みのる選:2010年度
みのる選:2010年度
忘年会 参加者15名
俳句 | 作者 |
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赤白の寄せ植ゑ園のクリスマス | ひかり |
伴走は自転車の妻冬うらら | 〃 |
撒き餌に狂喜乱舞や百合鴎 | 〃 |
ビルの間の日差一条冬運河 | 〃 |
街角はタイムトリップ社会鍋 | 菜々 |
イルミネーション消えて星空聖夜更く | 〃 |
親鸞像笠を目深に木の葉雨 | 〃 |
ウインドーに銀色の靴クリスマス | うつぎ |
銀杏落葉掃くは商社のニューフェース | 〃 |
枯蓮の地獄に沈む一輪車 | ぽんこ |
大絵馬が裏に鎮座す年用意 | 〃 |
信号も聖夜の星のひとつかな | 小袖 |
街師走路地あちこちに荷を下ろし | 〃 |
大嚏視線を浴びる車内かな | 百合 |
冬帝や芭蕉の句碑の凛として | 〃 |
枯菊を焚きて入院待つばかり | きづな |
ワゴンセールみな越境す年の市 | 〃 |
ごほうびに句帳いただくクリスマス | かれん |
年暮るる廻せば軽き摩尼車 | 〃 |
目鼻消え阿弥陀様とや身にぞ入む | 明日香 |
大楠の根方は石蕗の花明かり | わかば |
辻一つ入れば下町おでん街 | よし子 |
教会の小さき電飾クリスマス | せいじ |
いてふ枯れきって空広ごりぬ御堂筋 | はく子 |
数へ日のメモを片手に右往左往 | 満天 |
いそいそと納め句座へと街師走 | 〃 |
山茶花の散り敷く庭の句碑めぐる | 〃 |
裸木のまとふ華燭の星づくし | 〃 |
京都渉成園 参加者17名
俳句 | 作者 |
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水に還る他なし蓮の枯れ伏して | うつぎ |
もくれんの光をまとふ冬芽かな | 〃 |
着物美人まどろむ京の暖房車 | 〃 |
橋渡る間もしきりなる散紅葉 | 〃 |
数珠を編む指に見とれる路地小春 | 〃 |
どこに立つもカメラの邪魔や紅葉寺 | 〃 |
鯉躍如映る紅葉を揺るがせて | ひかり |
旗に付く善男善女報恩講 | 〃 |
日の揺らぎ障子に映へて池畔亭 | 〃 |
黄落の大路参拝バスしきり | 〃 |
スニーカー嵩の落葉をけ散らせて | きづな |
池畔亭ひたと閉じたる白障子 | 〃 |
茶室へと茶の花垣の続きけり | 〃 |
山門の左右の遅速や黄落す | 〃 |
名園に座して満目冬紅葉 | わかば |
抽ん出て苑を統べをる大枯木 | 〃 |
後足宙にもがきて鴨潜る | 有香 |
ビロードのごともくれんの太芽 | かな〃 |
天皇のお休み跡や色鳥来 | 百合 |
槍折れし如くに蓮の枯れにけり | 〃 |
矍鑠とせる枯蓮もありにけり | せいじ |
黄葉して苑睥睨す大銀杏 | 〃 |
風吹けばかそけき音や枯蓮 | はく子 |
堂に満つ信徒千人報恩講 | 〃 |
小春日や一期一会の園めぐる | あさ子 |
天を突く銀杏黄葉の眩しけり | 宏虎 |
火のごとく燃ゆる一隅櫨紅葉ぽ | んこ |
枯蓮直立不動武者のごと | 百姓 |
散紅葉五彩に敷きし水の底 | 明日香 |
枯蓮の影のゆらぎや水鏡 | よし子 |
御堂千畳門徒にあふれ親鸞忌 | 菜々 |
折れずして直立したる枯蓮 | 満天 |
参拝の数多のバスに銀杏散る | 〃 |
小流に色をとどめし散紅葉 | 〃 |
山門のうちそとに散る大銀杏 | 〃 |
能勢古民家芋煮会 参加者10名
俳句 | 作者 |
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をみならの声遠きより冬田かな | 雅流 |
庭隅へ日差し集めて石蕗黄なり | 〃 |
古民家のかまどを借りて芋煮会 | 〃 |
大鍋の底舐むる熾芋煮会 | 〃 |
仮庵に昼餉の湯気の立ちにけり | せいじ |
刈り取れば積石畝る棚田かな | 〃 |
白壁の割れ目と見しは枯蟷螂 | 〃 |
紅葉散る踏むまじくして見とれけり | よしお |
蔓引けばパラパラパラとむかご落つ | 〃 |
茅葺の家よりのぞむ里の秋 | 〃 |
冬の蝶棚田一枚とびきれず | よう子 |
トンネルの多し能勢路の紅葉山 | 〃 |
炉を囲みいにしへ偲ぶ句会かな | 裕子 |
柿紅葉里山の道照らしけり | 〃 |
小春日の障子にうつる深庇 | よし子 |
百年の囲炉裏囲んで句座楽し | 〃 |
火吹竹肺全開に吹きにけり | 有香 |
炉を囲み大家族めく句会かな | 小袖 |
俯瞰して棚田の秋を惜しみけり | うつぎ |
石蕗明り行基の寺の布教板 | 〃 |
炉に語る青畝汀女や句座懐し | 〃 |
連衆の顔火照らせて炉辺の句座 | 〃 |
囲炉裏辺に祖母の俤火吹竹 | 〃 |
山崎山荘 参加者13名
俳句 | 作者 |
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モネの絵に寄りて離りて秋惜しむ | 菜々 |
鯉過ぎり池面のもみぢ影乱す | 〃 |
杜鵑草木々の洩れ日に斑を散らす | 〃 |
爽やかや白磁の香炉を眼福に | 〃 |
石蕗蕾む筧の水の滴々に | 〃 |
俯瞰する摂津三川秋日和 | よし子 |
紅葉坂辿りて山荘美術館 | 〃 |
鉄塔の先に触れさう秋の雲 | 〃 |
鵙一声うち仰ぐ空蒼きかな | 〃 |
草紅葉送迎バスの発着場 | きづな |
腰掛に適ふ切株小鳥来る | 〃 |
柴折戸の軋むを開けてそぞろ寒 | 〃 |
秋草の彩どる池塘めぐりけり | わかば |
相輪の覗く紅葉の濃かりけり | 〃 |
ヘリコプター小春の空の雲に入る | つくし |
身に入むや展示の肖像首は無し | 〃 |
庭園のおちこち秋の水の音 | かれん |
玻璃窓のダイヤカットに冬日燦 | 〃 |
秋の陽を背負ひ急磴のぼりけり | ひろみ |
秋陽射す大切株の洞深し | 〃 |
拾ひたる紅葉句帳の栞とす | ぽんこ |
あめんぼう群れて夕日を散らしけり | 有香 |
薄もみぢ古戦跡碑の傘なせる | 小袖 |
天王山鬨の声かも鵙高音 | 百合 |
明日吟旅4 参加者17名
俳句 | 作者 |
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山門を額ぶちとして稲田見ゆ | 小袖 |
二面石彫のくずれに秋思憑く | 〃 |
糸とんぼ川面を掠め掠め飛ぶ | 〃 |
沢音の強弱もまた秋の声 | 〃 |
曼珠沙華藪の奥へと飛び火して | うつぎ |
秋蝶のあち来こち来す二面石 | 〃 |
秋扇ついと閉まりし吟行子 | 〃 |
二面石見てより秋思始まれり | 〃 |
道ゆずり合ひてハイカー爽やかに | かれん |
対岸のなぞへを埋む曼珠沙華 | 〃 |
紫苑咲き破れ築地を隠しけり | きづな |
岡寺と粧ふ山を指されけり | 〃 |
稲田中ニュースを告ぐるスピーカー | ひろみ |
黒土を乗せしまんまの菌あり | 〃 |
明日香川木々を映して水澄める | 百合 |
と見る間に草に紛れし秋の蝶 | 〃 |
甘樫の丘に秋風通ひくる | ひかり |
ひらひらと万葉姫の蝶ならむ | 〃 |
祖水路をた走しりて水澄めりけり | わかば |
二面石我が胸に問ふ秋思かな | 満天 |
明日香路楽し秋草あまた咲く | はく子 |
鶏頭は孤高の紅を極めけり | 宏虎 |
黄金の稲田に浮ぶ古刹かな | せいじ |
葛のつる飛鳥めぐりのバスに触れ | なな |
古墳から古墳へ秋の遍路かな | つくし |
川底にさす薄日や水澄める | ぽんこ |
明日吟旅3 参加者17名
俳句 | 作者 |
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虫すだく森へ一閃朝日さす | わかば |
色鳥来朝の光の洩る森へ | 〃 |
朝日今谷戸の稲田にとどきたり | 〃 |
真夜覚めて明日香の里の良夜かな | 〃 |
一色にあらず棚田の稲なびく | こすもす |
秋の蚊のあくびの口に飛び込みぬ | 〃 |
豊年の棚田に朝日さしわたり | 〃 |
展望の大和三山秋晴るる | 〃 |
下界より声谺して山は秋 | 百合 |
窓開けて虫の声聴く旅の宿 | 〃 |
この森の葉擦れの音も秋の声 | 〃 |
ストーカーめきし秋の蚊払ひけり | 〃 |
露天湯に肩のしずめば虫浄土 | 満天 |
虫の音の間遠となりて夢の中 | 〃 |
萩葎かきわけて訪ふ石舞台 | 〃 |
万葉のゆかりの橋に秋惜しむ | 〃 |
寝惜しむ明日香の宿の虫浄土 | よし子 |
高枝より鵙の高音や朝散歩 | 〃 |
遠山に雲棚びきて朝涼し | 〃 |
くつきりと棚田耀く月今宵 | 宏虎 |
月白や万葉人の詠みし丘 | 〃 |
芝草の万朶の露に朝日射す | ひろみ |
秋の水瀬石あらひて曲り行く | 〃 |
露の道踏みて里山朝散歩 | はく子 |
彼岸花つづる畦道朝散歩 | 〃 |
遠望に朝日弾くは鳥威 | うつぎ |
杉の秀の黒く聳ゆる月の影 | 〃 |
稔り田に天の香具山横たはる | 小袖 |
落合ひの音露けしや玉藻橋 | かれん |
気をつけての声をうしろに虫の闇 | 明日香 |
案山子とも人ともつかず夜の明くる | 有香 |
飛鳥野を隈なく照らす良夜かな | なな |
明日吟旅2 参加者17名
俳句 | 作者 |
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近づきて案山子とわかる棚田かな | わかば |
峠まで棚田を行けば秋暑し | 〃 |
峠まで案山子路辿る棚田かな | 〃 |
畦に立つわらべ案山子は赤い靴 | なな |
曼珠沙華いよよ夕日に燃えにけり | 〃 |
筆先に似たる蕾や彼岸花 | 〃 |
畦道に案山子百態虫はやす | はく子 |
暮れ初めて峡田は虫の浄土かな | 〃 |
秋天へ棚田幾枚数へけり | 〃 |
落栗や農小屋なべてトタン屋根 | きづな |
どの道をとるも水音野路の秋 | 〃 |
かなかなや一と句会終ゆ裏山に | 〃 |
明日香路連なり進む秋日傘 | 有香 |
目まとひを払ひ会釈を交す野路 | 〃 |
天高く直立したる飛行雲 | こすもす |
展望台棚田へつるべ落しの日 | 〃 |
たち並ぶ案山子ロードや峠道 | 明日香 |
秋夕焼なぞへに傾ぐ道祖神 | 〃 |
夕暮れの棚田棚田の虫の声 | ひろみ |
木々覆ひつくして葛の花匂ふ | 〃 |
宿へとる道は一筋竹の春 | かれん |
落し水音孱孱と棚田道 | 〃 |
曼珠沙華棚田の畦を区切りけり | 満天 |
案山子にはあらずカメラマン動く | 〃 |
秋灯煤けきったる飛鳥仏 | うつぎ |
身にぞ入む頬傷深き飛鳥仏 | 〃 |
耳鳴りにあらずまつはる秋の蚊ぞ | せいじ |
神の木の鼓動に聴かむ秋の声 | 百合 |
亀石を撫でて明日香の秋惜しむ | 宏虎 |
秋の鐘一打首塚寧かれと | 小袖 |
明日吟旅1 参加者17名
俳句 | 作者 |
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秋の蝶ついと消えたる草葎 | 宏虎 |
豊の秋ひろごる中に飛鳥寺 | 〃 |
石舞台そびらに歩む秋日傘 | 〃 |
乱れ萩展望台の径狭む | 〃 |
神宮の神鼓の音や新松子 | 〃 |
秋蝶の黄をこぼしつつ過りけり | うつぎ |
露けしき万葉の碑は相聞歌 | 〃 |
露の野に盤石おきし石舞台 | 〃 |
と見る間に棚田を隠し霧流る | 〃 |
飛鳥路の棚田の天辺霧隠れ | 〃 |
甘樫の丘に見おろす豊の秋 | 百合 |
秋しぐれ木々の葉色の斑なる | 〃 |
石舞台囲む山並空澄める | 〃 |
蜘蛛の囲が揺りかごめける枯葉かな | こすもす |
見上げれば病葉多き古木かな | 〃 |
近道はマムシ注意の札の立つ | 〃 |
高塀の外へさゆらぐ百日紅 | わかば |
法面の一叢そよぐ花薄 | 〃 |
萩葎枝垂れて風の生れけり | 〃 |
石舞台そよ吹く風にあきつ舞ふ | 満天 |
百選の棚田も今は豊の秋 | 〃 |
秋暑したのむ木々なき石舞台 | 〃 |
ホ句の道初めて拾ふ落としぶみ | ひろみ |
たわわなる桐の実丘を埋むかに | 〃 |
ハイカーに手を振る明日香野路の秋 | 有香 |
曼珠沙華供花に挿されし石舞台 | 〃 |
石舞台秋つ光を集めをり | 小袖 |
水澄みて真砂の見ゆる飛鳥川 | 〃 |
道路鏡映す棚田の彼岸花 | かれん |
露草や一過の雨に瑠璃深む | 〃 |
飛鳥路の亀バス待つ間秋しぐれ | なな |
村人のすぐそこ遠し彼岸花 | 〃 |
音たててさ走る疎水秋高し | きづな |
豊の秋大和三山見ゆる丘 | はく子 |
山峡に煙ひとすじ里の秋 | 明日香 |
奈良公園 参加者15名
俳句 | 作者 |
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老鶯の春日社の森こだまして | はく子 |
鹿の耳ぴくぴく動く新樹風 | 〃 |
飛火野に集ふ吾らに風薫る | 〃 |
行厨にぬっと顔出す孕み鹿 | 〃 |
薫風や絵図をたのみに古都巡る | ぽんこ |
塔の影水面に乱れ青嵐 | 〃 |
万緑や池鏡なる浮見堂 | 〃 |
一の鳥居しのぐ老松色変へず | かれん |
飛火野の起伏をかすめ夏つばめ | 〃 |
どの道をとるも水音森涼し | 〃 |
連子窓続く回廊若葉風 | わかば |
えごの花散り敷く所禰宜の径 | 〃 |
遠近に田掻く人影斑鳩路 | よし女 |
万緑や足輪も太き仁王尊 | 〃 |
青苔をむす走り根の力かな | 三刀 |
笑み涼し言の葉やさし春日巫女 | 〃 |
梅天下甲羅干しなる貸ボート | ひかり |
新緑の四囲にせりだす浮見堂 | 〃 |
子らの声弾け飛火野夏兆す | きづな |
地にふれむばかり藤蔓木下闇 | 〃 |
揚げ雲雀大和の山は高からず | つくし |
掃かずある直哉旧居の春落葉 | 〃 |
温かや初めて集ふ句会の座 | ひろみ |
亀の甲乾き始めし梅雨晴間 | 〃 |
神杉の太き走り根木下闇 | 明日香 |
枝分れの気配を早やも袋角 | 菜々 |
参道に天降る香は楠新樹 | 満天 |
竹皮をぬぎて天へと直立す | 〃 |
京都植物園 参加者11名
俳句 | 作者 |
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木香薔薇四方へ香りの蔓ひろげ | 菜々 |
園ここら喬木の森や著莪の花 | 〃 |
野遊びの園児ら声を撒き散らす | 〃 |
園広し百樹百花に春惜しむ | 〃 |
園若葉髪なびかせて乙女像 | 〃 |
夏めくやはるか比叡は藍色に | 〃 |
あめんぼう己の影とあそびけり | 宏虎 |
一水に黄を散らしけり濃山吹 | 〃 |
菜の花黄賀茂の河原を埋めけり | 〃 |
車椅子押して母との春惜しむ | 百姓 |
下萌に斑の洩れ日揺らぎをり | 〃 |
春落葉踏みならしつつ苑巡る | かれん |
写生児の画布をはみ出す青葉かな | 〃 |
加茂川の中州を渡る花菜風 | 有香 |
温室の狭しと占むる奇樹珍樹 | 〃 |
佇めば頬触る風や園うらら | 明日香 |
逍遥の半木の道余花にあふ | きづな |
茎立ちの菜花中州に揺れやまず | 小袖 |
雨晴れて光をはじく犬ふぐり | 満天 |
堰落つる水に遊べる春の蝶 | はく子 |
鴨川の水きらめきて花は葉に | 〃 |
ゆずりはは花を要に古葉新葉 | 〃 |
住吉大社 参加者14名
俳句 | 作者 |
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神域の奥へ奥へと春落葉 | きづな |
なほ読めぬ句碑春落葉払ひても | 〃 |
古り増さる百の灯籠春陰に | 〃 |
春の雨朱の反橋を渡りかね | 〃 |
高灯籠松の緑のなほ上に | 〃 |
春雨の水輪をつづる心字池 | ひかり |
境内は芽吹きの色に染まりをり | 〃 |
御神田を埋めて草の芳しく | 〃 |
春雨に踏む玉砂利の音高し | 〃 |
亀鳴くや降りは難し太鼓橋 | かれん |
春雨に濡れて古木の洞暗し | 〃 |
瑞兆のごと草萌ゆる御神田 | 〃 |
狛犬の鼻こそばゆし黄砂降る | 宏虎 |
茎立てる空に引力ある如く | 〃 |
霾や黄色に染まる京の町 | 百姓 |
落ちてなほ雅と思ふ椿かな | 〃 |
春雨の住吉参りまた楽し | 百合 |
御手洗の兎吐き出す春の水 | 〃 |
春雨に翡翠一閃過りけり | はく子 |
石橋に春愁の鷺動かざり | 〃 |
拝殿の朱を明るふす春の雨 | ぽんこ |
春しぐれ思はず触れし芭蕉句碑 | 明日香 |
太鼓橋松の緑を両袖に | 菜々 |
花冷の駅頭人のあふれけり | よし子 |
朱の橋をくぐりくぐりて春の鴨 | 満天 |
春愁や朽木然たる御神木 | 〃 |