みのる選:2011年度
みのる選:2011年度
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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山門を額に黄落御堂筋 | ひかり |
照り翳るちりめん波や冬運河 | 〃 |
桟橋を一列占拠百合鴎 | 〃 |
信号を待てぬ人あり街師走 | せいじ |
年の瀬や芥をわけてぽんぽん船 | 〃 |
年の瀬や人通りなき筋のなし | 〃 |
寒の水浴びて常ぬれ苔不動 | よし子 |
裏木戸の軋なほして冬支度 | 〃 |
冬木の芽いのち包みてふくらみぬ | 〃 |
留石の紐のゆるびて園小春 | きづな |
池よどむ銀杏黄葉を散り重ね | 〃 |
極月の仮本堂に御本尊 | 〃 |
歴日の翁の句碑に年惜しむ | 菜々 |
庭落葉翁の句碑にしぐれけり | 〃 |
数へ日のひと日を主婦も心ぶらに | 〃 |
紅と白葉ボタンますぐ畝二本 | こすもす |
号外が師走の街を席巻す | 〃 |
蹠に落葉嵩知る雑木山 | 明日香 |
蒼天へすかし模様や枯木立 | 〃 |
髪染めることもわたしの年用意 | かれん |
留石の縄ゆるむまま冬ざるる | 〃 |
鴨浮寝雨の水輪の間間に | はく子 |
なかなかにその気にならぬ年用意 | 〃 |
ポンコツの山と積まるる枯野かな | 宏虎 |
懐メロは我が青春歌年忘れ | うつぎ |
病院のロビー真中に大聖樹 | ぽんこ |
ゆりかもめ群舞して橋越へゆけり | 有香 |
(加者15名)
俳句 | 作者 |
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竹の影現れては消ゆる白障子 | うつぎ |
利酒に盃を重ねし吟行子 | 〃 |
利酒の胃の腑に落ちて合点す | 〃 |
利酒す蔵の奥より杜氏歌 | 〃 |
吟行を忘れ新酒の香に酔へり | 〃 |
背丈越す櫂を自在に寒造 | 菜々 |
舌の上にまろびまろばせ新走り | 〃 |
利き酒に頬をそめたる木の葉髪 | 〃 |
温かや白壁つづく灘五郷 | 〃 |
踏み減りし蔵の床板寒造 | 〃 |
家苞は新酒にあらず酒の粕 | ひかり |
長屋門懸崖菊を侍らしむ | 〃 |
小燈しの手元を照らす寒造 | 〃 |
明り窓高きにほのと寒造 | 百合 |
六甲の風恃みとす寒造 | 〃 |
下戸上戸蘊蓄語り酒を利く | 〃 |
もみじばの秀をしをりとす句帳かな | せいじ |
酒粕は妻へのみやげ新酒利く | 〃 |
七五三一張羅にスニーカー | 〃 |
津の国の水誇りとす寒造 | よし子 |
大桶の箍ゆるみなし寒造 | 〃 |
序破急の風に嬲られ木の葉髪 | ぽんこ |
箒目を守る翁や菊花展 | 〃 |
酒蔵を展示室とす冬舘 | かれん |
大桶の底まで見せて冬うらら | 〃 |
箱膳の並ぶ一間や白障子 | こすもす |
寒造丹波杜氏の男振り | つくし |
冬晴れに商標の鶴羽ばたけり | 小袖 |
蔵人のぞうりに格差身にぞ入む | 有香 |
日差すときゆらぐ竹影白障子 | 満天 |
つくばいに侍りさざんか咲き初むる | はく子 |
寒造男柱の太々と | 〃 |
温かや暖気樽並ぶ資料館 | 〃 |
(加者16名)
俳句 | 作者 |
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秋天へ反る蘭亭の飛簷かな | はく子 |
園児らのどんぐり比べ手をひろげ | 〃 |
瀬を速む谷へなだるる草もみぢ | 〃 |
露けしや王義之の書の斯く古りて | 〃 |
澄む水に羽広げたる天使像 | 〃 |
好天にハーブの香充つ秋の園 | きづな |
秋渇く錆つく蛇口ひねりては | 〃 |
山荘へいざなふ径の野菊かな | 〃 |
裸婦像の双手をかざす天高し | せいじ |
夕映えの刈田にのこる潦 | 〃 |
図書館へ萩のこぼるる径辿る | 〃 |
たもとほるせせらぎの径石蕗黄なり | 菜々 |
王義之の筆洗池澄めりけり | 〃 |
姫さまの散歩道かも白式部 | 〃 |
群青の空悠然と鷹高し | 宏虎 |
大鷲の空傾けて急降下 | 〃 |
菊花展裏にバケツと杓覗く | 〃 |
秋草の園カタカナの札多し | 満天 |
秋天をつきあげてをる飛簷かな | 〃 |
東山連峰古都の秋惜しむ | 〃 |
井守の尾消えて溝そば揺れ残る | 有香 |
風切って走るジョギング草紅葉 | 〃 |
左見右見して風を待つ秋桜 | 明日香 |
秋の雲投網広げしごとくかな | 〃 |
秋晴の巨船ハングル文字見ゆる | ひかり |
赤とんぼついと翔つとき翅光る | 〃 |
名にしおふ舞子の浜の新松子 | 百合 |
神木にもたれてをれば小鳥来る | 〃 |
王義之の臨書に秋思憑きにけり | わかば |
谷川の流れへそよぐ花芒 | 〃 |
蹲の底まで届き秋日射す | つくし |
振り絞るごと細々と残る虫 | こすもす |
聞き役もおしゃべりもゐて芋煮会 | 泰三 |
二つ三つくわりんを飾る観光課 | うつぎ |
石叩仏足石を教へけり | 〃 |
(加者14名)
俳句 | 作者 |
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インターネット句会隆盛子規忌来る | 菜々 |
秋灯下絵本の部屋にあそびけり | 〃 |
湖畔道なぞへは葛の花襖 | 〃 |
女の子らに蹴飛ばされたる虚栗 | 〃 |
キッチンが主婦の書斎や獺祭忌 | 〃 |
爽やかや池に張り出す回り廊 | 〃 |
過疎の村降ってきそうな星月夜 | 百合 |
虫の音も馳走と思ふ山の宿 | 〃 |
秋愁ふ車内で化粧仕上げる娘 | 〃 |
秋疾風回転ドアに吸ひこまれ | 〃 |
囃されて幼の歩む花野かな | 〃 |
霧襖晴れて展けし千枚田 | 宏虎 |
殉教の島に燃えゐる曼珠沙華 | 〃 |
似て似ざる五百羅漢の秋思顔 | 〃 |
山門へ誘ふ左右の萩の波 | ひかり |
茶祖の碑に添ふ椿の実太りけり | 〃 |
境内のところせましと彼岸花 | 〃 |
虫の声極楽橋のあちこちに | せいじ |
竹林の入口はここ彼岸花 | 〃 |
近隣に独居人増ゆ敬老日 | 有香 |
異な楽は外来種かも虫すだく | 〃 |
柿の実の落ちて散らばる獺祭忌 | よし子 |
職辞してよりの晩学秋灯し | 〃 |
雁渡し古井戸しっかと蓋を閉じ | きづな |
名の庭に絶えぬ水音初紅葉 | 〃 |
校庭にそろふ笛の音秋高し | 満天 |
ボローニャ展出て童心や秋うらら | 〃 |
山裾に引く棚雲の生絹とも | はく子 |
逆縁の愚痴も洩らして墓洗ふ | 〃 |
(加者19名)
俳句 | 作者 |
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寄せ植の鉢花長けて秋更くる | 明日香 |
葉蔭より心もとなき秋の蝶 | 〃 |
ロープウエイいまかなかなの輪唱裡 | 〃 |
落蝉のどこも傷なく転がれり | 〃 |
吾子嫁ぐ日や一面のいわし雲 | 〃 |
暁闇の一村あくる夏の霧 | よし子 |
残る火を孫に渡して庭花火 | 〃 |
閉店を告ぐる貼り紙秋の風 | 〃 |
頬なずる風まぎれなく涼新た | 〃 |
流灯の沖へ沖へと潮に乗る | 〃 |
大笹を鳥居に結はへ星祭る | せいじ |
みんみんのスローテンポに歩の合はず | 〃 |
チェンソーの音もかき消す蝉の声 | 〃 |
麓駅前山蝉の大合唱 | 〃 |
かなかなや社に閉ざす能舞台 | うつぎ |
くぐる橋低しと奇声舟遊び | 〃 |
大男隣に座り秋暑し | 〃 |
はらからも僧も老いたり盂蘭盆会 | 〃 |
一末寺村総出なる施餓鬼かな | 有香 |
宿題の子らが占めたる夏座敷 | 〃 |
流星を語る子の瞳に星宿る | 〃 |
星流れ一村包む深き闇 | 〃 |
湖に立つ赤き鳥居に秋日落つ | 百合 |
稲穂ゆる近江の湖のきらめきに | 〃 |
騒ぐ子を見てゐるだけのサングラス | 〃 |
踊り好き紅い鼻緒の切るるまで | 〃 |
隠池人影もなく蝉時雨 | つくし |
舟のごと横たふ大樹堰涼し | 〃 |
落し物タオル掛けある葛の棚 | 〃 |
枯山水庭の砂紋に秋立ちぬ | ぽんこ |
夜焦がす万灯供養盂蘭盆会 | 〃 |
墓どころ寧かれと舞ふあきつかな | 〃 |
朝明に訪ふ写経寺鐘涼し | 小袖 |
稔り田の色に染まりし峡の里 | 〃 |
深き谿なれども今朝は霧の湖 | 〃 |
鵜飼舟乗り込む河原石ふみて | きづな |
シースルーエレベーターや館涼し | 〃 |
暁のかなかなに覚む里泊り | 〃 |
パソコンを座右に灯下親しめり | こすもす |
外厠目線の窓にヤモリかな | 〃 |
満月の赤くうるみし終戦日 | かれん |
露天湯を一人占めして星涼し | 〃 |
波打てる蓮の広葉や池広し | わかば |
水澄むや小さき堰に稚魚走る | 〃 |
新駅はガラスのお城秋うらら | 菜々 |
月白に切り絵めきたる天守かな | 〃 |
新涼や駅ビルの大異空間 | はく子 |
日のぬくみ残る秋茄子もぎにけり | 〃 |
風一陣わたる夕日の芒原 | 宏虎 |
爽やかに三つ子遊ばす母若し | ひかり |
(加者16名)
俳句 | 作者 |
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屋敷町尽きて滝道鳥語降る | 菜々 |
滝壺や禊のミスト総身に | 〃 |
赤銅の岩も裂けよと滝しぶく | 〃 |
日面に男滝女滝は木がくれに | 〃 |
豪邸の片蔭ひろひ吟行す | 〃 |
河蜻蛉吾子のリュックに止まりけり | ひかり |
瀬の音に枝うち重ね若楓 | 〃 |
護摩堂の庇に苔や滝しぶく | 〃 |
営業は土日と閉ざす滝見茶屋 | 〃 |
野仏の古りし前垂れ木下闇 | ぽんこ |
小祠は不動明王滝の道 | 〃 |
風薫る京花町を人力車 | 〃 |
夏舘ドーベルマンを侍らしめ | 〃 |
老鶯の一声四囲の音消ゆる | せいじ |
盤石を磨き磨きて滝落つる | 〃 |
喘ぎつつ辿り着きたる滝涼し | 〃 |
老鶯の声に一息岨の道 | 〃 |
岨道を過りて消へし黒揚羽 | かれん |
滝しぶき浴びて一句を拾ひけり | 〃 |
とんぼ生れ影散らしをる水の上 | 〃 |
横文字の通用門は薔薇アーチ | 宏虎 |
水の嵩瀬音で判る滝の道 | 〃 |
深山道つつじ彩る巌襖 | わかば |
河とんぼわが膝の上好みけり | 〃 |
若人とあいさつ交はす夏山路 | つくし |
落石の注意札たつ滝の径 | 〃 |
堂涼し五百羅漢の在せりけり | 明日香 |
磐座の守護神めける蝮草 | 〃 |
花楝一樹広ごる宿場跡 | 小袖 |
箒手に笑む地蔵尊夏落葉 | 〃 |
滝音に昨夜の疲れを癒さるる | 満天 |
滝しぶき浴びて全身軽きこと | 〃 |
寺院とも思へぬ館風炉点前 | こすもす |
首地蔵苦難の相に若葉風 | うつぎ |
朝採りの筍土の香に満つる | 百合 |
滝の道立ち止まる度風涼し | はく子 |
岩を咬む木々の緑に谷深し | 〃 |
滝ひとつ木の間がくれにもうひとつ | 〃 |
滝道に入れば沢音絶ゆるなし | 〃 |
(加者13名)
俳句 | 作者 |
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堰落つる度に解かるる花筏 | 菜々 |
尖塔にひっかかりたる春の雲 | 〃 |
クレソンを見つけてうれし花堤 | 〃 |
花に酔ひ人にもまれて通り抜け | 〃 |
花吹雪虚子三代の句碑の辺に | 〃 |
聖堂のあれば訪ひもし花堤 | 〃 |
春うらら上衣を腰に巻きつけて | つくし |
夕されば散り散りとなる鴨の陣 | 〃 |
誰もゐぬ野外舞台に初蝶来 | 〃 |
岩崖の隙間隙間にすみれ咲く | 有香 |
奥の院まで足延ばし春惜しむ | 〃 |
春愁や鳥形埴輪のうつろな目 | 〃 |
風鐸の揺れて落花のとどまらず | 宏虎 |
雨だれは和音のリズム春庇 | 〃 |
花吹雪胡蝶の乱舞さながらに | わかば |
走り根を階として山椿 | 〃 |
花筏早瀬の波にもまれけり | かれん |
手庇に仰ぐクルスに風光る | 〃 |
いはれある尼寺の春惜しみけり | はく子 |
聖堂の彩窓に透く春日かな | 〃 |
記帳する筆の先へと桜散る | うつぎ |
記念樹の末広がりに春の風 | よし子 |
春の夜祈りつつ折る千羽鶴 | 百合 |
節電に叶ふ明るさ春灯 | きづな |
花の道まっすぐ行けば教会へ | 満天 |
春光に教会の扉を全開す | 〃 |
薔薇アーチ聖母マリアの在せりけり | 〃 |
碧天へ尖る十字架風光る | 〃 |
(加者18名)
俳句 | 作者 |
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草萌ゆる大地を蹴って太極拳 | 有香 |
遠足の子とおしゃべりす吟行子 | 〃 |
文塚にまだ新しき落椿 | 〃 |
汲み上ぐる釣瓶に春の水あふれ | 〃 |
鳶の輪の下にひねもす耕せり | 〃 |
大川の渡し再開水温む | よし子 |
俎の刻む手をとめ初音聞く | 〃 |
避難所の祝卒業の字の虚し | 〃 |
いかなごのくぎ煮伝授す漁師街 | きづな |
春の月仰ぎ被災地思ひけり | 〃 |
とりどりの漁網干されし浜うらら | 〃 |
臥竜なす松の緑や美術館 | 菜々 |
花ミモザ災後十年の町並に | 〃 |
翼張る神話の女神風光る | 〃 |
下萌のベンチは全て海へ向く | かれん |
剪定の男は寡黙高梯子 | 〃 |
遠景の山笑ふなり鴟尾光る | 〃 |
囀りや自転車の子はイヤホーン | つくし |
春障子腓返りの足崩す | 〃 |
母の忌に母直伝の蓬餅 | うつぎ |
くっきりと灘の潮目や花菜畑 | 〃 |
春憂ふどころではなし地震巨大 | 宏虎 |
禊場に高鳴る春の水の音 | ひかり |
人丸の丘へ椿の藪の道 | わかば |
春陽ざしへと直立す亀の首 | こすもす |
草青む近江平野の長き畝 | 小袖 |
春光の大河を分つ舳先かな | せいじ |
玉の日に合掌ゆるぶ牡丹の芽 | 満天 |
海光に黄をあふれしめ花ミモザ | はく子 |
土佐伊予と水木浅黄を広げけり | 〃 |
(加者18名)
俳句 | 作者 |
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ゆくりなく師と出会ひたる梅の丘 | はく子 |
梅似合ふ白亜の館は丘の上 | 〃 |
犬ふぐり踏むまじ苑の遊歩道 | 〃 |
朱鷺の舞てふあけぼのの色の梅 | 〃 |
梅林を抜け子どもらは裏山へ | 〃 |
男手も大活躍す大根焚 | うつぎ |
句会には行くつもりらし春の風邪 | 〃 |
珠と散る水車の飛沫水温む | 〃 |
海光のいまとどきたり梅の丘 | かれん |
瀬の楽は四阿あたり梅日和 | 〃 |
ふりむけば眼下に霞む港街 | 〃 |
遠山を屏風に野焼き煙たつ | よし子 |
小流れの木橋渡りて踏青す | 〃 |
梅ばかり見て足元の名無し草 | 〃 |
春めくや路上ライブの人の輪に | ひかり |
梅林のどの径とるも人ばかり | 〃 |
雛の前娘と昔話など | つくし |
金髪の乗馬の乙女風光る | 〃 |
春泥の苑の迷路にまよひけり | わかば |
春の雪ほこと積みたる祠かな | 〃 |
とりどりの肥料袋や春田打 | こすもす |
水音のジャズを奏づる里の春 | 〃 |
ひと息に雛の眉かく筆の先 | 小袖 |
古雛いと小さくとも気品満つ | 〃 |
肩車風船空に泳がせて | 有香 |
谺して早春の山削る音 | 〃 |
しだれ梅つまみ細工のごとつぼむ | 菜々 |
うららかや三門飛簷反りにけり | 〃 |
香に酔ひて雅号うべなふ梅見かな | きづな |
おしゃべりの花咲く梅の四阿に | 〃 |
この貌のどこにあの声猫の夫 | 宏虎 |
レンズ向けられて羞じらふ梅の花 | ぽんこ |
温かや退院許可の医師の声 | 百合 |
春水のはじける綺羅や鯉ジャンプ | せいじ |
四阿に句仇集ふ梅日和 | 満天 |
春うらら車掌は若き女の子 | 〃 |
枝移りする鳥数多風光る | 〃 |
ふり向けば六甲連山春霞 | 〃 |
(加者19名)
俳句 | 作者 |
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大雪に眠る一村無音界 | 宏虎 |
マネキンは素足見せそめ日脚伸ぶ | 〃 |
虎落笛猫の奇声もその中に | 〃 |
目出度さの土くれつけて福寿草 | 〃 |
水仙の袴大事と活けにけり | きづな |
林立のビル影絵めく冬茜 | 〃 |
梅白し聖書講座の通ひ路に | 〃 |
一鉢に窓辺華やぐシクラメン | 〃 |
玉の日の浦にたゆたふ百合鴎 | ひかり |
初詣人に埋もれし夫を追ふ | 〃 |
神の畑広ごる伊勢路日脚伸ぶ | 〃 |
竹藪の怒涛をなせる大北風 | 明日香 |
中天の冬満月と出勤す | 〃 |
風紋の残りしままに川氷る | 〃 |
大寒波洗濯物はせんべいに | 百合 |
探梅や見知らぬ人に会釈して | 〃 |
初暦真っ白な日の動き出す | 〃 |
さざ波の揺らぐ岸辺に鷺凍つる | せいじ |
静けさに朝戸を繰れば雪世界 | 〃 |
葉牡丹のモザイク画めく冬茜 | 〃 |
枯れ色の見ゆる棚田の雪間かな | ぽんこ |
雲間より鳶急降下する枯野 | 〃 |
得手の娘と不得手の母と毛糸編む | 有香 |
探鳥のレンズ合はす手悴めり | 〃 |
初明り六甲の嶺々白変す | わかば |
風邪癒えて朝のみそ汁うまかりし | つくし |
寒月に届けとばかり詩を吟ず | うつぎ |
雨いつか小雪と変はる帰り路 | よし子 |
餅花に肩の触れもし木戸くぐる | 菜々 |
百選の寒九の水とてコーヒーに | かれん |
今もって皿割るる音阪神忌 | 満天 |
子らの声寒九の空へ突き抜ける | はく子 |
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