2021年度のみのる選
俳句 | 作者 |
ベビーカー頬真つ赤なる冬帽子 | 豊実 |
冬夕焼馳せる一矢は飛行雲 | かかし |
舟券を突き上げおらぶ冬帽子 | 素秀 |
父の部屋遺愛の冬帽掛かりいて | 明日香 |
学び舎を包み染めたる冬夕焼 | 満天 |
デイケアの母はニットの冬帽子 | せいじ |
汽笛鳴る明石海峡冬夕焼 | 豊実 |
訪へば施設の父の冬帽子 | うつぎ |
パスボート冬帽脱いで見せにけり | 宏虎 |
墨絵めく八重の遠山冬夕焼 | 智恵子 |
冬帽のフリマの幼な頬真つ赤 | 隆松 |
抽んでし東寺の塔や冬夕焼 | せいじ |
冬帽の若き漁師の耳ピアス | もとこ |
居酒屋に忘れものなる冬帽子 | よう子 |
若返る老いのお洒落の冬帽子 | 満天 |
一筋の黒雲かかる冬夕焼 | ぽんこ |
晩鐘の間遠にひびく冬夕焼 | こすもす |
納竿の視線の沖に冬夕焼 | 豊実 |
冬帽子駅中ピアノ演奏す | みづき |
冬帽が舟漕いでゐるコンサート | うつぎ |
タンカーの沖に影引く冬夕焼 | わかば |
お賽銭乗る石仏の毛糸帽 | なつき |
と見るまに消ゆ山峡の冬夕焼 | 菜々 |
冬夕焼土手走りゆく影法師 | 素秀 |
狛犬に巫女の手編みの冬帽子 | かかし |
俳句 | 作者 |
孫つれて被爆地を訪ふ暮の秋 | せいじ |
このために取り置きし炭秋刀魚焼く | うつぎ |
焼き上がる今年の秋刀魚スリムなる | ぽんこ |
千年の大樹の杜に秋暮るる | もとこ |
疫禍いつまでと溜息秋暮るる | 智恵子 |
生涯を同じ地に住み秋の逝く | はく子 |
夕鐘の谺間遠に秋暮るる | わかば |
久に点く隣家の灯し暮の秋 | うつぎ |
九十翁より届く句集や暮の秋 | やよい |
慌たゞしく退院支度暮の秋 | 董雨 |
暮れの秋長き土塀に夕日落つ | みづき |
秋暮れて灰色と化す湖の面 | 隆松 |
秋暮るる卒寿の父も恙なく | 豊実 |
一病の夫と分け合ふ秋刀魚かな | もとこ |
仏舎利塔いよいよ白し暮の秋 | はく子 |
秋暮るる旅の計画なきままに | 満天 |
己が膝抱えて縁に暮の秋 | 素秀 |
淀川の流れ常しへ秋の逝く | はく子 |
炊きたての飯と秋刀魚があればよし | 宏虎 |
父母懐かしみ切炭で秋刀魚焼く | みづき |
秋暮るや秘密基地めく石舞台 | かかし |
大楠の洞供物無く秋暮るる | たか子 |
秋刀魚煙どつと吐き出す換気扇 | うつぎ |
個性あり秋刀魚の骨の残し方 | こすもす |
島影の滲む大琵琶暮の秋 | 隆松 |
洗濯物頬で確かむ秋の暮 | 明日香 |
父の顔忘れたと母秋刀魚食ぶ | わかば |
トンネルを出れば金星秋の暮 | よう子 |
もてなしは秋刀魚にしてと帰国の子 | うつぎ |
戻りこぬ猫を探して秋の暮 | 素秀 |
病院の夕食に食ぶはつ秋刀魚 | 董雨 |
田の神の裏は捨て畑秋暮るる | うつぎ |
一万歩には一寸足らず秋の暮 | 小袖 |
猫カフェーみな保護猫てふ暮の秋 | なつき |
蜘蛛の囲の破れ繕はず秋暮るる | 明日香 |
ベンチ朽ち果てし荒れ寺秋暮るる | たか子 |
俳句 | 作者 |
早暁やダイヤ光に草の露 | 明日香 |
千枚の刈田にひびく水の音 | なつき |
露けしや主亡くせし三つ揃 | うつぎ |
登校の子らが横切る苅田かな | よし子 |
庭草の朝日に光る露の玉 | 満天 |
雑草の纏ふ朝露エメラルド | ぽんこ |
焼き跡のまあるく残る刈田かな | やよい |
芋の葉の朝露七転して遊ぶ | 満天 |
畦散歩先ゆく犬が露払ひ | よう子 |
刈田道里の山々近くなり | かかし |
草露に靴びしよ濡れや登校子 | 素秀 |
露けしや熊野古道の童子像 | もとこ |
苅田道右手に左手に藁匂ふ | 隆松 |
露の世の土に埋もれし力石 | 小袖 |
露の身を相労りて恙無く | わかば |
わんぱくの戦場となる刈田かな | もとこ |
朝市の陳列台に露残る | 宏虎 |
稲の香の仄かに残る刈田風 | せいじ |
縄跳びのジャンプに光る草の露 | たか子 |
千枚の幾何学模様なす刈田 | ぽんこ |
まほろばの里に展けし苅田かな | 明日香 |
露けしやカナダと記す移民の碑 | うつぎ |
夕暮れの刈田に猫の影法師 | 豊実 |
芋の葉に笑ひころげし露の玉 | よし子 |
牧牛の睫毛を濡らす露雫 | 智恵子 |
俳句 | 作者 |
外厠明かるうしたる花木槿 | せいじ |
御神木樹齢千年法師蝉 | よし子 |
みんみんが鳴けば法師蝉黙す | やよい |
一休みして又鳴きはじむ法師蝉 | たか子 |
合宿の夕餉支度やつくつくし | 素秀 |
朝まだき声ととのはぬ法師蝉 | 明日香 |
法師蝉厨の吾を急かすやに | こすもす |
遠来の友との一会つくつくし | もとこ |
満開に咲いても寂し白木槿 | よし子 |
底紅に雫残りし暁の雨 | 素秀 |
恙なきひと日に感謝白木槿 | 満天 |
昼暗き里の林道法師蝉 | みづき |
底紅を秘むる蕾や小間茶室 | わかば |
酒匂ふ灘の通りや木槿咲く | みづき |
長雨を抜けし日差しやつくつくし | うつぎ |
白むくげ日々新たなる朝迎ふ | はく子 |
人住まぬ旧家の木槿大樹なる | 明日香 |
地謡はもうゐずなんぬ法師蝉 | うつぎ |
威儀正し入る山門法師蝉 | みづき |
師の句碑へ鳴き継ぐ寺のつくづくし | やよい |
補聴器を外せば法師蝉間遠 | よう子 |
登廊にとどく間遠の法師蝉 | ぽんこ |
俳句 | 作者 |
少年は蛇口へ頭晩夏なり | よう子 |
水玉をまろばせあそぶ蓮の風 | 満天 |
蓮広葉ま向きそ向きに風いなす | 更紗 |
蓮の風少女は膝の本を閉づ | よう子 |
山の端へ落暉傾く晩夏かな | 明日香 |
紅ほのと蓮の蕾の宝珠なす | はく子 |
船底の藤壺を削ぐ晩夏かな | 豊実 |
間歩出でし吾に目潰しの晩夏光 | かかし |
膝の傷一つ増えたる子の晩夏 | 素秀 |
旅終へて余韻に浸る晩夏かな | もとこ |
俳句 | 作者 |
揺り椅子に身を委ねつつレース編む | みづき |
ひざまづき病葉を撮るカメラマン | 小袖 |
病葉に残る緑のありにけり | ぽんこ |
黒レース着て人目引く女かな | うつぎ |
病葉の重なりあへる木の根道 | たか子 |
スワトウのレースハンケチ母偲ぶ | もとこ |
朝日洩るレースのカーテン目覚め良し | 満天 |
病葉の寧しと落つる畜魂碑 | 素秀 |
汕頭のレースに旅を懐かしむ | うつぎ |
襟白きレースのシャツの留学生 | 素秀 |
病葉がマリアの像の裾埋む | はく子 |
病葉の半分はまだみずみずし | こすもす |
センターは白のレースや今朝の卓 | せいじ |
病葉の貼り付く亀の甲羅かな | やよい |
卓に敷くレース孔雀の羽根模様 | 明日香 |
晩年の今が幸せレース編む | うつぎ |
風纏ひレースカーテン大欠伸 | 豊実 |
風が梳く髪のすなほやレースの子 | もとこ |
踏み惑ふほど病葉や裏参道 | よし子 |
足湯する病葉浮きし有馬の湯 | みづき |
寄る辺なき母の枕辺レース編む | わかば |
おさげの子レースのリボン跳ねてくる | よう子 |
露天湯や病葉払ふ脱衣籠 | みづき |
レース編むテラスの風の心地良き | 智恵子 |
俳句 | 作者 |
手びねりの湯呑みに新茶淹れにけり | 満天 |
明るさに時計見直す夕薄暑 | こすもす |
渡船場に干物の匂ふ島薄暑 | うつぎ |
ゆくりなく新茶楽しむ日を得たり | みづき |
百寿僧説法終へて新茶汲む | かかし |
縁に売る新茶知覧の武家屋敷 | やよい |
新茶の香茶筒を開けし瞬間に | 明日香 |
新茶入れ偕老の健喜びぬ | 菜々 |
蜑の路地抜けて展けし海薄暑 | わかば |
半袖の腕軽やかや街薄暑 | 明日香 |
宅急便新茶に一句添へられて | 智恵子 |
波消しへ汐打つ匂ひ浜薄暑 | わかば |
和菓子買ふ店に頂く新茶かな | 満天 |
巫女化粧うなじに残る薄暑かな | なつき |
暁光にきらめく波や海薄暑 | 素秀 |
リハビリと足並み合はす薄暑かな | やよい |
雑草の匂ひにむせる道薄暑 | ぽんこ |
百貨店あかね襷で新茶売る | やよい |
ふるまひの新茶一ぷく和菓子買ふ | みづき |
風化して読めぬ丁石辻薄暑 | よう子 |
選挙カーがなりたてゆく街薄暑 | もとこ |
山影の微動だにせず池薄暑 | 宏虎 |
待合にワクチン接種待つ薄暑 | なつき |
存問の一筆添へて新茶来る | 素秀 |
俳句 | 作者 |
ふるさとも母も遠しや桜餅 | よし子 |
堰落つる水音に淀の春惜しむ | 満天 |
陶の里白磁器に盛る桜餅 | かかし |
離宮跡訪ふて水無瀬の春惜しむ | せいじ |
バス待つ間磯のかをりに春惜む | みづき |
コロナ禍を憎みて老いの春惜しむ | 宏虎 |
春惜しむ湖畔の道を遠回り | よう子 |
泰平の世を願ひつつ春惜しむ | たか子 |
春惜しむ巡拝日和賜りて | 董雨 |
桜餅母エプロンをたて結び | よし子 |
惜春やをりをり届く遠汽笛 | わかば |
外出の叶はぬ母と桜餅 | うつぎ |
春惜しむ遺愛の蘭に心よせ | うつぎ |
雑草にルーペを合はせ春惜しむ | うつぎ |
助手席に座す家苞の桜餅 | 素秀 |
廃寺なる放生池の春惜しむ | 明日香 |
峡の日に抱擁されつ春惜しむ | 明日香 |
桜餅少し濃い目にお薄点て | 満天 |
惜春や伊吹の尾根に座り雲 | 隆松 |
仏壇の母に声かけ桜餅 | 豊実 |
御朱印帳みせあひ旅の春惜しむ | こすもす |
塩漬けの葉もお手製の桜餅 | うつぎ |
釉薬の緑に映えし桜餅 | たか子 |
遠峰の移ろふ色に春惜しむ | 隆松 |
いとこ会女ばかりやさくら餅 | はく子 |
我が庭の狭きながらも春惜しむ | もとこ |
引越しの決まりし部屋に春惜しむ | なつき |
春惜しむ一筆書きのやうな雲 | ぽんこ |
疎水べり辿りて京の春惜しむ | せいじ |
俳句 | 作者 |
険磴に息つく山の彼岸寺 | 素秀 |
母詣でして妻と食ぶ彼岸餅 | 豊実 |
生かされて彼岸詣でや押し車 | 董雨 |
疏水路を巡る彼岸の南禅寺 | わかば |
紙風船さみしい時は高く揚げ | 菜々 |
幸せな日々是感謝彼岸かな | もとこ |
膨らます水風船の重きかな | ぽんこ |
彼岸入り夫の手塩の仏花かな | 明日香 |
天窓に頬摺りやまぬゴム風船 | なつき |
紙風船つけば自ずと数へ唄 | うつぎ |
猫パンチ連発風船裂けにけり | かかし |
肩車パパより高いゴム風船 | よし子 |
彼岸会や婆に教はるかぞへ歌 | みづき |
角風船をかしつくたびあらぬ辺に | やよい |
無住寺の開かずの扉彼岸寒 | よう子 |
紙風船突く度音の潰れゆく | たか子 |
忿怒の相して風船を膨らます | せいじ |
新発意の声変はりして彼岸経 | よし子 |
リハビリに吹く風船や息足りず | うつぎ |
開店の祝い風船蒼天へ | 宏虎 |
彼岸寺無縁墓にも供華数多 | 満天 |
置き薬箱に四角の紙風船 | はく子 |
風船を放ちイベント終了す | こすもす |
長風船きゆきゆと捩ればうさぎさん | 小袖 |
数へ唄途切れ風船落ちにけり | うつぎ |
山寺に履物溢れ彼岸講 | 隆松 |
お楽しみ袋に一つ紙風船 | 豊実 |
俳句 | 作者 |
いぬふぐり踏むまじと園めぐりけり | 董雨 |
犬ふぐり秀でるものの無かりけり | たか子 |
梅東風や祈願の絵馬の打ちあひぬ | もとこ |
廃線の枕木に添ふ犬ふぐり | たか子 |
病む友へ励ます写真いぬふぐり | こすもす |
蒼天に呼応するやに犬ふぐり | 明日香 |
梅東風に戯れあそぶ群雀 | 満天 |
いぬふぐり探しあてれば次々と | せいじ |
強東風にカットした髪押さへつつ | ぽんこ |
犬ふぐりまだ枯草の残る野に | はく子 |
犬ふぐり残して庭の手入れ終ふ | よう子 |
いぬふぐり見てより心晴ればれと | 小袖 |
禰宜衣東風に膨らみゐたりけり | 宏虎 |
梅東風や風切る車夫の赤だすき | みづき |
強東風に音遠ざかる救急車 | もとこ |
日溜まりのなぞへに笑まふ犬ふぐり | わかば |
近道に思はぬ出会ひ犬ふぐり | みづき |
手付かずの菜園畠にいぬふぐり | 董雨 |
潮入の波の音聞くいぬふぐり | 董雨 |
犬ふぐりバスを待つ間の立ち話 | よう子 |
強東風に張りては弛む舫ひかな | かかし |
舗装路の亀裂をつなぎ犬ふぐり | 素秀 |
強東風に押す自転車の重きかな | 満天 |
犬ふぐり踏まじとジャンプする子かな | みづき |
強東風に飛ばし過ぎたるテニス球 | ぽんこ |
あばら家となりて暦年犬ふぐり | もとこ |
強東風や岩掴めずによろけ鳥 | 隆松 |
犬ふぐり戦闘機飛ぶ空の下 | なつき |
強東風に吊橋通行止めと札 | 小袖 |
強東風に乗りたる打球フェンス越へ | せいじ |
東風の池綺羅の漣駆け巡り | わかば |
東風の音に潮騒混じる湯宿かな | 素秀 |
鎖樋東風をいなして武者震ひ | たか子 |
梅東風に駆けて行く行くランドセル | 菜々 |
俳句 | 作者 |
御朱印を貰ひし宮の梅探る | こすもす |
探梅の紀州のどこも海明り | よう子 |
千切りの包丁の音春隣 | かかし |
日々変わる赤子の笑顔春近し | ぽんこ |
海晴れて真青き空や春隣 | わかば |
籠り居を解き探梅の小半日 | うつぎ |
退院の目処を聞きゐる春隣 | やよい |
探梅のどの道行くも坂がかる | 宏虎 |
紫に靄る稜線春隣 | うつぎ |
陽を欲りて天へ徒長す梅の枝 | たか子 |
車窓より瀬戸の島々春隣 | 董雨 |
農小屋に新らしき鍬春隣 | みづき |
亡き友と曾て来た丘梅探る | 菜々 |
書き始む菜園日誌春隣 | かかし |
探梅や眼下に播磨灘展け | わかば |
探梅行玉の日和を授かりて | はく子 |
師の句碑の丘へ探梅日和得て | はく子 |
林道を深々と入り梅探る | 素秀 |
足長き我が影が先探梅行 | なつき |
ハミングの洩るる厨や春隣 | かかし |
魁の白のひと枝梅探る | もとこ |
ランドセル背負ふ練習春隣 | 豊実 |
梅探りがてら産土詣でかな | はく子 |
マネキンの花柄ドレス春隣 | 満天 |
春隣試飲にめぐりす蔵の町 | 菜々 |
探梅行一会の人と道づれに | よし子 |
菅公の国見の丘へ梅探る | 菜々 |
枝々に目鼻を近づけ梅探る | 明日香 |
笹叢の黄金色射し春隣 | せいじ |
天皇の遠流の島に梅探る | うつぎ |
頬撫でる野路の風はや春隣 | こすもす |
二三人京ことばなり探梅行 | よし子 |
俳句 | 作者 |
刃物売り話巧みに大根切る | 小袖 |
煮えたかとつつく大根穴だらけ | たか子 |
コロナ禍で悴む心句に晴らす | 明日香 |
大根の肩がはみ出すレジ袋 | 豊実 |
悴む手振る空港の別れかな | 小袖 |
悴みて心に憂ひ募りけり | わかば |
悴む手もて閼伽桶を洗ひけり | 明日香 |
悴みて釣り銭落とす朝市場 | よし子 |
尼寺の大根匂へる厨口 | みづき |
悴みて珈琲カップ双手持ち | 満天 |
葉は菜飯皮はきんぴら庭大根 | うつぎ |
濯ぎ物悴む指をなだめつつ | たか子 |
自転車に振り分け大根父帰る | よう子 |
闘病の夫煮大根旨してふ | やよい |
悴む手生命線に息を吹く | かかし |
沙弥総出襷掛けして大根干す | せいじ |
煮大根煮れば煮るほど飴色に | 明日香 |
悴みて明日の二合の米を研ぐ | よう子 |
悴む手ホットレモンにほぐれけり | 満天 |
悴みてテニスラケット手につかず | ぽんこ |
悴む手ぐうちよきぱあと指体操 | かかし |
スーパーの切売り大根逆立ちす | よう子 |
抜くまでは長さわからぬ大根かな | 明日香 |
悴む手息吹きかけて励ましぬ | こすもす |
紙漉女水操りて悴まず | 宏虎 |
大原の家並み軒々大根干す | みづき |
余りたる煮大根カレーに変身す | なつき |
大根のリヤカー引いて農学生 | 素秀 |
悴みて弁解しどろもどろかな | うつぎ |
悴みて山頂に待つ御来迎 | はく子 |
悴みてポッケの句帳出たがらず | ぽんこ |
悴む手小さき両手がつつみ呉る | もとこ |
悴みて解けぬ結び目鋏入る | 満天 |
立ち往生めく大木や大根干す | せいじ |
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