2016の吟行作品

やまだみのる

目次

2016年12月22日

慶沢園・四天王寺参道

『年の市』

天王寺さんへ寄り道年の市

仏具屋でお茶を相伴年の市

年の市長蛇をなせる列は何

小銭入だして一施や慈善鍋

路地へだて托鉢僧と社会鍋

煤逃げや動物園へ孫連れて

凩に吹つ飛んでいくレジ袋

園丁ら松よ竹よと門飾る

探鳥舎めく四阿や枯木立

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2016年12月2日

高砂市ノ池公園

『空真澄』

末広の水脈重ねつつ番鴨

錦繍の山よこたはる鏡池

浮雲の進むともなき小春かな

綿雲のひつかかりたる枯木かな

空真澄なんきん櫨の実を散らし

息継ぎの間もあらばこそ鳰潜る

ほらあそこよと指されたる鳰遠し

野あそびのごと縺れあひしじみ蝶

しじみ蝶野の日翳ればゐずなんぬ

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2016年11月30日

久安寺

『枯蓮』

枝絡む玉の日差しや小鳥来る

紅葉燃ゆ比翼のごとく枝重ね

嵩なしてなだるる磴の散紅葉

万華鏡なす池の面の散もみぢ

白亜なる舎利塔そめて法紅葉

散尽くすかと打ち仰ぐ大銀杏

枯れ果てて金釘折れの蓮かな

枯蓮黄泉も斯くやと眺めけり

水没すいまはのきはの枯れ蓮

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2016年11月15日

宝塚黙想の家(修道院)

『竹の春』

畝楚々と修道院の冬菜畑

錦繍の樹下黙想の椅子並ぶ

錦繍の森に白亜のトラピスト

玉砂利のごと木の実踏む杜の道

一と刷けの風が誘ふ木の葉雨

神苑の祈りの道の落葉踏む

禊場の神さぶ秋を聞きにけり

帰るさの宮の裏道竹の春

竹春の藪を貫き日矢とどく

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2016年10月4日

黒川ダリア園

『花ダリア』

二タまたに道しるべ立つ露葎

ちかみちと里人の指す露の道

天に宝積めと皇帝ダリア咲く

移り気の蝶落ちつかず花ダリア

蜜蜂にくすぐつたさう花ダリア

背高のダリアの毬とハイタッチ

一枚はコスモス咲かす棚田かな

しばらくは馬柵に凭れて秋惜しむ

吟行の句友は宝秋天下

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2016年9月21日

東光院萩の寺

『連理の碑』

萩寺の貫主なかなか俳句通

お茶席へ矢印の立つ萩小径

連理の碑こぼれし萩を花衣

萩屑を零すと見ればしじみ蝶

疾風にのけぞる萩の秀枝かな

萩の屑片よせて汲む手水かな

露の碑に短命の子規悼みけり

子規の句碑丈余の萩を籬とす

行き違ふには狭すぎる萩小径

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2016年9月2日

高砂鹿島神社の山里

『法師蝉』

句を拾ふどころではなし栗拾ふ

秋惜しむ大きな栗の木の下で

おちとこち相呼応して法師蝉

序破急と鳴き継ぎ絶句法師蝉

いわし雲串刺しにして飛行雲

風に舞ふ羽衣に似て秋の雲

秋耕の畝に離散す蟻の国

芝庭にホバリングしてあきつ群る

コスモスの園ジプシーす孤蝶かな

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2016年8月24日

新西宮ヨットハーバー

『波涼し』

べた凪となりてヨットの帆は無聊

逸る帆に舫ひ解かるるヨットかな

舷をノックしてをる波涼し

貝殻館涼し法螺貝試し吹き

貝殻に耳あてて聞く浜の秋

箱庭に世界の小貝集めたる

大玻璃にかげらふ影や泉殿

舘涼し玻璃窓三百六十度

端居して視線は沖つ帆にあそぶ

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2016年7月26日

万博記念公園

『蓮広葉』

宙進むごと窓涼しモノレール

雨垂れが太鼓打ちせる蓮広葉

蕭々と広葉を打ちて蓮の雨

大桟橋広き蓮池二タ分けす

万目の緑を洗ふ驟雨かな

鯉のボスさすが貫禄水脈涼し

あめんぼう鯉の吐息に追はれけり

涼しげな雨の水輪や心字池

せせらぎを右に左に避暑散歩

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2016年7月19日

神呪寺

『蓮大輪』

風いなしつつくつがへる蓮広葉

とゆきかくさまよふ風や蓮の花

風に耐ふいまはのきはの蓮の花

うろうろと池塘を巡る蓮見かな

蓮大輪たがのゆるびし亭午かな

白無垢を脱ぎすてしごと蓮散華

ひとひらに余命つなぎて蓮散華

蓮散華して水漬きたる葉陰かな

はな散りてより腰まがる蓮の茎

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2016年6月21日

尼崎農業公園

『蝌蚪の国』

田の蛙バステノールと雨に和す

水遁の術のごと蝌蚪泥神楽

雲切れて青天井や蝌蚪の国

漣の消ゆれば現るる蝌蚪の国

犇めきて一塚なせる濃あぢさゐ

あぢさゐの相凭れあひ雨重し

身に入むや災禍を縷々と水難碑

猪名野なる青嶺をさして飛機離陸

カーチェイスさながら進む水馬

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2016年6月11日

満願寺、高砂市ノ池公園、三原幸崎、二条城

『車前草』

小つむじにそつぽ向きたる落椿

ウエルカムとも谺せる初音かな

石つぶて否とびこみし蟇

葉桜のよきかげ落とす遊歩路

百千鳥天降る古墳の奈落径

締め縄の巌に笑窪苔の花

よくもまあこれだけの松亭涼し

峡空の間遠となりぬホトトギス

車前草の起ち直りをる轍かな

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2016年3月15日

岡本梅林

『落椿』

天辺に銀嶺見えて山笑ふ

春天へ抽んでてをる雪嶺かな

蒼天をはらふ大樹の花ミモザ

園児らの散歩道なる梅の丘

石柱を並べ欄とす梅の丘

風光る桜大樹の万蕾に

木漏れ日のスポットライト落椿

日翳ると忽ち鬱や落椿

藪椿鵯の一矢に落ちにけり

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