2021年12月の日記

2021年12月27日

三刀さんの訃報

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一昨日宇部のよし女さんから LINEで 下記の連絡が入りました。

12月3日主人三刀が大動脈解離で90歳の生涯を終わりました。20年前にも同じ病気をしましたが20年間生かされゴスペル俳句にも出会い、夫婦で楽しい思いを致しました。ありがとうございました。

自宅介護で私の腕の中でこと切れましたことに天を仰いで感謝しました。多くの方に実に良くしていただき、長男、長女も支えてくれ、私の心は感謝感謝で穏やかに過ごしております。

三刀さんの最後の作品が2020年11月〜12月のみのる選の記録に残っています。

湯豆腐の湯気のむかうに妻の顔 三刀
総身の葉捨てて大樹の冬支度  三刀

今となっては、三刀さんの辞世の作品となりましたが、その頃より体調が悪くなられたのだと思います。 今年のはじめ頃に、ご夫婦共々 GHを引退させてほしいとのご意向を聞いていました。

思い返せば、2011年には、はるばる宇部からお二人で吉野の一泊吟旅に参加されました。また、福岡のさつきさん、三原のあさこさん、智恵子さんらと一緒に宇部を訪ねて秋吉台のカルストを吟行したこともありました。

2018年には、さつきさんのお骨折りで、妹背句集が実現しとても喜んでおられたのを思いだします。

謙虚で熱心なお二人にみのる自身も支えられ励まされました。こころよりご冥福をお祈りします。

あたたかや天寿感謝と告ぐ訃報 みのる

よし女さんには、心落ち着かれたらぜひ GH復活をとお勧めしています。

2021年12月22日

素十俳句研究(合評)

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合評に参加してくださる方が少しずつ増えていて感謝です。

今のところ、一日一句をみなさんで合評していただき、原則として翌日には、みのる解を書くようにしています。当然ながら、みのる解が正解ということではありません。私も皆さんの鑑賞を拝見して「お〜なるほど」と勉強させていただいています。

何度も何度も書いていますが、俳句鑑賞に絶対正解はないのです。選者や他の仲間が作者である自分の思いを遥かに越えて評価してくださることってあるでしょう。つまり俳句鑑賞は、「それは違うでしょう…」などと批判しあう場ではなく、みんなで「良かった探し」をすることが目的なのです。

でも私は、もう少し時間をかけてゆっくりと鑑賞したい…

という方もいらっしゃるでしょうね。

素十俳句研究の教材は、倉田紘文氏が各句集から抜粋された200句を予定していますので予めお知らせすることができます。そこで手元にあるテキストを書き写し、PDFファイルに編集してタブレットで見ていただけるようにしました。下記よりダウンロードできます。

→ 高野素十作品二百句抄 New!

さらなる参加者がおこされるように私も頑張ります。

素十の句写して吾の夏書とす みのる

2021年12月16日

おすすめ漢字アプリ

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スマホやタブレットを電子辞書化するためにいろいろなアプリを試して最終的に採用したおすすめアプリを紹介します。

今回ご紹介するアプリは、iOS用も Android用もあるのでお持ちの端末によって iPhoneや iPadなどの apple製品なら App Storeから、Android製品なら Google Playからインストールできます。超おすすめの「広辞苑無料検索」については最後に説明します。

漢字辞典

圧倒的に調べやすい漢字辞典アプリです。手書きで字形から検索できる他、読み方や部首からも漢字を検索可能。検索した漢字は大きく表示され、書き順(筆順)表示にも対応。旧字体、異体字にも対応しています。

広告なし無料で使えます。初回起動時に他のアプリのインストールを勧められますが全て無視してください。

オフライン(ネットにつながってない状態)でも機能しますが、便利な検索機能はネット接続状態でなければ使えません。スマホでも十分実用になるので、おすすめ度 NO.1のアプリです。

漢字辞典 - 手書き漢字検索アプリ

漢字辞典 - 手書き漢字検索アプリ

Trips LLC無料posted withアプリーチ

漢字拡大ルーペ

漢字の書き方・書き順を拡大表示してくれるアプリです。薔薇(ばら)、魑魅魍魎(ちみもうりょう)…など、「よみ」はわかっているけど漢字の書き方が分からない時にパッと調べることができます。

これも広告なし無料で使えます。初回起動時に他のアプリのインストールを勧められますが全て無視してください。電子辞書では拡大に限界がありますが、このアプリはとても目に優しいです。

漢字拡大ルーペ - 漢字書き方・書き順検索アプリ

漢字拡大ルーペ - 漢字書き方・書き順検索アプリ

Flipout LLC無料posted withアプリーチ

Weblio国語辞典

漢字辞典 - 漢字辞書 - 漢和辞典 - 百科事典等々を串刺し検索できる無料のオンライン検索サービスです。ネット接続状態でないと使えません。機能は素晴らしいのですが広告が目障りで、これを消したければ有料(330円/月)になります。

しばらく使っていましたが後述する「広辞苑無料検索」を見つけてからは使わなくなりました。

Weblio国語辞典 - 辞書や辞典を多数掲載

Weblio国語辞典 - 辞書や辞典を多数掲載

GRAS Group, Inc.無料posted withアプリーチ

広辞苑無料検索

広辞苑無料検索

アプリではなく個人の方が開発されている WEBページですが簡単にアプリ化できます。Weblio同様にネット接続していないと使えませんが、有料のアプリを遥かに凌ぐ機能です。ただ個人サイトなので永続的に運営されるという保証はありません。

アプリ化するのはとても簡単です。

  • Android端末の場合は Chromeで、iPhone/iPad端末の場合は safariでそれぞれ上記リンクのサイトを開きます。
  • つぎに Chrome/Sfariの右にある縦三点ボタンを押し、「ホーム画面に貼付」を選ぶだけです。

上記アプリは、私のスマホ(Android)、タブレット(iPad)に入っていますので、興味のある方は自由に触ってみてください。アプリのインストールは、モバイル環境ではしないで自宅 WiFiにつながっているときにされたほうがよいです。

2021年12月15日

タブレットを電子辞書化して通信費無料で使う

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俳人なら誰でもが持っている電子辞書ですが、文字が小さいのと液晶が暗くて見づらくなりここ数年は使わなくなりました。その後は、スマホに辞書アプリを入れて使っていました。スマホならネットにジャンプして関連情報も見られるからです。

でも、もう少し大きい画面で使えたらと思って、今回、Cellular対応の iPad mini 中古を購入して試して見ることにしたのです。

月に数回程度しか使わないのにモバイル通信量を払うのは馬鹿らしいので、テレビでよく宣伝している「楽天アンリミット」を使います。初期手数料無料、1GB/月以下であればデーター使用料も無料なので、電子辞書代わりに使うにはうってつけです。自宅では WiFiで使用し、外で使いたいときだけモバイル通信するという使い方なので、1GBもあればお釣りが来ます。

楽天モバイル申し込みの流れを完全ガイド

というわけで、

Cellular対応のタブレットを電子辞書化して通信費無料で使う

という環境を試してみることになりました。

auや docomoのタブレットを既に持っていて今は自宅 WiFiでしか使っていないという方は特におすすめです。 但し、他社 SIMでも使えるように「 SIMロック解除 」の手続きが必要なので購入店で相談してみてください。現在契約していなければ、3,300円の手数料が掛かる可能性もあります。 docomoで2015年以降の機種であれば、WEB上で自分でできるという情報もあります。WEBからなら無料でできます。

dTab(d-01J)を SIMロック解除する

私は他にも試したいことがあって iPad mini5を買いましたが、電子辞書化に特化して使うなら mini4で十分ですし中古価格も随分こなれてきました。 Androidのタブレットでも楽天モバイルが使えるという情報はありますが機種によると思うので確認が必要です。

docomoの dtab d-01j は使えるようです。SIMロック解除済みで程度のいい中古が 10.000円くらいで買えるようです。

ただ、中古タブレットをネットオークションで買うのはリスクが高すぎます。私はいつも イオシス という中古専門のネットショップを利用しています。しっかりチェックされていて保証も厚く信頼できます。

電子辞書化といっても幾つかの辞書アプリをインストールするだけですが、数多くのアプリを試して最も使いやすいものに絞りました。過日の定例句会で実際に試してみましたが、なかなか使えます。興味のある方は次回手にとって触ってみてください。


句会の心がけ

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GHは結社ではないので、句会のマナー等についてあまり難しく言わないでやってきました。これからもそのつもりです。和気あいあい楽しくできればそれでいいと思っているからです。

ただ、変な習慣がついたまま他の組織や結社の句会に参加されたときに、長老格の人に睨まれないために最低限のマナーやルールは覚えて置かれたほうがいいと思います。そのために、入門俳句塾のなかで「みのるの心がけ」というページを設けて俳句ライフを楽しむ中で覚えておいたほうが良いと思われることを説明しています。

え!そんなぺーじあったの?

という方は、今一度目を通してみてください。「句会の心がけ」というところが役立つと思います。

みのるの心がけ

2021年12月7日

素十俳句の研究

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ご協力頂いた南上加代子句集の合評も残すところ3日で終了になります。次なる教材の選定について祈っていたところ、初学の頃に小路紫峡先生から諭された言葉を思い出して「これだ!」と思いました。

写生を訓練するために素十の作品を勉強しなさい。

高野素十は、秋桜子、誓子、青畝師らとともに昭和の四Sと呼ばれ、その時代の「ホトトギス」雑詠に一時代を画した作者です。秋桜子とともに東京帝国大学医学部で学んだ盟友であり、作句の面でも虚子門の同士として互いに切磋琢磨しましたが、後に、虚子の主張した「花鳥諷詠、客観写生」に反発した秋桜子が対立して、知る人ぞ知る「昭和俳句史初期の一大事件」に発展し袂を分かつことになります。

私は虚子先生から写生俳句を教えられた。ただ一筋に写生するという教えを受け、その通りに実行し勉強してきた。

徹底して虚子の教えを実践した素十俳句の価値観を否定する論者も少なくないが、それに反論することもせず、ましてや名実を求めるというような野心はかけらもなく、自らの意思で句集を編むということもなかったという素十の人となりには学ぶ点も多いと思う。作品の鑑賞のみにとどまらず、その人間像を学ぶこともまた意義のあることだと思います。

期の途中になりますが、加代子句集の鑑賞に引続いて素十俳句の合評に移行します。ぜひ一緒に学びましょう。一人でも多くの方が参加してくださって、『素十のこころ』を共有したいと願っています。

素十俳句研究に先立ち、素十を知る資料として下記を紹介しておきます。

昭和の四Sを探る 素十俳句の本質

2021年12月5日

俳諧大要に学ぶ

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Slackでふとつぶやいた正岡子規著『俳諧大要』について、メンバーの紫陽花さんが青空文庫でみつけたと教えてくださり、そこが起点となってよき刺激が広がりつつあります。Slackの活動がこのような形で結実していることにも感謝です。

原文は文語体で読みにくいのでわかりやすい現代語訳に挑戦しようかという話もしていたのですが、省略の効いた文語体の行間には子規が伝えたかった含蓄が潜んでいる気がして、半端な現代語訳では許されそうにないと思うようになりました。

馴染みにくい文語体であっても、読む人それぞれが辞書をたよりに自分なりに解釈し受け入れてこそ血となり肉となるのだと考えて現代語訳化はやめることにしました。というより、私には重すぎる…というのが本音です。

なんども読み返していく中で、いつ果てるともわからない薄命と戦いながらどのような思いで子規がこの書を記したのかを考えさせられるようになり、私なりに受け止めた思いを記録しておこう思って日記の記事に纏めました。

WEBページで公開されている子規論の関連記事も参照していますので、公式ページとしては位置づけずに日記のリンクだけにさせていただきました。Slackには別途リンクを貼らせていただきます。

俳諧大要に学ぶ

2021年12月3日

落穂句会

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満天星の紅葉火屑をこぼしけり みのる

今日は高砂にある尾上聖愛教会での落穂句会でした。いつものようにホームグラウンドの市の池公園での吟行です。

例によって GH晴れになり昨日の寒さからは一転、温かい日差しで気持ちの良い園内を散策しました。苑の一隅にひときわ炎のように燃える満天星紅葉を発見しスマホカメラに収めました。ごちゃごちゃした背景がボケるようにポートレートモードでの撮影です。右側にある百日紅の幹がまたいいでしょう(^^)

お母様の介護でここしばらく吟行の叶わなかったわかばさんが、やさしいご主人の計らいで特別に参加できました。感謝!

みのるの近詠 も更新しました。

2021年12月2日

重複リセット問題

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過日、兼題句会で重複リセットトラブルが発生しましたが、すぐにプログラムを修正して再発防止を図りました。

各句会システムには、リセットフラッグというチェックファイルがあります。

毎日句会のリセットフラッグには、[20211203] というふうに今日の日付が記録されていて、アクセスがあるたびにフラッグの日付と今日の日付を比較して、日付が変わっていたらリセットプログラムへ作業を引き継ぎます。

句会システムのリセットは以下のようなルーチーンで処理されます。

対策前のリセットルーチン

ページアクセス→1.フラッグチェック→2.実行確認画面→3.リセット実行→4.フラッグ書換→リセット終了

4.のフラッグ書換まで完了していれば、別の人がアクセスしても 1.のフラッグチェックで蹴られるので重複リセットは発生し ません。でも実際は発生したのです。

リセットプログラムの処理時間は 1/10秒以下なのですが、人の操作が介入する 2.の [実行確認画面] というプロセスは時間が読めません。ここが盲点だったのです。

つまり 3.のリセットが実行される前に複数のユーザーが 2.の [リセット実行確認画面] に到達して停滞していれば、何人でも何度でもリセットが実行されてしまいます。

発生確率は数秒間だと思うのですが、そのくらいのタイミングで複数の方がリセット操作をされたのだと考えられます。

対策後のリセットルーチン

ページアクセス→1.フラッグチェック→2.実行確認画面→3.リセットを実行する前にもう一度フラッグをチェック(実行済みなら何もしないで終了)してからリセット実行→ 4.フラッグ書換→リセット終了

修正したのは、3.のプロセス、つまりリセット実行の入口でもう一度フラッグチェックするようにしたのです。

この結果、2.の [実行確認画面] で何人停滞していても、1/10秒以下で同時押しされない限り重複でリセットされることはなくなります。人の番人が存在すれば、

いま Aさんがリセットしようとしてるから Bさんはちょと待ってね!

という対応ができますが、システムは命令書どおりに忠実に実行してしまうのです。

毎週句会は曜日チェック、兼題句会は年月チェックになるだけでコンセプトはみな同じです。私のミスで兼題句会システムへの重複防止対応を忘れていたというのが今回のトラブルの原因でした。

興味のない方には面白くもないお話でごめんなさい。

2021年12月1日

季語講座

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LINEでのあさこさんとのおしゃべりで季語に関する悩みをお聞きしたので、みのるの考え方を纏めてみました。

季重なり

俳句入門するとまず「季重なりの禁止」を教わります。でも正しくは、

「季語が二つある」から季重なりなのではなく、「季感が複数ある」ものが季重なり…

と覚えてほしいのです。初学の間は季感を的確に判断することは難しいので、ある程度上達して理解できるようになるまでは一句の中に複数の季語を使うことを戒めているのです。次の句を鑑賞してみてください。

ビーチ傘立ちし薩摩の芋畑

GHを公開して間もない頃、みのる選のこの作品に対して「季重なりではないの?」という疑問が寄せられました。「ビーチ傘」は夏の季語「芋畑」は秋の季語なので明らかな季重なりではないのか…というのです。

みなさんはどう思われますか?

芋畑のほとりに使い古しのビーチ傘がちょっと傾いて立てられている…というのが句の情景です。おそらくこの芋畑は、初秋の収穫前の時候ではないかと想像できます。

畑仕事の合間に残暑の日差しを避けて休憩できるように大きなビーチ傘を立ててあるのでしょう。芋どころ薩摩ならではのローカルな生活ぶりが感じられないでしょうか。

確かに歳時記では「ビーチ傘」は夏の季語です。けれどもビーチで使われているという状況下でなければ季語として働かないと思います。倉庫の中で保管されていたり粗大ゴミとして捨てられているビーチ傘に夏の季感はないからです。

季語が入っていても無季

造花の薔薇を句に詠んでも命のないものに季感はないので、ことばとしての季語が入っていても無季の句…ということになります。絵画や写真もしかりです。決して「季語さえ詠み込めば俳句」ではないので勘違いしてはいけません。

ホームや車内吊りの桜や紅葉のポスターは、当季の情報を伝えるためのものなのでギリギリセーフと云えます。

季語が複数でも同季なら…

「季語は絶対に一つ」という厳しい指導者もおられます。

組織での活動なら指導に従うしかありませんが、 の場合は、同季の季語であれば複数詠み込んでも可としています。

但し、主季語が明確になるように表現する必要があります。具象的な季語同士の場合は喧嘩してしまうので、具象的な季語を主役にして感覚的な季語との組み合わせなら違和感は生まれないと思います。このあたりの扱いはやや上級の判断が必要なので初学の間は真似しないほうがいいと思います。

目には青葉山ほととぎす初鰹

この句は、三段切れ、季語が3つという特異な作品です。決して名句だとは思いませんが、「何となくそんな頃」という時候の挨拶として世間ではよく引用されます。3つの季語はいづれも夏、まさにそんな頃…という季感の句なので、季重なりではないです。

当季に縛られず季感で詠む

吟行で当季ではない季語と遭遇したときに、無理やり当季で詠もうとされる方が少なくありません。(夏の)薔薇、秋薔薇、冬薔薇にはそれぞれ固有の趣があるわけで、今が秋だから秋薔薇、今が冬だから冬薔薇ではないのです。

必ず当季で詠むこと、そうでない句は決して採らない

というような強引な指導は間違っていると私は思います。

どのような季節であっても眼前の対象物や情景に最も相応しい季語を斡旋すべきです。たとい秋の吟行であっても春の雰囲気として捉えたほうが季語が生きる場合は、自分自身の感興を春にタイムスリップさせて春の句として詠むのが正しい詠み方だと思います。

春の趣を感じたのに今が秋だから無理やり秋の句として詠む…のはむしろ虚構です。

約束事に縛られて窮屈な詠み方が習慣になると正しい感性が養われなくなります。規則や理屈にしばられて詠むのではなく自分自身の感覚を大切にして融通無碍の世界に遊ぶことこそが本物の俳句の楽しみ方だと私は信じています。

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