最新のみのる選

2025年11月16日

俳句作者
曇天へ千手を翳す大枯木えいじ
山家みな長者の構へ能勢時雨うつぎ
降りやまぬ色葉の杜に地蔵堂康子
鴨遠く鳴きて昆陽池ただ広しもとこ
紅葉影抱擁したる一碑かな康子
寺苑統べ黄落やまぬ大公孫樹澄子
どんぐりの散らばっている弾薬庫やよい
拾ひたる吾が手に余る朴落葉むべ
百幹の竹も鎮もる寺の秋澄子
四国見ゆ紀淡海峡小春凪やよい
あたたかや子の手を杖に磴下るたか子
山号を読みて紅葉の門くぐるむべ
小春日のシャワーをなせる竹の径康子
秋草に囲まれ秘そと牛魂碑うつぎ
辰鼓楼裳裾を飾る照紅葉わかば
城塁にアートをなせる蔦紅葉ぽんこ
時世句碑古りてかつ散る紅葉かななつき

2025年10月18日

俳句作者
門川の緩き流れや散紅葉康子
天高く舞ひ飛ぶ鳶の笛の音あひる
縮緬波畳にたたむ須磨の秋こすもす
首塚の梵刻深き秋日影せいじ
車窓いま綺羅の海坂須磨涼しむべ
波止眩し秋日を弾く潮だまりむべ
海の橋釣瓶落としの日を弾くむべ
秋潮の綺羅に散らばる漁船かなうつぎ
水脈涼し縮緬波をニタ分けに澄子
爽やかや海風通ふ異人館うつぎ
国生みの島へ秋潮またぐ橋むべ
菊手向く塚の敦盛寧かれと澄子
黒松のますらをぶりや浜涼しむべ
眼下には大秋晴れの須磨淡路わかば
松越しにきらめく須磨の海涼しみきえ
句碑巡る盗人萩を道連れにうつぎ

2025年10月9日(須磨浦吟行)

俳句作者
須磨浦の渚に佇ちて秋を聴くうつぎ
秋風の須磨に拾ひし忘れ貝うつぎ
葛の葉を裏返す風一の谷うつぎ
草の穂の触れもす須磨の師弟句碑うつぎ
浦風の敦盛塚や竹の春うつぎ
須磨の海潮目くつきり秋深むなつき
須磨涼し縮緬波に船浮かべなつき
須磨涼し蕪村の句碑に海展けなつき
一の谷底ひに届く秋日影なつき
浜風が頬を撫でゆく須磨涼し澄子
渓谷の底ひさざめく真葛原澄子
荒草に紛れひと筋灸花澄子
秋晴の水平線に島の影千鶴
銀杏散る塚の敦盛寧かれと千鶴
連なりし沖の漁船の水脈涼し千鶴
一の谷奈落は深き落葉かなみきえ
秋草を籬としたる師弟句碑みきえ
遠来の句友と須磨の秋惜しむみきえ
忍草櫟大樹に宿りけりむべ
秋の蝶一の谷へと消えにけりむべ
秋の雲分けてゴンドラ山頂へむべ
葛の葉の奈落に絡む一の谷こすもす
深呼吸したくなる海秋の晴こすもす
菊香る敦盛塚に額づけばあひる
夏帽子落としてならじ一の谷あひる
須磨の海へとなだれなす紅葉山せいじ
句座囲む塩屋の異人館涼し素秀
一の谷埋め尽くしたる真葛原わかば
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2025年09月14日

俳句作者
相聞の碑に佇めば秋の声わかば
釣人と呉越同舟島遍路なつき
澄む水の底に日の斑の小躍りす澄子
楢の森風にうべなひ黄落すむべ
グランドのフェンス隙なく蔦葛康子
丘にたつ鹿の子夕日に影法師澄子
秋天へ千手を翳す御神木康子
ビオトープへと道とれば昼の虫わかば
と見る間に大草原は霧の海むべ

2025年08月17日

俳句作者
ビオトープへと降りそそぐ蝉時雨康子
蜩の坩堝となりし峡の道わかば
橋殿に佇みをれば風は秋せいじ
睡蓮のはや閉ぢそめし亭午かなせいじ
かなへびの尾のみ見へゐる岩間かなむべ
注連古りし神の大樹や蝉しぐれ康子
橋殿に江戸風鈴の上機嫌あひる

2025年07月12日

俳句作者
白鶺鴒河原の綺羅を啄めりむべ
若竹の天辺に風あそびけりわかば
開け放つ水亭風鈴鳴りやまず康子
靴擦れの足を冷やせり夏の川なつき
緑陰のベンチに朝餉老夫婦むべ
夏草や町を見下ろす関所跡なつき
水音の涼し水車は蕎麦粉挽く康子
花付きの胡瓜も並ぶ無人棚澄子

2025年06月14日

俳句作者
夏雲を睨みつけてる鬼瓦ぽんこ
園丁はボランティア女子薔薇満開なつき
庭涼し小流れに風生まれけり澄子
奥宮へ仰ぐ険磴苔涼しもとこ
豊かなる湧き水藻花揺れやまずむべ
一掬の湧水に汗ひきにけり康子
万緑を統べ巌頭の大師像うつぎ
遠音聴く森の静寂や時鳥わかば
山野草談義の尽きず樹下涼しもとこ
車座にわらべ地蔵や苔涼しぽんこ
わさわさとウェーブなして若楓澄子
ロレンソも通ひしといふ青葉径うつぎ
青楓もりあお蛙の毬抱くうつぎ
あめんぼう青天井を弾きけり康子
宣教師通ひし余野の樹下涼しこすもす
せせらぎを覗くなぞへの四葩かなたか子
湧水の吹上げやまぬ樹下涼し澄子
若楓十重二十重なすテラス席むべ
木洩れ日を撥ねてたばしる渓涼しあひる
苔の上をたたら走りす岩清水康子
秀吉のお手植えといふ樹下涼しあひる

2025年05月17日

俳句作者
パドックの栗毛の気合汗光るこすもす
薫風や水面のみどり揺れやまず澄子
瀬しぶきに雫の光る歯朶涼し康子
おつちやんの怒号も走る草競馬もとこ
藤棚の風に煌めく洩れ日かな康子
出走待つ緊張感や馬場薄暑よう子
水底の石にはりつく蝌蚪の群なつき
女騎手人気薄なる草競馬うつぎ
木洩日の大樹の根方著莪浄土むべ
鞭一打勝馬目指す走りかなわかば
競馬場夏空高く日章旗ぽんこ
武蔵野の野花活けたる竹の籠澄子
重馬場の砂蹴散らせて草競馬うつぎ
五月晴駿馬見定むパドックへわかば
初めての馬券的中汗握るよう子

2025年04月12日

俳句作者
辻風に螺旋を描く飛花落花むべ
花万朶永遠の平和を祈る碑にうつぎ
満開の桜も見ずやガードマンよう子
影連れてゆつくり流る花筏うつぎ
歩道橋持ち上げてをる花の雲むべ
キャンパスの大路は今し花吹雪澄子
踏青子椰子の蒼天仰ぎけりぽんこ
キャンパスの野外ロックに花吹雪たか子
バス楽し花の坂道七曲りもとこ
どた靴のぬぎ散らばりし花筵なつき
耳当てて木槌でこんと桜守かかし
汝の肩にひとひら残る落花かな澄子
久闊を叙して姦し花万朶康子
うららかや甲山背に時計台わかば
花筏澱みし水面明るうすこすもす
若葉影映す学舎のアーチ窓康子
キャンパスに満つる青春風光るこすもす

2025年03月15日

俳句作者
尺角の大黒柱白障子ぽんこ
大正の舶来シェード春灯うつぎ
石室の手向けとなりぬ落椿むべ
下萌やお役目終えし鬼瓦ぽんこ
昭和なるドールハウスの温かしわかば
老夫婦句帳を首に梅愛づるかかし
春風に綾なす池の波の綺羅えいじ
暖かやへつつひさんは銅づくしうつぎ
壁紙はモリスデザイン春館たか子
歴代の吊るし雛舞ふ蔵屋敷康子
彼女待つ春の時雨の大手門澄子
多聞より見下ろす濠の春めきぬ澄子
山茱萸の花にそぼ降る番所趾むべ
子遍路の松かさ拾ふ奥の院なつき
大松明先陣法螺はしんがりになつき
春時雨石垣のみの天守趾澄子
立ち並ぶドールハウスは春灯すよう子
鏡なる水面乱して鳰現るるむべ
触れたくも触れてはならじ雛調度うつぎ
海風にほぐるる河津桜かな康子
館長の饒舌やまぬ雛屋敷たか子

2025年02月15日

俳句作者
春の雲揚げて遥けき天守閣わかば
なかなかの役者涅槃の絵解き僧うつぎ
雪しまき消へては現るる島嶼かなむべ
古町に研ぎ屋くすり屋路地うららうつぎ
梅の宮あどけなき字の祈願絵馬なつき
諸行無情説かれ涅槃の絵解き僧うつぎ
涅槃寺合祀墓に彫る倶会一処はく子
いつくしき御門潜れば梅万朶澄子
腰掛けてみるいけず石温かしぽんこ
鬼瓦寺苑の隅の下萌にたか子
古りたるも金色しるき涅槃像はく子
ありがたき涅槃の絵解き耳澄ます千鶴
アトリエの高窓洩れて囀れる康子
風花す島の小さき船着場むべ
禊ぎてふ香炉跨ぎて涅槃図へたか子
春風に幟はためく芝居小屋よう子
染めの街貫く水音春奏づ康子

2025年01月12日

俳句作者
冬木の芽緩むかと思ふ今朝の雨わかば
松飾り梅結びなるめでたさよむべ
破魔矢受くマスク美人の巫女なりしなつき
蒼天へ鬩ぎあふやに冬木の芽せいじ
百稈の竹青々と淑気満つむべ
参拝の列緩みしは宮焚火なつき
さざなみの遡りゆく冬の川あひる
初凪の沖に散らばる鳥の影えいじ
実南天たわわに頭垂れにけり澄子

年度別一覧

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