みのる選:2015年度

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2015年11月26日

参加者9名 京都宇治

俳句作者
侘助の一穢なき白咲きつらねはく子
琴坂に高鳴る水音冬もみぢはく子
掃き清む宮司にもみぢかつ散れりはく子
宇治川の丹の欄干に片しぐれはく子
琴坂のせゝらぎを聞く秋意かな宏虎
川風に伏し止まざりし枯芒宏虎
磴一歩一歩に愛でる散紅葉宏虎
説法は馬耳東風と紅葉愛づ宏虎
右左水音高鳴る紅葉坂ひかり
水鳥のコロニーなせる中洲かなひかり
観音の裳裾となりて黄落すひかり
ぺちやくちやとシニア軍団紅葉狩ひかり
見に入むや断碑を見るに拝観料菜々
千年の古刹に牡丹返り咲く菜々
琴坂の水のしらべに秋惜しむ菜々
塵ひとつなき参道の紅葉影満天
侘助の白参道に蘂こぼす満天
小祠の裏堆く落葉積む明日香
侘助や建仁寺垣似合ふ家明日香
落合の白波高し紅葉川ぽんこ
せせらぎを幾重にも塞く散紅葉わかば
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2015年10月28日

相楽園 参加者13名

茶室へと誘なふ径の石蕗明り満天
昨夜雨に樹々の艶めく苑小春満天
菊あるじ苦労話をひとくさり満天
春慶の船屋形ある紅葉影満天
身にしむや庭に震禍のモニュメントぽんこ
大灯籠とりかこみたる石蕗明りぽんこ
厚物に衰えの見ゆ菊花展ぽんこ
岩走る流れに沿ひて石蕗黄なりわかば
木洩れ日のスポットライト石蕗黄なりわかば
四阿に通ふ爽籟庭小春わかば
四つ目垣お気に入りらし赤とんぼ有香
小鳥来る千手を翳す大樟に有香
丁寧に糸菊ほぐす主かな有香
船屋形もみぢ明りに金ン燦と菜々
せせらぎの風にささ揺れ石蕗の花菜々
栗赤飯いただくお庭菊薫る明日香
きらきらと小春日を揉む小川かな明日香
庭園の飛び石づたひ石蕗小径小袖
爽籟や池に散らばる鯉の影小袖
背景は高層ビルや菊花展よし子
裏を見て懸崖菊をうべなひぬよし子
菊花展小学生らの作品もこすもす
雨予報嘘のごとくに菊日和こすもす
地震の跡標す煙突秋日影ひかり
菊手入れ宝のごとく愛ほしみよう子
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2015年9月28日

京都蘆山寺・梨木神社 参加者7名

俳句作者
嫗らの井戸端会議小鳥来る小袖
舞殿の四方に燃え立つ紅葉かな小袖
石庭に濃き老松の秋日影小袖
大和歌碑なぞる指先萩白し小袖
水汲ん場一会の会釈爽やかに小袖
白砂の銀と輝く小春かな小袖
友を待つ間の長かりし秋暑かなひかり
短冊のホ句をうべなふ萩の宮ひかり
盛りなる萩に短冊揺れやまずひかり
色変えぬ松の影置く白砂かなひかり
縺れつつ不即不離なる萩の蝶ひかり
秋灯下文箱に凛と菊の紋菜々
紅白の萩にささゆれ恋の絵馬菜々
妙齢の人のそびらへ一葉落つ菜々
秋惜しむ式部邸址の縁に座し菜々
萩葎へと紛れたる黄蝶かなぽんこ
御所づくり高貴ただよふ萩の道ぽんこ
白壁に揺れやまざりしもみぢ影ぽんこ
ひるがへる短冊数多萩の風ぽんこ
白砂なる寺苑に桔梗矍鑠とわかば
風さやぐ築地に仄と薄紅葉わかば
萩叢を分け入りて読む一碑かなわかば
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2015年6月23日

京都平安神宮 参加者9名

俳句作者
東山望む神苑緑さすわかば
蓮池のしがらみに鯉重なりてわかば
遣水の流れに沿ひて濃紫陽花わかば
神苑を巡る小流れ河鹿鳴くわかば
京なれや清水焼に氷菓盛る菜々
曲水へこぼれて紅し苑の萩菜々
一座二座三座と広げひつじ草菜々
しがらみを越ゆる水音の涼しさよ菜々
木道のあらぬ辺にでし梅雨茸明日香
遣り水の右に左に濃紫陽花明日香
神苑の箒目の径風涼し明日香
まず茅の輪くぐり神苑吟行す満天
万緑に仁王立つごと大鳥居満天
一服の涼橋殿に風通ふひかり
神苑の緑陰拾ひ吟行すひかり
池心なる石は鶴亀新樹光つくし
閉ざされし茶室への径五月闇つくし
緑さす休み処の野点傘こすもす
繋がれし古き小舟や池涼しこすもす
木洩れ日の斑に紛らわし半夏生せいじ
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2015年5月26日

池田久安寺 参加者13名

俳句作者
涼風の四阿に句を推敲すわかば
満目の緑の中の寺領かなわかば
満目の緑に染まる心字池わかば
楼門へ影揺れやまぬ若楓わかば
石畳覆ふ寺苑の緑かなわかば
いと小さき大師像立つ泉かな小袖
鬼瓦忿怒してをる樹下涼し小袖
心経の合唱満つる堂涼し小袖
濃淡の緑に染まる古刹かな小袖
新緑に浮かぶがごとし浮舞台満天
緑陰に集ひしわらべ地蔵かな満天
奥院へ道は四葩の切り通し満天
赤とんぼ弘法さまの肩の上に明日香
若楓洩る影唄ふごと揺るる明日香
万緑に朱の楼門を仰ぎけりぽんこ
薫風裡句を推敲す静心ぽんこ
瀬の楽に沿ひし参道風涼しこすもす
悉く寺苑を覆ふ若楓こすもす
あひ弾きあふは恋路のあめんぼうかかし
大蟻の踏んまえたちし鬼瓦かかし
囀りの樹下に行厨ひらきけり有香
一陣の風にひれふす若楓有香
金色の九輪の尖る青嶺かなひかり
十薬や大樹の影を埋め尽くしひかり
万緑に染まる池面や鯉躍如せいじ
楼門の四囲悉く若楓せいじ
万緑裡堂塔伽藍鎮もれるはく子
鳥語降る青葉若葉の寺庭にはく子
老鶯の四方に谺す浮御堂つくし
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2015年4月28日

春日大社 参加者16名

俳句作者
万葉の歌碑を綴りし若葉径わかば
参道の天蓋となる懸り藤わかば
神の杜肩にしきりの春落葉わかば
沢水に屑流れ行く藤の園わかば
陽を閉ざす大樹の杜の著莪浄土わかば
十重二十重みかさの山に藤懸る菜々
澄む池に丹塗の影や浮舞台菜々
鴟尾高き老舗料亭桐の花菜々
大前に瑠璃ひき流し蜥蜴過ぐ菜々
遥拝す山藤匂ふ回廊にひかり
行厨によき緑陰を得たりけりひかり
稜線の膨らむ如く山笑ふひかり
傾ぎたつ春日燈籠苔の花ひかり
飛火野にはじける声は遠足子満天
懸り藤池に映りし浮舞台満天
砂づりの藤のしずくを掌に満天
満開の藤の香に酔ひ人に酔ひよう子
倒木に宿りて芽ぐむ若木かなよう子
池の面の青天井に懸り藤よう子
藤匂ふ径花虻のホバリングせいじ
神杉の杜の中なる藤の園せいじ
藤の香を身に纏ひつつ園巡るせいじ
譲りあふ歩板の狭し花菖蒲有香
風倒木洞に宿りて著莪白し有香
飛火野や指呼の彼方に懸り藤うつぎ
鹿子の脚心もとなき木の根道うつぎ
春の蝶万葉園に来て遊ぶよし子
後殿なる磐座や藤の山つくし
懸り藤春日大社の裏山にぽんこ
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2015年3月31日

王子動物園 参加者14名

俳句作者
春愁や長さの違ふぞうの牙満天
フラミンゴ首を S字にして昼寝満天
広げたる孔雀の羽根に春日燦満天
春天をのぼりつめたる観覧車満天
子等駈ける余地なく混める花筵満天
花の径抜けて緑の異人館ひかり
春眠をむさぼるばかり檻の獅子ひかり
パンダ舎に行列なせる薄暑かなひかり
薄目してプールの河馬は春眠しひかり
観覧車いま天辺や山笑ふひかり
花疲れ出口に迷ふ遊園地うつぎ
花に浮き花に沈みて観覧車うつぎ
園うらら猿にキス受く硝子越しうつぎ
接吻の真似する猿や園うらら明日香
煌めけるアスカプールの春日かな明日香
園薄暑手にいっぱいの服さげて明日香
春愁か象後ずさりするばかり小袖
推敲のベンチは花の文学館小袖
春日洩る館に爆睡するコアラわかば
花陰に屯す園のフラミンゴわかば
手作りの花見弁当お裾分けよう子
春光に羽広げたる白孔雀宏虎
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