みのる選:2022年度

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2022年12月20日(参加者 11名)

俳句作者
カップルの待つ豚まんの湯気浴びてあひる
震災禍モニュメントとす園小春あひる
芝ロールちやくちやく敷かれ春を待つあひる
陽を返したゆたふ池の薄氷あひる
豚まんの湯気競ひあふ中華街あひる
豚まんの湯気の風向き変わりけりあひる
豚まん屋どこも元祖や冬うららうつぎ
真珠店覗き見もしてクリスマスうつぎ
湯気立てて赤が氾濫中華街うつぎ
年の暮ブランド街は素通りすうつぎ
彼彼女豚まんを蒸す湯気隠れうつぎ
震災禍遺し園とす波止小春うつぎ
人まばら湯気立つ朝の中華街わかば
波止小春海王丸の帆を下ろしわかば
震災の跡いまもなほ身にぞ入むわかば
波止小春震災跡の生々しわかば
着膨れの路地に列なす中華街豊実
園小春記念写真はBEKOBE豊実
湯気立てて路地へ迫り出す中華街豊実
日あたりの海煌めきて山眠るふさこ
歳晩の街駆け足で吟行すふさこ
湯気の立つ軒を連ねて中華街こすもす
長安門潜れば異国街小春たか子
身に入むや震禍の波止をモニュメントぽんこ
震災禍残す突堤苔の花よう子

2022年11月15日(参加者 11名)

俳句作者
イエス像もろ手を翳す天高しうつぎ
な踏みそマリアの前の彩紅葉うつぎ
修女らの自給自足の冬菜畑うつぎ
マリア像恋ふやに来たる小鳥かなうつぎ
磔像の部屋まで届け紅葉影うつぎ
冬菜畑生き生き修道女は見えずうつぎ
出現のマリアはここと櫨紅葉あひる
黙想の庭其処此処に笹鳴けるあひる
ピエタ像トラピスチヌの庭小春あひる
どんぐりの幾許祈りの道に敷くあひる
穏やかな日差がつつむ実万両わかば
影落とすマリアに水の澄めりけりわかば
照紅葉白亜のイエス御手ひろげわかば
どんぐりの礫は神のみ告げかもわかば
木洩れ日の道をつづりし石蕗の花ふさこ
背の紅葉映すガラス戸万華めくふさこ
芝庭に足投げ出して日向ぼこふさこ
老松に命吹き入れ蔦紅葉もとこ
朽ちかけの鳥居に隣る木守柿もとこ
朝霧を脱ぎて比叡は全容をもとこ
一とかけの雲なき美空鳥渡る小袖
冬菜畑トラピスチヌの裏庭に小袖
碧眼のシスターと逢ふ紅葉山よう子
どんぐりの祈りの道や足裏爆ずよう子
照紅葉宮の一隅明るうすたか子
分け入れば祈りの道の秋深し豊実
陽射し燦トラピスチヌの冬菜畑ぽんこ

2022年10月18日(参加者 10名)

俳句作者
楚々と咲く十月桜愛ほしむもとこ
雑木山踏みどころなき木の実かなもとこ
点描のごとき花弁や時鳥草もとこ
園児らの黄色き声に木の実降るもとこ
はぐれなよ点描なして雁渡るもとこ
裏木戸を開ければひそと貴船菊もとこ
底石の黒々として秋の川あひる
川風に吹き攫はれし蜆蝶あひる
彼の一樹ネイルのごとくもみづれるあひる
昇龍のごとき老松秋天へあひる
半眼の不動尊へと薄紅葉小袖
秋風にざわめきやまぬ神の杜小袖
大岩に二タ分かれせる秋の水小袖
神の磐走る裂け目や身にぞ入む小袖
磊々に急ぎ高鳴る秋の水せいじ
土手小春紙吹雪めく群雀せいじ
水澄むや鷺の一歩に立つ波紋せいじ
黄落に波紋ひろごる川面かなせいじ
黄落す風倒木の寧かれとたか子
身に入むや神苑を占む風倒樹たか子
クラス会めきし吟行秋天下たか子
秋冷や五体投地に風倒樹たか子
小流れの岩間岩間に石蕗黄なりわかば
裏山を紅葉に染めし茶庭かなわかば
秋の苑栞りたきものそちこちにわかば
秋の風山湖をとゆき斯くゆきぬわかば
紅葉影揺れ通しなる力石なおこ
秋日いま光と影に力石なおこ
斯く斯くと水の六訓小鳥来るこすもす
渓を吹く風に大揺れやまぶだうぽんこ
小鳥来て和らぐ杜や力石豊実

2022年6月21日(参加者 15名)

俳句作者
梅天の仄と明るみ遥拝所うつぎ
あめんぼの滑るに倦みて大ジャンプうつぎ
下闇に子丑寅の方位盤うつぎ
青竹の筧を走る水涼しうつぎ
湧き出ずるごとくに梅雨の水輪かなうつぎ
雨垂れの音に風鈴黙しけりうつぎ
祈祷殿前なる五葉松涼し明日香
岩陰へ雨粒さけて水馬明日香
雨だれのテラスの卓にをどりをり明日香
大小の水輪がせめぐ梅雨の池明日香
総玻璃の茶処四囲に花菖蒲明日香
青銅の駿馬へ注ぐ緑雨かなせいじ
梅雨じめりしたるおみくじ吉とでしせいじ
万緑に千木の金色極めけりせいじ
玉砂利ににじむ緑雨の潦せいじ
万緑の宮へとまたぐ朱大門せいじ
亡き句友悼みつ茶屋のわらび餅こすもす
序破急を告ぐる雨音梅雨寒しこすもす
な滑りそ梅雨しとどなる太鼓橋こすもす
橋裏に雨宿りするあめんぼうこすもす
戎絵の団扇置かるる甘処小袖
梅雨の茶屋守りし媼の恵比寿顔小袖
白玉や緑射し込む宮の茶屋たか子
今日夏至の六甲連山棚曇りたか子
神域の一歩に深き木下闇ぽんこ
老松が傘なす梅雨の遥拝所ぽんこ
跳ね橋の跳ねるや否やつばくらめ凡士
砲台の沖を過ぎゆくヨットかな凡士
花菖蒲残る一輪池統ぶるよう子
神苑の太鼓一打や梅雨迎えよう子
あめんぼう雨の水輪にとまどひぬあひる
練塀に沿ひて吟行梅雨しとどわかば
砲台を埋めつくして姫女苑豊実
梅天へ神迎えなる大太鼓もとこ

2022年5月17日(参加者 14名+欠席投句1名)

俳句作者
吹く風にしばらく薔薇の香をまとふ素秀
リュックの背反らせてくぐる薔薇アーチ素秀
薔薇を剪る鋏に迷ひなかりけり素秀
園丁の薔薇の鋏の潔し素秀
離陸機のいま旋回す花樗明日香
大空へ楓の若葉の幾重にも明日香
梅天の日輪白く滲みけり明日香
青蔦がすつぽり覆ふ古墳かなぽんこ
薔薇アーチ花弁を散らす石畳ぽんこ
身体より大きなリュック遠足児ぽんこ
夢叶ひさうな真つ赤な薔薇アーチ小袖
夏衣さりときなし太極拳小袖
大空に溶けいりさうや花樗たか子
まくなぎの虜となりし古墳道たか子
色ごとに陣を分かちぬ薔薇の苑豊実
色変はるたび歩の緩む薔薇の苑豊実
むらさきにけぶる空あり花樗もとこ
万緑を砦としたる古墳かなもとこ
古墳へと広枝差し掛く花樗わかば
曇天にまぎれて淡し花樗わかば
オフィーリアのドレスとしたし白薔薇よう子
梅天や古墳覚めよと飛機の音よう子
薔薇の虻みもだえてをる花心かなうつぎ
薔薇薫るコロナマスクを外したしなおこ

2022年4月19日(参加者 9名+欠席投句1名)

俳句作者
道をしへ会ひたき人に会へしごと明日香
山つつじ樹間樹間を彩りて明日香
奥池へ幾重の緑さしにけり明日香
新緑の木洩れ日浴びて瀬をわたる明日香
茶室への細道つづるえびね蘭明日香
蹲の花屑仄と彩とどむ明日香
岩を咬み己が影咬む糸蜻蛉明日香
若楓重なり谷の空覆ふわかば
囀を心に満たし山路ゆくわかば
藍深き湖へ五彩の緑さすわかば
瀬の石を咬んではなさぬ糸蜻蛉わかば
石楠花にやはらかき風生まれけりわかば
川風が捩れをほどく鯉幟小袖
緑青の庇へ翳す若楓小袖
春日透く汀へ稚魚の寄りきたる小袖
花園に蝶々ひらり又ひらり小袖
行厨は桜しべ敷く樹の下でせいじ
花虻のホバリングして道塞ぐせいじ
花虻をいなしつつ園巡りけりせいじ
道をしへ鏡池へと招きけりもとこ
薫風に誘はれゆく山路かなもとこ
そよ風が運ぶ鳥語や竹の秋もとこ
若楓そのうす緑目にぞ沁む千鶴
山路ゆく囀遠くまた近く千鶴
桜しべ踏みて吟行また愉し千鶴
行厨は大緑陰の傘の中ぽんこ
暦年の残念石へ緑さすぽんこ
那智黒の径をつづるは花あしびぽんこ
斑猫に出会ひてうれしつき行きぬあひる
うららかや小さき靴下げベビーカーあひる

年度別一覧

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