女より買はむえびす笹 ひとこと
(えがほよきみこよりかはむえびすざさ)
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有名な今宮戎社の福娘は毎年約3000人ほどの応募者の中から、審査を経て40名の女性を選出。
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福娘が決定するとローカルニュースで流れるほどで、大阪では年末年始の風物詩ともいえる行事です。
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福娘に選ばれると神社からお揃いの訪問着(中振袖)が授与され、十日戎の3日間は全員がその着物を着て神社へのご奉仕(笹への飾りつけや行事への参加)を行います。
合評
雲水の草鞋に今朝の霜深し ひとこと
(うんすいのわらぢにけさのしもふかし)
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投稿者の記事が連続して見にくいので少し行間が空くように自動表示プログラムを修正しました。
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句意を解説するのではなくて作者の小主観を感じとりましょうね。
合評
寺四温めぐる筆塚茶筅塚 ひとこと
(てらしおんめぐるふでづかちやせんづか)
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作句と同じで、先入主観念なる色眼鏡をかけて鑑賞してしまうと隠された真実が見えなくなります。
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自分の好悪は捨てて作者の思いに心を通わせること。その訓練が作句力にも活きてくるのです。
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みのるの鑑賞も合評記事内に書き、ここにはアドバイスを書くようにしました。
合評
古都四温路地へ消えたる二人連れ ひとこと
(ことしをんろじへきえたるふたりづれ)
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季語確認は予習として必須ですが、鑑賞文の冒頭に記載するのは今後やめましょう。
その代わり一句のなかで季語がどう働いているのかをしっかり鑑賞しましょう。
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作者自身の位置についても考察が必要です。そうすることでより具体的な景として鑑賞できます。
合評
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