みのる選:2012年度
みのる選:2012年度
嵯峨野 参加者15人
俳句 | 作者 |
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竹垣に石蕗咲く嵯峨の小径かな | わかば |
彩紅葉散らす祇王寺人混みぬ | 〃 |
天蓋の紅葉に小さき去来墓 | 〃 |
皇女墓の光背のごと紅葉燃ゆ | 〃 |
冬うらら俳句みくじは大吉と | ひかり |
薄みどり差す竹林の冬日かな | 〃 |
祇王寺へ敷石道や石蕗の花 | 〃 |
祇王寺の沈めとばかり散紅葉 | 〃 |
草刈れば右往左往すダンゴ虫 | ちえ子 |
下校児を包む野焼の煙かな | 〃 |
祇王寺の燃ゆる紅葉に亡夫悼む | 〃 |
母と行く畦道楽し野菊咲く | 〃 |
丸窓の紅葉明りに祇王祇女 | 菜々 |
苔庭の起伏に添ひて散り紅葉 | 〃 |
落柿舎へ続く人波冬うらら | 〃 |
去来墓嵩の落葉に膝ついて | 〃 |
つるし柿次庵の軒に乾きけり | かれん |
柴垣に散りとどまりし冬紅葉 | 〃 |
祇王寺の天も地も染む紅葉かな | 〃 |
添水鳴る落柿舎の庭去り難く | うつぎ |
無縁仏肩寄せあへる紅葉影 | 〃 |
祇王寺の紅葉浄土にあそびけり | 百合 |
冬帽子取りて額づく去来墓 | 〃 |
尺ほどの去来の墓や嵯峨しぐれ | あさ子 |
山門へ幾許(ここだ散り敷く紅葉坂 | 〃 |
苔むせる去来の墓へ積む紅葉 | きづな |
奥嵯峨の枯野に画架を立つる人 | 〃 |
祇王寺の扉にたまる散紅葉 | 有香 |
冬晴に水音高鳴る筧かな | 満天 |
御座船を浮かべて装ふ小倉山 | はく子 |
妃陵真紅のもみぢ手向けられ | 〃 |
神戸ハーブ園 参加者10人
俳句 | 作者 |
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風の丘指揮者のごとく案山子立つ | 満天 |
足湯して眼下の海に秋惜しむ | 〃 |
秋天に往き来にぎはふロープウェイ | 〃 |
せせらぎのベンチに園の秋惜しむ | 〃 |
園巡るガイドの笑顔爽やかに | 〃 |
丘の上のテラスに海の風さやか | ひかり |
コスモスをそびらに海へ向くベンチ | 〃 |
荷車を千草で満たすハーブ園 | 〃 |
ハーブ園案内嬢の声さやか | 〃 |
秋うらら空港島の浮かぶ海 | 小袖 |
爽やかに風車の回る丘の上 | 〃 |
秋桜グリム童話の庭に揺れ | 〃 |
とりどりの薬草園に秋惜しむ | 〃 |
秋館ポプリを瓶に壁掛けに | 菜々 |
ゴンドラの影過り行く千草径 | 〃 |
山上の茶房や卓に吾亦紅 | 〃 |
秋晴れの出船入船水脈重ね | 〃 |
温室にハロウィン人形飾らるる | 有香 |
足湯して秋思うべなふ心旅 | 〃 |
日矢差して霧の晴れゆく茅淳の海 | 〃 |
秋桜鳥語に応へ揺れにけり | 宏虎 |
見晴るかす群青の海秋日燦 | 〃 |
コスモスの丘に風車のモニュメント | せいじ |
ハーブ園めぐりて秋を満喫す | 百合 |
コスモスや童話の庭に菓子の家 | はく子 |
秋麗の海を眼下に足湯かな | 〃 |
秋うらら動くともなき沖の船 | 〃 |
秋うららハーブにふれもし含みもし | 〃 |
法隆寺 参加者15人
俳句 | 作者 |
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松が枝に透きて塔見ゆ古都の秋 | わかば |
薄紅葉雨に濡れたる石畳 | 〃 |
竹林に透けて展けし豊の秋 | 〃 |
秋草の畦分けて訪ふ古墳かな | 〃 |
魁はいろはもみぢや寺の秋 | 〃 |
斑鳩の里山ゆけば葛匂ふ | 百合 |
柿たわわなる斑鳩の道が好き | 〃 |
秋雨に水煙烟る法隆寺 | 〃 |
柿落葉拾ひて古都の栞とす | 〃 |
仏塚古墳に佇てば秋蝶来 | 〃 |
古墳あり四囲に稔田展けけり | 陽子 |
露草の屯々や野路親し | 〃 |
分け入りてかやつり草のもつれかな | 〃 |
猪ぶたの憎しと里の翁かな | 〃 |
築地塀ぬけて展けし豊の秋 | はく子 |
爽やかや咫尺に拝す微笑仏 | 〃 |
急磴に展けし里の豊の秋 | 〃 |
夢殿へ道はまっすぐ初もみじ | 〃 |
鐘響く広き寺領や秋澄める | つくし |
巡拝の史跡の径は豊の秋 | 〃 |
閉ざされし旧トンネルや葛襖 | 〃 |
柿たわわ斑鳩寺の裏山路 | せいじ |
稔り田の香が通ひ来る古墳かな | 〃 |
虫すだく土塀に沿ひし草の道 | 〃 |
つばくらめ棚田を掠め掠めけり | 菜々 |
いかるがの里吟行す子規忌かな | 〃 |
仏塚古墳へ畦の彼岸花 | 〃 |
草の花古墳の口を彩りぬ | 宏虎 |
鏡池渡る風あり水の秋 | 〃 |
野路愉しそぼ降る雨に昼の虫 | ぽんこ |
垣根とし道に横たふへちまかな | 〃 |
寺領なる雨の小路のこぼれ萩 | よし子 |
塔仰ぐ秋雨傘を傾けて | 〃 |
裏山は竹の春なる法隆寺 | 有香 |
すぐそこと標にあれど秋暑し | 満天 |
寺領なる築地塀沿ふ初紅葉 | 〃 |
秋時雨行書の句碑をぬらしけり | 〃 |
秋草を供花とす畦の石仏 | 〃 |
大和郡山 参加者11人
俳句 | 作者 |
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辻曲る度金魚田の水にほふ | 菜々 |
花の如琉金潜る鉢の底 | 〃 |
歌麿の絵も金魚田の資料館 | 〃 |
遠山へ金魚田続く城下町 | 〃 |
路地涼し条理正しき城下町 | 〃 |
紺屋町つらぬく小川音涼し | 〃 |
万緑へ跳ねる鯱門櫓 | 〃 |
古町を抜けて金魚田広ごれり | ひかり |
城塁のさかさ地蔵に梅雨暗し | 〃 |
くちなしの香に満つ寺領たもとほり | 〃 |
鎖せる天守台へと草茂る | 〃 |
吟行子金魚すくひに寄り道す | きづな |
風涼し金魚模様の藍のれん | 〃 |
水槽の出目金と目が合ひにけり | 〃 |
老鶯や極楽橋を渡るとき | 百合 |
琉金の舞ふに心のあそびけり | 〃 |
塁寒しさかさ地蔵の天地かな | 〃 |
出荷場のプールひしめく金魚どち | せいじ |
骨太の腕もて掬ふ金魚売 | 〃 |
古城址の荒れし石垣草茂る | 〃 |
金魚田の稚魚抜け出せる用水路 | わかば |
格子戸の路地に金魚田見え隠れ | 〃 |
万緑を砦としたる城址かな | 宏虎 |
尻ふって高級金魚ひるがへる | ぽんこ |
金魚田の間に青田の郡山 | はく子 |
古町を貫く紺屋川涼し | 〃 |
出荷待つ千の金魚のさざめける | 〃 |
金魚柄染めて紺屋の麻のれん | 〃 |
箕面公園 参加者17人
俳句 | 作者 |
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夏木立重なり会ふて日の斑 | わかば |
水音の絶えぬ奈落や夏木立 | 〃 |
盤石の苔を結びて滴れる | 〃 |
万緑の奈落に谿の楽響く | 〃 |
ふところに古刹を鎮め椎若葉 | うつぎ |
激つ瀬の大岩洗ふ涼しさよ | 〃 |
口閉じてより岩と化す山椒魚 | 〃 |
行く程に渓狭まりて河鹿笛 | 〃 |
せせらぎへなだれて幾重若楓 | 菜々 |
滝の道洩れ日の葉紋踏めりけり | 〃 |
みのお道昼を灯して川床料理 | 〃 |
窓といふ窓に若葉やコーヒー館 | 〃 |
滝川にはしやぐ素足の女学生 | きづな |
替はり合ひ滝しぶき受く園児どち | 〃 |
滝道に踏み行く千千の枝の影 | 〃 |
勤勉の碑に佇めば樹下涼し | 有香 |
磊々を好みて遊ぶ川とんぼ | 〃 |
大滝の落つるにまよひなかりけり | こすもす |
大滝の落下の音の潔し | 〃 |
滝の道奈落に響く瀬音かな | せいじ |
滝の上に立ち上がりたる飛行雲 | 〃 |
川風に吹きあがりたる糸とんぼ | よう子 |
箕面道一目千本若楓 | 〃 |
緑陰にはみ出すフリーマーケット | 満天 |
行厨の吾らに滝のしぶきけり | 〃 |
大滝の裳裾ひろげて落ちにけり | 宏虎 |
木漏れ日を踏みて分け入る滝の道 | ぽんこ |
瀬の楽の右に左に滝の道 | ひかり |
人力車帆に若楓影ゆらぐ | 小袖 |
川底にゆらぐ波紋は若葉影 | よし子 |
滝音の間遠となりて鳥語降る | はく子 |
岩の先真珠つなぎに滴れる | 〃 |
造幣局 参加者15人
俳句 | 作者 |
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大川の水満満と花日和 | はく子 |
行厨の吾らにいまし花吹雪 | 〃 |
異国語の案内や花の通り抜け | 〃 |
人波をのみてふくるる花の道 | 〃 |
花見船行く手に現れし天守閣 | 〃 |
筏とはならず花屑たゆたへり | 〃 |
おにぎりを頬ばる吾に花吹雪 | こすもす |
水音の程よきリズム花見船 | 〃 |
すれ違ふ船に手を振る花見船 | 〃 |
花虻もヘリコプターも通り抜け | かれん |
花びらの上に坐りて推敲す | 〃 |
花影に造幣局の門は威に | 〃 |
花の影総身まとひ通り抜け | 菜々 |
花堤跨ぎて銀のアーチ橋 | 〃 |
花吹雪菊の御紋の門柱に | 〃 |
うららかや雑事を忘れ吟行す | 宏虎 |
呵呵大笑するが如くに大手毬 | 〃 |
ガス灯の百余年てふ花の道 | せいじ |
ジェット機の低空飛行花堤 | 〃 |
花屑を分けて水尾引く観光船 | ぽんこ |
たんぽぽの黄や行厨の靴の先 | 〃 |
投句所もありて賑ふ花の道 | 有香 |
列なして並ぶ屋台や花堤 | 〃 |
人を待つ匂ひ桜に佇みて | きづな |
花人ら一句を投ず通り抜け | 〃 |
川波にたゆたう花の屑畳 | ひかり |
一樹にてアーチをなせる大桜 | 明日香 |
花疲れ木陰にホ句を推敲す | 泰三 |
絨緞のごと落花積む土手の道 | よし子 |
ビルの間よりお城見ゆ花見船 | 満天 |
大川の行き交ふ船に花吹雪 | 〃 |
花筵高級ワイン並びけり | 〃 |
老われも花へと翳すスマートホン | 〃 |
長岡天満宮 参加者14人
俳句 | 作者 |
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水上橋駆ける吾子らに風光る | ひかり |
さざ波の影す水亭春障子 | 〃 |
たもとほる池塘の梅の盛りかな | 〃 |
さざなみの池駈けめぐり風光る | 〃 |
老梅の枝上がりして花まばら | 〃 |
行厨ににぎはふ梅のベンチかな | 〃 |
乙訓の風の序破急竹の秋 | 菜々 |
拝殿を吹き抜けて梅匂ひけり | 〃 |
神苑の汀嵩なす春落葉 | 〃 |
口ずさむ菅公の碑に梅にほふ | 〃 |
梅東風にさざ波遊ぶ池の面 | 宏虎 |
鳥語降り浄土となりし梅の苑 | 〃 |
パレットの彩とりどりに梅描く | 〃 |
唐金の梅鉢模様春日燦 | わかば |
橋の下走るは魚影水温む | 〃 |
錦水亭浮かぶ脊山の朧かな | 〃 |
芽柳の揺れる方へとさざなみす | 明日香 |
梅林の丘を統べをる椎大樹 | 〃 |
病む足を励ましつつや青き踏む | 〃 |
乙訓の山重なりて薄霞 | よし子 |
神苑の御手洗に掬む春の水 | 〃 |
そぞろ歩に梅東風匂ふ宮の道 | 小袖 |
撫で牛のまなざしの先梅盛る | 〃 |
うららかやメタボの鯉の集ひ来る | 満天 |
春しぐれ水上橋をもとほれば | 〃 |
百千鳥高枝渡りくりかへし | つくし |
梅園に絵筆走らす老画伯 | せいじ |
春風の水上橋をひとめぐり | 百合 |
菅公の望郷の碑に百千鳥 | きづな |
下萌ゆるベンチに集ふ昼餉かな | はく子 |
杓置きは瑞の太竹梅の宮 | 〃 |
佐藤家ひな祭 参加者14人
俳句 | 作者 |
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我句帳多くの雛に見られをり | 満天 |
口もとの話し出しそな女雛かな | 〃 |
園児らのお行儀座り雛の前 | 〃 |
遠き日を探すごとくに雛愛づる | 〃 |
漢方の薬の箱に雛飾る | 〃 |
振り上げし手に枹のなし古雛 | 菜々 |
踏青や町へ八達古墳道 | 〃 |
瓔珞に冠傾ぐ古代雛 | 〃 |
享保雛丹の高欄をめぐらせて | 〃 |
口に笏当てて男雛は何洩らす | うつぎ |
縁側の乞食雛に射す日かな | 〃 |
玄関に飾る雛の下駄草履 | 〃 |
金継の皿も調度や雛館 | わかば |
土雛の頬ふくやかに巌の上 | 〃 |
モビールの玉の中なる豆雛 | 〃 |
緋座布団づれしをなほす座り雛 | よし子 |
艶めける女人ばかりの雛の宿 | 〃 |
庭石に笑いころげて土雛 | 〃 |
恍惚として門出づる雛の家 | せいじ |
二上山望む陵春浅し | 〃 |
迎えしは手練の墨書ひなの家 | 〃 |
金襴の糸の怪しき古代雛 | つくし |
雛たちに見らるる吾の膝がしら | 〃 |
感嘆の溜息洩るる雛の宿 | かれん |
酒蔵の低き煙突春うらら | 〃 |
手焙りに菊炭火照る旧家かな | ひかり |
槍を持つ仕丁ほろ酔御殿雛 | ぽんこ |
外庭に宝さがしのごと雛 | 明日香 |
訪へば鴨居の上に紙雛 | 有香 |
目移りす千の雛にかこまれて | はく子 |
抹茶飲み干せば雛の絵の現るる | 〃 |
踏みどころなきほどあふれ雛の家 | 〃 |
うつし世の憂さを忘れて雛愛づる | 〃 |