みのる選:2012年度

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2012年11月28日

嵯峨野 参加者15人

俳句作者
竹垣に石蕗咲く嵯峨の小径かなわかば
彩紅葉散らす祇王寺人混みぬ
天蓋の紅葉に小さき去来墓
皇女墓の光背のごと紅葉燃ゆ
冬うらら俳句みくじは大吉とひかり
薄みどり差す竹林の冬日かな
祇王寺へ敷石道や石蕗の花
祇王寺の沈めとばかり散紅葉
草刈れば右往左往すダンゴ虫ちえ子
下校児を包む野焼の煙かな
祇王寺の燃ゆる紅葉に亡夫悼む
母と行く畦道楽し野菊咲く
丸窓の紅葉明りに祇王祇女菜々
苔庭の起伏に添ひて散り紅葉
落柿舎へ続く人波冬うらら
去来墓嵩の落葉に膝ついて
つるし柿次庵の軒に乾きけりかれん
柴垣に散りとどまりし冬紅葉
祇王寺の天も地も染む紅葉かな
添水鳴る落柿舎の庭去り難くうつぎ
無縁仏肩寄せあへる紅葉影
祇王寺の紅葉浄土にあそびけり百合
冬帽子取りて額づく去来墓
尺ほどの去来の墓や嵯峨しぐれあさ子
山門へ幾許(ここだ散り敷く紅葉坂
苔むせる去来の墓へ積む紅葉きづな
奥嵯峨の枯野に画架を立つる人
祇王寺の扉にたまる散紅葉有香
冬晴に水音高鳴る筧かな満天
御座船を浮かべて装ふ小倉山はく子
妃陵真紅のもみぢ手向けられ
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2012年10月24日

神戸ハーブ園 参加者10人

俳句作者
風の丘指揮者のごとく案山子立つ満天
足湯して眼下の海に秋惜しむ
秋天に往き来にぎはふロープウェイ
せせらぎのベンチに園の秋惜しむ
園巡るガイドの笑顔爽やかに
丘の上のテラスに海の風さやかひかり
コスモスをそびらに海へ向くベンチ
荷車を千草で満たすハーブ園
ハーブ園案内嬢の声さやか
秋うらら空港島の浮かぶ海小袖
爽やかに風車の回る丘の上
秋桜グリム童話の庭に揺れ
とりどりの薬草園に秋惜しむ
秋館ポプリを瓶に壁掛けに菜々
ゴンドラの影過り行く千草径
山上の茶房や卓に吾亦紅
秋晴れの出船入船水脈重ね
温室にハロウィン人形飾らるる有香
足湯して秋思うべなふ心旅
日矢差して霧の晴れゆく茅淳の海
秋桜鳥語に応へ揺れにけり宏虎
見晴るかす群青の海秋日燦
コスモスの丘に風車のモニュメントせいじ
ハーブ園めぐりて秋を満喫す百合
コスモスや童話の庭に菓子の家はく子
秋麗の海を眼下に足湯かな
秋うらら動くともなき沖の船
秋うららハーブにふれもし含みもし
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2012年9月18日

法隆寺 参加者15人

俳句作者
松が枝に透きて塔見ゆ古都の秋わかば
薄紅葉雨に濡れたる石畳
竹林に透けて展けし豊の秋
秋草の畦分けて訪ふ古墳かな
魁はいろはもみぢや寺の秋
斑鳩の里山ゆけば葛匂ふ百合
柿たわわなる斑鳩の道が好き
秋雨に水煙烟る法隆寺
柿落葉拾ひて古都の栞とす
仏塚古墳に佇てば秋蝶来
古墳あり四囲に稔田展けけり陽子
露草の屯々や野路親し
分け入りてかやつり草のもつれかな
猪ぶたの憎しと里の翁かな
築地塀ぬけて展けし豊の秋はく子
爽やかや咫尺に拝す微笑仏
急磴に展けし里の豊の秋
夢殿へ道はまっすぐ初もみじ
鐘響く広き寺領や秋澄めるつくし
巡拝の史跡の径は豊の秋
閉ざされし旧トンネルや葛襖
柿たわわ斑鳩寺の裏山路せいじ
稔り田の香が通ひ来る古墳かな
虫すだく土塀に沿ひし草の道
つばくらめ棚田を掠め掠めけり菜々
いかるがの里吟行す子規忌かな
仏塚古墳へ畦の彼岸花
草の花古墳の口を彩りぬ宏虎
鏡池渡る風あり水の秋
野路愉しそぼ降る雨に昼の虫ぽんこ
垣根とし道に横たふへちまかな
寺領なる雨の小路のこぼれ萩よし子
塔仰ぐ秋雨傘を傾けて
裏山は竹の春なる法隆寺有香
すぐそこと標にあれど秋暑し満天
寺領なる築地塀沿ふ初紅葉
秋時雨行書の句碑をぬらしけり
秋草を供花とす畦の石仏
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2012年6月27日

大和郡山 参加者11人

俳句作者
辻曲る度金魚田の水にほふ菜々
花の如琉金潜る鉢の底
歌麿の絵も金魚田の資料館
遠山へ金魚田続く城下町
路地涼し条理正しき城下町
紺屋町つらぬく小川音涼し
万緑へ跳ねる鯱門櫓
古町を抜けて金魚田広ごれりひかり
城塁のさかさ地蔵に梅雨暗し
くちなしの香に満つ寺領たもとほり
鎖せる天守台へと草茂る
吟行子金魚すくひに寄り道すきづな
風涼し金魚模様の藍のれん
水槽の出目金と目が合ひにけり
老鶯や極楽橋を渡るとき百合
琉金の舞ふに心のあそびけり
塁寒しさかさ地蔵の天地かな
出荷場のプールひしめく金魚どちせいじ
骨太の腕もて掬ふ金魚売
古城址の荒れし石垣草茂る
金魚田の稚魚抜け出せる用水路わかば
格子戸の路地に金魚田見え隠れ
万緑を砦としたる城址かな宏虎
尻ふって高級金魚ひるがへるぽんこ
金魚田の間に青田の郡山はく子
古町を貫く紺屋川涼し
出荷待つ千の金魚のさざめける
金魚柄染めて紺屋の麻のれん
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2012年5月23日

箕面公園 参加者17人

俳句作者
夏木立重なり会ふて日の斑わかば
水音の絶えぬ奈落や夏木立
盤石の苔を結びて滴れる
万緑の奈落に谿の楽響く
ふところに古刹を鎮め椎若葉うつぎ
激つ瀬の大岩洗ふ涼しさよ
口閉じてより岩と化す山椒魚
行く程に渓狭まりて河鹿笛
せせらぎへなだれて幾重若楓菜々
滝の道洩れ日の葉紋踏めりけり
みのお道昼を灯して川床料理
窓といふ窓に若葉やコーヒー館
滝川にはしやぐ素足の女学生きづな
替はり合ひ滝しぶき受く園児どち
滝道に踏み行く千千の枝の影
勤勉の碑に佇めば樹下涼し有香
磊々を好みて遊ぶ川とんぼ
大滝の落つるにまよひなかりけりこすもす
大滝の落下の音の潔し
滝の道奈落に響く瀬音かなせいじ
滝の上に立ち上がりたる飛行雲
川風に吹きあがりたる糸とんぼよう子
箕面道一目千本若楓
緑陰にはみ出すフリーマーケット満天
行厨の吾らに滝のしぶきけり
大滝の裳裾ひろげて落ちにけり宏虎
木漏れ日を踏みて分け入る滝の道ぽんこ
瀬の楽の右に左に滝の道ひかり
人力車帆に若楓影ゆらぐ小袖
川底にゆらぐ波紋は若葉影よし子
滝音の間遠となりて鳥語降るはく子
岩の先真珠つなぎに滴れる
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2012年4月17日

造幣局 参加者15人

俳句作者
大川の水満満と花日和はく子
行厨の吾らにいまし花吹雪
異国語の案内や花の通り抜け
人波をのみてふくるる花の道
花見船行く手に現れし天守閣
筏とはならず花屑たゆたへり
おにぎりを頬ばる吾に花吹雪こすもす
水音の程よきリズム花見船
すれ違ふ船に手を振る花見船
花虻もヘリコプターも通り抜けかれん
花びらの上に坐りて推敲す
花影に造幣局の門は威に
花の影総身まとひ通り抜け菜々
花堤跨ぎて銀のアーチ橋
花吹雪菊の御紋の門柱に
うららかや雑事を忘れ吟行す宏虎
呵呵大笑するが如くに大手毬
ガス灯の百余年てふ花の道せいじ
ジェット機の低空飛行花堤
花屑を分けて水尾引く観光船ぽんこ
たんぽぽの黄や行厨の靴の先
投句所もありて賑ふ花の道有香
列なして並ぶ屋台や花堤
人を待つ匂ひ桜に佇みてきづな
花人ら一句を投ず通り抜け
川波にたゆたう花の屑畳ひかり
一樹にてアーチをなせる大桜明日香
花疲れ木陰にホ句を推敲す泰三
絨緞のごと落花積む土手の道よし子
ビルの間よりお城見ゆ花見船満天
大川の行き交ふ船に花吹雪
花筵高級ワイン並びけり
老われも花へと翳すスマートホン
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2012年3月28日

長岡天満宮 参加者14人

俳句作者
水上橋駆ける吾子らに風光るひかり
さざ波の影す水亭春障子
たもとほる池塘の梅の盛りかな
さざなみの池駈けめぐり風光る
老梅の枝上がりして花まばら
行厨ににぎはふ梅のベンチかな
乙訓の風の序破急竹の秋菜々
拝殿を吹き抜けて梅匂ひけり
神苑の汀嵩なす春落葉
口ずさむ菅公の碑に梅にほふ
梅東風にさざ波遊ぶ池の面宏虎
鳥語降り浄土となりし梅の苑
パレットの彩とりどりに梅描く
唐金の梅鉢模様春日燦わかば
橋の下走るは魚影水温む
錦水亭浮かぶ脊山の朧かな
芽柳の揺れる方へとさざなみす明日香
梅林の丘を統べをる椎大樹
病む足を励ましつつや青き踏む
乙訓の山重なりて薄霞よし子
神苑の御手洗に掬む春の水
そぞろ歩に梅東風匂ふ宮の道小袖
撫で牛のまなざしの先梅盛る
うららかやメタボの鯉の集ひ来る満天
春しぐれ水上橋をもとほれば
百千鳥高枝渡りくりかへしつくし
梅園に絵筆走らす老画伯せいじ
春風の水上橋をひとめぐり百合
菅公の望郷の碑に百千鳥きづな
下萌ゆるベンチに集ふ昼餉かなはく子
杓置きは瑞の太竹梅の宮
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2012年3月1日

佐藤家ひな祭 参加者14人

俳句作者
我句帳多くの雛に見られをり満天
口もとの話し出しそな女雛かな
園児らのお行儀座り雛の前
遠き日を探すごとくに雛愛づる
漢方の薬の箱に雛飾る
振り上げし手に枹のなし古雛菜々
踏青や町へ八達古墳道
瓔珞に冠傾ぐ古代雛
享保雛丹の高欄をめぐらせて
口に笏当てて男雛は何洩らすうつぎ
縁側の乞食雛に射す日かな
玄関に飾る雛の下駄草履
金継の皿も調度や雛館わかば
土雛の頬ふくやかに巌の上
モビールの玉の中なる豆雛
緋座布団づれしをなほす座り雛よし子
艶めける女人ばかりの雛の宿
庭石に笑いころげて土雛
恍惚として門出づる雛の家せいじ
二上山望む陵春浅し
迎えしは手練の墨書ひなの家
金襴の糸の怪しき古代雛つくし
雛たちに見らるる吾の膝がしら
感嘆の溜息洩るる雛の宿かれん
酒蔵の低き煙突春うらら
手焙りに菊炭火照る旧家かなひかり
槍を持つ仕丁ほろ酔御殿雛ぽんこ
外庭に宝さがしのごと雛明日香
訪へば鴨居の上に紙雛有香
目移りす千の雛にかこまれてはく子
抹茶飲み干せば雛の絵の現るる
踏みどころなきほどあふれ雛の家
うつし世の憂さを忘れて雛愛づる
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