みのる選:2018年度
俳句 | 作者 |
単線の鉄路にそよぐ花芒 | せいじ |
蔓草の実をつけしまま枯れにけり | せいじ |
入ればすぐ眼鏡のくもる枯木宿 | せいじ |
陵を要としたる大冬田 | せいじ |
冬帽子目深に被り田を起こす | きづな |
降り立ちて能勢の冷気に武者震ひ | きづな |
木守柿屋根に家紋のくつきりと | きづな |
遮断器の高鳴る谷戸の枯野道 | 小袖 |
冬田道来てゆくりなく山羊に会ふ | 小袖 |
枯木宿創作膳に舌鼓 | 小袖 |
里山の車窓を過る枯木立 | ぽんこ |
枯山のトンネルに消ゆ一両車 | ぽんこ |
プリズムとなる川波や冬日燦 | ぽんこ |
川底にをどる冬日の波模様 | はく子 |
谷戸小春堰落つ水の煌めきて | はく子 |
地下街は赤一色やクリスマス | はく子 |
冬菜畑峡の日射しにあをあをと | 菜々 |
裸木として仁王立つ大欅 | 菜々 |
一と駅を歩き吟行冬日和 | なおこ |
枯木立すり抜け峡の一両車 | なおこ |
老農婦佳い句作れと焚火守る | うつぎ |
冬菜畑無農薬らし穴だらけ | こすもす |
空谷へなだるる嵩の落葉かな | 宏虎 |
御神木仰ぐや冬の空まさを | やよい |
谷隔て分かつ二タ村枯進む | 有香 |
相互ひ白息をもて存問す | わかば |
(忘年句会@能勢遊留里 参加者20名)
俳句 | 作者 |
荒神を囲む山々もみづれり | 小袖 |
枝吊りの古木にあまたなる冬芽 | 小袖 |
岸壁の不動明王笠もみぢ | 小袖 |
みそぎ橋幾許木の葉の舞ひやまず | 小袖 |
参道はシャッター通り冬ざるる | 小袖 |
何でも屋並ぶ荒神坂小春 | うつぎ |
佇みぬ落葉しぐれの禊橋 | うつぎ |
耳澄まし聞かむ冬芽のささやきを | うつぎ |
家苞に銀杏を買ふ詣で道 | うつぎ |
御手洗へ降り込む銀杏落葉かな | せいじ |
せせらぎの落葉を縫ひて細りけり | せいじ |
鯉あまた押しくらのごと池小春 | せいじ |
大前へ金箔散らし黄落す | 菜々 |
己が影先達にして紅葉坂 | 菜々 |
荒神の奥処に燃ゆる冬紅葉 | 菜々 |
参磴に布袋の笑顔冬ぬくし | なおこ |
陶狸をり招き猫をり店小春 | なおこ |
池の鯉意気軒高やもみぢ散る | はく子 |
天を突く公孫樹大樹の黄をつくす | はく子 |
布袋尊破顔一笑冬日和 | 宏虎 |
納箸山と積まれて宮小春 | 宏虎 |
鎮もりて水音かそけき冬の滝 | よし子 |
投句箱あれば一句や紅葉坂 | よし子 |
せせらげる深き谷底散紅葉 | きずな |
やうおまいり荒神さんの磴小春 | たか子 |
盆栽の山紫水明紅葉せり | もとこ |
逞しき冬芽に元気もらひけり | よう子 |
禊橋吹き溜まりたる落葉かな | わかば |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
木洩れ日やのけぞり仰ぐ渓紅葉 | 明日香 |
秋水の岩に塞かれて激ちけり | 明日香 |
紅仄と残し紫陽花枯れにけり | 明日香 |
底石の彩とりどりや川澄める | 明日香 |
石龕のみ仏に聞く秋の声 | うつぎ |
うち仰ぐ神の磐座鵙高音 | うつぎ |
ごめんねとひと言秋の蚊を打ちぬ | うつぎ |
秋うらら石の下駄はく力石 | うつぎ |
注連縄の古りて秋さぶ神の岩 | ぽんこ |
甑岩より一条の蜘蛛の糸 | ぽんこ |
小鳥来る連理の大樹力石 | ぽんこ |
秋天へ薄雲展げ山近し | わかば |
蒼々と瀞に展けて秋の水 | わかば |
凭れあふ風倒木に秋思憑く | わかば |
柏手に応ふ鳥語や秋うらら | こすもす |
秋日和パワー頂く甑岩 | こすもす |
どれもみな個性主張すくわりんの実 | せいじ |
林道をひとり辿れば残る虫 | せいじ |
参道に沿ひて高鳴る秋の水 | 菜々 |
小鳥来るおむすびに似し力石 | 菜々 |
触れもしてあひ秋惜しむ力石 | はく子 |
見て見てと広げし手より木の実落つ | はく子 |
黄落の樹下に鎮座す力石 | 満天 |
御手洗の水音高く澄めりけり | 満天 |
茶屋床几日がなたてこみ萩日和 | もとこ |
秋日和店主も客も外にをり | もとこ |
手にかなふ杖を拾ひて秋山路 | きずな |
尺測る手にひやひやと力石 | 小袖 |
どんぐりを拾ひて供ふ力石 | よう子 |
神苑の鎮もる中を木の実落つ | たか子 |
秀枝より染まり初めたる渓紅葉 | なおこ |
岩に触れ長き祈りや秋の人 | 宏虎 |
絵馬に見る幼き願ひ小鳥来る | よし子 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
四阿に目瞑りて聞く昼の虫 | わかば |
滴滴とつくばひを打つ秋の水 | わかば |
枝折戸の辺に二三本彼岸花 | わかば |
句碑の辺に添ひくるごとく萩の風 | わかば |
掃き寄せて紅ほんのりとこぼれ萩 | うつぎ |
色変へぬ松の葉隠れ葵紋 | うつぎ |
しじみ蝶マリア地蔵に来て遊ぶ | うつぎ |
山門を貫く萩の石畳 | 小袖 |
秋灯す茶掛色紙に子規悼む | 小袖 |
つくばひの秋水何もいろもたず | 小袖 |
どの句碑も萩の寄り添ふ寺苑かな | 明日香 |
萩叢に紛れて消えし瑠璃しじみ | 明日香 |
句碑あまた巡りて苑の秋を聞く | せいじ |
たもとほる人座せる人萩の寺 | せいじ |
秋霖を集めに集め川激つ | たか子 |
お手水も名泉の湯や秋うらら | たか子 |
お茶席の馳走は野辺の草の花 | 菜々 |
別院へ袖垣ゆかし萩の寺 | 菜々 |
昼の虫丈余の句碑の後ろより | はく子 |
菩提子の飛翔の風を待つかまへ | はく子 |
たをやかに咲きて乱れて風の萩 | よし子 |
今日もまた多作に徹す獺祭忌 | よし子 |
萩寺におうす戴き子規悼む | 宏虎 |
色変へぬ松の根方にマリア像 | ぽんこ |
見に入むや色紙に子規の絶筆句 | 満天 |
身に入むや淡々と述ぶ闘病記 | もとこ |
(参加者15名)
俳句 | 作者 |
曲水に沿ひてとどまる赤とんぼ | 菜々 |
一溪の遠近に啼くつくつくし | 菜々 |
青天井沈めて山湖澄みに澄む | 菜々 |
せせらぎの岩打つ音も秋めける | 菜々 |
お隣の屋根越しに見る遠花火 | よし子 |
新涼や湖面を走るさざれ波 | よし子 |
一山家置きて箱庭出来上がる | よし子 |
樹下涼し千の俳磚並びたる | よし子 |
山霧の真つ只中やロープウエー | せいじ |
霧流れ込む山頂のショップかな | せいじ |
パノラマの溪忽ちに霧の海 | せいじ |
奥池に浮かぶがごとく秋の雲 | 満天 |
奥山路思ひがけなく初紅葉 | 満天 |
山荘の茶庭に佇てば秋の声 | 満天 |
山影に星の瞬く帰省かな | うつぎ |
虚子に触れ四Sに触れ館涼し | うつぎ |
山路いま奈落となりし法師蝉 | はく子 |
未だ青き木の実を落す鵯憎し | はく子 |
おはぐろの瀬石に翅を休めけり | わかば |
葭原をうねらし渡る風は秋 | わかば |
小魚の群さつと消ゆ川さやか | 明日香 |
吟行子残る暑さを口々に | こすもす |
艶びかる虚子の文机舘涼し | 小袖 |
慈悲塔に額づきをれば秋の声 | たか子 |
稲の花撫でゆくごとく風渡る | 宏虎 |
色変へぬ末に凭れて推敲す | ぽんこ |
恥ずかしと言ひつつ妻の日傘借る | よう子 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
風通ふ茶室の庭の羊歯涼し | せいじ |
天使像より湧き出づる泉かな | せいじ |
後先となり走り根を蟻走る | せいじ |
休憩のあと機嫌よし草刈機 | せいじ |
相聞の碑へと紅萩ほつほつと | 菜々 |
万葉の苑はこちらと秋の蝶 | 菜々 |
万葉歌碑めぐるかぎりの蝉時雨 | 菜々 |
風涼し色紙散らしの石畳 | 菜々 |
名水の湧く神の杜暑を知らず | うつぎ |
飛機音に挑むがごとく蝉しぐれ | うつぎ |
身に入むや斎垣となりし力石 | うつぎ |
沢蟹に右往左往す幼の手 | 小袖 |
渓谷を埋む大樹や合歓夕べ | 小袖 |
沢水に育ちしといふ夏野菜 | 小袖 |
息できぬほど萍の畳む池 | たか子 |
萍の揺れて何かがゐる気配 | たか子 |
奔放に翻へりをる蓮広葉 | たか子 |
行厨は良き風通ふ緑陰に | はく子 |
蝉涼し風の道なる木のベンチ | はく子 |
なでしこの薄くれなひを歌碑に咲く | はく子 |
力石灼けゐて何も語らざる | よし子 |
ラムネ飲むコロンと昭和の音がする | よし子 |
本殿へ小門くぐれば黴匂ふ | よし子 |
かな文字の涼し白扇煽つたび | 有香 |
力石肩を並べし樹下涼し | 有香 |
夕さりてより十薬のいや白し | わかば |
日焼せる農婦の笑顔道の駅 | わかば |
四阿の作る日陰へ鯉寄り来 | 明日香 |
一階の窓隠す丈花カンナ | こすもす |
茗荷の子縦に横にと微塵切り | なおこ |
大石に影のさゆらぐ乱れ萩 | ぽんこ |
麻服の皺の数だけある疲れ | もとこ |
苔の岩木漏れ日跳ねる滝行場 | よう子 |
(参加者18名)
俳句 | 作者 |
植田風通ふ猪名野の水難碑 | うつぎ |
鷺一羽植田の畦に身じろがず | うつぎ |
梅雨茸序列あるごと並びをり | うつぎ |
一茎にこれ以上無理小判草 | うつぎ |
河川敷水路を埋む茂りかな | 小袖 |
コーギー犬短足運ぶうまごやし | 小袖 |
千枚の植田に空の広ごれり | 小袖 |
空蝉の大樹をのぼる構へかな | 小袖 |
雲影に入りては出でて蝌蚪遊ぶ | 菜々 |
川の面を隠す中洲の茂りかな | 菜々 |
雨蛙柿の艶葉がお気に入り | 菜々 |
超高層マンション写し植田澄む | 菜々 |
水難碑鎮もり立てる木下闇 | 満天 |
夏の蝶風に乱舞す川堤 | 満天 |
早苗田の波しずまれば雲白し | 満天 |
梅雨空を支へんと立つ送電塔 | 満天 |
自転車の轍をにくむ花野かな | ぽんこ |
バラ垣に四肢のばしたる猫の野良 | ぽんこ |
鳥影の一旋したる植田かな | ぽんこ |
とんぼうの羽を休める歩板かな | せいじ |
一筋の小径が分かつ花野かな | せいじ |
ランチ待ち行列なせる日傘かな | こういち |
野に遊ぶどころではなし地震談義 | 宏虎 |
緑陰の風が撫でゆく鎮魂碑 | よし子 |
飛行機の音のくぐもる梅雨の雲 | わかば |
(参加者12名)
俳句 | 作者 |
丈の薔薇小さき薔薇を侍らしぬ | うつぎ |
根上りを越えては潜り雀の子 | うつぎ |
青空の風の高さに花楝 | うつぎ |
黒揚羽謎の古墳の使者ならむ | うつぎ |
古塚の外濠埋む花菖蒲 | せいじ |
墳丘を覆ひ尽くして蔦茂る | せいじ |
展けたる苑の隈なく薔薇の花 | せいじ |
花楝去らんとすれば匂ひけり | せいじ |
謎秘めし古墳へ降らす花楝 | 菜々 |
バラ百花日向日陰に妍競ふ | 菜々 |
風涼し洩れ日綾なす古墳道 | 菜々 |
グランドゴルフ薔薇満開の苑の中 | はく子 |
新樹光古墳を巡る園の道 | はく子 |
行厨はバラに咫尺の苑ベンチ | はく子 |
五月晴ゲートボールの音高し | 明日香 |
青空へレース散らしに花あふち | 明日香 |
花楝市民の苑の要なす | 小袖 |
新樹光下草にまで届きけり | 小袖 |
満開の白バラに佇つ老夫婦 | なおこ |
母と娘の腕組み合ひて薔薇の園 | なおこ |
飛行雲楝の花の空過る | ぽんこ |
謎秘めし古墳を訪へば百千鳥 | ぽんこ |
夏木立音はすれども飛機見えず | みきえ |
緑陰にリハビリの歩を休めけり | みきえ |
黄菖蒲の自己主張せる木陰かな | わかば |
楝の香届く古墳の静寂かな | わかば |
木隠れに薔薇又薔薇や鳥語洩る | こすもす |
天蓋をなして園統ぶ花あふち | たか子 |
バラ園に浮沈してをる園児帽 | 満天 |
鳩追ひて駈ける幼の夏帽子 | もとこ |
お日様の恵みに賛美花あふち | 有香 |
花楝謎の古墳と標たつ | よう子 |
(参加者20名)
俳句 | 作者 |
碧潭の山湖にそよぎ花木倍子 | うつぎ |
園丁の苔に残しぬけまん草 | うつぎ |
春の水小躍りしつつ渓下る | うつぎ |
水琴窟聴きて春愁払ひけり | うつぎ |
浮草を揺らすは亀の甲羅かな | うつぎ |
山つつじダム湖の面のはなやげり | 菜々 |
囀へ小首傾げて天使像 | 菜々 |
行厨はぼたん桜の傘の中 | 菜々 |
緑化園色吹き分ける若葉風 | 宏虎 |
山荘の庭ことごとく若楓 | 宏虎 |
チューリップ姿勢よろしく出迎へり | 宏虎 |
囀に誘はれつつ奥池へ | 満天 |
築山の石楠花屏風絵のごとし | 満天 |
曇天を押し上げてをる花水木 | 満天 |
余花淡し水音高鳴る庭園に | わかば |
作り滝水滔々と若葉影 | わかば |
春惜しむ野草の小径逍遥し | わかば |
切株の朽ちし穴より蜥蜴出づ | 明日香 |
池鏡池塘の緑パノラマに | 明日香 |
園丁らみな膝行す苔の花 | ぽんこ |
千客の笑顔となりぬチューリップ | ぽんこ |
山師らの見え隠れする木の芽山 | こすもす |
吊橋に立ちて指呼せる芽吹き山 | 小袖 |
池のどか植物園をゆらしてる | なおこ |
行厨や残んの花の散る椅子に | はく子 |
大欅レース広げしごと芽吹く | もとこ |
猪垣の心もとなき細さかな | 有香 |
大玻璃に絵画のごとき庭若葉 | よう子 |
(参加者17名)
俳句 | 作者 |
ジグザグにのぼる人影梅の丘 | せいじ |
菖蒲の芽守るまさらな四つ目垣 | せいじ |
春陰の堂に目を剥く閻魔王 | せいじ |
呆たけし土筆の残る池塘かな | せいじ |
塔頭の築地に沿ひて土佐水木 | せいじ |
花馬酔木丹のおばしまにたわわなる | 菜々 |
万蕾の辛夷背にたつ観世音 | 菜々 |
たくあんを家苞に買ふ彼岸寺 | 菜々 |
観音へ磴はなだらか梅香る | 菜々 |
春時雨直と閉ざして火頭窓 | 菜々 |
梅の花散り敷く磴をのぼりけり | 明日香 |
梅の丘目の前でんと甲山 | 明日香 |
雨晴れて参道浄き彼岸寺 | 明日香 |
羨道の春泥またぎ玄室へ | 明日香 |
観音の指差す先に梅盛る | はく子 |
雨意の空山茱萸の黄を極めけり | はく子 |
振れば鳴りさう鈴なりの花あせび | はく子 |
閻王の大き目玉に春の塵 | ぽんこ |
春愁や五百羅漢はみな伏目 | ぽんこ |
み仏のごとき大岩落椿 | ぽんこ |
曇天に燭掲ぐごと白木蓮 | みどり |
せせらぎを聞く奥院の木の芽道 | みどり |
裏参道木の芽隠れに六地蔵 | みどり |
池ほとりの汀を占むる菖蒲の芽 | わかば |
閻王の肩の春塵浅からず | わかば |
観音の天蓋なせる花辛夷 | わかば |
一灯もなき玄室の春寒し | うつぎ |
灯明の心もとなき涅槃西風 | うつぎ |
散りし梅水玉模様なせる磴 | こすもす |
ひとしきり食べ方談義つくし摘む | こすもす |
蝋涙の煤汚れして春寒し | たか子 |
観音の御手の誘ふ梅の丘 | たか子 |
日射すとき笑顔となりぬ梅の花 | なおこ |
高僧の裾ふくらます春の風 | なおこ |
春愁や水子地蔵に供華溢れ | 宏虎 |
安産のお礼を納む梅日和 | 宏虎 |
春風にからんころんと祈願絵馬 | 満天 |
身にぞ入む供華ひとつなき石棺に | 満天 |
閻王のまつげにあらず春の塵 | 有香 |
御仏の正面に座し春愁ふ | 有香 |
春寒し堂の羅漢は肩並べ | 小袖 |
梅林のなぞへの迷路めぐりけり | よう子 |
点描のごと紅白に梅の丘 | もとこ |
(参加者18名)
俳句 | 作者 |
飛び石に水の膨らむ春の川 | ぽんこ |
下萌やゆつくり回る水車かな | ぽんこ |
磯の香の砂嘴をもとほり踏青す | ぽんこ |
春ともし酒蔵支ふ太柱 | ぽんこ |
春光を揉むごと逸る早瀬かな | ぽんこ |
酒蔵の美人ポスター春ともし | ぽんこ |
試飲して家苞に買ふ新酒かな | ぽんこ |
うららかや試飲かさねて蔵めぐる | 菜々 |
春の海オリーブ垣に沿ひゆけば | 菜々 |
春館玉座の椅子を宝とす | 菜々 |
酒蔵の湯気這ふ小径犬ふぐり | 菜々 |
踏青や六甲を背に河口まで | 菜々 |
蔵町の白壁凛と風光る | 満天 |
春光の金糸となりて水底へ | 満天 |
春うらら水車は酒の米を磨ぐ | 満天 |
春光の中ゆつくりとモノレール | 満天 |
対岸へ飛石伝ひ水温む | わかば |
波の綺羅寄せて汐入川の春 | わかば |
春光をあまねく反す瀬波かな | わかば |
草萌の汀に海の風わたる | わかば |
稜線のみ空ににじむ春の晴 | せいじ |
堰落ちてぱつと煌めく春の川 | せいじ |
鴨の陣河口の波にたゆたひぬ | せいじ |
ジョギングすポニーテールや春堤 | みどり |
利酒に次々伸ぶ手蔵の春 | みどり |
笑ひたるやうにほころぶ梅日和 | みどり |
飛石の等間隔や水温む | たか子 |
磊々をあらふ清流風光る | 宏虎 |
(参加者10名)
俳句 | 作者 |
竹爆ぜて里に谺すとんどかな | うつぎ |
とんど果つ谷戸に東雲明りかな | うつぎ |
里山を守る神へと大とんど | うつぎ |
歓声を浴びてとんどの大崩れ | うつぎ |
ちろちりと天降るとんどの灰神楽 | うつぎ |
青竹を金棒と持つとんど守 | うつぎ |
風に威を得てどんどの火いま佳境 | なおこ |
左義長の炎天まであがれかし | なおこ |
どんど焼村の長老勢揃ひ | なおこ |
灰浴びて息災願ふとんどかな | なおこ |
左義長の火守に走る男どち | なおこ |
遊子へもふるまひ酒や飾り焚く | よう子 |
火柱の龍舌となる吉書揚 | よう子 |
御用聞き今日はとんどの火守役 | よう子 |
いつ爆ぜるかと身構えるとんどかな | よう子 |
竹櫓倒れ火襖とんど焼 | よう子 |
かちかちの轍も緩むとんどかな | 小袖 |
燃え盛るとんどに神の宿るかと | 小袖 |
竹爆ぜる音連鎖せるとんどかな | 小袖 |
嬰の笑み百面相や家の春 | 宏虎 |
杖つけど口は達者や老の春 | 宏虎 |
小豆粥俳句長者を願ひけり | 宏虎 |
袖垣へしだれて一枝梅つぼむ | 菜々 |
葛湯吹き脳は俳句に遊びをり | 菜々 |
薄紅の花の切手に寒見舞 | 菜々 |
四音晴恋愛成就の絵馬多し | はく子 |
梅蕾むビルの底ひに露天神 | はく子 |
石柱に対戦弾痕身にぞ入む | はく子 |
緑青の屋根越ゆ火屑どんど焼 | ぽんこ |
魁は神の御室の山椿 | ぽんこ |
幼子の瞳に燃ゆるとんどの火 | ぽんこ |
一枚のお札高舞ふとんどかな | たか子 |
風も無くとんどの炎直立す | たか子 |
盆栽の古木傾く枯野かな | もとこ |
乗り越して見知らぬ駅の冬日向 | もとこ |
初髪の娘ら匂ひける朝かな | 有香 |
予定表パスはやむ無し風邪に伏す | 有香 |
寒晴やハートの絵馬の犇めきて | 満天 |
(参加者15名)
2022 | 2021 | 2020 | 2019 |2018 | 2017 | 2016 | 2015 | 2014 | 2013 | 2012 | 2011 | 2010