みのる選
俳句 | 作者 |
険磴に息つく山の彼岸寺 | 素秀 |
母詣でして妻と食ぶ彼岸餅 | 豊実 |
生かされて彼岸詣でや押し車 | 董雨 |
疏水路を巡る彼岸の南禅寺 | わかば |
紙風船さみしい時は高く揚げ | 菜々 |
幸せな日々是感謝彼岸かな | もとこ |
膨らます水風船の重きかな | ぽんこ |
彼岸入り夫の手塩の仏花かな | 明日香 |
天窓に頬摺りやまぬゴム風船 | なつき |
紙風船つけば自ずと数へ唄 | うつぎ |
猫パンチ連発風船裂けにけり | かかし |
肩車パパより高いゴム風船 | よし子 |
彼岸会や婆に教はるかぞへ歌 | みづき |
角風船をかしつくたびあらぬ辺に | やよい |
無住寺の開かずの扉彼岸寒 | よう子 |
紙風船突く度音の潰れゆく | たか子 |
忿怒の相して風船を膨らます | せいじ |
新発意の声変はりして彼岸経 | よし子 |
リハビリに吹く風船や息足りず | うつぎ |
開店の祝い風船蒼天へ | 宏虎 |
彼岸寺無縁墓にも供華数多 | 満天 |
置き薬箱に四角の紙風船 | はく子 |
風船を放ちイベント終了す | こすもす |
長風船きゆきゆと捩ればうさぎさん | 小袖 |
数へ唄途切れ風船落ちにけり | うつぎ |
山寺に履物溢れ彼岸講 | 隆松 |
お楽しみ袋に一つ紙風船 | 豊実 |
俳句 | 作者 |
いぬふぐり踏むまじと園めぐりけり | 董雨 |
犬ふぐり秀でるものの無かりけり | たか子 |
梅東風や祈願の絵馬の打ちあひぬ | もとこ |
廃線の枕木に添ふ犬ふぐり | たか子 |
病む友へ励ます写真いぬふぐり | こすもす |
蒼天に呼応するやに犬ふぐり | 明日香 |
梅東風に戯れあそぶ群雀 | 満天 |
いぬふぐり探しあてれば次々と | せいじ |
強東風にカットした髪押さへつつ | ぽんこ |
犬ふぐりまだ枯草の残る野に | はく子 |
犬ふぐり残して庭の手入れ終ふ | よう子 |
いぬふぐり見てより心晴ればれと | 小袖 |
禰宜衣東風に膨らみゐたりけり | 宏虎 |
梅東風や風切る車夫の赤だすき | みづき |
強東風に音遠ざかる救急車 | もとこ |
日溜まりのなぞへに笑まふ犬ふぐり | わかば |
近道に思はぬ出会ひ犬ふぐり | みづき |
手付かずの菜園畠にいぬふぐり | 董雨 |
潮入の波の音聞くいぬふぐり | 董雨 |
犬ふぐりバスを待つ間の立ち話 | よう子 |
強東風に張りては弛む舫ひかな | かかし |
舗装路の亀裂をつなぎ犬ふぐり | 素秀 |
強東風に押す自転車の重きかな | 満天 |
犬ふぐり踏まじとジャンプする子かな | みづき |
強東風に飛ばし過ぎたるテニス球 | ぽんこ |
あばら家となりて暦年犬ふぐり | もとこ |
強東風や岩掴めずによろけ鳥 | 隆松 |
犬ふぐり戦闘機飛ぶ空の下 | なつき |
強東風に吊橋通行止めと札 | 小袖 |
強東風に乗りたる打球フェンス越へ | せいじ |
東風の池綺羅の漣駆け巡り | わかば |
東風の音に潮騒混じる湯宿かな | 素秀 |
鎖樋東風をいなして武者震ひ | たか子 |
梅東風に駆けて行く行くランドセル | 菜々 |
俳句 | 作者 |
御朱印を貰ひし宮の梅探る | こすもす |
探梅の紀州のどこも海明り | よう子 |
千切りの包丁の音春隣 | かかし |
日々変わる赤子の笑顔春近し | ぽんこ |
海晴れて真青き空や春隣 | わかば |
籠り居を解き探梅の小半日 | うつぎ |
退院の目処を聞きゐる春隣 | やよい |
探梅のどの道行くも坂がかる | 宏虎 |
紫に靄る稜線春隣 | うつぎ |
陽を欲りて天へ徒長す梅の枝 | たか子 |
車窓より瀬戸の島々春隣 | 董雨 |
農小屋に新らしき鍬春隣 | みづき |
亡き友と曾て来た丘梅探る | 菜々 |
書き始む菜園日誌春隣 | かかし |
探梅や眼下に播磨灘展け | わかば |
探梅行玉の日和を授かりて | はく子 |
師の句碑の丘へ探梅日和得て | はく子 |
林道を深々と入り梅探る | 素秀 |
足長き我が影が先探梅行 | なつき |
ハミングの洩るる厨や春隣 | かかし |
魁の白のひと枝梅探る | もとこ |
ランドセル背負ふ練習春隣 | 豊実 |
梅探りがてら産土詣でかな | はく子 |
マネキンの花柄ドレス春隣 | 満天 |
春隣試飲にめぐりす蔵の町 | 菜々 |
探梅行一会の人と道づれに | よし子 |
菅公の国見の丘へ梅探る | 菜々 |
枝々に目鼻を近づけ梅探る | 明日香 |
笹叢の黄金色射し春隣 | せいじ |
天皇の遠流の島に梅探る | うつぎ |
頬撫でる野路の風はや春隣 | こすもす |
二三人京ことばなり探梅行 | よし子 |
俳句 | 作者 |
刃物売り話巧みに大根切る | 小袖 |
煮えたかとつつく大根穴だらけ | たか子 |
コロナ禍で悴む心句に晴らす | 明日香 |
大根の肩がはみ出すレジ袋 | 豊実 |
悴む手振る空港の別れかな | 小袖 |
悴みて心に憂ひ募りけり | わかば |
悴む手もて閼伽桶を洗ひけり | 明日香 |
悴みて釣り銭落とす朝市場 | よし子 |
尼寺の大根匂へる厨口 | みづき |
悴みて珈琲カップ双手持ち | 満天 |
葉は菜飯皮はきんぴら庭大根 | うつぎ |
濯ぎ物悴む指をなだめつつ | たか子 |
自転車に振り分け大根父帰る | よう子 |
闘病の夫煮大根旨してふ | やよい |
悴む手生命線に息を吹く | かかし |
沙弥総出襷掛けして大根干す | せいじ |
煮大根煮れば煮るほど飴色に | 明日香 |
悴みて明日の二合の米を研ぐ | よう子 |
悴む手ホットレモンにほぐれけり | 満天 |
悴みてテニスラケット手につかず | ぽんこ |
悴む手ぐうちよきぱあと指体操 | かかし |
スーパーの切売り大根逆立ちす | よう子 |
抜くまでは長さわからぬ大根かな | 明日香 |
悴む手息吹きかけて励ましぬ | こすもす |
紙漉女水操りて悴まず | 宏虎 |
大原の家並み軒々大根干す | みづき |
余りたる煮大根カレーに変身す | なつき |
大根のリヤカー引いて農学生 | 素秀 |
悴みて弁解しどろもどろかな | うつぎ |
悴みて山頂に待つ御来迎 | はく子 |
悴みてポッケの句帳出たがらず | ぽんこ |
悴む手小さき両手がつつみ呉る | もとこ |
悴みて解けぬ結び目鋏入る | 満天 |
立ち往生めく大木や大根干す | せいじ |
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