みのる選:2008年度
みのる選:2008年度
忘年句会
俳句 | 作者 |
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パステル画さながら沼の散もみぢ | 菜々 |
本丸址二の丸址と落葉踏む | 〃 |
朝日さす磴に五彩の散り紅葉 | ひかり |
野良猫に手ぶらわびをり霜の朝 | 〃 |
廃校の校舎黄落しきりなる | きづな |
お歳暮の礼にはじまり長電話 | 満天 |
俳句 | 作者 |
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蒼き空銀杏落葉の降りやまず | まさる |
連山の主峰最も紅葉濃し | 〃 |
日溜りの樹下に一叢石蕗黄なり | ひかり |
ビル影の運河に乱舞百合鴎 | 〃 |
碧天にひかり撒くごと銀杏散る | 宏虎 |
病棟の窓に黄落始まりぬ | けんいち |
古稀迎ふ友へ真紅の薔薇贈る | わかば |
落葉降る笠を目深に親鸞像 | 菜々 |
六車線大路の左右に銀杏散る | きづな |
明石城公園
俳句 | 作者 |
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水面より秋天仰ぐ亀の首 | ひかり |
城址の古りし石垣薄紅葉 | 〃 |
秋夕焼湾に鴎の舞ひやまず | きづな |
秋霖や芭蕉の句碑はなほ奥に | 〃 |
子午線の標に群れてあきつ舞ふ | まさる |
色変へぬ松を守りて一末社 | はく子 |
長居公園植物園 参加者10名
俳句 | 作者 |
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大樟の空一穢なく秋高し | 宏虎 |
薄の穂の風に揺るるも触れ合はず | 粲 |
コスモスに見え隠れしてカメラマン | 菜々 |
茅葺きの小門くぐれば初紅葉 | ぽんこ |
佇みて瀬音に秋を聞きにけり | わかば |
夙川公民館
俳句 | 作者 |
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書に倦みて一息入るる月の窓 | 宏虎 |
蟷螂の所作はパントマイムかな | 〃 |
向日葵の百万本か日をはじく | まさる |
けんけんの子らとあそべる赤とんぼ | 〃 |
愁思ともモデイリアーニの長き顔 | 満天 |
仕舞風呂心置きなく虫浄土 | 〃 |
ありなしの風にうなずくねこじゃらし | わかば |
ぬるめの湯残暑のほてりさましけり | ひかり |
大鯉の影見え隠れ蓮は実に | はく子 |
天王寺動物園
俳句 | 作者 |
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水打つや最後の一杓鉢植へ | まさる |
通天閣せびらに立ちし雲の峰 | 〃 |
打ち水に苔匂ひ立つ寺苑かな | ひかり |
緑陰に首を寄せあふキリンかな | 〃 |
超高層ビルより高く雲の峰 | 宏虎 |
緑陰の径は自転車銀座かな | 菜々 |
色違ふ緑を重ね谷深し | きづな |
神苑の万葉がゆに暑気払ふ | 満天 |
万博公園
俳句 | 作者 |
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木隠れにひびく瀬音や額の花 | 菜々 |
鳰潜く蓮の浮葉のひまひまに | 〃 |
太陽の塔梅雨雲を支へけり | けんいち |
落し文一つ拾ひし心字池 | まさる |
遊歩道鳥語を零す合歓の花 | 宏虎 |
四阿の四方八方蓮の花 | 満天 |
西宮ヨットハーバー
俳句 | 作者 |
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緑陰に双子の寝顔乳母車 | ひかり |
林立のマスト動かぬ薄暑かな | 〃 |
鯵刺のきらめく湾へ矢のごとし | 満天 |
万緑や双手を天へ人魚像 | 〃 |
日の斑音なくゆらぐ若楓 | わかば |
優勝の魚拓を壁にカフェ涼し | 菜々 |
マーメイド号飾られし館涼し | はく子 |
京都宇治
俳句 | 作者 |
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廻らぬもありて水子の風車 | けんいち |
鳳凰堂へ反橋渡る春日傘 | 〃 |
たうたうと宇治の流れや夏兆す | ひかり |
桜蘂積む山門の鬼瓦 | 〃 |
琴坂のせせらぎの音に春惜しむ | 宏虎 |
琴坂へうち重なりし若楓 | 粲 |
高欄へ日の斑を散らす若楓 | 菜々 |
宇治川の白波かすめつばめ飛ぶ | きづな |
伊丹郷・昆陽池
俳句 | 作者 |
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ふる里はあの山向かふ鳥雲に | 菜々 |
歌碑めぐり日永の昆陽にあそびけり | 〃 |
葦の角殺生禁ずと標石 | 〃 |
せせらぎの風に吹かるる雪柳 | ぽんこ |
芽柳や長き息止め鳥潜る | 〃 |
水温む人影に鯉集まり来 | わかば |
ジェット機の音にも慣れて残る鴨 | けんいち |
春愁や城趾の井戸に土詰まる | 宏虎 |
ひびわれし女郎の墓や春寒し | 満天 |
きらめける池の面かすめ初つばめ | はく子 |
奈良東大寺
俳句 | 作者 |
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淡雪や二月堂への石畳 | 粲 |
冬ざれて人影もなし浮見堂 | 〃 |
白壁のつづく社家町風花す | 菜々 |
二月堂散華のごとく春の雪 | 〃 |
春火鉢抱く堂守二月堂 | けんいち |
雛飾るならまち通り骨董店 | 〃 |
参道に木の芽吹きをる二月堂 | わかば |
金の鴟尾対の大屋根風光る | まさる |
仁王像開く指先春の塵 | 宏虎 |
薄っすらと若草山に春の雪 | きづな |
吟行の仲間とすする茶粥かな | ひかり |
寄り来たる春鹿耳を凛とたて | つくし |
彫深き仁王の顔の春の塵 | 満天 |
枚方鍵屋
俳句 | 作者 |
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雨含み芽吹き初めたる古梅かな | 宏虎 |
蝋梅は黄の雨雫こぼしけり | 〃 |
梅固し合格祈願の掛絵馬に | 菜々 |
ボランティアガイドを老いの初仕事 | 〃 |
初みくじ櫻の枝に梅が枝に | けんいち |
雨あとの珠を連ねて梅ふふむ | 粲 |
梅の宮合格祈願絵馬満つる | ぽんこ |
着ぶくれて子らの登校見守りぬ | ひかり |
雨ふふみ蝋梅いよよ透きとほる | はく子 |
梅の宮辞して寺町たもとほり | 〃 |