みのる選:2012年度
みのる選:2012年度
(加者17名)
俳句 | 作者 |
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吟行す嵯峨野の道の日短 | 菜々 |
冬晴れの寺門ここより熊野道 | 〃 |
冬菊を多に新町名妓の碑 | 〃 |
グルメなる宴が目当て納め句座 | 〃 |
びんづる撫で知恵の輪くぐり年惜しむ | 〃 |
一門の墓どころらし笹子鳴く | 宏虎 |
身じろがぬ檻の大鷹威厳あり | 〃 |
たあいなきことが幸なり古日記 | 〃 |
風に散るなぞへの五彩紅葉かな | ひかり |
さざ波の寄せる池塘の草紅葉 | 〃 |
超高層ビル冬天へ傾ぐかと | 〃 |
べートゥベン聞きてやる気の年用意 | よし子 |
九体仏温顔並ぶ冬日和 | 〃 |
山風に搬ばれてきし落葉掃く | 〃 |
引導の鐘にさゆれて金鈴子 | はく子 |
布袋尊の大腹なでて冬ぬくし | 〃 |
冬日全し禅寺砂紋乱れなし | 〃 |
大石の凹みあふるる落葉嵩 | つくし |
年惜しむ通天閣をたもとほり | 〃 |
公園の将棋族みな着膨れて | 小袖 |
藩跡のしじまの小道茶の蕾む | 〃 |
朴訥として直立す大枯木 | せいじ |
うす暗き門に橙黄なりけり | わかば |
通天閣抽んでてをる冬木立 | こすもす |
冬靄を払はんと伸ぶクレーン車 | きづな |
着ぶくれて額づきのぞくウインドウ | 満天 |
冬天へピラミッドなす無縁仏 | 〃 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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一隅が絵になる庭や紅葉積む | つくし |
日当りて眩しき庵の白障子 | 〃 |
赤肌の磐石座る冬の庭 | 〃 |
紅葉降る夙川堤鳥語また | 〃 |
夙川の桜落葉を栞とす | 百合 |
臥竜松映して水の澄めりけり | 〃 |
日の射して水面に燃ゆる紅葉影 | 〃 |
自販機が熱缶を吐く冬の朝 | 〃 |
銅像の皆笑顔なる庭小春 | はく子 |
松手入眺めがうれしカフェテラス | 〃 |
遅々として進捗見えぬ松手入 | 〃 |
彩窓に冬日のやさし美術館 | 〃 |
檻の鷹大空にらみまばたかず | 宏虎 |
廃線の鉄路を隠す枯芒 | 〃 |
白障子過るは庭の鳥の影 | 〃 |
庭小径いづくに立つも石蕗あかり | 菜々 |
流れ来て洲浜ふちどる散もみぢ | 〃 |
ローランサンの絵の青色に秋思憑く | 〃 |
枯芝におかしなオブジェ笑ひをり | よし子 |
脚だけがみゆる梯子は松手入 | 〃 |
句帳手に持ってゐるだけ紅葉狩 | 〃 |
庭園の一水に沿ふ石蕗明り | ひかり |
枯蓮に紛れて鷺の身じろがず | 〃 |
枯蓮矢刀折れに動かざる | わかば |
庭園の順路を綴る石蕗黄なり | 〃 |
百態の兎配して庭小春 | 有香 |
苦吟する我にエールやあたたかし | 〃 |
小鳥来る縁へ小机持ち出しぬ | きづな |
庭紅葉黄金柏葉要とす | 〃 |
走り根にな躓きそ紅葉狩 | よう子 |
バイオリン背に自転車の落葉道 | 〃 |
そぞろゆく苑の小径の石蕗明かり | 満天 |
ふくよかな裸婦の画展や館ぬくし | 〃 |
通過する電車を追ひて紅葉散る | 〃 |
白砂の枯山水に紅葉散る | 〃 |
(加者13名)
俳句 | 作者 |
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万葉の歌碑訪ふ園の末枯るる | 菜々 |
中腹に尖塔しるき秋の山 | 〃 |
万葉苑秋の七草数へつつ | 〃 |
さねかづら縋る詠み人知らずの碑 | 〃 |
家持の歌碑へなでしこ名残花 | 〃 |
一穢なき秋天子らの声ひびく | せいじ |
どんぐりを拾ひてママにプレゼント | 〃 |
万葉の歌碑の面に紅葉照る | 〃 |
連鎖して泣きだす園児秋麗 | 〃 |
日に倦みて憩ふベンチに萩の風 | ひかり |
草叢のここにいるよと残る虫 | 〃 |
あるなしの風に尾花は揺れやまず | 〃 |
万葉の碑に佇めば小鳥来る | 有香 |
甲山招き寄せゐる尾花かな | 〃 |
撫子の一本凛と歌碑に添ふ | 〃 |
団栗を並べて遊ぶ母子かな | よし子 |
杭一本長き水尾ひく秋の川 | 〃 |
出かけねば損した思ひ秋の晴 | 〃 |
団栗に子らの歓声響く森 | 百合 |
澄む川の底ひを走る魚影かな | 〃 |
誦しもして万葉歌碑や園小春 | 〃 |
昇神の神事の声に天高し | よう子 |
神楽終へ巫女母親に戻りけり | 〃 |
湯玉散る巫女の青笹秋気澄む | 〃 |
幸あらんとて拾ひたる木の実かな | 宏虎 |
中空へ丈余のすすき揺れやまず | 〃 |
雲一朶なき秋天の甲山 | つくし |
うら枯れに風渡りゆく歌碑の苑 | 〃 |
どんぐりはベンチの子らの忘れもの | きづな |
秋日和相聞歌碑に鳩睦む | 〃 |
秋高く真青な空や甲山 | はく子 |
遠山を透かせて光る薄かな | 〃 |
万葉の数多の歌碑に小鳥来る | 満天 |
行厨のベンチに萩の風通ふ | 〃 |
秋天へ「いただきます」の声ひびく | 〃 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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登り来し棚田の天辺大花野 | うつぎ |
点々と散らばる谷戸の藁ぼっち | 〃 |
秋山に影落とし行く羊雲 | 〃 |
句を拾ひ栗も拾ひつ能勢山路 | 〃 |
大花野園丁帽の見え隠れ | 〃 |
ラベンダー唄ひやまずよ風の園 | 菜々 |
秋の水天使の掲ぐ盤あふれ | 〃 |
秋日濃し残念石のくさび址 | 〃 |
萩しだれ瑠璃の池面にふれんとす | 〃 |
秋日傘池畔の小径たもとほり | 〃 |
ジーパンにサイケ模様や草じらみ | きづな |
存問のごと屈み見る秋千草 | 〃 |
さざ波のダイヤ光りす秋の湖 | 〃 |
日の温みある岩に座し秋を聴く | 〃 |
漣の池に佇む秋日傘 | こすもす |
句仇の松茸弁当匂ひけり | 〃 |
植物園事務所を覆う蔦葛 | 〃 |
墨池のほとりを染める曼珠沙華 | せいじ |
道をしへ右と左に別れけり | 〃 |
猪除けのフェンスを越えて吟行す | 〃 |
草じらみつけてファッションさながらに | 満天 |
身に入むや残念石に穴ふたつ | 〃 |
道をしへ誘ふ径に従ひぬ | 〃 |
苔むせる岩を洗ひて水澄める | わかば |
脊高の紫苑は風に傾ぎけり | 〃 |
石垣のなぞへに立ちし彼岸花 | ぽんこ |
薄の穂風に伏しては立ち上がる | 〃 |
一水に沿ひて燃えゐる曼珠沙華 | 有香 |
柿紅葉同じ模様はなかりけり | 〃 |
水音に和して揺れゐる秋の草 | よう子 |
毬栗の転がり出でし車道かな | 〃 |
推敲す白きベンチの風は秋 | 百合 |
かく長きまつげの欲しや曼珠沙華 | はく子 |
斑猫を遠まきにして吟行子 | 〃 |
草じらみ幾何学模様描きけり | 〃 |
池の辺のあちこちに佇つ秋思人 | 〃 |
茶室へと水引草の小径かな | 〃 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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浜の石灼けゐてベンチとはならず | つくし |
佇めば我が足洗ふ秋の波 | 〃 |
沢蟹の奇岩の下に潜りけり | 〃 |
波の騎羅打ち上げられし海月かな | 〃 |
風鈴の音に反応す猫の耳 | 宏虎 |
今日一ト日無事を謝しつつ夕端居 | 〃 |
風に舞ひ夕陽を散らす赤とんぼ | 〃 |
滔々と潮入り川の澄めりけり | わかば |
泊舟のマスト林立秋の晴 | 〃 |
紺碧の海に散らばるヨットかな | 〃 |
巖窟を懐に抱く秋の山 | ぽんこ |
身に入むや人寄せ付けぬ般若窟 | 〃 |
砲台は時代の遺物秋の風 | 〃 |
手水舎の水は山から涼新た | ひかり |
涼風の野石をベンチ推敲す | 〃 |
上げ潮の川のゆらぎや鰡屯 | 〃 |
魁やけやき並木に秋の色 | きづな |
お施餓鬼ををへて芭蕉碑に見えけり | 〃 |
大いなるくもの囲宿す御神木 | 〃 |
電柱の影にバス待つ日の盛り | せいじ |
さざ波に生れし風や湖涼し | 〃 |
鉢苗を日除けの下に移しけり | 〃 |
避暑便りキティの切手貼られあり | 小袖 |
あきつ群る加速減速くりかへし | 〃 |
新涼の夙川堤吟行す | 百合 |
激辛のカレーを食べて暑に耐ふる | 〃 |
秋めくと私を誘ふホ句の神 | 菜々 |
ベランダは私の宇宙星月夜 | 〃 |
難転石くるくる廻り涼新た | 満天 |
爽やかや美人祈願の絵馬揺るる | 〃 |
新涼や熱きコーヒーすすりけり | よし子 |
総玻璃の高層ビルに秋の雲 | はく子 |
(加者13名)
俳句 | 作者 |
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片陰にひしめく顔や鉾進む | せいじ |
回るたび鉾大空をかき回す | 〃 |
総身の汗を散らして鉾回す | 〃 |
人波に埋もれて仰ぐ鉾高し | 〃 |
池渡る風に蒲の穂さんざめく | ひかり |
梅雨明けや目に触るるもの皆光る | 〃 |
四阿の人影を恋ふ錦鯉 | 〃 |
緑陰は子連れのママの集会所 | 〃 |
祖父の世のなほ健在や扇風機 | うつぎ |
七月の水琴窟はロック調 | 〃 |
濃紫陽花足下を埋むリフトかな | 〃 |
合歓咲くや若狭仏に見ゆ道 | 〃 |
たたなづく翠微まぶしき梅雨の晴 | よし子 |
清盛の謂れの海や雲の峰 | 〃 |
青田風切って走りぬ一両車 | 〃 |
わんぱくら清水濁して駈けだしぬ | 〃 |
雲の峰より一筋の飛行雲 | ぽんこ |
炎昼や貨物列車の長きこと | 〃 |
蓮浮葉風に抗ひ裏返る | 〃 |
飛石を洗ふ瀬音の楽涼し | わかば |
一陣の風に波打つ蓮浮葉 | 〃 |
雲の峰六甲連山従へて | 〃 |
夕焼を掬ひ掬ひて観覧車 | 宏虎 |
滴りや顔に苔むす磨崖仏 | 〃 |
草花紋青き白磁の涼しさよ | 菜々 |
連れ立ちてマイセン展へ白日傘 | 〃 |
館涼しマイセン磁器の変遷を | はく子 |
川に沿ふ欅並木の影涼し | 〃 |
朝涼やテーブルクロスは伊勢木綿 | 有香 |
せせらぎを辿りて汗の心地よき | 百合 |
マイセンの贅極めたる夏館 | 満天 |
(加者11名)
俳句 | 作者 |
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滝壺に散りたる瑠璃は糸とんぼ | 菜々 |
ささら波立てて早乙女白脚絆 | 〃 |
目薬に頼る晩学明易し | 〃 |
ウォーキングマシンを友に梅雨籠り | 〃 |
地に頬をつけてあぢさゐ雨に伏す | よし子 |
山門の高きをめざす山の蝶 | 〃 |
梅雨濁りして大淀の激ちけり | 〃 |
蛍火のかくも幽けき潦 | 〃 |
葉づたひに光移らふ初蛍 | 有香 |
スキップの子が見え隠れ白日傘 | 〃 |
麦秋や滋賀の山々低きかな | 〃 |
梅雨空へアガパンサスの弾けけり | せいじ |
大波が洗ふは梅雨の埠頭かな | 〃 |
すぐ消ゆる雨の水輪や梅雨の川 | 〃 |
茶臼山ときの声かも青嵐 | 百合 |
あかり消せ蛍の乱舞見る岸辺 | 〃 |
風涼しフランスパンは前籠に | 〃 |
縄文の土偶を染める夕焼けかな | 泰三 |
通夜の道誘ふごとく蛍の火 | 〃 |
梅雨霧の沖に島影消えにけり | わかば |
天蓋をなせる老松梅雨の闇 | 〃 |
梅雨しとど五百羅漢の肩を打つ | つくし |
碑の梵字をなぞる蜥蜴かな | 宏虎 |
誰が魂ぞ吾につういと来る蛍 | うつぎ |
神事待つ御田掠めてつばくらめ | 〃 |
見送りの母の日傘のいつまでも | 〃 |
昇りゆく蛍仰げば七ツ星 | 〃 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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急磴を来て芳香の薔薇の庭 | ぽんこ |
単線のローカル駅に燕の巣 | 〃 |
ブロンズのアンネは薔薇の天使かな | 〃 |
若葉雨白亜の館に風見鶏 | 〃 |
絵硝子にダビデの星や春日燦 | 〃 |
薔薇香るアンネの像のほほえみに | 菜々 |
祈りつつアンネの像へ薔薇の階 | 〃 |
豪邸の間に間に甲山笑ふ | 〃 |
碑に刻む千余の御霊青葉雨 | 〃 |
濯ぎてはアンネの像へ薔薇の雨 | 〃 |
バラの園アンネの像を要とす | うつぎ |
評判のケーキ屋は此処燕の巣 | 〃 |
春寒し震災の碑に佇めば | 〃 |
駅に待つ人垣越しに親燕 | 〃 |
震災者記す巨石へ青葉傘 | 小袖 |
新樹光ダビデの星の彩窓に | 〃 |
春愁ふアンネの資料館を出て | 〃 |
石垣を割りて若木の桐の花 | 〃 |
日毎色変ふるアンネのバラの園 | はく子 |
若葉雨震災犠牲者悼む碑に | 〃 |
丘の上のアンネのバラのチャペル訪ふ | 〃 |
バラの雨伏し目がちなるアンネ像 | ひかり |
震災の記念公園五月雨るる | 〃 |
背くらべするごと二本今年竹 | こすもす |
急磴に訪ひし教会バラに満つ | 〃 |
森の如松下亭の青葉闇 | 有香 |
バラの園伏し目に祈るアンネ像 | 〃 |
黄金のばらに佇むアンネ像 | よし子 |
近道といふは急坂桐の花 | 〃 |
薔薇匂ふ丘の上なるチャペルかな | せいじ |
単線は新緑に沿ひ真っすぐに | つくし |
バラの園平和の願ひ語り継ぎ | 満天 |
緑陰にま白き文字の追悼碑 | 〃 |
(加者13名)
俳句 | 作者 |
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門入れば百花繚乱園の春 | 満天 |
花虻の吾の目線でホバリング | 〃 |
黄砂降る空へ飛簷の反りに反る | 〃 |
笑ふ山へと七曲がり路線バス | 〃 |
大傘の花のベンチに坐す至福 | 〃 |
一山を染むるばかりや躑躅燃ゆ | わかば |
若楓日の斑の揺るる川明り | 〃 |
谷川へなだれて楓若葉映ゆ | 〃 |
蘭亭の古りし石文余花の影 | 〃 |
山峡の木の間隠れに山つつじ | よし子 |
翻りては日を返す風若葉 | 〃 |
芽ぐみゐる樹下はほどよき風の道 | 〃 |
うち仰ぐしだれ桜の大傘を | 〃 |
蘭亭はこちらと園の道をしへ | ぽんこ |
蘭亭の尖りし屋根に風光る | 〃 |
カラフルな色を散らして糸とんぼ | 〃 |
余念なき花壇の手入れ百千鳥 | きづな |
藍深く湛えし山湖春深し | 〃 |
まず憩ふしだれ桜の大傘に | 〃 |
日射すとき騎羅のさざ波春の川 | つくし |
吾が影に群るる色鯉花は葉に | 〃 |
満目の森のみどりに風渡る | せいじ |
山つつじ映しダム湖のふかみどり | 〃 |
一水に沿ひて山路の春惜しむ | かれん |
瑠璃深き湖囲む山つつじ | 〃 |
群青の池へ裾引く躑躅山 | 菜々 |
木道に瑠璃きらめくは道をしへ | 〃 |
笑むごとく千手ひろげし八重桜 | 泰三 |
小流れにあそぶがごとしみづすまし | 〃 |
園に満つ呵々大笑のチューリップ | ひかり |
花虻を屈伸運動して除ける | 有香 |
もこもことふくるるごとく芽吹く森 | はく子 |
真白なるガーデンチェアーに春惜しむ | 〃 |
隠沼とりこにしたる山つつじ | 〃 |
何故に後じさりせる道をしへ | 〃 |
おにぎりを分け合ひ花下に憩ひけり | 〃 |
(加者16名)
俳句 | 作者 |
---|---|
五百羅漢みな春愁の面と見し | うつぎ |
法の山紅白の梅曼荼羅に | 〃 |
梅匂ふ不許葷酒の碑過ぎてより | 〃 |
まどろみに似し地蔵の目梅日和 | 〃 |
観音の光輪抜けて風光る | 〃 |
右見左見梅の香に磴のぼる | 宏虎 |
法の日を集め山茱萸黄を点す | 〃 |
梅が枝に透けてはるけき甲山 | 〃 |
春光の空に煌めく九輪塔 | 〃 |
誰彼となく声かけて梅の丘 | ひかり |
天を突く九輪あまねく春日さす | 〃 |
のどけしや吾が顔に似し羅漢かな | 〃 |
紅白の梅のなだるるなぞへかな | 〃 |
枝垂れ梅囲む俳人カメラマン | 百合 |
梅林はアロマテラピーめぐりけり | 〃 |
せせらぎの奏でそめたる早春譜 | 〃 |
観音の翳す御手に春日燦 | 〃 |
日翳れば白の際立つ梅の丘 | 菜々 |
春水の一杓水子地蔵へと | 〃 |
梅林を巡る丹の橋見え隠れ | 〃 |
羨道をふちどりて草芳しき | わかば |
石棺を抱く古墳や百千鳥 | 〃 |
春水の堰落つる音逞しき | ぽんこ |
梅日和観音像は伏目がち | 〃 |
朱の御門くぐり華やぐ梅の園 | 小袖 |
法の山上へ下へと梅日和 | 〃 |
たっぷりと水子地蔵に春の水 | かれん |
相輪のことに輝く梅日和 | 〃 |
靴の紐蝶々結びに青き踏む | きづな |
陰る山照る山四方に梅の渓 | 〃 |
観音像翳すおん手に風光る | はく子 |
梅の山へと御手広ぐ観世音 | 〃 |
丘を占む風力発電風光る | 有香 |
渓からの風梅が香を吹き上げ来 | よし子 |
岩田帯授かる寺は梅日和 | えいいち |
梅の丘より対峙すや甲山 | 満天 |
三脚につまづきさうや梅の道 | 〃 |
(加者17名)
俳句 | 作者 |
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梅探る智恵百度石撫でもして | うつぎ |
春兆すクレーン海向き山を向き | 〃 |
佇めば梅が香通ふ忠魂碑 | 〃 |
海見ゆる小高き丘や梅探る | 〃 |
ほぐれそむ「思いのまま」と名づく梅 | 明日香 |
大橋の主塔が尖る春霞 | 〃 |
白梅の緑がかりてふふみけり | 〃 |
迷路めく梅林の径めぐりけり | 〃 |
お百度を踏む人の背に風光る | こすもす |
水滴のごとく万蕾枝垂れ梅 | 〃 |
探梅の丘に届きし沖汽笛 | 〃 |
騒しきカラスや森の春動く | 〃 |
赤き灯はタワーの標識春霞 | ひかり |
喬木の鳥語降らせる園の春 | 〃 |
梅目覚めよと槌音の届く丘 | 〃 |
宝前に猪の足あと冴返る | 菜々 |
紅白の梅神殿の右左 | 〃 |
御手洗の竹桶に縷々と春の水 | 〃 |
小流に佇みをれば梅匂ふ | 百合 |
辿らばや馥郁の香の梅の道 | 〃 |
をちこちに鳥語姦し春の山 | えいいち |
梅の丘沖の汽笛のとどきけり | 〃 |
雅なる名札うべなひ梅愛づる | きづな |
循還の池の水とて春奏で | 〃 |
裏山に汽笛こだます梅日和 | せいじ |
囀を総身に浴びて園巡る | わかば |
百度踏む媼に宮の梅固し | 有香 |
すぐ下に電車の走る梅の丘 | よし子 |
高貴なる名のつく梅のふふみけり | 泰三 |
長閑なり水無川に猪のゐて | はく子 |
またたくは海の大橋春霞 | 満天 |
鈴生りの祈願の絵馬に春日燦 | 〃 |
句帳手に舌頭千転春うらら | 〃 |
(加者17名)
俳句 | 作者 |
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初句会古希傘寿卒寿勢揃ひ | うつぎ |
ロゼワイン酌みてわたしの女正月 | 〃 |
竹爆ぜて峡にとよもす大とんど | 〃 |
歌かるた犬養節に詠みにけり | 〃 |
笹鳴きのとぎれとぎれや杣の径 | 宏虎 |
寄せ植えの白砂を分けて福寿草 | 〃 |
幾万の水仙揺らす磯の風 | 〃 |
吉兆を仰山つけて脱不況 | 百合 |
海に向く竜馬の像に初茜 | 〃 |
嵯峨小径さゆらぐ竹の淑気かな | 〃 |
初笑ひ百面相の嬰の顔 | 有香 |
和太鼓の一打が合図吉書揚げ | 〃 |
囲みたる顔みなまっ赤とんど焼き | よし子 |
谷戸深く炭焼く煙直立す | 〃 |
万歩計百歩増へたる春隣 | 泰三 |
街灯の等間隔の朧かな | 〃 |
絵手紙に存問の一句寒見舞 | 満天 |
句仲間の句集賜る初句会 | 〃 |
恙なく介護の母と初御空 | わかば |
客去りて心おきなく寝正月 | 明日香 |
炭窯に挿す幣真白年始め | 小袖 |
露天湯に灘一望す避寒かな | はく子 |
宮四温お初徳兵衛睦まじく | 〃 |
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