最新のみのる選
俳句 | 作者 |
白鶺鴒河原の綺羅を啄めり | むべ |
若竹の天辺に風あそびけり | わかば |
開け放つ水亭風鈴鳴りやまず | 康子 |
靴擦れの足を冷やせり夏の川 | なつき |
緑陰のベンチに朝餉老夫婦 | むべ |
夏草や町を見下ろす関所跡 | なつき |
水音の涼し水車は蕎麦粉挽く | 康子 |
花付きの胡瓜も並ぶ無人棚 | 澄子 |
俳句 | 作者 |
夏雲を睨みつけてる鬼瓦 | ぽんこ |
園丁はボランティア女子薔薇満開 | なつき |
庭涼し小流れに風生まれけり | 澄子 |
奥宮へ仰ぐ険磴苔涼し | もとこ |
豊かなる湧き水藻花揺れやまず | むべ |
一掬の湧水に汗ひきにけり | 康子 |
万緑を統べ巌頭の大師像 | うつぎ |
遠音聴く森の静寂や時鳥 | わかば |
山野草談義の尽きず樹下涼し | もとこ |
車座にわらべ地蔵や苔涼し | ぽんこ |
わさわさとウェーブなして若楓 | 澄子 |
ロレンソも通ひしといふ青葉径 | うつぎ |
青楓もりあお蛙の毬抱く | うつぎ |
あめんぼう青天井を弾きけり | 康子 |
宣教師通ひし余野の樹下涼し | こすもす |
せせらぎを覗くなぞへの四葩かな | たか子 |
湧水の吹上げやまぬ樹下涼し | 澄子 |
若楓十重二十重なすテラス席 | むべ |
木洩れ日を撥ねてたばしる渓涼し | あひる |
苔の上をたたら走りす岩清水 | 康子 |
秀吉のお手植えといふ樹下涼し | あひる |
俳句 | 作者 |
パドックの栗毛の気合汗光る | こすもす |
薫風や水面のみどり揺れやまず | 澄子 |
瀬しぶきに雫の光る歯朶涼し | 康子 |
おつちやんの怒号も走る草競馬 | もとこ |
藤棚の風に煌めく洩れ日かな | 康子 |
出走待つ緊張感や馬場薄暑 | よう子 |
水底の石にはりつく蝌蚪の群 | なつき |
女騎手人気薄なる草競馬 | うつぎ |
木洩日の大樹の根方著莪浄土 | むべ |
鞭一打勝馬目指す走りかな | わかば |
競馬場夏空高く日章旗 | ぽんこ |
武蔵野の野花活けたる竹の籠 | 澄子 |
重馬場の砂蹴散らせて草競馬 | うつぎ |
五月晴駿馬見定むパドックへ | わかば |
初めての馬券的中汗握る | よう子 |
俳句 | 作者 |
辻風に螺旋を描く飛花落花 | むべ |
花万朶永遠の平和を祈る碑に | うつぎ |
満開の桜も見ずやガードマン | よう子 |
影連れてゆつくり流る花筏 | うつぎ |
歩道橋持ち上げてをる花の雲 | むべ |
キャンパスの大路は今し花吹雪 | 澄子 |
踏青子椰子の蒼天仰ぎけり | ぽんこ |
キャンパスの野外ロックに花吹雪 | たか子 |
バス楽し花の坂道七曲り | もとこ |
どた靴のぬぎ散らばりし花筵 | なつき |
耳当てて木槌でこんと桜守 | かかし |
汝の肩にひとひら残る落花かな | 澄子 |
久闊を叙して姦し花万朶 | 康子 |
うららかや甲山背に時計台 | わかば |
花筏澱みし水面明るうす | こすもす |
若葉影映す学舎のアーチ窓 | 康子 |
キャンパスに満つる青春風光る | こすもす |
俳句 | 作者 |
尺角の大黒柱白障子 | ぽんこ |
大正の舶来シェード春灯 | うつぎ |
石室の手向けとなりぬ落椿 | むべ |
下萌やお役目終えし鬼瓦 | ぽんこ |
昭和なるドールハウスの温かし | わかば |
老夫婦句帳を首に梅愛づる | かかし |
春風に綾なす池の波の綺羅 | えいじ |
暖かやへつつひさんは銅づくし | うつぎ |
壁紙はモリスデザイン春館 | たか子 |
歴代の吊るし雛舞ふ蔵屋敷 | 康子 |
彼女待つ春の時雨の大手門 | 澄子 |
多聞より見下ろす濠の春めきぬ | 澄子 |
山茱萸の花にそぼ降る番所趾 | むべ |
子遍路の松かさ拾ふ奥の院 | なつき |
大松明先陣法螺はしんがりに | なつき |
春時雨石垣のみの天守趾 | 澄子 |
立ち並ぶドールハウスは春灯す | よう子 |
鏡なる水面乱して鳰現るる | むべ |
触れたくも触れてはならじ雛調度 | うつぎ |
海風にほぐるる河津桜かな | 康子 |
館長の饒舌やまぬ雛屋敷 | たか子 |
俳句 | 作者 |
春の雲揚げて遥けき天守閣 | わかば |
なかなかの役者涅槃の絵解き僧 | うつぎ |
雪しまき消へては現るる島嶼かな | むべ |
古町に研ぎ屋くすり屋路地うらら | うつぎ |
梅の宮あどけなき字の祈願絵馬 | なつき |
諸行無情説かれ涅槃の絵解き僧 | うつぎ |
涅槃寺合祀墓に彫る倶会一処 | はく子 |
いつくしき御門潜れば梅万朶 | 澄子 |
腰掛けてみるいけず石温かし | ぽんこ |
鬼瓦寺苑の隅の下萌に | たか子 |
古りたるも金色しるき涅槃像 | はく子 |
ありがたき涅槃の絵解き耳澄ます | 千鶴 |
アトリエの高窓洩れて囀れる | 康子 |
風花す島の小さき船着場 | むべ |
禊ぎてふ香炉跨ぎて涅槃図へ | たか子 |
春風に幟はためく芝居小屋 | よう子 |
染めの街貫く水音春奏づ | 康子 |
俳句 | 作者 |
冬木の芽緩むかと思ふ今朝の雨 | わかば |
松飾り梅結びなるめでたさよ | むべ |
破魔矢受くマスク美人の巫女なりし | なつき |
蒼天へ鬩ぎあふやに冬木の芽 | せいじ |
百稈の竹青々と淑気満つ | むべ |
参拝の列緩みしは宮焚火 | なつき |
さざなみの遡りゆく冬の川 | あひる |
初凪の沖に散らばる鳥の影 | えいじ |
実南天たわわに頭垂れにけり | 澄子 |
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