みのる選:2007年度

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2007年12月26日

忘年句会

俳句作者
冬うらら湯煙に立つ道祖神菜々
恙無き手足のばしぬ柚子風呂に
焚火の火尽きても話続きをりまさる
黄落のしきりなる径図書館へけんいち
四阿の屋根に嵩なす落葉かなぽんこ
店先を占領したるシクラメンひかり
「偽」の一字席巻したる年の行くはく子
渓谷の SL列車旅小春
落ち葉踏むおろしたてなるスニーカー
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2007年11月28日

大阪中之島

俳句作者
初冬や見越しの松の町屋並ひかり
手先の餌見事掠めてゆりかもめ
水辺なる一隅石蕗の花明り
散り敷ける銀杏落葉の並木道わかば
標石落葉に埋まる古道かな
休みなき主婦業勤労感謝の日まさる
身に入むや留守電に聴く訃報ありつくし
水上バスゆりかもめ等をひきつれてぽんこ
黄落す翁辞世の碑ほとりにけんいち
ブロンズの裸婦黄落にきらめきぬ満天
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2007年10月24日

南禅寺

俳句作者
句碑訪ね由緒を巡る菊日和宏虎
襖絵の虎の眼光冷まじき
石橋に天蓋なせる照もみぢ菜々
秋天へ三門飛簷張りにはり
爽やかや楼門はるか高嶺晴まさる
粧ひし山より引きし疎水かなけんいち
秋嶺を背に砦めく大伽藍わかば
流れ行く疎水の調べうす紅葉ぽんこ
つくばいに鏡映りす薄紅葉ひかり
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2007年9月26日

仁徳天皇陵・大仙公園

俳句作者
謎めきぬ古墳のいはれ小鳥来る宏虎
岩走る曲水の音涼新た
墨絵めく金剛の嶺々雁の秋
色変えぬ松が影なす御陵道菜々
露の歌碑犬養節の聞こへさふ
就中御陵の塘のもみじ濃し
竹林の葉擦れおのずと秋の声まさる
水澄める仁徳陵の濠巡る
鎮もれる仁徳御陵の秋を聴くわかば
出土せし愁思顔なる埴輪かな
陵に向く陪塚や曼珠沙華けんいち
夕さりて平城宮址虫の声ひかり
身にぞ入む相聞の歌碑陵にはく子
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2007年8月22日

天王寺

俳句作者
秋風や洞穴閉ざす真田山わかば
草花に通う風あり野路の秋
湖の風通ふ天守の涼しさよひかり
あめんぼの影が遊べる真昼時
急坂の磴半ばなる蝉時雨宏虎
人気なき末社を訪へば秋の蝉満天
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2007年7月25日

夙川周辺

俳句作者
蓮の池白鷺一羽身じろがず宏虎
目鼻なき石仏群に蝉時雨
毛羽立てて野伏のごとし梅雨鴉けんいち
錦帯橋上り下りする日傘かなまさる
改札口出ずるや否や蝉時雨菜々
裸の子テトラポットに漫画読むきづな
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2007年6月27日

天王寺

俳句作者
塩田に潮を撒きゐる跣かなまさる
潮風の通りぬけたる土間涼し
草刈機うなるをやめし昼餉時嘉一朗
平城京趾南北十条五月晴
緑蔭の小さき祠は芭蕉堂わかば
川涼し野の花の名を教はりつはく子
泰山木寺屋根越へて杯あぐる満天
蓮池の余白にあそぶあめんぼう
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