みのる選:2023年度

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2023年11月21日(参加者 8名)

俳句作者
己が葉に濃き影落とす石蕗の花せいじ
錦繍の森に白亜の聖母像せいじ
十字架の道行といふ石蕗明かりせいじ
蜜柑たわわトラピスチヌの裏庭にせいじ
小鳥来る祈りの家の庭木々にせいじ
歩を止めよ汝が踏むところ寒蕨ぽんこ
手入良きトラピスチヌの冬菜畑ぽんこ
磔像へ玉の日の射す冬座敷ぽんこ
木洩れ日の届く奈落の谷紅葉ぽんこ
ふかふかに嵩なす大王松落葉ぽんこ
磔像の縁へ出でませ庭小春うつぎ
くれなゐを鎧ひてゐたり冬木の芽うつぎ
大王松落葉句帳をはみ出せるうつぎ
団栗落つルルドの池の水面打ちうつぎ
黙想の庭の静けさ小鳥来るわかば
冬薔薇真紅を秘めて蕾みをりわかば
影絵めく木立に透けて紅葉映ゆわかば
紅葉影み手を広げしイエス像わかば
とりどりの色の草の実苑愉し小袖
照り翳る冬日にイエス像柔和小袖
十字架の塔浮き彫りに冬晴るる小袖
照紅葉ルルドの池は水鏡よう子
海街へ坂なす道の石蕗明かりもとこ

2023年10月17日(参加者 8名)

俳句作者
深山道ダム湖に出でてより清かわかば
黄落の道の木洩れ日拾ひゆくわかば
敗荷の大きな葉をば支へかねわかば
秋の日を燦と弾きぬ鏡池わかば
一渓の底ひ彩なす紅葉川わかば
蟷螂の枯れて花魁歩みかなあひる
風草を通りぬけゆく風さやかあひる
渓谷へ十重二十重なす紅葉かなあひる
身に入むや残念石の穴虚ろうつぎ
伸びきつて蓮の台の枯れゐたりうつぎ
凭れあひ支へあひつつ蓮枯るるうつぎ
秋嶺の天辺にたつ慰霊塔小袖
秋うらら湾に犇めく釣り筏小袖
杜深く神さぶ秋の声を聞くもとこ
秋草を揺らして機嫌大水車もとこ
水音に癒やされながら園うららこすもす
渓谷の奈落に逸る紅葉川ぽんこ

2023年9月19日(参加者 9名)

俳句作者
大木を攀じりし蔦の風に笑むぽんこ
石垣の天辺埋む蛍草ぽんこ
踏石の真中を萩の通せんぼぽんこ
蔦かづら鎧ふ廃墟の赤レンガぽんこ
喬木の樹間を過ぎる秋の雲ぽんこ
木漏れ日の径に散らばる木の実かなあひる
柵あれど盗人萩は内へ外へあひる
萩叢へ石並べ敷く小径かなあひる
若芒絵筆のごとく真直ぐにあひる
草萩も万葉園に彩を添ふうつぎ
万葉園に紛れ込みたる灸花うつぎ
すすき戦ぐ風の十字路なりしかなうつぎ
芒原埋もれる歌碑は相聞歌もとこ
吟行に一服もらふ萩の風もとこ
公園の小川水無き残暑かなもとこ
万葉の歌碑をめぐりて萩の道わかば
歌碑の道巡りつ数ふ千草かなわかば
喬木の葉擦れの音や風は秋わかば
風の道盗人萩を二タ分けすよう子
赤とんぼメタセコイアの空高くよう子
刻々と変はる筋雲秋夕焼こすもす
うち仰ぐ秋天高く落生松たか子

2023年7月18日(参加者 7名)

俳句作者
瀬の石を桂馬飛びして避暑散歩うつぎ
獅子頭めくは瀬石や石菖生ふうつぎ
渓流へ病葉紅を散らしたるうつぎ
渓流の大滝小滝楽涼しうつぎ
数へ難し清流に透く目高の子うつぎ
濃紫陽花渓の水辺を明るうす小袖
激つ瀬の巌の苔の月日かな小袖
縮笹群落なせる避暑の径小袖
ブラウスの白も涼しく女学生小袖
グリンシャワー存分に浴び避暑散歩せいじ
錆色の瀬石を覆ふ苔青しせいじ
瀬の石のなべて苔むす沢涼しせいじ
古家に風連れてくる蜻蛉かなもとこ
路地迷ひ幾度も出会ふ凌霄花もとこ
檜扇の花生けられて床涼しもとこ
たたら踏むこんなところに梅雨茸よう子
岩間に泡の消えゆく沢涼しよう子
木洩れ日の揺らぐ瀬波や沢涼しわかば
くちなはのごとき根方や樹下涼しわかば

2023年6月21日(参加者 9名)

俳句作者
花菖蒲紫白伯仲する池塘もとこ
神の池眺む茶店へ青葉風もとこ
昼暗き深山の道に山法師もとこ
玉砂利に刎ねて眩しき夏日かなもとこ
睡蓮の浄土に鷺の身じろがずもとこ
神奈備の樹下のベンチの風涼しわかば
緑陰にひびく禊の祝詞かなわかば
重文の鐘祀られし青葉影わかば
園児らの打つ手に群がり来る緋鯉わかば
老松の大樹裳裾に苔の花わかば
林立すマンション群や浜薄暑うつぎ
浜涼しジェットスキーの沖に舞ひうつぎ
池涼し突然鯉の大ジャンプうつぎ
ジェットスキー湾いつぱいに水脈ひろげうつぎ
矢のごく馳す黄金の鯉涼しあひる
緑陰の巨岩にをどる日の斑かなあひる
波を蹴るジェットスキーや雲の峰小袖
満開の白粉花に水難碑小袖
UFOのごとき砲台岬涼しこすもす
神池の水鏡うつ塩とんぼよう子

2023年5月16日(参加者 6名)

俳句作者
つぶやけるごと花散らす薔薇一花うつぎ
日向より日陰が殊に薔薇真紅うつぎ
緑陰の棋士の帽子はタイガースうつぎ
山棲みの今日の一と日は薔薇の苑うつぎ
朱唇かと紛ふばかりに薔薇真紅うつぎ
樹下はいま風の通ひ路花樗うつぎ
大緑陰園児ら去れば雀くるせいじ
薔薇多彩子らのリュックの色もまたせいじ
蔓垂れてジャングルめきし木下闇せいじ
偕老の相合ひにさす白日傘せいじ
バラアーチはみ出て宙を探る蔓せいじ
ままごとのシートをめくる若葉風こすもす
大緑陰思ひ思ひにリュック置くこすもす
鳥影のうへをしたへや花樗ぽんこ
下闇に謎の古墳を守る祠ぽんこ
お弁当見せあいつこし樹下涼しよう子
推敲す句帳に今日の薔薇薫るよう子

2023年4月18日(参加者 8名)

俳句作者
百千鳥震災の碑の安らけくうつぎ
花の下占めて選挙の掲示板うつぎ
夙川の松くぐり抜け蝶睦むうつぎ
草笛や火垂るの墓の兄妹にうつぎ
池統べて中島の鷺身じろがずうつぎ
臥龍松花の夙川またぐやにせいじ
緑さす火垂るの墓の碑にせいじ
野に遊ぶ老いもぴーぴー豆鳴らしせいじ
蔦若葉栃の大樹をよじのぼるせいじ
夏草を絡ませ回る水車かなもとこ
日時計に十二支並ぶ苑長閑もとこ
道草も大事ですよと犬ふぐりもとこ
青鷺の冠揺らし身じろがずよう子
ニテコ池巡る親子の陽炎ひぬよう子
漣の綺羅に浮沈すかひつぶりこすもす
花人の柏手ひびく一末社こすもす
草笛を上手に鳴らす吟行子ぽんこ
新緑の樹下に末社の由緒書ぽんこ

2023年3月21日(参加者 10名)

俳句作者
観音のみ手に広ごる梅の丘せいじ
古池の汀をつづる菖蒲の芽せいじ
芳香の立ちのぼりくる梅の丘せいじ
お彼岸の供花の溢るる墓苑かなせいじ
瀬の楽に和するごとくに楓芽吹くうつぎ
お彼岸の人出に妙鉢の鳴りやまずうつぎ
お彼岸の井筒に響くポンプ音うつぎ
朱の欄に凭れて愛づる丘の梅ぽんこ
空谷の奈落に積もる春落葉ぽんこ
山つつじ樹間に透けて燃えにけりぽんこ
閻王の秤のうへの春の塵小袖
法会なる僧侶の列に花の影小袖
彼岸寒香具師早々と店仕舞よう子
朱の堂の宝珠の空へ桜咲くよう子
春水に一と並びせる六地蔵あひる
春が来た春が来たよとせせらぎぬなおこ
お彼岸の人で混み合ふ寺門かなわかば

年度別一覧

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