みのる選:2021年度
俳句 | 作者 |
打たせ湯にほぐれし肩や桜の芽 | 素秀 |
大欅芽ぶく力に勇気得し | なおこ |
蒼天をカンバスとして木の芽吹く | せいじ |
翻りては水面打つ柳の芽 | せいじ |
村に入る馬頭観音芽木の風 | なつき |
杣道の風匂ひたつ芽立ちかな | 素秀 |
草の芽に尻もちついて昼休み | よう子 |
はんなりと芽柳垂るる京の路地 | 小袖 |
ものの芽のささやきを聞く六地蔵 | なつき |
定年の勤務表閉ず木の芽どき | 豊実 |
男湯を先に出て待つ柳の芽 | 豊実 |
俳句 | 作者 |
振り向ひて手を振る吾子や風光る | よう子 |
湯治宿雪解しずくの音に覚め | 菜々 |
出漁の水脈追ふ鴎風光る | うつぎ |
風光る灘を一望方位盤 | うつぎ |
雪解けの窓を貫く陽射しかな | なつき |
磨崖仏雪解雫に濡れそぼつ | 素秀 |
女生徒のブラウス白く風光る | なおこ |
大鷺の嘴に小魚風光る | せいじ |
部活女子駆け抜ける森風光る | 小袖 |
北窓をずり落つ屋根の雪解かな | よう子 |
落ち合ひていよいよ猛る雪解川 | 菜々 |
俳句 | 作者 |
条幅にみ言葉太く筆始 | せいじ |
どんど焚児らにごほうび煎餅菓子 | なおこ |
寒紅をひきてズームの初句会 | よし子 |
鞘堂に透ける灯明大旦 | 小袖 |
百歳の声に張りある御慶かな | うつぎ |
凧糸に力みなぎる初御空 | せいじ |
お年玉もらふ曾孫ら横並び | なつき |
松明の揺らぎに祈る四方拝 | 素秀 |
竹爆ぜて木霊を返す大とんど | うつぎ |
初写経一字一字に仏在す | うつぎ |
初空は飛機ひとすじの真澄かな | 素秀 |
どんど見て帰る子灰をほつぺたに | なおこ |
妻眠る後部座席の破魔矢かな | 豊実 |
俳句 | 作者 |
聖樹前チェリスト天に弓かざす | 素秀 |
師走中愛犬の死を悼みけり | なつき |
乱帙の諸書断捨離す師走かな | 豊実 |
駅前のピアノは無人町師走 | せいじ |
蹲ひに枯葉閉じ込め初氷 | 菜々 |
街師走一等賞の鐘ひびく | かかし |
カーナビの迂回路頼む師走かな | なおこ |
最敬礼されて店出づ師走かな | 小袖 |
極月の路地にビッグイシュー売る | よう子 |
剪定の鋏忙しや庭師走 | 菜々 |
セロ抱え大き背急ぐ師走街 | 素秀 |
クリスマスカード南の離島より | 素秀 |