みのる選:2012年度

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2012年12月18日

(加者17名)

俳句作者
吟行す嵯峨野の道の日短菜々
冬晴れの寺門ここより熊野道
冬菊を多に新町名妓の碑
グルメなる宴が目当て納め句座
びんづる撫で知恵の輪くぐり年惜しむ
一門の墓どころらし笹子鳴く宏虎
身じろがぬ檻の大鷹威厳あり
たあいなきことが幸なり古日記
風に散るなぞへの五彩紅葉かなひかり
さざ波の寄せる池塘の草紅葉
超高層ビル冬天へ傾ぐかと
べートゥベン聞きてやる気の年用意よし子
九体仏温顔並ぶ冬日和
山風に搬ばれてきし落葉掃く
引導の鐘にさゆれて金鈴子はく子
布袋尊の大腹なでて冬ぬくし
冬日全し禅寺砂紋乱れなし
大石の凹みあふるる落葉嵩つくし
年惜しむ通天閣をたもとほり
公園の将棋族みな着膨れて小袖
藩跡のしじまの小道茶の蕾む
朴訥として直立す大枯木せいじ
うす暗き門に橙黄なりけりわかば
通天閣抽んでてをる冬木立こすもす
冬靄を払はんと伸ぶクレーン車きづな
着ぶくれて額づきのぞくウインドウ満天
冬天へピラミッドなす無縁仏
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2012年11月20日

(加者14名)

俳句作者
一隅が絵になる庭や紅葉積むつくし
日当りて眩しき庵の白障子
赤肌の磐石座る冬の庭
紅葉降る夙川堤鳥語また
夙川の桜落葉を栞とす百合
臥竜松映して水の澄めりけり
日の射して水面に燃ゆる紅葉影
自販機が熱缶を吐く冬の朝
銅像の皆笑顔なる庭小春はく子
松手入眺めがうれしカフェテラス
遅々として進捗見えぬ松手入
彩窓に冬日のやさし美術館
檻の鷹大空にらみまばたかず宏虎
廃線の鉄路を隠す枯芒
白障子過るは庭の鳥の影
庭小径いづくに立つも石蕗あかり菜々
流れ来て洲浜ふちどる散もみぢ
ローランサンの絵の青色に秋思憑く
枯芝におかしなオブジェ笑ひをりよし子
脚だけがみゆる梯子は松手入
句帳手に持ってゐるだけ紅葉狩
庭園の一水に沿ふ石蕗明りひかり
枯蓮に紛れて鷺の身じろがず
枯蓮矢刀折れに動かざるわかば
庭園の順路を綴る石蕗黄なり
百態の兎配して庭小春有香
苦吟する我にエールやあたたかし
小鳥来る縁へ小机持ち出しぬきづな
庭紅葉黄金柏葉要とす
走り根にな躓きそ紅葉狩よう子
バイオリン背に自転車の落葉道
そぞろゆく苑の小径の石蕗明かり満天
ふくよかな裸婦の画展や館ぬくし
通過する電車を追ひて紅葉散る
白砂の枯山水に紅葉散る
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2012年10月17日

(加者13名)

俳句作者
万葉の歌碑訪ふ園の末枯るる菜々
中腹に尖塔しるき秋の山
万葉苑秋の七草数へつつ
さねかづら縋る詠み人知らずの碑
家持の歌碑へなでしこ名残花
一穢なき秋天子らの声ひびくせいじ
どんぐりを拾ひてママにプレゼント
万葉の歌碑の面に紅葉照る
連鎖して泣きだす園児秋麗
日に倦みて憩ふベンチに萩の風ひかり
草叢のここにいるよと残る虫
あるなしの風に尾花は揺れやまず
万葉の碑に佇めば小鳥来る有香
甲山招き寄せゐる尾花かな
撫子の一本凛と歌碑に添ふ
団栗を並べて遊ぶ母子かなよし子
杭一本長き水尾ひく秋の川
出かけねば損した思ひ秋の晴
団栗に子らの歓声響く森百合
澄む川の底ひを走る魚影かな
誦しもして万葉歌碑や園小春
昇神の神事の声に天高しよう子
神楽終へ巫女母親に戻りけり
湯玉散る巫女の青笹秋気澄む
幸あらんとて拾ひたる木の実かな宏虎
中空へ丈余のすすき揺れやまず
雲一朶なき秋天の甲山つくし
うら枯れに風渡りゆく歌碑の苑
どんぐりはベンチの子らの忘れものきづな
秋日和相聞歌碑に鳩睦む
秋高く真青な空や甲山はく子
遠山を透かせて光る薄かな
万葉の数多の歌碑に小鳥来る満天
行厨のベンチに萩の風通ふ
秋天へ「いただきます」の声ひびく
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2012年9月26日

(加者14名)

俳句作者
登り来し棚田の天辺大花野うつぎ
点々と散らばる谷戸の藁ぼっち
秋山に影落とし行く羊雲
句を拾ひ栗も拾ひつ能勢山路
大花野園丁帽の見え隠れ
ラベンダー唄ひやまずよ風の園菜々
秋の水天使の掲ぐ盤あふれ
秋日濃し残念石のくさび址
萩しだれ瑠璃の池面にふれんとす
秋日傘池畔の小径たもとほり
ジーパンにサイケ模様や草じらみきづな
存問のごと屈み見る秋千草
さざ波のダイヤ光りす秋の湖
日の温みある岩に座し秋を聴く
漣の池に佇む秋日傘こすもす
句仇の松茸弁当匂ひけり
植物園事務所を覆う蔦葛
墨池のほとりを染める曼珠沙華せいじ
道をしへ右と左に別れけり
猪除けのフェンスを越えて吟行す
草じらみつけてファッションさながらに満天
身に入むや残念石に穴ふたつ
道をしへ誘ふ径に従ひぬ
苔むせる岩を洗ひて水澄めるわかば
脊高の紫苑は風に傾ぎけり
石垣のなぞへに立ちし彼岸花ぽんこ
薄の穂風に伏しては立ち上がる
一水に沿ひて燃えゐる曼珠沙華有香
柿紅葉同じ模様はなかりけり
水音に和して揺れゐる秋の草よう子
毬栗の転がり出でし車道かな
推敲す白きベンチの風は秋百合
かく長きまつげの欲しや曼珠沙華はく子
斑猫を遠まきにして吟行子
草じらみ幾何学模様描きけり
池の辺のあちこちに佇つ秋思人
茶室へと水引草の小径かな
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2012年8月21日

(加者14名)

俳句作者
浜の石灼けゐてベンチとはならずつくし
佇めば我が足洗ふ秋の波
沢蟹の奇岩の下に潜りけり
波の騎羅打ち上げられし海月かな
風鈴の音に反応す猫の耳宏虎
今日一ト日無事を謝しつつ夕端居
風に舞ひ夕陽を散らす赤とんぼ
滔々と潮入り川の澄めりけりわかば
泊舟のマスト林立秋の晴
紺碧の海に散らばるヨットかな
巖窟を懐に抱く秋の山ぽんこ
身に入むや人寄せ付けぬ般若窟
砲台は時代の遺物秋の風
手水舎の水は山から涼新たひかり
涼風の野石をベンチ推敲す
上げ潮の川のゆらぎや鰡屯
魁やけやき並木に秋の色きづな
お施餓鬼ををへて芭蕉碑に見えけり
大いなるくもの囲宿す御神木
電柱の影にバス待つ日の盛りせいじ
さざ波に生れし風や湖涼し
鉢苗を日除けの下に移しけり
避暑便りキティの切手貼られあり小袖
あきつ群る加速減速くりかへし
新涼の夙川堤吟行す百合
激辛のカレーを食べて暑に耐ふる
秋めくと私を誘ふホ句の神菜々
ベランダは私の宇宙星月夜
難転石くるくる廻り涼新た満天
爽やかや美人祈願の絵馬揺るる
新涼や熱きコーヒーすすりけりよし子
総玻璃の高層ビルに秋の雲はく子
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2012年7月17日

(加者13名)

俳句作者
片陰にひしめく顔や鉾進むせいじ
回るたび鉾大空をかき回す
総身の汗を散らして鉾回す
人波に埋もれて仰ぐ鉾高し
池渡る風に蒲の穂さんざめくひかり
梅雨明けや目に触るるもの皆光る
四阿の人影を恋ふ錦鯉
緑陰は子連れのママの集会所
祖父の世のなほ健在や扇風機うつぎ
七月の水琴窟はロック調
濃紫陽花足下を埋むリフトかな
合歓咲くや若狭仏に見ゆ道
たたなづく翠微まぶしき梅雨の晴よし子
清盛の謂れの海や雲の峰
青田風切って走りぬ一両車
わんぱくら清水濁して駈けだしぬ
雲の峰より一筋の飛行雲ぽんこ
炎昼や貨物列車の長きこと
蓮浮葉風に抗ひ裏返る
飛石を洗ふ瀬音の楽涼しわかば
一陣の風に波打つ蓮浮葉
雲の峰六甲連山従へて
夕焼を掬ひ掬ひて観覧車宏虎
滴りや顔に苔むす磨崖仏
草花紋青き白磁の涼しさよ菜々
連れ立ちてマイセン展へ白日傘
館涼しマイセン磁器の変遷をはく子
川に沿ふ欅並木の影涼し
朝涼やテーブルクロスは伊勢木綿有香
せせらぎを辿りて汗の心地よき百合
マイセンの贅極めたる夏館満天
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2012年6月19日

(加者11名)

俳句作者
滝壺に散りたる瑠璃は糸とんぼ菜々
ささら波立てて早乙女白脚絆
目薬に頼る晩学明易し
ウォーキングマシンを友に梅雨籠り
地に頬をつけてあぢさゐ雨に伏すよし子
山門の高きをめざす山の蝶
梅雨濁りして大淀の激ちけり
蛍火のかくも幽けき潦
葉づたひに光移らふ初蛍有香
スキップの子が見え隠れ白日傘
麦秋や滋賀の山々低きかな
梅雨空へアガパンサスの弾けけりせいじ
大波が洗ふは梅雨の埠頭かな
すぐ消ゆる雨の水輪や梅雨の川
茶臼山ときの声かも青嵐百合
あかり消せ蛍の乱舞見る岸辺
風涼しフランスパンは前籠に
縄文の土偶を染める夕焼けかな泰三
通夜の道誘ふごとく蛍の火
梅雨霧の沖に島影消えにけりわかば
天蓋をなせる老松梅雨の闇
梅雨しとど五百羅漢の肩を打つつくし
碑の梵字をなぞる蜥蜴かな宏虎
誰が魂ぞ吾につういと来る蛍うつぎ
神事待つ御田掠めてつばくらめ
見送りの母の日傘のいつまでも
昇りゆく蛍仰げば七ツ星
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2012年5月15日

(加者14名)

俳句作者
急磴を来て芳香の薔薇の庭ぽんこ
単線のローカル駅に燕の巣
ブロンズのアンネは薔薇の天使かな
若葉雨白亜の館に風見鶏
絵硝子にダビデの星や春日燦
薔薇香るアンネの像のほほえみに菜々
祈りつつアンネの像へ薔薇の階
豪邸の間に間に甲山笑ふ
碑に刻む千余の御霊青葉雨
濯ぎてはアンネの像へ薔薇の雨
バラの園アンネの像を要とすうつぎ
評判のケーキ屋は此処燕の巣
春寒し震災の碑に佇めば
駅に待つ人垣越しに親燕
震災者記す巨石へ青葉傘小袖
新樹光ダビデの星の彩窓に
春愁ふアンネの資料館を出て
石垣を割りて若木の桐の花
日毎色変ふるアンネのバラの園はく子
若葉雨震災犠牲者悼む碑に
丘の上のアンネのバラのチャペル訪ふ
バラの雨伏し目がちなるアンネ像ひかり
震災の記念公園五月雨るる
背くらべするごと二本今年竹こすもす
急磴に訪ひし教会バラに満つ
森の如松下亭の青葉闇有香
バラの園伏し目に祈るアンネ像
黄金のばらに佇むアンネ像よし子
近道といふは急坂桐の花
薔薇匂ふ丘の上なるチャペルかなせいじ
単線は新緑に沿ひ真っすぐにつくし
バラの園平和の願ひ語り継ぎ満天
緑陰にま白き文字の追悼碑
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2012年4月25日

(加者13名)

俳句作者
門入れば百花繚乱園の春満天
花虻の吾の目線でホバリング
黄砂降る空へ飛簷の反りに反る
笑ふ山へと七曲がり路線バス
大傘の花のベンチに坐す至福
一山を染むるばかりや躑躅燃ゆわかば
若楓日の斑の揺るる川明り
谷川へなだれて楓若葉映ゆ
蘭亭の古りし石文余花の影
山峡の木の間隠れに山つつじよし子
翻りては日を返す風若葉
芽ぐみゐる樹下はほどよき風の道
うち仰ぐしだれ桜の大傘を
蘭亭はこちらと園の道をしへぽんこ
蘭亭の尖りし屋根に風光る
カラフルな色を散らして糸とんぼ
余念なき花壇の手入れ百千鳥きづな
藍深く湛えし山湖春深し
まず憩ふしだれ桜の大傘に
日射すとき騎羅のさざ波春の川つくし
吾が影に群るる色鯉花は葉に
満目の森のみどりに風渡るせいじ
山つつじ映しダム湖のふかみどり
一水に沿ひて山路の春惜しむかれん
瑠璃深き湖囲む山つつじ
群青の池へ裾引く躑躅山菜々
木道に瑠璃きらめくは道をしへ
笑むごとく千手ひろげし八重桜泰三
小流れにあそぶがごとしみづすまし
園に満つ呵々大笑のチューリップひかり
花虻を屈伸運動して除ける有香
もこもことふくるるごとく芽吹く森はく子
真白なるガーデンチェアーに春惜しむ
隠沼とりこにしたる山つつじ
何故に後じさりせる道をしへ
おにぎりを分け合ひ花下に憩ひけり
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2012年3月21日

(加者16名)

俳句作者
五百羅漢みな春愁の面と見しうつぎ
法の山紅白の梅曼荼羅に
梅匂ふ不許葷酒の碑過ぎてより
まどろみに似し地蔵の目梅日和
観音の光輪抜けて風光る
右見左見梅の香に磴のぼる宏虎
法の日を集め山茱萸黄を点す
梅が枝に透けてはるけき甲山
春光の空に煌めく九輪塔
誰彼となく声かけて梅の丘ひかり
天を突く九輪あまねく春日さす
のどけしや吾が顔に似し羅漢かな
紅白の梅のなだるるなぞへかな
枝垂れ梅囲む俳人カメラマン百合
梅林はアロマテラピーめぐりけり
せせらぎの奏でそめたる早春譜
観音の翳す御手に春日燦
日翳れば白の際立つ梅の丘菜々
春水の一杓水子地蔵へと
梅林を巡る丹の橋見え隠れ
羨道をふちどりて草芳しきわかば
石棺を抱く古墳や百千鳥
春水の堰落つる音逞しきぽんこ
梅日和観音像は伏目がち
朱の御門くぐり華やぐ梅の園小袖
法の山上へ下へと梅日和
たっぷりと水子地蔵に春の水かれん
相輪のことに輝く梅日和
靴の紐蝶々結びに青き踏むきづな
陰る山照る山四方に梅の渓
観音像翳すおん手に風光るはく子
梅の山へと御手広ぐ観世音
丘を占む風力発電風光る有香
渓からの風梅が香を吹き上げ来よし子
岩田帯授かる寺は梅日和えいいち
梅の丘より対峙すや甲山満天
三脚につまづきさうや梅の道
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2012年2月21日

(加者17名)

俳句作者
梅探る智恵百度石撫でもしてうつぎ
春兆すクレーン海向き山を向き
佇めば梅が香通ふ忠魂碑
海見ゆる小高き丘や梅探る
ほぐれそむ「思いのまま」と名づく梅明日香
大橋の主塔が尖る春霞
白梅の緑がかりてふふみけり
迷路めく梅林の径めぐりけり
お百度を踏む人の背に風光るこすもす
水滴のごとく万蕾枝垂れ梅
探梅の丘に届きし沖汽笛
騒しきカラスや森の春動く
赤き灯はタワーの標識春霞ひかり
喬木の鳥語降らせる園の春
梅目覚めよと槌音の届く丘
宝前に猪の足あと冴返る菜々
紅白の梅神殿の右左
御手洗の竹桶に縷々と春の水
小流に佇みをれば梅匂ふ百合
辿らばや馥郁の香の梅の道
をちこちに鳥語姦し春の山えいいち
梅の丘沖の汽笛のとどきけり
雅なる名札うべなひ梅愛づるきづな
循還の池の水とて春奏で
裏山に汽笛こだます梅日和せいじ
囀を総身に浴びて園巡るわかば
百度踏む媼に宮の梅固し有香
すぐ下に電車の走る梅の丘よし子
高貴なる名のつく梅のふふみけり泰三
長閑なり水無川に猪のゐてはく子
またたくは海の大橋春霞満天
鈴生りの祈願の絵馬に春日燦
句帳手に舌頭千転春うらら
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2012年1月23日

(加者17名)

俳句作者
初句会古希傘寿卒寿勢揃ひうつぎ
ロゼワイン酌みてわたしの女正月
竹爆ぜて峡にとよもす大とんど
歌かるた犬養節に詠みにけり
笹鳴きのとぎれとぎれや杣の径宏虎
寄せ植えの白砂を分けて福寿草
幾万の水仙揺らす磯の風
吉兆を仰山つけて脱不況百合
海に向く竜馬の像に初茜
嵯峨小径さゆらぐ竹の淑気かな
初笑ひ百面相の嬰の顔有香
和太鼓の一打が合図吉書揚げ
囲みたる顔みなまっ赤とんど焼きよし子
谷戸深く炭焼く煙直立す
万歩計百歩増へたる春隣泰三
街灯の等間隔の朧かな
絵手紙に存問の一句寒見舞満天
句仲間の句集賜る初句会
恙なく介護の母と初御空わかば
客去りて心おきなく寝正月明日香
炭窯に挿す幣真白年始め小袖
露天湯に灘一望す避寒かなはく子
宮四温お初徳兵衛睦まじく
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