みのる選:2009年度
みのる選:2009年度
忘年会 参加者9名
俳句 | 作者 |
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至福とは無我の境なる日向ぼこ | 宏虎 |
一湾に漁火一つ冴えにけり | 〃 |
地図ひろげ旅行プランや春隣 | 〃 |
一年の来し方想ふ柚湯かな | わかば |
人波にひびくラッパや社会鍋 | 〃 |
山茶花の散り敷く門に踏み惑ふ | 〃 |
残照に生気かがよふ大枯木 | 明日香 |
大空へオブジェめきたる枯木立 | 〃 |
下草に珠の光や霜の朝 | ひかり |
蒼天を透かして残る紅葉かな | 〃 |
天辺に終のひと葉や冬木立 | きづな |
彫像のごと白鷺の身じろがず | 〃 |
音痴なるトランペットや社会鍋 | かれん |
悴める子の手を双手つつみかな | ぽんこ |
社会鍋托鉢僧と並びをり | はく子 |
数へ日の心斎橋をたもとほり | 〃 |
青畝忌の今日は寒さもひと休み | 〃 |
奈良公園 参加者11名
俳句 | 作者 |
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茅葺の千木の崩れや冬ざるる | わかば |
練塀の裏参道の散紅葉 | 〃 |
金堂の鴟尾輝やける小六月 | 〃 |
抜き出し塔の九輪や冬木立 | 菜々 |
冬日差す若草山の天辺に | 〃 |
茶室へと錦繍を敷く散もみぢ | 〃 |
昨夜の雨雫耀よふ紅葉かな | 宏虎 |
懐に大仏抱き山眠る | 〃 |
色変へぬ松の樹間に塔見ゆる | ひかり |
今年鹿餌を遠目に近よらず | 〃 |
茅葺の茶室小春に全開す | きづな |
散紅葉な踏み行きそ苔の庭 | 〃 |
就中若草山の枯れいそぐ | かれん |
雨ふふむ苔に山茶花散り敷きぬ | 〃 |
みぎひだり落葉の駈ける風の道 | ぽんこ |
ぬきんでて一樹のもみぢ池鏡 | つくし |
采女身を投げし池とや冬ざるる | はく子 |
冬うらら若草山に薄日さす | 満天 |
太閤園・桜宮公園 参加者10名
俳句 | 作者 |
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広池の一隅染める櫨もみぢ | 菜々 |
色変へぬ松のほとりに駐車かな | 〃 |
石蕗日和至福と園を巡りけり | 〃 |
聞き役の友とベンチの日向ぼこ | ひかり |
川船に手を振り返す秋日和 | 〃 |
庭園を貫く水の澄めりけり | 宏虎 |
林泉の岩に迫り出す櫨紅葉 | わかば |
紅葉晴白き水脈引く水上バス | ぽんこ |
箒目を立つるや否や散紅葉 | きづな |
存問のごと石仏に小鳥来る | かれん |
鯉跳ねて水面の紅葉影乱す | 百合 |
な滑りそ木の実たくさん落つる径 | よし子 |
能勢妙見山 参加者8名
俳句 | 作者 |
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ケーブルカー秋の里山広ごりぬ | つくし |
御神水口に含めば涼新た | 〃 |
水琴窟聞えぬ耳に薮蚊刺す | うつぎ |
爽やかや山気裂きゆくケーブルカー | 宏虎 |
苔むして参道暗き露葎 | わかば |
耳あててブナの大樹に秋をきく | かれん |
木もれ日の山路たどれば木の実降る | はく子 |
昨夜雨の玉のしずくや曼珠沙華 | 満天 |
ブナ林の奈落に秋を聞きにけり | 〃 |
天王寺
俳句 | 作者 |
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乱れ飛ぶ水面に影や秋あかね | ぽんこ |
夕潮に白き腹見せ鰡はねる | 〃 |
秋思われ腰痛封じの石に座し | 菜々 |
辿りゆく家隆塚へ露の坂 | 〃 |
露の石めきし路傍の羅漢かな | つくし |
滴れる磨崖観音地獄谷 | よし子 |
秋暑し達筆すぎて読めぬ歌碑 | 満天 |
標高千一輌列車風涼し | はく子 |
白樺の林隠れに露の宿 | 〃 |
身に入むや戦禍の残る多宝塔 | 〃 |
プラレ西宮
俳句 | 作者 |
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滝音のひびく奈落の谷深し | わかば |
万緑の奈落を走る早瀬かな | 〃 |
内海に浮びし島の灯涼し | 〃 |
太鼓打つごと夕立の屋根ひびく | 宏虎 |
滝しぶき浴びて常濡れ石仏 | ぽんこ |
開け放つ方丈滝の音ひびく | ひかり |
法事終へ安堵のビール干しにけり | つくし |
日蝕を見上ぐる人ら玉の汗 | 菜々 |
足湯へと浴衣絡げて姦しく | きづな |
雨晴れて真珠光りす苔の庭 | かれん |
白百合を活けて亡母偲びけり | 満天 |
布引滝・ハーブ園
俳句 | 作者 |
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緑陰の歌碑に歩を止め憩ひけり | わかば |
夏燕ハーブの園の空かすめ | 〃 |
息切らせ雄滝雌滝とめぐりけり | 宏虎 |
ロープウェー駅へ四葩のつづる坂 | 菜々 |
山上駅夏うぐゐすに迎えられ | はく子 |
滝三つをめぐる山路や鳥語降る | 〃 |
青空を割きて落ち来る滝白し | 〃 |
夏霞晴れて空港島見ゆる | 〃 |
加賀屋新田会所跡
俳句 | 作者 |
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冠木門くぐれば庭の風薫る | まさる |
門入ればいづくの道も青葉風 | 〃 |
四阿の屋根に楝の花の屑 | はく子 |
吉野窓開けて誘ふ若葉風 | 〃 |
高殿の四阿に降る花樗 | わかば |
広縁は舞台造りや風薫る | 菜々 |
屋敷跡あふちの花の降りやまぬ | かれん |
藤井寺周辺
俳句 | 作者 |
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藤の房虻の頭突きに揺れやまず | ひかり |
石畳目地見えぬほど落花敷く | 〃 |
春光の中洲ひしめく鳥の影 | 〃 |
元宮の今鎮もれて花は葉に | 満天 |
落花敷き砂紋の庭の華やげり | 〃 |
御開帳へと磴のぼる春日傘 | 〃 |
撫で牛の八方撫でて宮遅日 | きづな |
名の宮の裏門著莪の花あかり | 〃 |
京都御苑 参加者8名
俳句 | 作者 |
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初桜祈願成就の絵馬もあり | ぽんこ |
青空を被ひつくして糸桜 | 〃 |
翡翠の一閃水のきらめきぬ | はく子 |
咲き満ちて水面にふるる糸桜 | 〃 |
御所桜今日の至福と愛でにけり | 宏虎 |
夙川公民館
俳句 | 作者 |
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雪解水命得しごとたばしれる | 宏虎 |
砂吐きて浅蜊の舌ののびにけり | 〃 |
水仙の丈を揃へて剪りにけり | まさる |
美容師のはさみに委ね目借時 | ぽんこ |
下萌ゆる園に巡路の区切り縄 | つくし |
甲山墨絵ぼかしに春しぐれ | 菜々 |
露天湯の四囲に広ごる春の雪 | 満天 |
春の鴨尻おっ立てて潜りけり | はく子 |
湯の町を貫き奏づ雪解川 | 〃 |
にぎはへる川原湯四囲に斑雪山 | 〃 |
王子動物園
俳句 | 作者 |
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玻璃内は象の寝室園四温 | 菜々 |
池凍つる片足立ちにフラミンゴ | 〃 |
仏壇の灯暗き余寒かな | 宏虎 |
園児等にきりん首のぶ日永かな | きづな |
散歩する人も小犬も着膨れて | つくし |
寒の園河馬は梃でも動かざり | はく子 |