みのる選:2010年度
みのる選:2010年度
(加者16名)
俳句 | 作者 |
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泣き顔の児に外したるマスクかな | 有香 |
上げ下げに軋む床板畳替え | 〃 |
マスクせし目尻が笑まふ小児科医 | 〃 |
大マスク顎に吊すは主治医かな | うつぎ |
ふり向けば落葉しぐれに明智寺 | 〃 |
笹鳴きに応ふ笹鳴き良寛碑 | 〃 |
落葉してのっぺらぼうの大欅 | よし子 |
公園の空のベンチに冬日燦 | 〃 |
鉄塔の影たちあがり冬夕焼け | 〃 |
雪山へつづくセコイア並木かな | せいじ |
百選の苑の裸木美しき | 〃 |
湖昏れて影絵となりし鴨の陣 | 〃 |
ぼけ封じ観音へ賽し冬ぬくし | きづな |
淀君の墓はここよと笹鳴ける | 〃 |
散紅葉いよよ嵩なす冠木門 | 〃 |
饒舌の妻恙なく根深汁 | 宏虎 |
白障子いまよぎりしは鳥の影 | 〃 |
尻押され売られゆく牛冬の朝 | こすもす |
信号の他見えぬなり霧の街 | 〃 |
塾の子の帰るを待ちて聖菓切る | 百合 |
冬帝の比叡の山を仰ぎけり | 〃 |
大根焚世相話の尽きるなし | 小袖 |
蓮枯れて石垣高く隅櫓 | 〃 |
姑と同じふる里干菜汁 | 菜々 |
片付け魔なるは性分木の葉髪 | 〃 |
束の間を茶房に無聊年用意 | かれん |
賀状書く兎の耳に朱をさして | 〃 |
柚子三つお手玉となる終ひ風呂 | つくし |
ボロ市の店主が磨く派手な壺 | 〃 |
老犬を臥させて落葉掃きにけり | ぽんこ |
向き合ふて会話のふへし炬燵かな | 満天 |
ポインセチア老二人なるリビングに | はく子 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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沈む日に光を返す紅葉かな | せいじ |
秋夕焼沈思のうちに消えにけり | 〃 |
残照を仄かに宿す芒かな | 〃 |
二つ三つ空家めきたる蟻地獄 | 〃 |
野良猫の我にまとはり冬ざるる | 〃 |
乱心のごと山茶花の散り急ぐ | 宏虎 |
主賓より祖父母着飾る七五三 | 〃 |
浮寝鳥夢の中身を覗きたし | 〃 |
貫禄のしぶき白鳥着水す | 〃 |
通過せし車にすがり行く落葉 | うつぎ |
おそろいのセーターを着て面映ゆし | 〃 |
ゆくりなく寺苑の隅の返り花 | 〃 |
手に包むりんごの重さ遠汽笛 | 〃 |
里山にたなびく煙冬ざるる | ぽんこ |
山門を額縁として夕紅葉 | 〃 |
対岸の五彩の紅葉花のごと | 〃 |
湯冷めしてつもる話のなほ尽きず | 有香 |
軒下に鉢物移す冬仕度 | 〃 |
大夕焼ボール捜しの背を染めて | 〃 |
掌に御所柿一つ子規しのぶ | 百合 |
新海苔の産地直送潮の香も | 〃 |
ファッション誌小春の椅子を揺らしつつ | つくし |
琉球の踊りも楽し文化の日 | 〃 |
降りしきる銀杏へ開く弥陀の門 | 菜々 |
襞ふかめ六甲連山冬に入る | 〃 |
参道に名の木の紅葉競い会ふ | かれん |
拝観の間に音もなく初しぐれ | 〃 |
木の実落つ見上ぐる梢高きかな | 明日香 |
白波と見まがふ乱舞冬鴎 | こすもす |
格子戸に賞の懸崖菊並ぶ | 満天 |
この町を出でず古希なり木の葉髪 | はく子 |
金鉱跡抱きし山も眠りけり | 〃 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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忘れ物探しのごとく秋蝶来 | 明日香 |
稔り田のところどころに古墳見ゆ | 〃 |
うろこ雲山から海へなだれけり | 〃 |
陽光を弾きてばった飛びにけり | 〃 |
平城京ひと足ごとにばった飛ぶ | 〃 |
秋灯し書肆に流るるジャズ親し | かれん |
金色に滲む一湾秋日落つ | 〃 |
紅玉のジャムをとろとろ夜の長し | 〃 |
切り株に憩ふわれらに小鳥来る | 〃 |
一陣の風に四散す稲雀 | 宏虎 |
蟷螂の闘志あらはに身構へぬ | 〃 |
新酒酌み久闊尽きぬ同窓会 | 〃 |
母を撮るコスモス畑へ連れ出して | うつぎ |
草虱平城京より連れ来る | 〃 |
月へ振る鈴の音高し巫女舞へる | 〃 |
錦繍の山に数多の激戦址 | 菜々 |
銃眼に覗きし奈落谷紅葉 | 〃 |
目鼻欠く地蔵へもたれ赤まんま | 〃 |
コスモスの風の乱舞を玻璃越しに | ぽんこ |
相輪の石塔尖る秋の空 | 〃 |
産土神の磴へと消ゆる穴まどひ | 小袖 |
禅林の葉擦れかそけく竹の春 | 〃 |
箒目の音符となりて木の実落つ | つくし |
川舟の浮かぶ岸辺の草紅葉 | こすもす |
一村の老若総出秋祭 | 百合 |
都跡とは芒原風渡る | よし子 |
カーブして花野に消ゆる小径かな | ひろみ |
天高し奇岩奇峰の島めぐり | 満天 |
コスモスの百万本に空青し | 〃 |
(加者19名)
俳句 | 作者 |
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旅の宿娘とおそろひの色浴衣 | こすもす |
砂浜に足なとられそスイカ割る | 〃 |
電柱が邪魔をしてをる遠花火 | 〃 |
頭だけ見ゆるヒマワリ畑かな | 〃 |
菜園のキュウリ曲がりしまま太る | 小袖 |
去ぬ燕天文台に集合す | 〃 |
大夕立門跡かたく閉じしまま | 〃 |
話したきことの山程盆の月 | 宏虎 |
新涼や飛沫窓うつ高速艇 | 〃 |
チャリティーの演奏ミサの椅子涼し | つくし |
水際の石を洗ひて磯涼し | 〃 |
棚田揺る色なき風のさはさはと | 明日香 |
片方の翅ややくづれ秋の蝶 | 〃 |
渋滞を縫ふ盆僧のバイクかな | うつぎ |
藷の蔓煮て父母の終戦日 | 〃 |
新涼の水琴窟に耳澄ます | ひかり |
束の間の信号待ちも片陰へ | 〃 |
ひるがへる葉の裏白き野分かな | せいじ |
夏山に記念切手を買ひにけり | 〃 |
夏山の売店銀座繁盛す | ひろみ |
山頂にはためく旗は氷菓子 | 〃 |
山荘の銀座通りを避暑散歩 | 有香 |
風涼し水郷巡る櫂の音 | 〃 |
渋滞の高速道路盆の月 | きづな |
門前の広き寺領田蓮の花 | 〃 |
法被着て踊りの輪へと恙なし | 満天 |
右手左手萩の綴りし磴のぼる | 〃 |
海峡に霧笛しきりの朝かな | わかば |
鉄棒の子にさかさまや雲の峰 | よし子 |
細格子続く花街秋しぐれ | 菜々 |
六道の辻へ標や秋暑し | はく子 |
動く歩道残暑の街を貫ける | 〃 |
(加者17名)
俳句 | 作者 |
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対局をと見かふ見して扇風機 | うつぎ |
つむ撫づるごと紫陽花の毬に触れ | 〃 |
水筒を袈裟懸けにして浴衣の子 | 〃 |
百度踏む出でし百足に目もくれず | 〃 |
郡上へと浴衣しのばせ旅鞄 | 〃 |
夕焼けを咀嚼してゐる牧の牛 | 宏虎 |
饒舌も寡黙もありて川床に酔ふ | 〃 |
空の底抜けたるごとく大夕立 | 〃 |
海峡は船の銀座や雲の峰 | わかば |
野の草の朝日をはじく露涼し | 〃 |
波止涼し漁火遠くまたたきて | 〃 |
夜を濯ぐ腕白坊主寝つかせて | 有香 |
風化して読めぬ碑蛇の衣 | 〃 |
火ばさみに捕へし百足逃げにけり | 〃 |
駅広のミストの涼し誰も憩ふ | かれん |
梅雨明けてうち仰ぐ日のかく眩し | 〃 |
白南風にレースのカーテン遊びすぎ | 〃 |
大玻璃を開けて薫風独り占め | きづな |
アガパンサス今盛りなる路地涼し | 〃 |
時計草保育園今昼寝中 | 〃 |
大夕焼隈無く空を染めあぐる | はく子 |
梅雨明くるコーヒーカップは海の色 | 〃 |
梅雨空へ日がな白煙焼却炉 | 〃 |
梅雨明けを告ぐるごとくに飛行雲 | ひかり |
雲の峰川原は子らのサッカー場 | 〃 |
ダンプカー過ぎりて合歓の花揺るる | こすもす |
手づくりの皿に盛られし夏料理 | 〃 |
遠富士の見えて海辺の夏館 | 菜々 |
青田風稽古囃子を乗せて来る | 〃 |
青のままなる信号機神輿くる | 百合 |
雨やんで風鈴風に唄ひそむ | 〃 |
雲の峰へとまっしぐら高速道 | ひろみ |
虫喰ひの葉っぱに透けて夏の空 | 〃 |
濃淡にそよぐ棚田の青田風 | ぽんこ |
夏雲かはた噴煙か桜島 | 小袖 |
川原へ垂直降下つばくらめ | せいじ |
耳鳴りにあらず初蝉目覚めけり | 満天 |
葉の先に珠のしずくや梅雨明ける | 〃 |
と見る間に真紅へ変はり紫蘇ジュース | 〃 |
(加者20名)
俳句 | 作者 |
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水馬ぶつかりさうでぶつからず | 宏虎 |
蜘蛛の囲に設計図なし幾何模様 | 〃 |
吊橋の揺れて万緑傾ぎけり | 〃 |
昼寝覚小さな欠伸乳匂ふ | 〃 |
老鶯の正調朗々谷こだま | 〃 |
水田の続くまほらや夕映えて | 明日香 |
あひたがひひそひそ声や蛍狩 | 〃 |
修羅のごと山揺らしをり青嵐 | 〃 |
山峡の夏霧雲と合体す | 〃 |
下闇に供華新らしき無縁塚 | わかば |
天平の宮跡わたる風涼し | 〃 |
梅雨晴間満艦飾に濯物 | 〃 |
百選の水が自慢や冷奴 | つくし |
延命の切株撫ぜる手の涼し | 〃 |
京格子続く家並やつばめ来る | 〃 |
遊覧船かもめ引き連れ水尾涼し | うつぎ |
しんがりも良し後より河鹿笛 | 〃 |
石庭に一閃せしは青蜥蜴 | 〃 |
在りし日のままに揺り椅子夏舘 | 菜々 |
あぢさゐの毬に触れもし登山バス | 〃 |
巫女涼し藤の簪ゆらしては | 〃 |
濃あぢさゐ雨の寺苑に芳しく | ひかり |
山裾へ植田鏡の展けけり | 〃 |
天平の薫風通ふ朱雀門 | よし子 |
久々に母を訪ねて蚊遣香 | 〃 |
対岸にクレーン林立雲の峰 | 有香 |
でで虫に名前を付けて子ら遊ぶ | 〃 |
河鹿鳴く昼なほ暗き峡の奥 | 小袖 |
夏草の宝庫や峡の道楽し | 〃 |
紅ほのと染めしあぢさゐうひうひし | 満天 |
片蔭に下校子を待つ見守り隊 | 〃 |
夏草や整列したる兵の墓 | ぽんこ |
新樹光ヤマトタケルの全身に | こすもす |
どくだみの溝の底より花掲ぐ | せいじ |
朝風と会話してをる立葵 | きづな |
ペンギンの遊泳頭上に園若葉 | はく子 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
---|---|
若葉風通ふ堂縁去りがたく | わかば |
杜若由緒札立つ心字池 | 〃 |
老鶯や寺苑の森の奥深し | 〃 |
青銅の伽藍包みて夏木立 | 〃 |
鐘楼に新樹の影の揺れやまず | 〃 |
牡丹の火照りをさます日照雨かな | うつぎ |
正直に生きて息災菖蒲風呂 | 〃 |
シャンソンをうたおうかしらリラの雨 | 〃 |
軍港の湾真っ平夏燕 | 〃 |
早苗田の風の漣絶ゆるなし | こすもす |
と見る間に舟虫岩に隠れけり | 〃 |
よく廻るペットボトルの風車 | 〃 |
山藤のてっぺんよりの屑こぼる | 小袖 |
船頭の片方寡黙風薫る | 〃 |
石垣を映し代田の静まれり | 〃 |
廃校の門に散り敷く桜蕊 | 菜々 |
楠若葉朝臣の墓の天蓋に | 〃 |
玉砂利のひとつひとつに若葉影 | 〃 |
めざす寺意外に遠し道薄暑 | つくし |
遠足の子に一喝の笛が鳴る | 〃 |
新緑に閉じ込められし山の寺 | 有香 |
竹の秋獣害かこつ老農夫 | 〃 |
聞えくる婚の賛美歌窓若葉 | 宏虎 |
明日香路や眼を洗ふごと柿若葉 | 明日香 |
天つ藤ゆらぎて過ぐる山の風 | よし子 |
ひと色の緑であらず夏迎ふ | 綴 |
四囲の森映す川面の緑濃し | 満天 |
ひらひらと峡の日返す柿若葉 | 〃 |
(加者18名)
俳句 | 作者 |
---|---|
若葉風通ふ堂縁去りがたく | わかば |
杜若由緒札立つ心字池 | 〃 |
老鶯や寺苑の森の奥深し | 〃 |
青銅の伽藍包みて夏木立 | 〃 |
鐘楼に新樹の影の揺れやまず | 〃 |
牡丹の火照りをさます日照雨かな | うつぎ |
正直に生きて息災菖蒲風呂 | 〃 |
シャンソンをうたおうかしらリラの雨 | 〃 |
軍港の湾真っ平夏燕 | 〃 |
早苗田の風の漣絶ゆるなし | こすもす |
と見る間に舟虫岩に隠れけり | 〃 |
よく廻るペットボトルの風車 | 〃 |
山藤のてっぺんよりの屑こぼる | 小袖 |
船頭の片方寡黙風薫る | 〃 |
石垣を映し代田の静まれり | 〃 |
廃校の門に散り敷く桜蕊 | 菜々 |
楠若葉朝臣の墓の天蓋に | 〃 |
玉砂利のひとつひとつに若葉影 | 〃 |
めざす寺意外に遠し道薄暑 | つくし |
遠足の子に一喝の笛が鳴る | 〃 |
新緑に閉じ込められし山の寺 | 有香 |
竹の秋獣害かこつ老農夫 | 〃 |
聞えくる婚の賛美歌窓若葉 | 宏虎 |
明日香路や眼を洗ふごと柿若葉 | 明日香 |
天つ藤ゆらぎて過ぐる山の風 | よし子 |
ひと色の緑であらず夏迎ふ | 綴 |
四囲の森映す川面の緑濃し | 満天 |
ひらひらと峡の日返す柿若葉 | 〃 |
(加者16名)
俳句 | 作者 |
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堤防を下りて上りて花めでる | かれん |
のどけしや路面電車の一笛も | 〃 |
花筵どくろのシャツもその中に | 〃 |
初ひばり空の高さを唄ひけり | よし子 |
見本より小さき飯蛸駅弁当 | 〃 |
スカートのスリット深し春の風 | 〃 |
現し世を駈けて今ある花の下 | 宏虎 |
春岬馬柵に寄り添ふ母子馬 | 〃 |
春風や埠頭に白き異国船 | ひかり |
料峭や海一望の観艦碑 | 〃 |
春愁や路面電車のきしむ音 | ぽんこ |
背くらべしてをるごとくつくし伸ぶ | 〃 |
手のひらのメモ消えてをる四月馬鹿 | つくし |
つまずけばさっと夫の手夕桜 | 〃 |
白壁に花影つづる屋敷町 | 菜々 |
花堤行くどこまでも空青し | 〃 |
彼岸寒四天王寺を車中より | きづな |
ゼミ仲間女が仕切る花筵 | 〃 |
新しき自転車軽ろし草萌ゆる | はく子 |
花冷や貨物列車の長々と | 〃 |
いかなごを炊きて息災伝へけり | わかば |
千木の先ほろほろ濡らす春しぐれ | 明日香 |
コンダクター踊るが如く春の曲 | こすもす |
参道を上へ上へと桜愛づ | 百姓 |
きらきらと日を撒きちらす春の雪 | 小袖 |
老幹に吹き出て花を咲かせけり | 満天 |
ペン先の逡巡として春眠し | 〃 |
(加者16名)
俳句 | 作者 |
---|---|
水仙の海になびきてなだれ咲く | こすもす |
前髪の水滴となる春の雪 | 〃 |
玄関に泥大根の並びをり | 〃 |
迷彩の模様に雪の残りけり | 〃 |
水平線大きくたはむ春の海 | 〃 |
目を皿にして蕗の薹探しけり | 宏虎 |
さくさくとリズム生まれて水菜切る | 〃 |
梅東風に踊りづめなる恋の絵馬 | 〃 |
凍蝶は祈りのさまに石に伏す | 百合 |
会釈して行き交ふ人や梅の園 | 〃 |
山焼の恐ろしくまた美しく | 〃 |
鷽替へて札の仄かなぬくみかな | 小袖 |
大山の裾野を走る雪解水 | 〃 |
日溜りの蝋梅の香に佇めり | ひかり |
しろがねの比良をそびらの花菜畑 | 〃 |
風は春トランペットの響く園 | つくし |
しあわせを相語りあひ日向ぼこ | 〃 |
行く雲の白きは春の使者のごと | 明日香 |
通り雨やさしく思ふ芽吹き山 | 〃 |
鬼よりも女が強し壬生狂言 | よし子 |
家族みな庭にでてをり春炬燵 | 〃 |
春寒し埴の羅漢は膝を抱く | 菜々 |
な散りそ鳥を寄せてはゆるる梅 | 〃 |
強東風に白波尖る明石の門 | わかば |
梅林のもやまで紅く染めにけり | ぽんこ |
病院のロビーに小さき雛飾る | かれん |
朝まだき梅林に香を一人じめ | きずな |
寺の梅神社の梅と巡拝す | はく子 |
俳句 | 作者 |
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匂い立つ水仙峡の急坂に | ひかり |
鴨の引く光の水尾や池鏡 | 〃 |
海風やなだるるごとく水仙花 | 〃 |
ちぬの海四温の日差しはじきをり | 〃 |
冬晴の大樹鳥語の賑々し | 〃 |
霜柱地球を少しもちあげし | よし子 |
小雪ふる美容室客吾一人 | 〃 |
仏飯の干からびてをり寒の入 | 〃 |
しぶしぶと炬燵から出る電話口 | 〃 |
若者に座席譲られ温かし | 百姓 |
積雪に枝たはみたる大樹かな | 〃 |
占いの館を抜けて初参り | 〃 |
春を待つ花のクロスに取り替へて | 菜々 |
蝋梅や四十七士の墓訪へば | 〃 |
姫宮へ寒禽さはぐ男坂 | 〃 |
寒入り日雑木林の丘の上に | きづな |
そそくさと終る読経や寒仏間 | 〃 |
余念なき菜畑の手入れ四温晴 | 〃 |
お年玉喜ぶ顔に悦こべり | 宏虎 |
初日の出波金鱗の夫婦岩 | 〃 |
凍雲に日箭一瞬の茜さす | わかば |
盆梅や花芽の立つを見逃さず | 〃 |
煌めくは大パノラマの冬の沖 | ぽんこ |
一湾をまたぐ白雲冬の晴 | 〃 |
吉兆のごと夕映ゆる春の海 | 小袖 |
竹筒の緑がよろし屠蘇祝ふ | 〃 |
寒雀連鎖反応木から木へ | こすもす |
絵手紙の余白に健と寒見舞 | 満天 |
獅子舞の頭はずせば美少年 | 〃 |
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