みのる選:2016年度

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2016年11月15日

(参加者16名)

俳句作者
照葉映ゆ水際に祈るマリア像明日香
冬日燦マリアの像を抱擁す明日香
石蕗なり祈りの道の入口に明日香
竹春の藪はさながら別世界明日香
竹林の冬日縫ひつつ漫ろ歩すうつぎ
靴脱いで歩いてみたき木の実径うつぎ
シスターと立ち話して冬うららうつぎ
色鳥来修道院は鉄扉鎖すうつぎ
庭覆ひ火のごとく燃ゆ紅葉かな宏虎
さながらに炎の坩堝谷紅葉宏虎
大樹あり巨石のありて庭ぬくし宏虎
険磴をかえり見すれば照紅葉ひかり
朝の日に夜雨の珠の紅葉かなひかり
音立てて険磴跳ねる木の実かなひかり
百段の磴うち仰ぐ紅葉晴ぽんこ
ブロンズの龍の眼光る神の留守ぽんこ
錦繍の森に鵯どち姦しきぽんこ
冬ざれてルルドの泉とは見えずたか子
照紅葉大王松に侍るごとたか子
紅葉散るルルドの池面埋めんと菜々
降りしきる紅葉に祈る聖母像菜々
蒼天を染めて紅葉の重なりぬなおこ
キリストの胸に飛び込む冬日かななおこ
錦繍に祈るマリアの像白しはく子
行厨すもみぢかつ散るベンチかなはく子
冬日燦両手ひろげしイエス像に満天
小春日やみ子膝の上にマリア像満天
カラフルになぞへ彩る散紅葉こすもす
紅葉影深き祈りのマリア像わかば
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2016年10月18日

(参加者14名)

俳句作者
一亭の簷牙を仰ぎ秋惜しむうつぎ
閉園にあらずよ猪に扉を閉ざすうつぎ
水際に屯してをる道をしへうつぎ
草の実に触れもして愛づ薬草園うつぎ
六甲山の裾廻に奏で紅葉川菜々
お茶室へ水引草のつづる径菜々
山の日に黄金をこぼす萩もみぢ菜々
きざはしは水の鍵盤秋奏づ菜々
そここに猪のぬた場や秋山路わかば
木洩れ日の煌めき小川澄めりけりわかば
苔むして露に濡れたる石畳わかば
薬効を確かめ巡る秋の苑わかば
青天井映す水面へ赤とんぼ満天
階落つるたびに高鳴る秋の川満天
秋の蝶ハーブの園をジプシーす満天
ゆく雲を映して池の澄めりけり満天
六甲を映して小さき秋の池たか子
四阿の裏の築山竹の春たか子
秋の人ひと並びせる池塘かなたか子
逍遥の小径は石蕗の花明りぽんこ
蘭亭の簷牙映して池澄めるぽんこ
翠黛のしるき影落ち湖澄めるぽんこ
秋うらら亀のよりくる汀かなはく子
奥池へ道の木の実を拾ひつつはく子
猪垣に人間たちの出入り口よし子
雨雲の晴れゆく空や返り花よし子
目に余る猪の狼藉植物園明日香
錦繍の山湖を抱擁すせいじ
休耕田占領したるあわだち草有香
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2016年9月25日

(参加者17名)

俳句作者
昨夜の雨かくも無残に破れ芭蕉たか子
句碑の文字みな個性あり萩の寺たか子
はらはらと散らしてみたく萩に触るたか子
法話聞くお堂へ庭の萩の風たか子
台風禍祓ふ護摩供の大煙うつぎ
火渡りをせむと跣の翁かなうつぎ
箒目の土に白々萩の屑うつぎ
四阿の四方より通ふ萩の風こすもす
境内に読経洩れくる萩日和こすもす
延命橋渡りしところ曼珠沙華こすもす
はなれ家へ標かたむく芒原小袖
立ち入れぬ猿戸に透けて萩真白小袖
観音の面に色なき風通ふ小袖
護摩焚の法螺の音萩をこぼしけりせいじ
参道を狭しと埋め萩盛るせいじ
萩むらの句碑に先師を偲びけりせいじ
座禅石雨に濡れもし破れ芭蕉菜々
音もなく妹背の句碑へ萩時雨菜々
風あふつ芭蕉の影や花頭窓菜々
萩むらの小径に小さき石仏ひかり
萩小径ふりそむ雨に傘開くひかり
竜と化し秋天へ消ゆ護摩煙ひかり
樹下に坐す微笑観音薄紅葉満天
萩小径辿りあまたの句碑めぐる満天
法話身に入みて背筋を伸ばしけり満天
山門を潜るやいなや萩浄土よし子
しだれ萩もちあげて句碑誦しにけりよし子
そば通るだけなのに萩こぼれけりよし子
子規句碑に佇みをれば秋の声わかば
句帳もておもひおもひに萩に佇つわかば
しだれ萩お百度石を隠しけりわかば
蝶になり飛び立ちさふや風の萩なおこ
撫でもして連理の句碑の秋を聞くなおこ
秋灯下子規直筆にまみえけりはく子
禅寺に隣る保育所小鳥来るはく子
重さうに雨粒やどすしだれ萩宏虎
夫婦句碑連理となりて萩浄土宏虎
虚子の句碑侍る山門竹の春ぽんこ
山門の一歩に仰ぐ薄紅葉ぽんこ
かがみこみ句碑よむ肩に萩こぼる有香
句碑めぐり寺苑の秋を聞きにけり有香
萩に目もくれず護摩焚く行者どちよう子
子規句碑の侍者のごとくに実むらさきよう子
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2016年8月30日

(参加者17名)

俳句作者
山上の碑に立ちて聞く秋の声はく子
弔ひの礼をしたたむ秋灯下はく子
池の波蒲の穂波と交錯すはく子
ケーブルカー峡ゆくほどに風は秋はく子
たもとほる屋上庭園風の秋明日香
コンテスト待つ案山子みな個性あり明日香
噴水の穂を縫ふ子らの奇声かな明日香
子らあそぶ土竜叩きの噴水にせいじ
噴水に空手チョップす幼なかなせいじ
天空の園に高舞ふ秋の蝶せいじ
さくら貝花のごと置くガラス棚ぽんこ
林立す白きマストに秋の風ぽんこ
緑陰を抜けて運河に出でにけりぽんこ
青松の影ひろひつつ避暑散歩わかば
六甲に翳落としゆく雲の影わかば
林立す帆柱に立つ雲の峰わかば
風を待つ運河にヨットたゆたうて小袖
佇つ吾の背な押す波止の風涼し小袖
本物のヨットを飾るレストラン宏虎
帆柱の白直立す波止涼し宏虎
避暑ホテル貝殻一つお土産になおこ
綺羅星のごと海光る秋の晴なおこ
秋の声聞く長堤の松籟に菜々
大いなる魚拓を壁に舘涼し菜々
セブ島の海を再現舘涼し有香
打楽器のごと屋根を打つ夕立かな有香
カラフルなヨットグッズや舘涼しこすもす
マリーナの人魚の像に秋日濃したか子
身にしむや命透けたるクリオネにひかり
水揺れて展示のヨット動くかと満天
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2016年7月19日

(参加者17名)

俳句作者
白蓮をまたぐ朱色の太鼓橋かかし
本殿へ急磴のぼる青嶺かなかかし
お手植の大樹あまたの蝉の殻かかし
中腹に宝珠輝く青嶺かなかかし
山門を額縁として青嶺見ゆよう子
本堂の鈴の緒重く梅雨じめりよう子
白蓮の一茎たかく池統ぶるよう子
橋裏にかげろふ水の影涼しよう子
涼しさに足投げ出しぬ展望台わかば
隠沼を埋めつくして未草わかば
梅雨明けの樹間を縫ひて陽の光わかば
万緑を抽んでて立つ大鐘楼わかば
展望閣足下より湧く蝉の声ひかり
大いなるパンくず担ぐ山の蟻ひかり
水煙の青嶺へ尖る神呪寺ひかり
標たつ寺領ここより登山道小袖
天蓋のなき母子像へ白日傘小袖
太鼓橋かかる蓮池風わたるぽんこ
風化して傾ぐ石龕苔の花ぽんこ
蓮池をまたぎて朱き太鼓橋満天
万緑裡八十八ヶ所巡拝す満天
万緑や七堂伽藍埋まるほどよし子
甲山こんなに風の涼しとはよし子
頼みとす鉄の手摺の灼けたれど明日香
展望閣眼下をよぎるつばくらめこすもす
うち仰ぐ指呼の山頂夏燕せいじ
撫で仏灼けて触るるを拒みけりたか子
甲山見おろして立つ雲の峰直子
寧かれと俳人塚へ萩の風菜々
梵鐘をひと撞き暑気を祓ひけり宏虎
嶮磴に仰ぐ青葉の甲山有香
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2016年6月21日

(参加者13名)

俳句作者
小流れの淀みに屯あめんぼうひかり
田に透けて平和と見たる蝌蚪の国ひかり
色褪せしバラと見たれど香を放つひかり
菖蒲田の余白に映る空ま青ひかり
木道に立ちては屈み菖蒲撮るひかり
垣根よりぬつと顔だす濃紫陽花満天
植田なる水面をよぎる雲白し満天
達筆でよめぬ碑木下闇満天
青空を蹴りては進むあめんぼう満天
雨粒の真珠びかりす花菖蒲満天
雲切れて青空のぞく青嶺かなわかば
昨夜雨を湛へて園のバラ薫るわかば
昼暗き樹間の径の濃紫陽花わかば
蝌蚪生れて尻振りダンス始めけりわかば
塀のなき農家の庭や立葵うつぎ
水位計梅雨の出水のここまでとうつぎ
葭切の囃す猪名野の水難碑うつぎ
青田風四方より通ふ水難碑よう子
バラ園の朽ちしベンチに推敲すよう子
行々子立ち入り禁止札の辺によう子
太陽が笑顔に見ゆる梅雨の晴よし子
水すまし川遡るごと進むよし子
木道に沿ひし小流れ梅雨濁りよし子
流されてまた遡る水馬なおこ
おにごつこ否虫獲りの行々子なおこ
水害碑隣る青田を一望に小袖
至近距離なる片蔭にバスを待つせいじ
曖昧な道案内に汗滂沱たか子
竹皮を脱ぎ散らしたる藪小径宏虎
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2016年5月17日

(参加者17名)

俳句作者
碧天へ融け入るごとし花あふち満天
雨粒の真珠びかりすバラ真つ赤満天
万緑が覆ふ古墳や鳥語降る満天
バラアーチ潜る園児らみな笑顔満天
大樹影百花のバラの香りけりわかば
枝を翳す園の要の花樗わかば
心地よき風に誘はれ薔薇薫るわかば
楠若葉して大空を占めにけりよし子
純白のバラをも腐す雨にくしよし子
薔薇を剪る園丁鋏ためらわずよし子
眼福や五彩の薔薇に囲まれて明日香
芳香のバラ公園を逍遥す明日香
背比べせんとて薔薇に寄る児かなうつぎ
風に降る古墳の杜の花樗うつぎ
介護士の聞き上手なるばらの園かかし
偕老の二人が潜るバラアーチかかし
地を覆ふ蔦瑞々し古墳山小袖
雨晴れて小銀の珠を散らすバラ小袖
園のバラ語りかけつつ愛でにけりたか子
気に入りのバラの名札をのぞき込むたか子
青空に撓む真紅の薔薇アーチなおこ
頬寄せてバラの香りを愛でにけりなおこ
大輪に負けじと香るミニ薔薇ひかり
みぎひだりよりバラ薫る遊歩道ひかり
車椅子寄せてバラの香愛でにけり宏虎
若葉洩る陽の洗礼や古墳道宏虎
陵の濠の一隅あやめぐさぽんこ
万緑にゲートボールの音響くぽんこ
園入れば満艦飾に薔薇満つるせいじ
紅バラをこぼるる珠の雨しずく菜々
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2016年4月19日

(参加者16名)

俳句作者
大岩を抱擁したる山つつじ宏虎
碧天に万紅散らす山つつじ宏虎
園児らの列へと春の落葉かな宏虎
神の杜より祓所へ初蝶来うつぎ
春光や鳥居の弊の打ちそよぎうつぎ
春風に鳴る鈴なりの祈願絵馬うつぎ
踏青子図鑑片手に深山道明日香
雲揺らぐかとうち仰ぐ青嵐明日香
カラフルな吾を見よとて道をしへ明日香
ぺちゃくちゃと小枝揺らして囀れる直子
うららかやまろやかなりし御神水直子
蜂の腹ポンプのごとし蜜を吸ふ直子
滴りが苔をさ走るなぞへかなわかば
存問のごとくに余花に佇ちにけりわかば
風に揺れ唄ふがごとき新樹かなわかば
参道の右手に弓手に山つつじ満天
行厨のベンチの四囲は山つつじ満天
青銅の拝殿高く緑立つ小袖
春惜しむ神代の杜をたもとほり小袖
四阿の四方より通ふ若葉風かかし
四阿に行厨終へて春眠しかかし
花吹雪千古の宮へとめどなく菜々
散る花に沈思黙考一詩人菜々
余震また余震に怯え花は葉にせいじ
真青なる空を掃きゐる若楓せいじ
車窓いま至福の景や花の旅孝子
春愁の因をたどれば地震のこと孝子
蒼天へ高舞ふ風の落花見よぽんこ
磴のぼる吾を励ます道をしへぽんこ
苦吟する句帳へふはと春落葉よう子
中空へ千木の尖りし杜若葉よう子
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2016年3月15日

(参加者14名)

俳句作者
梅の丘港神戸をパノラマにうつぎ
磊磊にさざ波をどる春の川うつぎ
どの花となく匂ひくる春の苑うつぎ
春光や照り翳りして斜張橋うつぎ
花ミモザ蒼天へ黄をひろげけり菜々
梅の丘眼下に模糊と茅渟の海菜々
しがらみのあぶくは音符水温む菜々
海光の磴いく曲がり梅にほふ菜々
鈴なりのしやもじの絵馬に風光る満天
せせらぎに和してこでまり揺れやまず満天
行厨や沈丁花の香につつまれて満天
日を弾く白亜の館ミモザ咲くよう子
囀や園児の列に降り注ぎよう子
足弱を労られつつ梅探るよう子
切り口の真白き榾木春日享くこすもす
展望台眼下の街に風光るこすもす
のぼりおり手すりに頼む梅の丘こすもす
香を競ふやに紅白の沈丁花宏虎
老幹の梅に勇気をもらひけり宏虎
日矢さして銀盤のごと春の海明日香
煙突の煙直立春うらら明日香
紅梅の枝に透きたる空ま青ひかり
欄にふはり枝伸べ雪柳ひかり
ひな壇のごと展けたる梅の丘せいじ
兵士らの墓碑の辺に草芳しき有香
手庇に海光まぶし梅の丘よし子
林泉を巡る水音や四温晴わかば
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2016年2月16日

(参加者14名)

俳句作者
春光の照り翳りなす小川かなわかば
梅が枝に透きて青空広ごれりわかば
青空へ突き上ぐるごと辛夷の芽わかば
玄室の羨道しるき梅の影わかば
梅の香に包まれのぼる丘の道わかば
室町の涅槃絵に見る古びかなわかば
奈落より梅が香通ふ丘の上せいじ
福火てふ焚き火に両手かざしけりせいじ
春風に香煙渦を解きけりせいじ
漁網めく万朶に梅の蕾みけりせいじ
大方は婆が椅子占め大根焚うつぎ
大いなる榾惜しみなく福火焚くうつぎ
味噌の香に法話もそぞろ大根焚うつぎ
大根焚オールの如き大杓文字うつぎ
観音へおばしま伝ひ花あしび菜々
あたたかや供花に囲まれ水子仏菜々
梅東風に紫衣ひるがへし上堂へ菜々
大根焚食べて極楽ゆけるとはよし子
香煙をうち攫ひたる涅槃西風よし子
涅槃会や風を袂に若き僧よう子
春光を四方に弾きて九輪塔よう子
寺隅にもてなしのごと福火焚く有香
閻王と眼の合ひてより足すくむ有香
善男女福火をかこむ梅日和明日香
鳥瞰に神戸の街や梅の丘明日香
福火より離れられずや東風の寺満天
供花はみな春の色なる水子仏宏虎
急磴に蒼天仰ぐ梅の園ぽんこ
一と皿で満腹となる大根焚ひかり
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2016年1月19日

(参加者16名)

俳句作者
シスターのベールをとばす空つ風せいじ
竹林の小径にここだ落椿せいじ
国つ神祀る小社に冬日燦せいじ
寒風に背中を向けて電車待つせいじ
天鵞絨のごとき苔の上落椿せいじ
冬ざれの庭に真白きマリア像せいじ
身に入むや震禍のままに立つ鳥居うつぎ
春天へ双手を翳すイエス像うつぎ
磴二百仰ぐ鳥居に冬日燦うつぎ
寒禽や樹下に鎮もる力石うつぎ
力石黙し寒禽しきりなるうつぎ
寒風裡肩寄せあへる力石うつぎ
木守柿風に吹かれて心細よし子
凍雲を貫かんとす摩天楼よし子
炎あげ高舞ふ子らの吉書揚よし子
竹爆ぜていよいよ高し吉書揚よし子
うち仰ぐ磴は胸突き寒の宮菜々
寒風裡眉根きりりと矢大臣菜々
蝋梅が咲きましたよと修道女菜々
踏切の真中で交はす御慶かなこすもす
天蓋の木々焦がさんととんど燃ゆこすもす
黒焦げの榾木よこたふどんど跡こすもす
連山をあまねく照らす春日かなひかり
初句会寿ぐごとく青空にひかり
修道女案内上手笑み温しひかり
どんど屑上昇気流に乗りにけりぽんこ
大松笠拾ふ社の落葉道ぽんこ
寒晴や修道院の門広しよう子
寒風に悲鳴をあげし雨戸かなよう子
鏡餅みごとに開く白寿翁かかし
風花の横走りせる車窓かな有香
磴百段上りきつたる息白し宏虎
寒日和池辺りに立つマリア像満天
クレーン車中洲に躍如川普請明日香
マリア像祈る背中に冬日さすわかば
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