みのる選:2015年度
みのる選:2015年度
(参加者14名)
俳句 | 作者 |
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千体地蔵彩とりどりの毛糸帽 | ぽんこ |
普賢菩薩像の慈顔や冬温し | ぽんこ |
着ぶくれて押すな押すなのバーゲンへ | ぽんこ |
名苑の辞するに惜しき冬紅葉 | 宏虎 |
四阿の固き木椅子や冬ざるる | 宏虎 |
暗き堂出て目潰しの冬日燦 | せいじ |
砂庭に濃ゆき堂影冬日向 | せいじ |
姿よき松を映して池小春 | よし子 |
超高層ビル影揺らぐ池小春 | よし子 |
実千両灯す庭隅茶筅塚 | 満天 |
日向ぼこ腰痛封じの石に座し | 満天 |
出揃ひて亀日向ぼこ石舞台 | わかば |
あひ互ひ息災祈り年忘れ | わかば |
白壁を映す林泉櫨もみぢ | よう子 |
池の面に声を落として鴨翔ちぬ | よう子 |
冬うらら賓頭盧天のぴかぴかと | 明日香 |
散紅葉仏足石にとどまりぬ | 明日香 |
冬あやめ茶室へ凛と裾さばき | 菜々 |
寺小春廻して軽きマニ車 | 菜々 |
落葉踏む池泉の庭をたもとほり | 小袖 |
義士祭の名残の寺や子守柿 | 小袖 |
積木めくアベノハルカス秋天下 | うつぎ |
うろこ雲貫かんとす摩天楼 | 有香 |
(参加者11名)
俳句 | 作者 |
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広芝へ黄落やまぬ大樹かな | わかば |
せせらぎを覆ひ彩なす紅葉かな | わかば |
綿虫の着床したる水際かな | わかば |
山荘へなだるるごとく山紅葉 | わかば |
蘭亭の飛簷掠めて紅葉散る | わかば |
冬木立羊歯群落を褥とす | わかば |
那智黒の玉石るるとしぐれけり | 菜々 |
大岩を砦としたる冬の池 | 菜々 |
鈍色の空へ溶けさふ冬桜 | 菜々 |
曇天に斯く清楚なる冬桜 | 満天 |
山荘へ誘ふ石蕗の小径かな | 満天 |
十字塚風化の面に冬日差 | 小袖 |
登りきし展望台は薄原 | 小袖 |
お茶室の耳門に一歩冬紅葉 | よし子 |
ちんまりと肩寄す地蔵草紅葉 | よし子 |
嵩なしてせせらぎを塞く落葉かな | 宏虎 |
温室の屋根に嵩なす落葉かな | こすもす |
山荘の蒼天焦がす照紅葉ん | ぽんこ |
ブロアーの風に従う落葉かな | 明日香 |
木洩れ日の斑を敷く径に石蕗黄なり | ひかり |
(参加者11名)
俳句 | 作者 |
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叢林の磐座に佇ち秋惜しむ | わかば |
秋さぶや触るれば動く力石 | わかば |
音立てて木の実弾ける石畳 | わかば |
叢林の裂け目に覗く天高し | わかば |
秋日さす杜抽んでし甑岩 | わかば |
甑岩めぐり祈願や秋天下 | ひかり |
朱柱のさはにまぶしき宮小春 | ひかり |
叢林をもとほりをれば残る虫 | ひかり |
宮小春誰も彼も撫づ力石 | ひかり |
磐石に座して動かぬ秋の人 | せいじ |
大杉をうち仰ぐ天高きかな | せいじ |
参道の木洩れ日縫ひて秋惜しむ | せいじ |
走り根にな躓きそ落葉径 | 宏虎 |
天辺に彩づく紅葉砂防ダム | 宏虎 |
菊の賀や百寿ことほぐ初句集 | かかし |
破れ柘榴ムンクの叫ぶごと落下 | かかし |
参道のここだ木の実や踏むまじく | 菜々 |
立札に神水六讃杜さやか | 菜々 |
セコイアを門柱として天高し | 満天 |
秋日和鳥居くぐれば力石 | 満天 |
神の磐撫ぜて秋思をうべなひぬ | 小袖 |
神の磐割れ目に宿す草紅葉 | 小袖 |
昼暗き神の樹林や小鳥来る | 明日香 |
(加者15名)
俳句 | 作者 |
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秋愁や撫でるばかりの力石 | うつぎ |
うららかや宮に犬用手水鉢 | うつぎ |
色鳥来千木より高き神の杜 | うつぎ |
力石少し離れて蟻の道 | うつぎ |
拝殿へ磴高飛びに道をしへ | うつぎ |
そこここに漣駈けて池さやか | 明日香 |
色変へぬ松の根方に力石 | 明日香 |
浮御堂水かぎろひて池さやか | 明日香 |
金秋の葉洩れ日を浴ぶ力石 | 菜々 |
玉垣の外にささゆれ萩紅し | 菜々 |
水引草即位記念の碑ほとりに | 菜々 |
連山の稜線著き秋の晴 | わかば |
秋茜湧く境内や力石 | わかば |
秋天へ緑青の千木尖りけり | わかば |
青天の宮わがものと秋あかね | ひかり |
釣果などどうでもよろし池小春 | ひかり |
小春日の池塘太公望が占む | よし子 |
神の木の枝のそよぎも秋の声 | よし子 |
爽涼や池に浮きたる四阿に | 満天 |
秋蝶のつかずはなれず力石 | 満天 |
みころもに露したたりぬ磨崖仏 | 宏虎 |
池の面駈けてはもどる秋の風 | 宏虎 |
この庭のもみぢ愛でよと野点傘 | ぽんこ |
樹下さやか謂れ札たつ力石 | ぽんこ |
海光に黄金波の棚田かな | えむ |
稲の香をまとふ農夫や里のバス | えむ |
投句箱溢れんばかり獺祭忌 | かかし |
奥池の面に谺すつくつくし | せいじ |
道をしへ大ジャンプして急かせけり | 小袖 |
太公望女も紛る池小春 | 有香 |
(加者15名)
俳句 | 作者 |
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秋水の高鳴る峡の奈落かな | わかば |
秋めくや山路に昨夜の出水後 | わかば |
法師蝉四囲にしば啼く山湖かな | わかば |
新涼や谷川の水高鳴りて | わかば |
御目伏す石の地蔵へ法師蝉 | 菜々 |
かなかなの輪唱に覚む旅の宿 | 菜々 |
今生の声ふり絞り秋の蝉 | 菜々 |
松籟に夙川堤の秋を聞く | 菜々 |
縮緬波たたみにたたむ池涼し | ひかり |
彩窓を貫く秋日濃かりけり | ひかり |
対岸に佇つは句仇秋澄める | ひかり |
道をしへユーターンとは何ごとぞ | ひかり |
吾が影に蛙とびこむ手水鉢 | ぽんこ |
岨道を急かせるごとく法師蝉 | ぽんこ |
山湖いま色なき風の渡りけり | ぽんこ |
斑猫に道ゆずらるる吟行子 | ぽんこ |
猪母子現れて行厨大騒ぎ | こすもす |
道をしへ忍者の如く失せにけり | こすもす |
筒抜けの原爆ドーム鰯雲 | 宏虎 |
秋暑しバスの隣席太鼓腹 | 宏虎 |
蝉しぐれ枯山水に静ごころ | よし子 |
ラムネ壜桶に犇めく峠茶屋 | よし子 |
物干しに色とりどりの浮輪かな | えむ |
突堤に魚の匂ひや秋暑し | えむ |
ひまわりに負けじと笑顔写真撮る | よう子 |
大の字に亀浮きて池澄めりけり | つくし |
名水と標す井の中あめんぼう | かかし |
(加者16名)
俳句 | 作者 |
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白鷺を毳立てゝ過ぐ青田風 | うつぎ |
樹下涼しマンモグラフィー検診車 | うつぎ |
夕焼にひとり降りたつ島のバス | うつぎ |
ドライミスト降らす天窓日の盛り | うつぎ |
夙川堤いゆくかぎりに蝉時雨 | 菜々 |
風薫る延命地蔵に供花あまた | 菜々 |
葦の間に鼻筋たてて鷭現るゝ | 菜々 |
水脈に水脈重ねて涼し夫婦鴨 | 菜々 |
水墨の一幅めきて滝涼し | 宏虎 |
日の匂ふ地産のトマトまるがじり | 宏虎 |
走り根に褥と積みし夏落葉 | 宏虎 |
さながらに寂光浄土蓮の池 | 宏虎 |
緑陰の古社に一礼園児どち | 小袖 |
夏空を射抜かんと立つ天狗杉 | 小袖 |
網逃れては高舞へる揚羽蝶 | 小袖 |
句碑めぐる神苑の杜蝉時雨 | よし子 |
浜に散るラジオ体操海開き | よし子 |
フレンチの店の天窓青葉揺る | 明日香 |
鮎の瀬の等間隔に竿並ぶ | 明日香 |
蒲の穂の揺らぐは鯉の仕業かな | わかば |
蒲の穂の揺れて薄ら日はじきをり | わかば |
吟行に誘ひの電話梅雨明くる | よう子 |
あるはずの豆腐を探す冷蔵庫 | よう子 |
涼風の通ふ四阿去りがたく | ひかり |
蝉時雨ぱたりと止みし亭午かな | ひかり |
なで肩の女塚たつ木下闇 | せいじ |
万緑の山に傾く電車かな | 満天 |
航跡の縦横無尽瀬戸涼し | えむ |
長蛇なす貨物列車の暑さかな | ぽんこ |
公園の柵に夏帽忘れもの | こすもす |
牛蛙一と声句座の和みけり | 有香 |
(加者17名)
俳句 | 作者 |
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根上りのよき手摺なす登山道 | うつぎ |
滝音の間遠となりて鳥語聞く | うつぎ |
急流もなにするものぞあめんぼう | うつぎ |
茶屋涼し瀬音に和して鳥語降る | うつぎ |
燭一つ不動尊へと梅雨の闇 | うつぎ |
滝道に沿ひてせせらぎ呂に律に | 菜々 |
滝しぶき白銀となる岩襖 | 菜々 |
梅雨じめりして護摩堂の注連古りし | 菜々 |
滝茶屋の昼を灯してなほ暗し | 菜々 |
滝しぶき羊歯群落の揺れやまず | はく子 |
男滝あり女滝は木の間がくれかな | はく子 |
赤銅の岩をさ走る滝白し | はく子 |
懸崖をのりだし仰ぐ滝頭 | せいじ |
左折れ右折しては滝落つる | せいじ |
緑苔をまとひし樹々や滝の道 | せいじ |
白布うち広げしごとく滝落つる | ひかり |
滝しぶくま近に句帳開きけり | ひかり |
立ち仰ぐ樹間の奥に女滝あり | ぽんこ |
滴りの岩に目をむく不動尊 | ぽんこ |
古しまま開かずの祠黴にほふ | 明日香 |
木隠れにくの字に落つる女滝かな | 明日香 |
大木の根方を埋む濃紫陽花 | つくし |
梅雨の滝古き祠にしぶきけり | 宏虎 |
梅花藻の流れに添ひて水涼し | よし子 |
六甲へ矢印の立つ滝の道 | こすもす |
瀬の風に定家葛の匂ひけり | 有香 |
良寛の臨書に挑む夏座敷 | かかし |
滝音に佇てばストレス消えにけり | 満天 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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瀬しぶきや花十薬の群落に | 菜々 |
バルコニー石の柱に薔薇攀じる | 菜々 |
山覆ふ靄にまぎるゝ花樗 | 菜々 |
泉石をつゞりつゞりて糸とんぼ | 菜々 |
お茶室へ野草の小径風薫る | 菜々 |
万緑へ蘭亭の簷いよよ反る | 菜々 |
昨夜の雨ためて輝く薔薇百花 | わかば |
溪川の響く奈落の緑濃し | わかば |
五月晴苑は百花の香に満つる | わかば |
夏霧の覆ひつくして山見えず | わかば |
一枚は幼稚園児の田植かな | かかし |
緑さす手話の会話の指先に | かかし |
若葉風太極拳の深呼吸 | かかし |
昼憩ふ白つめ草の起伏野に | 小袖 |
那智黒の敷石濡らす青葉雨 | 小袖 |
緑化園青葉若葉にたもとほり | 小袖 |
若楓覆ふ奈落の瀬音かな | 宏虎 |
昨夜雨に高鳴る瀬音若楓 | 宏虎 |
万緑を突く蘭亭の簷牙かな | 満天 |
三角の屋根そのままに蔦茂る | 満天 |
河骨と顔つきあはす吟行子 | よう子 |
バス停によき陰落とす緑樹かな | よう子 |
耳朶涼し水琴窟の筒に添ふ | ひかり |
山拓く自然公園百千鳥 | ひかり |
薔薇の園羽ひろげたる天使像 | ぽんこ |
尺取の一人をどりす糸の先 | 有香 |
茶室窓昼なほ暗き緑雨かな | よし子 |
耳当てる水琴窟の音涼し | 明日香 |
日焼して除染を担ふ男どち | せいじ |
(加者12名)
俳句 | 作者 |
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高欄に高鳴る瀬音夏近し | 菜々 |
筆洗池の面染む新樹陰 | 菜々 |
夏近し山湖は碧き水湛へ | 菜々 |
山つつじ映して山湖藍深む | 菜々 |
春惜しむ百花百草めぐる園 | 菜々 |
若楓さざめく影や石畳 | 菜々 |
風光る山湖を駈けるさざ波に | 満天 |
掛軸の達筆読めず春憂ふ | 満天 |
うぐひすの声が誘ふ深山道 | 満天 |
穀雨得て園の百花の目覚めけり | 満天 |
さざなみのごとくに風の若楓 | 小袖 |
奥池へ辿る山路の風さやか | 小袖 |
岨の道猪垣の扉の押せば開く | 小袖 |
小さき錠鎖されし茶室青葉闇 | 小袖 |
急磴に腰を伸ばせば山笑ふ | ぽんこ |
飛簷へと風に高舞ふ落花かな | ぽんこ |
つくばひに良き影落とす若楓 | ぽんこ |
右左つつじを愛でる岨の道 | ぽんこ |
石楠花の山へと続く茶庭かな | わかば |
うぐひすのしきり山湖に谺して | わかば |
木隠れに淡き彩さす山躑躅 | わかば |
若葉愛で立ち去りがたき茶庭かな | 宏虎 |
繚乱の百花に園の春惜しむ | 宏虎 |
水草生ふ鯉悠々と影連れて | 宏虎 |
池鏡白く映ゆるは新樹影 | こすもす |
石畳隈なく埋む桜しべ | こすもす |
杉美林樹間に透ける山つつじ | こすもす |
若楓山湖に影の揺れやまず | 有香 |
桜蕊積む蘭亭の飛簷かな | よう子 |
(加者15名)
俳句 | 作者 |
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朱の欄に佇ちて一望梅の丘 | ひかり |
梅日和観音映す鏡池 | 〃 |
泥水に足なとられそ蓮植うる | 〃 |
白梅の枝に透きたる空真青 | 〃 |
逍遥すなぞへの径は梅盛り | 〃 |
遠足の子らのリュックがベンチ占む | 〃 |
彩窓を貫く春日堂に満つ | ぽんこ |
春塵や五百羅漢の怒り顔 | 〃 |
石櫃羨道深く滴れる | 〃 |
閻王の大きまなこや春埃 | 〃 |
観音の御手指す丘の梅万朶 | 〃 |
紅白を咲き分く梅に人だかり | 明日香 |
節くれし老幹なれど梅真白 | 〃 |
春塵や仁王の掌にも生命線 | 〃 |
つばくらめ一閃二閃空ま青 | 宏虎 |
紺碧の空に溶けこむ梅真白 | 〃 |
大砲のレンズ向けられ梅盛る | せいじ |
梅林の小道を塞ぐカメラマン | 〃 |
あたたかや撫牛なでて吉願ふ | よし子 |
六甲の嶺々まろやかに笑ひそむ | 〃 |
風船売る露天に一つだつこちゃん | うつぎ |
伽羅蕗を買ひもす荒神詣でかな | 〃 |
参道の露店を梯子春うらら | よう子 |
落椿結界なせる禊橋 | 〃 |
草団子並ぶ参道寄り道す | わかば |
白梅の影くつきりと鏡池 | 〃 |
門入りて仰ぐ天守に風光る | 満天 |
クリスタルビル春空に溶け込みし | 〃 |
草萌ゆる利休産湯と標す井に | かかし |
(加者15名)
俳句 | 作者 |
---|---|
鈴生りの願いの絵馬に梅固し | よし子 |
紅梅の一枝挿されし吉野窓 | よし子 |
愛のチョコ八十路の夢を膨らます | よし子 |
なで肩をずり落ちさうや春ショール | よし子 |
苑めぐる北枝の梅はまだ固し | せいじ |
梅が枝の雨滴に太る蕾かな | せいじ |
池の面襞あちこちす四温かな | せいじ |
春雨に濡るる宝塔丹のしるき | せいじ |
閻王の鏡曇らす春埃 | うつぎ |
ちらほらの人出に苑の梅固し | うつぎ |
音の無き堂のさざめき涅槃変 | うつぎ |
涅槃図に濁世の雨の募りけり | うつぎ |
涅槃図の蛇はとぐろを解きて哭く | 菜々 |
春光に尖る宝珠の九輪かな | 菜々 |
囀りへお耳ふくよか観世音 | 菜々 |
観音へ七折れ八折れ芽木の坂 | 菜々 |
石室へ暗き羨道春寒し | 満天 |
梅園の歌碑に屯す吟行子 | 満天 |
雨雫溜めて犇めく万朶の芽 | わかば |
春時雨苔まみれなる石塔に | わかば |
瀬の楽と鳥語とが和す早春譜 | こすもす |
早春の風にはためく五色幕 | こすもす |
のどけしや参道の店ジプシーし | ひかり |
雪解水集め高鳴る瀬音かな | ひかり |
老幹の梅一輪に力満つ | かかし |
室の花水子地蔵に溢れけり | 明日香 |
うどん屋の湯気に足向く梅味かな | よう子 |
お御足にすがる老婆や涅槃変 | 有香 |
(加者17名)
俳句 | 作者 |
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誓子句碑冬日の漏るる樹下ここに | わかば |
大鳥居高きを仰ぐ淑気かな | わかば |
着脹れて狭きベンチに割り込みぬ | わかば |
御社の裏山はまだ春遠し | わかば |
枝絡む日に数多なる冬芽かな | わかば |
カラヤンのごと髪乱す春疾風 | せいじ |
まず一礼して門くぐる初社 | せいじ |
裏山へ誘ふ道は春隣 | せいじ |
走り根にな躓きそ初社 | せいじ |
みつばつつぢ杜の四温にちらほらと | 菜々 |
二の腕にはたちの気迫弓始 | 菜々 |
冬帝へ真白き鳥居高々と | 菜々 |
山下りくる川筋に風光る | うつぎ |
火の粉撒きとんどやぐらの崩れ伏す | うつぎ |
百枚の棚田を統べて大とんど | うつぎ |
骨太の墨をどりだす吉書揚 | かかし |
花丸の干支の字をどる吉書揚 | かかし |
祝詞読む神官の声冴えわたる | つくし |
神の杜広し嵩なす松落葉 | つくし |
犬好きの会話果てなき日向ぼこ | ひかり |
冬日燦レンガ造りの尖塔に | ひかり |
凍て道に立ち往生す老二人 | よう子 |
無人市あれば寄り道踏青子 | よう子 |
ぜんざいを食べておしゃべり女正月 | 宏虎 |
寒日向揃ひ踏みする宮の鳩 | 宏虎 |
御手洗の一杓口へ寒の水 | 満天 |
親子句碑梢もる日のあたたかし | 満天 |
また爆ぜてとんどの前を去りがたく | 小袖 |
宮庭に吾とすずめと日向ぼこ | よし子 |
初夢の友達はみな中学生 | こすもす |
堆き裏参道の落葉踏む | 明日香 |
春の日に千木の輝く大社かな | ぽんこ |
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