みのる選:2016年度
みのる選:2016年度
(参加者16名)
俳句 | 作者 |
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照葉映ゆ水際に祈るマリア像 | 明日香 |
冬日燦マリアの像を抱擁す | 明日香 |
石蕗なり祈りの道の入口に | 明日香 |
竹春の藪はさながら別世界 | 明日香 |
竹林の冬日縫ひつつ漫ろ歩す | うつぎ |
靴脱いで歩いてみたき木の実径 | うつぎ |
シスターと立ち話して冬うらら | うつぎ |
色鳥来修道院は鉄扉鎖す | うつぎ |
庭覆ひ火のごとく燃ゆ紅葉かな | 宏虎 |
さながらに炎の坩堝谷紅葉 | 宏虎 |
大樹あり巨石のありて庭ぬくし | 宏虎 |
険磴をかえり見すれば照紅葉 | ひかり |
朝の日に夜雨の珠の紅葉かな | ひかり |
音立てて険磴跳ねる木の実かな | ひかり |
百段の磴うち仰ぐ紅葉晴 | ぽんこ |
ブロンズの龍の眼光る神の留守 | ぽんこ |
錦繍の森に鵯どち姦しき | ぽんこ |
冬ざれてルルドの泉とは見えず | たか子 |
照紅葉大王松に侍るごと | たか子 |
紅葉散るルルドの池面埋めんと | 菜々 |
降りしきる紅葉に祈る聖母像 | 菜々 |
蒼天を染めて紅葉の重なりぬ | なおこ |
キリストの胸に飛び込む冬日かな | なおこ |
錦繍に祈るマリアの像白し | はく子 |
行厨すもみぢかつ散るベンチかな | はく子 |
冬日燦両手ひろげしイエス像に | 満天 |
小春日やみ子膝の上にマリア像 | 満天 |
カラフルになぞへ彩る散紅葉 | こすもす |
紅葉影深き祈りのマリア像 | わかば |
(参加者14名)
俳句 | 作者 |
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一亭の簷牙を仰ぎ秋惜しむ | うつぎ |
閉園にあらずよ猪に扉を閉ざす | うつぎ |
水際に屯してをる道をしへ | うつぎ |
草の実に触れもして愛づ薬草園 | うつぎ |
六甲山の裾廻に奏で紅葉川 | 菜々 |
お茶室へ水引草のつづる径 | 菜々 |
山の日に黄金をこぼす萩もみぢ | 菜々 |
きざはしは水の鍵盤秋奏づ | 菜々 |
そここに猪のぬた場や秋山路 | わかば |
木洩れ日の煌めき小川澄めりけり | わかば |
苔むして露に濡れたる石畳 | わかば |
薬効を確かめ巡る秋の苑 | わかば |
青天井映す水面へ赤とんぼ | 満天 |
階落つるたびに高鳴る秋の川 | 満天 |
秋の蝶ハーブの園をジプシーす | 満天 |
ゆく雲を映して池の澄めりけり | 満天 |
六甲を映して小さき秋の池 | たか子 |
四阿の裏の築山竹の春 | たか子 |
秋の人ひと並びせる池塘かな | たか子 |
逍遥の小径は石蕗の花明り | ぽんこ |
蘭亭の簷牙映して池澄める | ぽんこ |
翠黛のしるき影落ち湖澄める | ぽんこ |
秋うらら亀のよりくる汀かな | はく子 |
奥池へ道の木の実を拾ひつつ | はく子 |
猪垣に人間たちの出入り口 | よし子 |
雨雲の晴れゆく空や返り花 | よし子 |
目に余る猪の狼藉植物園 | 明日香 |
錦繍の山湖を抱擁す | せいじ |
休耕田占領したるあわだち草 | 有香 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
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昨夜の雨かくも無残に破れ芭蕉 | たか子 |
句碑の文字みな個性あり萩の寺 | たか子 |
はらはらと散らしてみたく萩に触る | たか子 |
法話聞くお堂へ庭の萩の風 | たか子 |
台風禍祓ふ護摩供の大煙 | うつぎ |
火渡りをせむと跣の翁かな | うつぎ |
箒目の土に白々萩の屑 | うつぎ |
四阿の四方より通ふ萩の風 | こすもす |
境内に読経洩れくる萩日和 | こすもす |
延命橋渡りしところ曼珠沙華 | こすもす |
はなれ家へ標かたむく芒原 | 小袖 |
立ち入れぬ猿戸に透けて萩真白 | 小袖 |
観音の面に色なき風通ふ | 小袖 |
護摩焚の法螺の音萩をこぼしけり | せいじ |
参道を狭しと埋め萩盛る | せいじ |
萩むらの句碑に先師を偲びけり | せいじ |
座禅石雨に濡れもし破れ芭蕉 | 菜々 |
音もなく妹背の句碑へ萩時雨 | 菜々 |
風あふつ芭蕉の影や花頭窓 | 菜々 |
萩むらの小径に小さき石仏 | ひかり |
萩小径ふりそむ雨に傘開く | ひかり |
竜と化し秋天へ消ゆ護摩煙 | ひかり |
樹下に坐す微笑観音薄紅葉 | 満天 |
萩小径辿りあまたの句碑めぐる | 満天 |
法話身に入みて背筋を伸ばしけり | 満天 |
山門を潜るやいなや萩浄土 | よし子 |
しだれ萩もちあげて句碑誦しにけり | よし子 |
そば通るだけなのに萩こぼれけり | よし子 |
子規句碑に佇みをれば秋の声 | わかば |
句帳もておもひおもひに萩に佇つ | わかば |
しだれ萩お百度石を隠しけり | わかば |
蝶になり飛び立ちさふや風の萩 | なおこ |
撫でもして連理の句碑の秋を聞く | なおこ |
秋灯下子規直筆にまみえけり | はく子 |
禅寺に隣る保育所小鳥来る | はく子 |
重さうに雨粒やどすしだれ萩 | 宏虎 |
夫婦句碑連理となりて萩浄土 | 宏虎 |
虚子の句碑侍る山門竹の春 | ぽんこ |
山門の一歩に仰ぐ薄紅葉 | ぽんこ |
かがみこみ句碑よむ肩に萩こぼる | 有香 |
句碑めぐり寺苑の秋を聞きにけり | 有香 |
萩に目もくれず護摩焚く行者どち | よう子 |
子規句碑の侍者のごとくに実むらさき | よう子 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
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山上の碑に立ちて聞く秋の声 | はく子 |
弔ひの礼をしたたむ秋灯下 | はく子 |
池の波蒲の穂波と交錯す | はく子 |
ケーブルカー峡ゆくほどに風は秋 | はく子 |
たもとほる屋上庭園風の秋 | 明日香 |
コンテスト待つ案山子みな個性あり | 明日香 |
噴水の穂を縫ふ子らの奇声かな | 明日香 |
子らあそぶ土竜叩きの噴水に | せいじ |
噴水に空手チョップす幼なかな | せいじ |
天空の園に高舞ふ秋の蝶 | せいじ |
さくら貝花のごと置くガラス棚 | ぽんこ |
林立す白きマストに秋の風 | ぽんこ |
緑陰を抜けて運河に出でにけり | ぽんこ |
青松の影ひろひつつ避暑散歩 | わかば |
六甲に翳落としゆく雲の影 | わかば |
林立す帆柱に立つ雲の峰 | わかば |
風を待つ運河にヨットたゆたうて | 小袖 |
佇つ吾の背な押す波止の風涼し | 小袖 |
本物のヨットを飾るレストラン | 宏虎 |
帆柱の白直立す波止涼し | 宏虎 |
避暑ホテル貝殻一つお土産に | なおこ |
綺羅星のごと海光る秋の晴 | なおこ |
秋の声聞く長堤の松籟に | 菜々 |
大いなる魚拓を壁に舘涼し | 菜々 |
セブ島の海を再現舘涼し | 有香 |
打楽器のごと屋根を打つ夕立かな | 有香 |
カラフルなヨットグッズや舘涼し | こすもす |
マリーナの人魚の像に秋日濃し | たか子 |
身にしむや命透けたるクリオネに | ひかり |
水揺れて展示のヨット動くかと | 満天 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
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白蓮をまたぐ朱色の太鼓橋 | かかし |
本殿へ急磴のぼる青嶺かな | かかし |
お手植の大樹あまたの蝉の殻 | かかし |
中腹に宝珠輝く青嶺かな | かかし |
山門を額縁として青嶺見ゆ | よう子 |
本堂の鈴の緒重く梅雨じめり | よう子 |
白蓮の一茎たかく池統ぶる | よう子 |
橋裏にかげろふ水の影涼し | よう子 |
涼しさに足投げ出しぬ展望台 | わかば |
隠沼を埋めつくして未草 | わかば |
梅雨明けの樹間を縫ひて陽の光 | わかば |
万緑を抽んでて立つ大鐘楼 | わかば |
展望閣足下より湧く蝉の声 | ひかり |
大いなるパンくず担ぐ山の蟻 | ひかり |
水煙の青嶺へ尖る神呪寺 | ひかり |
標たつ寺領ここより登山道 | 小袖 |
天蓋のなき母子像へ白日傘 | 小袖 |
太鼓橋かかる蓮池風わたる | ぽんこ |
風化して傾ぐ石龕苔の花 | ぽんこ |
蓮池をまたぎて朱き太鼓橋 | 満天 |
万緑裡八十八ヶ所巡拝す | 満天 |
万緑や七堂伽藍埋まるほど | よし子 |
甲山こんなに風の涼しとは | よし子 |
頼みとす鉄の手摺の灼けたれど | 明日香 |
展望閣眼下をよぎるつばくらめ | こすもす |
うち仰ぐ指呼の山頂夏燕 | せいじ |
撫で仏灼けて触るるを拒みけり | たか子 |
甲山見おろして立つ雲の峰 | 直子 |
寧かれと俳人塚へ萩の風 | 菜々 |
梵鐘をひと撞き暑気を祓ひけり | 宏虎 |
嶮磴に仰ぐ青葉の甲山 | 有香 |
(参加者13名)
俳句 | 作者 |
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小流れの淀みに屯あめんぼう | ひかり |
田に透けて平和と見たる蝌蚪の国 | ひかり |
色褪せしバラと見たれど香を放つ | ひかり |
菖蒲田の余白に映る空ま青 | ひかり |
木道に立ちては屈み菖蒲撮る | ひかり |
垣根よりぬつと顔だす濃紫陽花 | 満天 |
植田なる水面をよぎる雲白し | 満天 |
達筆でよめぬ碑木下闇 | 満天 |
青空を蹴りては進むあめんぼう | 満天 |
雨粒の真珠びかりす花菖蒲 | 満天 |
雲切れて青空のぞく青嶺かな | わかば |
昨夜雨を湛へて園のバラ薫る | わかば |
昼暗き樹間の径の濃紫陽花 | わかば |
蝌蚪生れて尻振りダンス始めけり | わかば |
塀のなき農家の庭や立葵 | うつぎ |
水位計梅雨の出水のここまでと | うつぎ |
葭切の囃す猪名野の水難碑 | うつぎ |
青田風四方より通ふ水難碑 | よう子 |
バラ園の朽ちしベンチに推敲す | よう子 |
行々子立ち入り禁止札の辺に | よう子 |
太陽が笑顔に見ゆる梅雨の晴 | よし子 |
水すまし川遡るごと進む | よし子 |
木道に沿ひし小流れ梅雨濁り | よし子 |
流されてまた遡る水馬 | なおこ |
おにごつこ否虫獲りの行々子 | なおこ |
水害碑隣る青田を一望に | 小袖 |
至近距離なる片蔭にバスを待つ | せいじ |
曖昧な道案内に汗滂沱 | たか子 |
竹皮を脱ぎ散らしたる藪小径 | 宏虎 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
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碧天へ融け入るごとし花あふち | 満天 |
雨粒の真珠びかりすバラ真つ赤 | 満天 |
万緑が覆ふ古墳や鳥語降る | 満天 |
バラアーチ潜る園児らみな笑顔 | 満天 |
大樹影百花のバラの香りけり | わかば |
枝を翳す園の要の花樗 | わかば |
心地よき風に誘はれ薔薇薫る | わかば |
楠若葉して大空を占めにけり | よし子 |
純白のバラをも腐す雨にくし | よし子 |
薔薇を剪る園丁鋏ためらわず | よし子 |
眼福や五彩の薔薇に囲まれて | 明日香 |
芳香のバラ公園を逍遥す | 明日香 |
背比べせんとて薔薇に寄る児かな | うつぎ |
風に降る古墳の杜の花樗 | うつぎ |
介護士の聞き上手なるばらの園 | かかし |
偕老の二人が潜るバラアーチ | かかし |
地を覆ふ蔦瑞々し古墳山 | 小袖 |
雨晴れて小銀の珠を散らすバラ | 小袖 |
園のバラ語りかけつつ愛でにけり | たか子 |
気に入りのバラの名札をのぞき込む | たか子 |
青空に撓む真紅の薔薇アーチ | なおこ |
頬寄せてバラの香りを愛でにけり | なおこ |
大輪に負けじと香るミニ薔薇 | ひかり |
みぎひだりよりバラ薫る遊歩道 | ひかり |
車椅子寄せてバラの香愛でにけり | 宏虎 |
若葉洩る陽の洗礼や古墳道 | 宏虎 |
陵の濠の一隅あやめぐさ | ぽんこ |
万緑にゲートボールの音響く | ぽんこ |
園入れば満艦飾に薔薇満つる | せいじ |
紅バラをこぼるる珠の雨しずく | 菜々 |
(参加者16名)
俳句 | 作者 |
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大岩を抱擁したる山つつじ | 宏虎 |
碧天に万紅散らす山つつじ | 宏虎 |
園児らの列へと春の落葉かな | 宏虎 |
神の杜より祓所へ初蝶来 | うつぎ |
春光や鳥居の弊の打ちそよぎ | うつぎ |
春風に鳴る鈴なりの祈願絵馬 | うつぎ |
踏青子図鑑片手に深山道 | 明日香 |
雲揺らぐかとうち仰ぐ青嵐 | 明日香 |
カラフルな吾を見よとて道をしへ | 明日香 |
ぺちゃくちゃと小枝揺らして囀れる | 直子 |
うららかやまろやかなりし御神水 | 直子 |
蜂の腹ポンプのごとし蜜を吸ふ | 直子 |
滴りが苔をさ走るなぞへかな | わかば |
存問のごとくに余花に佇ちにけり | わかば |
風に揺れ唄ふがごとき新樹かな | わかば |
参道の右手に弓手に山つつじ | 満天 |
行厨のベンチの四囲は山つつじ | 満天 |
青銅の拝殿高く緑立つ | 小袖 |
春惜しむ神代の杜をたもとほり | 小袖 |
四阿の四方より通ふ若葉風 | かかし |
四阿に行厨終へて春眠し | かかし |
花吹雪千古の宮へとめどなく | 菜々 |
散る花に沈思黙考一詩人 | 菜々 |
余震また余震に怯え花は葉に | せいじ |
真青なる空を掃きゐる若楓 | せいじ |
車窓いま至福の景や花の旅 | 孝子 |
春愁の因をたどれば地震のこと | 孝子 |
蒼天へ高舞ふ風の落花見よ | ぽんこ |
磴のぼる吾を励ます道をしへ | ぽんこ |
苦吟する句帳へふはと春落葉 | よう子 |
中空へ千木の尖りし杜若葉 | よう子 |
(参加者14名)
俳句 | 作者 |
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梅の丘港神戸をパノラマに | うつぎ |
磊磊にさざ波をどる春の川 | うつぎ |
どの花となく匂ひくる春の苑 | うつぎ |
春光や照り翳りして斜張橋 | うつぎ |
花ミモザ蒼天へ黄をひろげけり | 菜々 |
梅の丘眼下に模糊と茅渟の海 | 菜々 |
しがらみのあぶくは音符水温む | 菜々 |
海光の磴いく曲がり梅にほふ | 菜々 |
鈴なりのしやもじの絵馬に風光る | 満天 |
せせらぎに和してこでまり揺れやまず | 満天 |
行厨や沈丁花の香につつまれて | 満天 |
日を弾く白亜の館ミモザ咲く | よう子 |
囀や園児の列に降り注ぎ | よう子 |
足弱を労られつつ梅探る | よう子 |
切り口の真白き榾木春日享く | こすもす |
展望台眼下の街に風光る | こすもす |
のぼりおり手すりに頼む梅の丘 | こすもす |
香を競ふやに紅白の沈丁花 | 宏虎 |
老幹の梅に勇気をもらひけり | 宏虎 |
日矢さして銀盤のごと春の海 | 明日香 |
煙突の煙直立春うらら | 明日香 |
紅梅の枝に透きたる空ま青 | ひかり |
欄にふはり枝伸べ雪柳 | ひかり |
ひな壇のごと展けたる梅の丘 | せいじ |
兵士らの墓碑の辺に草芳しき | 有香 |
手庇に海光まぶし梅の丘 | よし子 |
林泉を巡る水音や四温晴 | わかば |
(参加者14名)
俳句 | 作者 |
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春光の照り翳りなす小川かな | わかば |
梅が枝に透きて青空広ごれり | わかば |
青空へ突き上ぐるごと辛夷の芽 | わかば |
玄室の羨道しるき梅の影 | わかば |
梅の香に包まれのぼる丘の道 | わかば |
室町の涅槃絵に見る古びかな | わかば |
奈落より梅が香通ふ丘の上 | せいじ |
福火てふ焚き火に両手かざしけり | せいじ |
春風に香煙渦を解きけり | せいじ |
漁網めく万朶に梅の蕾みけり | せいじ |
大方は婆が椅子占め大根焚 | うつぎ |
大いなる榾惜しみなく福火焚く | うつぎ |
味噌の香に法話もそぞろ大根焚 | うつぎ |
大根焚オールの如き大杓文字 | うつぎ |
観音へおばしま伝ひ花あしび | 菜々 |
あたたかや供花に囲まれ水子仏 | 菜々 |
梅東風に紫衣ひるがへし上堂へ | 菜々 |
大根焚食べて極楽ゆけるとは | よし子 |
香煙をうち攫ひたる涅槃西風 | よし子 |
涅槃会や風を袂に若き僧 | よう子 |
春光を四方に弾きて九輪塔 | よう子 |
寺隅にもてなしのごと福火焚く | 有香 |
閻王と眼の合ひてより足すくむ | 有香 |
善男女福火をかこむ梅日和 | 明日香 |
鳥瞰に神戸の街や梅の丘 | 明日香 |
福火より離れられずや東風の寺 | 満天 |
供花はみな春の色なる水子仏 | 宏虎 |
急磴に蒼天仰ぐ梅の園 | ぽんこ |
一と皿で満腹となる大根焚 | ひかり |
(参加者16名)
俳句 | 作者 |
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シスターのベールをとばす空つ風 | せいじ |
竹林の小径にここだ落椿 | せいじ |
国つ神祀る小社に冬日燦 | せいじ |
寒風に背中を向けて電車待つ | せいじ |
天鵞絨のごとき苔の上落椿 | せいじ |
冬ざれの庭に真白きマリア像 | せいじ |
身に入むや震禍のままに立つ鳥居 | うつぎ |
春天へ双手を翳すイエス像 | うつぎ |
磴二百仰ぐ鳥居に冬日燦 | うつぎ |
寒禽や樹下に鎮もる力石 | うつぎ |
力石黙し寒禽しきりなる | うつぎ |
寒風裡肩寄せあへる力石 | うつぎ |
木守柿風に吹かれて心細 | よし子 |
凍雲を貫かんとす摩天楼 | よし子 |
炎あげ高舞ふ子らの吉書揚 | よし子 |
竹爆ぜていよいよ高し吉書揚 | よし子 |
うち仰ぐ磴は胸突き寒の宮 | 菜々 |
寒風裡眉根きりりと矢大臣 | 菜々 |
蝋梅が咲きましたよと修道女 | 菜々 |
踏切の真中で交はす御慶かな | こすもす |
天蓋の木々焦がさんととんど燃ゆ | こすもす |
黒焦げの榾木よこたふどんど跡 | こすもす |
連山をあまねく照らす春日かな | ひかり |
初句会寿ぐごとく青空に | ひかり |
修道女案内上手笑み温し | ひかり |
どんど屑上昇気流に乗りにけり | ぽんこ |
大松笠拾ふ社の落葉道 | ぽんこ |
寒晴や修道院の門広し | よう子 |
寒風に悲鳴をあげし雨戸かな | よう子 |
鏡餅みごとに開く白寿翁 | かかし |
風花の横走りせる車窓かな | 有香 |
磴百段上りきつたる息白し | 宏虎 |
寒日和池辺りに立つマリア像 | 満天 |
クレーン車中洲に躍如川普請 | 明日香 |
マリア像祈る背中に冬日さす | わかば |
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