みのる選:2019年度
俳句 | 作者 |
洞大き千年の椋実を散らす | 明日香 |
奥座敷屏風に三十六歌仙 | 明日香 |
深庇たどるそのさき茶花咲く | 明日香 |
冬日差五右衛門風呂の底板へ | 明日香 |
庭小春利休の井戸を覗きもし | うつぎ |
温かや庄屋屋形に内厩 | うつぎ |
手形にさつと向き変ふ鯊の群れ | うつぎ |
流れきしてふ首地蔵身にぞ入む | うつぎ |
旧邸の紅葉の庭に衣裳蔵 | 菜々 |
供部屋は厩の上に冷や冷やと | 菜々 |
落葉積む北の口には火伏神 | 菜々 |
紅葉冷しかめつ面の首地蔵 | 菜々 |
古民家に桜古木の大火鉢 | はく子 |
蔦紅葉利休ゆかりの井の今に | はく子 |
古民家の縁に行厨庭小春 | はく子 |
旧街道めぐる行く手に紅葉山 | はく子 |
古民家の大うつばりに燕の巣 | こすもす |
三百年涸れぬてふ井戸冬うらら | こすもす |
身に入むや主人の間へと高敷居 | 小袖 |
力士墓四方囲ひに石蕗明かり | 小袖 |
宿場町名残灯籠冬ぬくし | 満天 |
一穢なき庭の箒目冬日燦 | 満天 |
嵯峨小径ふくべの棚の閑居あり | たか子 |
野晒しの首地蔵へと石蕗明かり | せいじ |
首地蔵大きな耳朶や小鳥来る | よし子 |
玉の井の今も湧くてふ庭小春 | わかば |
(参加者 12名)
俳句 | 作者 |
小鳥来る巨卵のごとき力石 | はく子 |
どんぐりの四五個が並ぶ遙拝所 | はく子 |
秋声は神なる岩の裂目より | はく子 |
秋声や震禍の鳥居とて傾ぐ | はく子 |
木の実降る石の祠は山の神 | 菜々 |
水音に踏み入る小径草の花 | 菜々 |
神々を巡る境内木の実降る | 菜々 |
甑岩へかざして一と枝櫨もみぢ | 菜々 |
黄葉を帯びる宮居の力石 | 明日香 |
神さぶや甑岩へと秋陽差 | 明日香 |
雑木山しるき一樹は櫨紅葉 | 明日香 |
洗堰葛の緞帳潜りきて | うつぎ |
不動明王睨む視線に女郎蜘蛛 | うつぎ |
身に入むや神の岩にも楔痕 | うつぎ |
極彩の腹天に向け女郎蜘蛛 | せいじ |
木洩れ日のつつむ磐座秋気満つ | せいじ |
群がりし子らにたじろぐ子かまきり | せいじ |
薄紅葉風の通りの良き処 | たか子 |
山荘の小径明るき石蕗の花 | たか子 |
秋さぶや茶室へ辿る苔の径 | ぽんこ |
曲水にお尻とんとん赤とんぼ | ぽんこ |
中腹に魁と見し紅葉かな | わかば |
走入根の階なせる木の実径 | わかば |
残念石楔の跡に落葉積積む | 小袖 |
対岸の蘆火の揺らぐ水面かな | 素秀 |
秋思かな持ち上げ禁と力石 | よう子 |
(参加者 12名)
俳句 | 作者 |
空蝉の数多に縋る古祠 | うつぎ |
吟行子昔語りに草相撲 | うつぎ |
ひと気なき遊具に群るる赤とんぼ | うつぎ |
孑孑の全身バネとなり躍る | うつぎ |
健啖を謝して子規忌に集ひけり | たか子 |
菩提樹の注連まつさらや彼岸寺 | たか子 |
子規の句碑讃ふるごとく萩盛る | たか子 |
萩盛る由緒の寺に子規祀る | たか子 |
門入れば萩に微笑む観世音 | 満天 |
お茶席へ通ふ寺苑の萩の風 | 満天 |
緋毛氈床几へこぼれ萩白し | 満天 |
萩の風連理の句碑を撫づるごと | 満天 |
萩の戸の百歩に寺苑たもとほり | 小袖 |
共杖に偕老と見し菊日和 | 小袖 |
秋水をもて研かるる観世音 | 小袖 |
寺さやか襖も軸も萩づくし | 菜々 |
師の句碑に触れむばかりに枝垂れ萩 | 菜々 |
萩むらに筆跡凛と連理句碑 | 菜々 |
瓔珞の揺るるごとくに風の萩 | よし子 |
触るるごと萩に優しき今日の風 | よし子 |
掃かれても掃かれても萩屑こぼす | よし子 |
扁額の墨新しく秋立ちぬ | 素秀 |
竹春の掃く空の青濃かりけり | 素秀 |
観音の由来を縷々と秋灯下 | はく子 |
秋声は盤石の虚子句碑よりぞ | はく子 |
俳句てふよき余生得し子規忌かな | わかば |
師弟句碑訪ねて須磨の秋惜しむ | わかば |
一服のおうすに和む萩の寺 | 宏虎 |
白萩の丈余となりて雲と和す | よう子 |
(参加者 15名)
俳句 | 作者 |
コテージの尖りし屋根に月仰ぐ | 小袖 |
朝涼の湖へ漕ぎ出す小舟かな | 小袖 |
氷菓食ぶ施設の母の至福顔 | 小袖 |
長蛇なる貨車過ぎてより月涼し | 小袖 |
産土の神馬の瞳いと涼し | 小袖 |
蝉しぐれ山湖の面を響かせて | わかば |
長き夜の恙の母の看取かな | わかば |
老い母と気楽な昼餉冷奴 | わかば |
雨雫重しと萩の枝垂れけり | わかば |
山肌を撫で上ぐるやに霧晴るる | たか子 |
広池を席巻せんと蟇叫ぶ | たか子 |
夙川の老松に添ふうす紅葉 | 菜々 |
新涼や路地の奥より機の音 | 菜々 |
爽やかや恥ずかしさうに席譲る | 宏虎 |
秋暑し廃車山なす河川敷 | 宏虎 |
盆用意祖母えんぴつの走書き | よう子 |
誰もゐぬ炎暑の交番電話鳴る | よう子 |
新発意の声変はりして盆の経 | よし子 |
石鹸の仄かににほふ浴衣かな | よし子 |
夕凪に網を繕ふ老漁師 | 素秀 |
蟻塚の穴に難儀す獲物かな | ぽんこ |
両岸の木々澄む水へ迫り出しぬ | 満天 |
(参加者13名)
俳句 | 作者 |
岩裾に群落なせる水引草 | 明日香 |
黒揚羽森の暗きに消えにけり | 明日香 |
石走る真白き波や青葉闇 | 明日香 |
手招きにあらず藪蚊を払ひけり | 明日香 |
すだれなす青楓より滝落つる | せいじ |
山荘の深庇より青楓 | せいじ |
梅雨明けてせせらぎに綺羅戻りけり | せいじ |
岨道に堵列してをる梅雨茸 | せいじ |
渓涼しせせらぎの音呂に律に | 菜々 |
岩落ちて落ちて高鳴る山清水 | 菜々 |
六甲の峰より発し夏の雲 | 菜々 |
山荘の一歩に庭の苔涼し | 菜々 |
青しぐれ神の欅を仰ぎけり | うつぎ |
山峡の空を狭しと雲の峰 | うつぎ |
姿よき天然鮎を丸齧り | うつぎ |
万緑の底ひに白き瀬波かな | はく子 |
あぢさゐの枝奔放に水際まで | はく子 |
万緑を洩れくる日の斑川面へと | はく子 |
と行き斯く風吹き惑ふ青田波 | ぽんこ |
蝶飛来無縁仏の寧かれと | ぽんこ |
翻りては風いなす蓮広葉 | ぽんこ |
大輪のピアスの揺るる浴衣かな | こすもす |
大型のキャリー引きずるアロハシャツ | こすもす |
合掌の緩みがちなる滝行者 | 素秀 |
砂丘ゆく駱駝は影絵大夕焼 | 素秀 |
風鈴の鳴るたび猫の耳動く | 宏虎 |
麻暖簾頭で分けて友来る | 宏虎 |
車道這ふ蚯蚓の無事を祈りけり | よし子 |
梶の葉に恋の願ひの女文字 | よし子 |
夏の雲もろともビルの窓磨く | たか子 |
不機嫌な夫を横目に髪洗ふ | もとこ |
(参加者15名)
俳句 | 作者 |
身に入むや古りて倒れし水難碑 | ぽんこ |
茅花叢土手のなぞへに風いなす | ぽんこ |
機首たてて飛機梅天へ消えにけり | ぽんこ |
風に揺れ列見出しをる早苗かな | ぽんこ |
猪名川の流れは見えず草いきれ | 宏虎 |
錆び初めて花の重さや菖蒲園 | 宏虎 |
さざ波の駈けやまざりし植田かな | 宏虎 |
梅雨寒や崩れしままの供養塔 | 満天 |
うす紅の実を散らしたる園の梅 | 満天 |
青空を自由奔放水すまし | 満天 |
竹林の小径に入れば風涼し | 和子 |
小流れに水漬かんとする四葩かな | 和子 |
塀越しに背伸びして見る立葵 | 和子 |
風いなし植田の根づき初めにけり | 小袖 |
姫女苑ささやくやうに風に揺れ | 小袖 |
離陸機の大旋回す夏の空 | せいじ |
とうぼうが池の歩板を先導す | せいじ |
菖蒲池うす紫が主役かな | はく子 |
園愉し実梅の落つるままにして | はく子 |
八つ橋に猫の寝そべる菖蒲池 | もとこ |
皮脱ぎしばかりの竹の瑞々し | もとこ |
要とす鎮守の杜や植田中 | よう子 |
古ベンチ虜に群るる姫女苑 | よう子 |
離陸機の音を残して梅雨雲に | わかば |
喬木の樹下のベンチに風涼し | わかば |
夏空へ鋼材咥え大クレーン | 素秀 |
(参加者15名)
俳句 | 作者 |
謎めきし古墳を抱く夏木立 | 菜々 |
碧天へ紫雲ひろげに花楝 | 菜々 |
昨夜雨に伏すも艷やか薔薇真紅 | 菜々 |
苑めぐる百種百相なる薔薇に | 菜々 |
昨夜雨の雫重たし薔薇大輪 | わかば |
篠懸の樹下に憩へば風涼し | わかば |
苑めぐる木々の緑の深さかな | わかば |
咲き満ちて且つ散り敷きぬバラアーチ | わかば |
青蔦の墳に眠るは古代人 | 明日香 |
すずかけの新樹の森に風生る | 明日香 |
青虫がスーツの襟を這ひにけり | 明日香 |
風薫る樹下のベンチの心地よし | こすもす |
蔦覆ふ古墳公園風涼し | こすもす |
昨夜雨に彩洗はれし薔薇の園 | こすもす |
青蔦がすつぽり覆ふ古墳かな | はく子 |
龍王の御堂鎮もる木下闇 | はく子 |
泰然とありてあふちの花空へ | はく子 |
惜しげなく剪り捨てられし薔薇手入れ | もとこ |
白日傘古墳の丘に消えにけり | もとこ |
プラタナス風の生まるる聖五月 | もとこ |
バラアーチ潜り戻りつたもとほり | 小袖 |
けもの道隠す青蔦古墳山 | 小袖 |
石室は未調査といふ木下闇 | たか子 |
花あふち空に紛れし淡さかな | たか子 |
昨夜の雨あふちの花を散り敷きぬ | 芳舟 |
サラリーマン薔薇のベンチにうたた寝す | 芳舟 |
遠雷やこんなに空の青いのに | 素秀 |
園丁に抱き起こさるる雨後の薔薇 | 葉月 |
白薔薇の雨に崩れし愁ひかな | よし子 |
(参加者15名)
俳句 | 作者 |
右手の池左手の池と落花舞ふ | うつぎ |
渓流のどの石となく落花積む | うつぎ |
池日永亀は万年生くるてふ | うつぎ |
仰ぎては枝垂れ桜の内へ外へ | うつぎ |
落椿残念石に侍りけり | うつぎ |
つくばひの花屑どこか所在なげ | 明日香 |
池の面カンバスにして山つつじ | 明日香 |
ゆく道の前後左右に山つつじ | 明日香 |
草引女一尺ほどを小半時 | 明日香 |
花万朶像の天使の翳す手に | 満天 |
木洩れ日の山路明るき山つつじ | 満天 |
風吹けば呵々大笑のチューリップ | 満天 |
散る桜吾の句帳にとどまらず | 満天 |
広芝に万朶を翳す大桜 | わかば |
真青なる空へ五彩の芽木高し | わかば |
青空の透ける大樹の若楓 | わかば |
芽木の風風速計はと見かう見 | せいじ |
奥池へ岨道たどる山つつじ | せいじ |
茶室へと若葉影踏む小径かな | たか子 |
ようこそと山湖に舞へる揚羽蝶 | たか子 |
池ほとりに一人たたづみ春惜しむ | はく子 |
山つつじ左右に綴りし山路かな | はく子 |
山つつじトンネル抜けて湖へ出づ | 宏虎 |
囀や蒼き空から降るごとし | 宏虎 |
吟行子花見に浮かれ句を詠まず | 芳舟 |
水亭に雅楽の洩るる花の昼 | 芳舟 |
花の昼夫と二人のティータイム | もと子 |
青空へ尖る飛簷や竹の秋 | もと子 |
花虻の協奏曲や植物園 | こすもす |
沢音と若葉影浴ぶ至福かな | 小袖 |
ケセラセラ蒲公英の絮旅立ちぬ | 素秀 |
吹く風によれつ解かれつ糸桜 | ぽんこ |
み仏の全面に座し春憂ふ | 有香 |
ナナハンの轍一筋花堤 | よう子 |
花人の杖の一歩に桜散る | よし子 |
(参加者20名)
俳句 | 作者 |
彼岸寺納め草履に力士の名 | 小袖 |
古墳守る木立姦し春の風 | 小袖 |
春風に炎の尖る和らふそく | 小袖 |
鶯の聞いて聞いてと道すがら | 小袖 |
珠のごと雨滴を零すしだれ梅 | せいじ |
羨道を半ば濡らしぬ春の雨 | せいじ |
春雨の水輪をひろげ池静か | せいじ |
耳寄せて春の調べや鎖樋 | せいじ |
丹の橋へ天蓋なせる若緑 | わかば |
梅が香の広ごる丘の起伏道 | わかば |
雨晴れて山茱萸の黄の際立ちぬ | わかば |
春雨に歪む池面の木々の影 | わかば |
梅匂ふ苑の一歩に戦没碑 | うつぎ |
観梅のをみなぺちやくちや憚らず | うつぎ |
名物の蓮めし旨し彼岸寺 | たか子 |
春の雨音なく落つる鎖樋 | たか子 |
閻王と目のあひてより春寒し | なおこ |
鶯の噂をすれば鳴きにけり | なおこ |
六角堂直と閉ざしぬ彼岸寺 | 菜々 |
朱の欄へ枝垂れて幾重花あしび | 菜々 |
紅の簪めける花馬酔木 | 葉月 |
観音の御手翳したる梅の丘 | 葉月 |
春雨に耳傾けむ鎖樋 | ぽんこ |
春陰の石の櫃を覗き見る | ぽんこ |
根上りをふんはり包む春落葉 | 満天 |
身に入むや添木あまたに臥龍松 | 満天 |
甲山眼下に梅の丘匂ふ | 有香 |
春昼やポップスひびくカフェテラス | 有香 |
朱の欄に人垣なせる梅の丘 | こすもす |
囀に負けじと沢の高鳴りぬ | 素秀 |
懐に石窟眠る梅の山 | はく子 |
観音の御手伸ぶ方に囀れる | もとこ |
紅白に青海波なす梅の丘 | よう子 |
一灯に瓔珞揺らぐ朧かな | よし子 |
(参加者20名)
俳句 | 作者 |
蓑を着るごとく羽立て雨の鷺 | うつぎ |
鴨の陣翔び立たせたるジャンブ傘 | うつぎ |
こだはりは樽づくりから寒造 | うつぎ |
酒蔵の昼なほ暗き余寒かな | うつぎ |
蔵の外の井戸を覗けば落椿 | たか子 |
<タラ><天>利き酒のせいかも知れず蔵温したか子 |
残る鴨右岸左岸を疎に満に | たか子 |
酒蔵の黒塀に浸む春の雨 | たか子 |
梅にほふ試飲にめぐる蔵の町 | 菜々 |
神棚に供ふ稲穂や寒造 | 菜々 |
河原石鍵盤として石たたき | 菜々 |
堰おちて落ちて町川春奏づ | 菜々 |
寒造蔵の要の太柱 | ぽんこ |
磊々の瀬に小躍りす春の水 | ぽんこ |
水鳥の砂嘴にコロニーなせりけり | ぽんこ |
春灯下酒樽作る匠かな | はく子 |
杉樽のかほり床しき新酒かな | はく子 |
帰る鴨汐入川に集合す | はく子 |
汐入へ波乗りのごと鴨の群 | わかば |
河原はや下萌ゆ色と思ひけり | わかば |
間断と蹲居を打つ春の雨 | わかば |
南高梅ふふむ住吉川堤 | なおこ |
下萌や震災鎮魂碑に祈る | なおこ |
堰落つるしるき水音や春兆す | きづな |
利き酒に足なとられそ春の雨 | きづな |
蔵窓を洩る日仄かや春浅し | よし子 |
杉玉の門に褪せたる蔵二月 | よし子 |
春水の瀬石に躍る波模様 | 明日香 |
春寒や訪ひし酒蔵門閉ざす | 小袖 |
暖かや杉の香に満つ樽工房 | せいじ |
鷺一羽微動だにせず春寒し | 満天 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
恵方へと火柱倒す大とんど | うつぎ |
猛る火にとんど守らの鬨の声 | うつぎ |
とんど灰天上界を目ざしけり | うつぎ |
百幹の竹蔓で結ひとんど焼 | うつぎ |
燃ゆる火に感謝の礼やどんど焼 | こすもす |
ついと向き変へたる鯉の淑気かな | こすもす |
どんどに手かざせば誰もみな笑顔 | こすもす |
飾焚くお祝箸も三方も | こすもす |
鯉の餌を横取りせんと鴨の嘴 | せいじ |
注連焚きて茶筒に灰を貰ひけり | せいじ |
鳥声降る社の杜や水温む | せいじ |
竹爆ぜて女人のけぞるとんどかな | せいじ |
耕運機轍のあとに霜幾重 | 小袖 |
とんど火に灰の高舞ふめでたさよ | 小袖 |
耳栓の子等へとんどの爆ぜやまず | 小袖 |
お神楽の始まりいよよどんど燃ゆ | たか子 |
風なきと思へど猛る大とんど | たか子 |
注連焚ひて屑持ち帰る暮らしぶり | たか子 |
左義長の灰吾が肩に触れにけり | なおこ |
竹爆ぜて吾を一喝すとんどかな | なおこ |
まつ直ぐに立ちてめでたしとんどの火 | なおこ |
福男駈け抜けし道清々し | 満天 |
寒日和鳩らも集ふ遥拝所 | 満天 |
御手洗の寒九の水をふふみけり | 満天 |
入れ代はりたち代はり来て飾焚く | わかば |
対岸の島影を超ゆ浜とんど | わかば |
とんど果て振舞酒に和みけり | わかば |
健願ひとんどの煙頭に肩に | 菜々 |
初詣福火ほこほこ頬へ手へ | 菜々 |
注連縄を輪投げのごとく火の中へ | 宏虎 |
句輩甘酒茶屋に推敲す | 宏虎 |
大とんど倒せし方が恵方かな | よう子 |
丈余超すとんど櫓の火は天へ | よう子 |
寒空へ踏んまへ立ちし四脚門 | はく子 |
紙袋ごと放り投げ飾焚く | ぽんこ |
冬晴に金堂鴟尾の跳ねに跳ね | もとこ |
野球少年紅顔こがすとんどかな | 有香 |
ほめられて年に似合はぬセータ買ふ | よし子 |
(参加者17名)
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