2024年の作品
2024年の作品
連理して大緑陰をなせりけり
透明度百パーセント瀞涼し
目に涼し宇治の早瀬よ水音また
川風が攫ひし宙の糸とんぼ
青海波なす段丘の濃紫陽花
風涼し老舗暖簾の字の合はず
岩清水ひきて蹲踞奏でしむ
一条の日の輪のをどる泉かな
蓮の池車軸の雨に寧からず
5月〜7月
竹秋に透けてぽつんと一山家
草ぐさに憂さ癒やさるる春山路
岩窪の祠ほとけは銀竜草
熊谷草咲くと秘境を一万歩
囀の天降りやまずよ杉美林
緑雨なる深山の道は傘要らず
岩噛んで瀬しぶきに耐ふ瑠璃蜻蛉
沢蟹の爪見えてをる岩間かな
代田水満ちて蛙の唄ひだす
5月6日能勢グループの案内で能勢初谷渓谷を吟行しました。
閼伽の水溢れ春光こぼしけり
おはじきのごと日溜まりへ寒雀
庭雀冬日失せればゐずなんぬ
水郷に刎ねる日差しや柳の芽
春水の底より吐息主は誰
口づけのごと寒紅の酒を利く
寒づくり淡路瓦の簷連ね
路地懐かし餅の花咲く伏見宿
志士の魂宿る寺田屋冬座敷
1月9日大阪小グループ吟行(伏見郷、伏見宿)
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