みのる選:2020年度

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2020年11月15日

俳句作者
黒豆のお茶をいただき窓小春更紗
瀬戸小春沖に白帆の散らばりて小袖
着古しの仕分けに悩む冬支度せいじ
挨拶の名前浮かばず駅寒しかかし
縁側の日差し背にして冬支度豊実
赤とんぼ連れて出発島のバスなおこ
浜小屋に砂吹きだまる隙間風素秀
改易の天守なき濠浮寝鳥よう子
陽だまりに洋蘭集め冬支度小袖
鵙日和ベンチで剥きしゆで卵なつき
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2020年10月18日

俳句作者
秋高し大般若会の堂震へ小袖
洗濯機渦に揉まるる木の実かなよう子
秋灯下更の聖書に線を引くせいじ
紅葉濃し大観の絵を想ひけりなおこ
煤光りせる古民家の秋灯うつぎ
清けしや筆伸びやかに納経帳よう子
一つ熟る朱欒の重き苗木かななつき
一叢の露草みんな日にま向くうつぎ
更けてなほ研究棟の秋灯豊実
窯変のうねりをなぞる秋灯下素秀
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2020年9月20日

俳句作者
仏なる路傍の石の秋の声よう子
源流の水音かそけき秋の声かかし
新米に箸のすすみし夕餉かな豊実
盆の月照らす実家に母ひとり更紗
かしぎたる案山子深々野球帽素秀
砦跡葉擦れにまじる秋の声なつき
広縁に足投げ出せば秋の声せいじ
生家へは海沿ひの道秋の声うつぎ
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2020年4月20日

俳句作者
落花また落花や我に句敵にうつぎ
落椿ダム湖に秘めし物語うつぎ
塩田の跡に遍路の鈴進む素秀
ランタンとせる竹筒に花の屑せいじ
飛花落花真つ只中に我が余生よし子
畦塗つて柏手を打つ老農夫かかし
朝桜樹間にまみゆ観世音ぽんこ
遍路笠二つ舳先に渡し舟素秀
里山の裾あかるうす今年竹菜々
野良猫の釣り人に媚ぶ春の昼わかば
鼻息で花屑飛ばすレトリバーなつき
磯遊びかかるしぶきも何のそのこすもす
一陣の風に騒然つつじ山宏虎
わが町の路地をめぐりて春惜しむ菜々
花吹雪湖底の村の望郷碑よし子
野路愉したんぽぽの黄の連なりてよし子
雨に敷く歩道の落花華やぎぬはく子
自家製てふ蕗味噌試食道の駅かかし
昼暗き裏参道の落椿せいじ
島陰にくぐもる汽笛沖長閑もとこ
花吹雪スローシャッターで見るごとしよう子
園占むる十万本のチューリップわかば
汐風に松の香混じる遍路道素秀
おおどかに鳶の輪を描く春の空わかば
声低く懺悔聞こゆる遍路宿素秀
尻振りて競歩の夫婦たんぽぽ黄うつぎ
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2020年3月21日

俳句作者
蜷の道吾の人生にさも似たりうつぎ
水松の気根によきによき春の泥うつぎ
大手門額縁にして城の春たか子
峡の道右手に左手に芽吹きをりこすもす
天守背に風の意のまま雪柳ぽんこ
小雀のまろび遊べる庭うらら素秀
老農夫夕日に春耕余念なしはく子
つんつんと切つ先立てし菖蒲の芽うつぎ
見はるかす淀の岬鼻風光る菜々
豆の花貸農園の風に舞ふはく子
起伏野に点在したる野梅かなせいじ
水温む青天井の展けけり満天
又一人春のベンチに入れ替はり小袖
なぞり読む蕪村の句碑の暖かし菜々
車椅子母と見上ぐる初桜わかば
囀れる森のベンチにミニ句会ぽんこ
春日燦苑の真中にマリア像満天
土筆野といひたきほどの河原かなわかば
百々御所の皇女の愛でし古雛よう子
萬屋の帳簿机に明治雛なつき
蕪村碑へ淀の長堤青き踏む菜々
(参加者 14名)
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