昨日は家内の4回目の抗癌治療でした。全8回の治療なのでようやく折り返したことになる。辛くて続かない人もいると聞いていたが、家内の場合はそれほどでもなく元気にしているので感謝です。
さて、今日も、「立子へ抄」から一緒に学んでいきましょう。
選
俳句の選という事は、俳句を作るという事と相並んで重きをおくべきものである。句会の席上でも作句に努力する人はかなり多いが、選句に努力する人は余り沢山ない事を実は残念に思って居るのである。中には自分の前に廻ってきた句稿を取上げて自分の句が句稿にあるかないか、という事に気を止めるくらいでさっさと次へ廻してしまうような無責任な人もある。こういう人は一生かかっても選句が上手にならぬばかりか作句の進歩も覚束ないものである。
選という事に深く意を払って自分の作句の拙かったのを恥ずるが如く、自分の選の拙ずかった事を恥ずる位に心掛ける人でなければ駄目である。
句会の席上で私の選句にのみ重きを置くのは間違って居る。苦心して選をする人であるならば自然その選の中にその選者の傾向、好尚等を看取する事が出来る。作句に接してその人の風貌を懐かしむ如く、その選句に依ってその人の好尚を看取すべきであろう。
(昭和8年7月) - 高浜虚子著 「立子へ抄」より -
ひいらぎの句会で互選披講中の紫峡先生の様子を観察したことがあります。先生は静かに目を閉じてじっと披講に耳を傾けておられた。句会のあとお茶に誘ってくださった時に、
「互選を聞かれながら先生は何を考えておられるのですか?」
とお聞きしたら、
誰がどんな選句をしているかを注意深く聞いていると、その作者の成長の度合いがよく分かる。 選句力は作句力の裏返し、まぐれで佳句を授かることはあるが、まぐれで良い選をすることはできないから…
と言われました。その時からそれまでの自分の選に対する認識、態度を反省して改めました。
GHの毎日句会の選でも同じことが言えます。上手な人がどのような選をしているか、自分の選とみのる選との合致度はどうかということを分析して復習することはとても有意義なことだと思います。虚子先生の俳話からもわかるように、こうした地道な努力を重ねている人は上達も早いです。
私の愛読書の一として「立子へ抄」という文庫本があります。
虚子先生の次女星野立子氏が主宰された「玉藻」の創刊号から30年間書き続けられた「立子へ」は、俳句の作り方、読み方、折々の感懐、回想など虚子先生が興のおもむくままを記録した俳話集です。
今日は、吟行で句を詠むときの心がけについて書かれた一節をご紹介しましょう。
季題を見出す
吟行などの時分、また庭園などで写生する時分に、いちばん大切なことは如何なる季題がそこに存在するか、ということである。勿論さまざまな季題が其処に存在しているであろうが、そのうちで如何なる季題が一番今の心を引くか、ということである。実景に対しては先ず適当な季題を見出すということに心すべきである。その季題さえ見出し得れば、その季題と心とは旨く結びついて、句が出来るであろう。
季題のことを考えずに、俳句を作ろうとあせる人は無駄な時間を費やすことになる。
(昭和24年12月) - 高浜虚子著「立子へ抄」より -
虚子先生の言われる季題というのは、季語というよりも季感というほうが適切かもしれませんが、ややこしくなるので季語の意で説明を続けましょう。
俳句を始めたばかりの頃は、五感を駆使して感じる訓練ができていないのでどうしても目で見える季語が主体になります。でも忍耐強く吟行の訓練をしていると、聴覚、触覚、味覚、臭覚も併せて季語を探せるようになります。いちばん大事なのはこの季題を探すという訓練なのです。
つまり、季語に対して五感のアンテナを張るわけです。けれども実際に季題を見出そうとする時、実体験を通して自分の感覚として身につけたものしか役に立ちません。知識として覚えたそれは単なることばとして記憶しているだけなので、実景を詠もうとするときに心に響いて湧き出てくるということはないからです。
歳時記で目新しい季語を見つけたから…というような理由でお試しで使う人がいます。新しさを追求することは大切な姿勢ですが、実感として身についていない季語に頼んで佳句が授かるということはあり得ないのです。
今日の合評会は素秀さんが初参加してくださり楽しい学びの時を持ちました。
岩鏡日を失へばただの草 紫峡
合評会のあとはスマホを WiFiルーターとして使うデザリングの勉強をしました。よほど古い機種でなければすべてのスマホで使える機能です。
スマホとタブレットの両方を契約されている方はある意味もったいないので、タブレットの契約期間(2年)が過ぎたら解約してスマホのデザリングで使うようにされるといいです。また、すでに WiFi専用のタブレットをお持ちで自宅の WiFiでのみ使っているというかたもスマホをお持ちでしたらデザリングを使うことで外出先でも使うことができます。
文章を読んだり説明を聞いてもわかりにくいのでよく知っている方に手ほどきを受けられるといいです。GHの句会のときに聞いてくださっても構いません。ぜひ試してください。
明日は久しぶりの合評会ですね。いま頑張って予習しています。温かい良いお天気になりそうなの午前中吟行されるといいかも知れませんね。
WEB句会は今日で投句締切です。2月は早いので勘違いのないようにしてください。
日程が紆余曲折してしまいご迷惑をおかけしました。奈良学園セミナーハウス(直哉旧居)からも内諾をいただきましたので4月26日(金曜日)に決めました。取り急ぎ予告ページを作成しましたので御覧ください。詳細は3月定例(中山寺)で相談します。
せっかくなので直哉旧居に早く着きたいと考え、原案では現地集合を9:30に設定しています。ただこれだと能勢チームの場合、光風台発が7:36になりますので、やや厳しいかと思います。このあたりは相談して再検討します。
市内バス無料(210→0)、万葉植物園割引(500→400)などの特典もあるので [ 奈良・斑鳩1 dayチケット] の利用をお薦めします。激安にはなりませんがチケットを見せるだけで乗降できるので便利です。
ぽんこさんと相談し、2019年度5月以降の吟行句会計画(案)をまとめました。句会場も一応仮予約しています。
詳細は、吟行案内ブログ に書きました。
これまでのように第4火曜で固定しますと、せっかくの旬を外すこともあるので 5月(万葉植物園藤の園)と、11月(嵐山嵯峨野)は第2金曜日にしました。 7月(布引滝)と9月(万博公園彼岸花)は第4火曜日です。
高齢化やその他の諸事情で以前のように全員参加を視野に入れた計画は無理と思いますので最低10人程度の参加者が見込めれば実施させていただきたいと願っています。一応3月の定例句会でみなさまの賛同を得たうえで決定したいと願っています。
合評会についてはこれまで通り偶数月の第4火曜で進める予定です。
PS:
5月句会の参加予定者が10名を超えましたので具体的に勧めます。
直哉旧居は1階の食堂テーブルを借りれそうです。写真で見ると12名ですが、追加の椅子とかは大丈夫だそうなので相談に乗ってもらえると思います。浮気しないで萬葉植物園へ直行(タクシー分乗)し、バスで早めに旧居へ戻りましょう。ただ旧居では食事できないので植物園で早昼弁当をいただきます。旧居の会場費は、2,000円+1人200円です。
今日の定例句会は有志で菊正宗酒造記念館を吟行しました。
あいにくの雨でしたが、思いがけなく酒樽づくりの実演工房を見学させて頂くことができてラッキーでした。まさに職人技とも言える見事な手さばきで一本の釘も使わずに出来上がる様子に感動しました。この見学会は基本的には毎日開催(午前10:30/午後2:00 約30分)のようですが20名限定なので予約が必要だそうです。
吟行の道すがら、どうしたら即吟ができるのかというお話になりました。私の場合、徹底して多作するための特訓を何度も受けました。一泊吟行で1時間おきに10句という句会を何度も繰り返すというものです。
句の良し悪しとかは無関係、とにかく1時間で10句揃える訓練です。移動に時間を割けないので自ずとひと処で集中する習慣もつきます。GHでも吉野でそれに似た鍛錬会をしましたね。
このようにして一泊吟行で100句近く詠むのですが、その中に10句くらいはまずまずという句があるのです。私の場合 GHの吟行でも手当たり次第にメモして20~30句は詠むようにしています。十分な推敲時間が取れないので未完成の句も多く、句会ではメンバーとバッティングしそうな作品を避けて適当に選んで出句します。
帰宅してから少し時間をかけて推敲します。この時間が一番愉しいのですがときには疲れて気がのらないときもあります。そんなときは一晩寝てリフレッシュし翌日に推敲します。大抵の場合半分くらいは句会で出句したものと入れ替えたり、推敲して季語や措辞を代えたりという作業をして近詠に載せるようにしています。
数少ない句を練り直しても効果は少なく、即吟で佳句を詠む…というような秘訣もありません。どんなに優れたプロの作家であっても一発必中で佳句を詠む…ということは至難なのです。
とにかく多作してその中から選ぶ…という手法が一番楽です。一句でも多く詠めば詠むほど佳句を授かる確率は上がります。多作鍛錬会ぜひまたやりましょう。俳句ライフが変わりますよ。
温かや天地返しに樽造り みのる
スマホのメールアドレスとパソコン用のそれとを使い分けたり、インターネットブロバーダーやスマホの契約会社から指定されたアドレスをそのまま使っている…という人は多いですね。
なかにはブロバーダーから割り当てられたデフォルトの長いアドレスをそのままお使いの場合もあります。本来メールアドレスというのはそんな窮屈に縛られるものではなくまったく自由なのです。
スマホやタブレットが普及し通常の生活ではこれらで十分用が足りるのでごくたまにワードやエクセルで作業するような時のほかはパソコンを開くことがない…という方も増えています。パソコンのアドレス宛にメールを送ってもなかなか返事が来ない…というパターンになりますね。
最適な方法は、パソコンもスマホもタブレットもすべて同じメールアドレスで運用することです。私は Gmailというフリーのメールアドレスを取得してそれをパソコンにもスマホにも、またタブレットにも設定しています。重要なのはメールを閲覧したあとサーバーから削除しないという設定をしておくことです。一度メールを見るとサーバーから削除されて他の端末からは見られない…というのではこまるからです。
このような設定にしておけば、スマホを変えようがブロバイダーを変更しようが全く影響を受けません。パソコンアドレス宛に送られてきた重要なメールのチェックを失念していて大失敗する…ということもなくなります。
フリー(無料)で使えるメールサービスは Gmailの他にも沢山ありますが、Gmailが一番おすすめです。セキュリティーや複数端末で使うときの利便性などがダントツで優れているので、インターネットに精通している人たちの多くは Gmailを利用しています。
アカウント(メールアドレス)の取得も設定も何ら難しくはないのですがわからないときは遠慮なく聞いてください。必要なら合評会のときにでも簡単なレクチャーをしましょう。
いつもお祈りをありがとうございます。毎週水曜日の午前中に抗癌治療に通っています。
自宅から車で5分位にある町中の泌尿器科医です。私が車で送っていってお昼前に終わりますのでまた迎えに行きます。治療自体には苦痛とかはないそうですが治療後に少し疲れが出るようで、先週はお昼を食べてから少し昼寝をしていました。でもとても元気で今日も友の会に出かけました。昼からは明日の句会用にお礼のケーキを焼くそうです。
明日は珍しくお天気が崩れるという予報ですが大崩れしないように祈ります。酒蔵の街をめぐりながら春の吟行を楽しみましょう。公園の南高梅咲いているかな…
野遊びや俳句できてもできずとも みのる
最近は個性的な素材を見つけて詠もうと挑戦されているのが伝わってきて嬉しく頼もしいです。今週は欲張りすぎてかえって焦点がボケてしまった句やひねりすぎの句をあえて強添削しました。
直しすぎ…と批判を受けそうですが、もう一歩踏み込むことで新鮮な作品に変わることを学んでほしいのです。原則として作者の感興を汲んで直したつもりですがお気に召さなければ私に気を遣わず捨ててください。
原:バレンタイン主治医に貰ふチョコレート
添:行きつけの主治医に貰ふ愛のチョコ
近所のかかりつけ医との信頼関係が微笑ましい。でも食べ過ぎはあかんよ!といわれたのでは?
原:スケボーの空飛びて東風引き裂けり
添:スノボーの空中遊泳風光る
宙に浮き上がった瞬間を写生します。スノボーのほうが高さが出るのでより豪快観がある。
原:チャイム鳴り飛び出す校庭雪遊び
添:チャイム鳴り全校生徒雪遊び
先生方の粋なはからいで…という感じまで演出してほしい。
原:百年の堵列の墓に青き踏む
添:堵列せる百基の墓に下萌ゆる
命の尊厳を詠みたい。この場合の百基は絶対数ではなく七曲り、九十九折れと同意と捉えてほしい。
原:晴れ晴れとリハビリの道笹子鳴く
添:頑張れとリハビリの道笹子鳴く
笹鳴きを励ましの声と聞くことでリハビリの措辞が活きる。
原:風呂上がる夫にあわせて栄螺焼く
添:夫風呂を上がるころかと栄螺焼く
原句はやや義務観が漂う。妻ならではの気配を感じて晩酌の準備をはじめたのです。幸せなご主人ですね。
原:春愁のショートメールや友が癌
添:癌告知知らすメールに春憂ふ
不慮のメールがとどいた故に春愁が募るのである。
原:茎立ぬジャングルジムの四隅かな
添:下萌のジャングルジムに子らの声
下萌のほうが作者の意図にふさわしい。四隅はかえって説明的になる。
原:寒卵割ればとびだす黄身ふたつ
添:寒卵良きことあらむ黄身二つ
"あら!" という驚きを捉えたい。
原:干し物の終るを待たず氷りけり
添:干し物の広ぐまもなく凍りけり
所作を具体的に表現したい。措辞としては凍るがふさわしい。
原:うすら日に父の遺愛の梅にほふ
添:供華とせし父の遺愛の梅にほふ
お父さんの人柄が匂うのです。梅は強剪定しても良いので供華にしてほしい。
原:吊り橋をはさみて梅の香を競ふ
添:吊橋をはさみて梅の遅速かな
狙いは分かるが吊橋を挟んで匂いの比較はやや無理がある。日当たりの違いで遅速が出る。
原:挨拶の二言三言春寒し
添:二タ三言交はして路地の春寒し
二言三言と挨拶は重複表現。寒いので長話出来ないのです。
原:猫柳ほどけ川風光りけり
添:猫柳縺れほぐれつ風光る
揺れながら春光を弾いている猫柳に焦点を絞りましょう。この種の季重なりは気にしなくて良い。
いつとなく埋もれていた標記のページを復活させました。併せて TOPページのリンクも少し変えました。
ブログの「 四時随順」とバッティングするのですが、本家のものは発足当初からありましたので残すことにしました。読み返すと懐かしくもあり恥ずかしくもあるのですがここが GHの原点のような気がしています。
何かと問題も多く WEB管理者としては手を焼く Google Chrome ですがユーザー視点ではダントツで便利なのでやはり一番人気ですね。特にスマホを新しくするときなど設定をすべて Google で同期しておくことで、LINEなども含めて何もしなくても前の設定を引き継いでくれるので大いに助かります。Chromeを快適に使い続ける秘訣は、ときどき履歴を掃除することです。これを放置するとだんだん重くなります。
ところで、Chromeには Beta版があるのをご存知ですか?
今使われているのは正規バージョンですが、ほぼ目処のついた次期バージョンが Beta版として公開されているのです。私のスマホは Androidなので Android Chrome Beta をインストールしてみました。
正規版より動作がキビキビしている感じがします。頑張って進化させているのでしょう。ブックマークや設定は基本的に正規版の設定がそのまま引き継がれます。正規版と Beta版は共存出来ますのでぜひ試してみてください。
ios版もあるのだと思いますが見つけられませんでした。PC版も試しています。こちらの方は劇的な変化は感じられないですがもう少し使って みます。
今日は添削させていただいた作品の説明をしてみます。
取り上げた作品はどれも新しさがあり素敵な作品ですが、具象性に欠けるところを補ったり、やや作りすぎの措辞を素直な表現に直す…という作業をしました。
原:旅の宿氷柱落つ音に目覚めけり
添:旅の朝氷柱雫の音に覚む
音(おと)では字余りになるので、"つららおつねに…" と読ませたいのだと思うがこうした無理な作風は避けたほうが良い。俳句はリズムを大事にしたい。
原:大の字に男寝そべる浜四温
添:大の字に寝そべつてみる浜四温
実景はそうであったかも知れないがこの句の場合は一人称で詠むほうが俳諧味がある。自分を対象物に同化して詠むのはテクニックの一つでもある。
原:発電の羽根早春の気を廻す
添:早春の気を廻しをる大風車
発電の風車としたかったけれど字余りにがなるので苦労されたと思う。早春の気を廻す…とうのがこの句の生命であるから大風車で良い。廻しをる…とすることでゆっくり廻っている様子も伝わる。昨今はあちこちに見かけるので大風車といえば十分連想できる。
原:天に咲き落ちて地に咲く白椿
添:雪を敷くごとき大樹の落椿
言いたいことを欲張りすぎ。上を見て下を見てという詠み方は句の焦点が分散するので避けたほうがよい。見事な白椿の大樹が主役だと思うのでそこへ焦点を絞って詠むといい句になる。
原:春立ちて達磨めきたる夕日落つ
添:春の海達磨のごとき夕日落つ
原句ではどこに落ちていく夕日なのかが見えてこない。達磨に見えるのだから当然海でしょう…というのは知らない人には伝わらない。早春の頃の夕日は大きく見えるので季語は動かない。
原:嬉々として夫は畑へあたたけし
添:啓蟄や嬉々として夫畑へと
今日は温かいから…という観察なら平凡な句になってしまう。冬ごもりから抜け出し満を持して…の意と鑑賞すると微笑ましい作品となる。啓蟄は小動物が穴を出る…という意があるが時候の季語としてこのように取り合わせると説明せずとも後者の意を連想させることができる。
原:托鉢を覗けば寒紅差しゐたり
添:托鉢の仄と寒紅差しゐたり
笠を被っていたので覗くになったと思うが、ごく控えめに差していたと観察することが新鮮で女性の托鉢僧の身上がいろいろ連想でき一編の小説にまで広がる秀句となる。寒紅の季語は気丈夫な女性を写生した句が多いがその逆を詠むことで新鮮な句となる。
原:梅の香が万葉歌碑を包みけり
添:梅が香に万葉歌碑をたもとほり
初心者の句なら原句でも合格としたが、そうではないのであえて添削した。早春の梅が香に親しみつつ万葉の歌人たちならどんな風に詠んだだろう…と思いを馳せながら巡っているのである。作者の実力ならワンステップ飛躍させた詠み方を目指してほしい。
原:隠れ里絵踏の島の入江かな
添:春寒し絵踏の島の入江かな
その昔、絵踏があったという隠れ耶蘇の島を訪ねその入江に佇った感慨であるから春寒しの季語がふさわしいと思う。絵踏は季語であるが 「絵踏の里」は季語として無理。
今回取り上げなかった作品も含めて毎回こんな思いで添削しているので、「なぜ、こういう風に添削されたのか」をよく復習していただけると嬉しいです。
このような添削の説明もときには必要かと思いますが正直あまり気は進みません。説明されずとも分かる様にならなければ実践には役立たないからです。合評研究会の学びはそのために実施していますのでぜひ参加してください。
毎日句会の投句修正がうまくいかない問題、何通りかのケースが有ったようで気づかずに申し訳ないことでした。一つづつ解決していきますのでお困りの方は遠慮なく申し出てください。
掲示板システムは、目的別に3種類に分けました。
特に難しいルールもなく制限もありませんが、共有日記の場合は基本的にレス(返信メッセージ)は控えます。
"こんな書物(記事)を読んで(見て)こんな風に感じました…"
"どこどこに出かけたときにこんな一期一会を授かって感動しました…"
"最近こんなことに取り組んでいます…"
という感じで互いの日記を公開しあう場になれば嬉しいです。
◯◯さんの◯月◯日の共有日記の記事を読んで感動しました。…
そうそう私もよ!
という感じのコメントは談話室に書かれると対話が展開していくのでいいと思います。
「ひとこと」へのリンクは、毎日句会、WEB句会のページにあります。また「みのるの日記」ページのナビゲーションメニューに共有日記へのリンクをつけました。「談話室」には「新規投稿」ボタンの下に共有日記へのリンクがあります。それぞれ難しく構えず気軽にお試し投稿してみてください。
GHホームページの中で各ページがどのように見られているのかをチェックできるようにしています。
これは2月2日から2月8日までの一週間に各ページにアクセスされた回数のデーターです。TOPページが1番なのは当然ですが、以下、毎日句会、日記、更新情報、談話室、毎日句会みのる選、入門俳句塾、はじめてガイド、プロフィール、俳句入門講座…と続いて、これらがベストテンということになります。
2番目の毎日句会から6番目みのる選あたりまでは、メンバー中心のアクセスでしょう。7番の入門俳句塾以降が一般の訪問者の傾向になると思います。ゲストの方がよく見て下さるこれらのページは特に注意してメンテナンスする必要があります。
意外なのは11番目にサイト内検索[Search]があることです。どんな風に使われているのか気になりますがそこまではわかりません。ついで WEB句会、無料添削、個人情報、月例句会と続きます。
稼働していないこの期間でも12番に WEB句会があるということは、何をしてるんだろう?…と読者の興味を引いている証拠でしょう。無料添削も TOPページに見えるように変えてから問い合わせが増えています。正直ですね。
…とまあ、こんなな感じにときどきチェックしながら各ページの管理をしています。
昨夕、あさこさんから毎日句会投句の修正が出来ないという問い合わせがありました。
もともと異なる端末からは修正出来ないようにプログラムにしてあったのですが、あさこさんの場合はどちらもタブレットだとのことでしたので改めてプログラムを見直しました。その結果問題の箇所が見つかりましたので修正した処、うまくいったと報告がありました。
今回のバグ修正により異なる端末からでも修正できるようになります。これまでにも一部の方にはご迷惑をおかけしてしていたと思うので申し訳ありませんでした。WEB句会もその箇所は同じプログラムでしたので修正しておきました。
俳句は座の文学と言われます。つまり吟行や句会があるから愉しいのです。
作品を通してそれぞれの生活や考え方がわかりますし、吟行することでその土地の風習や歴史を知ることもできます。お弁当を食べたりお菓子を分け合ったりしながら他愛のないことをおしゃべりして過ごす和気あいあいとした時間が愉しく癒やされるからです。
つまり、俳句は文学であるとともにコミニュケーションツールとして素晴らしい手段であると言えます。即ちそれは GHの俳句理念でもあるのです。GHメンバーの中には、色んなご事情で句会参加が叶わず毎日句会や WEB句会を唯一楽しみに俳句を続けておられる方もおられます。そのことを覚えてインターネット句会でもコミュニケーションを育んでほしいと切に願っています。
GHには 談話室 、 ひとこと 、 共有日記 など複数の掲示板がありますが、どれもいまいち盛り上がりに欠けるのが現状です。書き込んでも反応がなければ虚しいので次第に誰も書き込まなくなる…という悪循環かも知れないですね。それを気遣ってよくフォローしてくださる方もおられますが、メンバー全員がその意識を持って互いに協力することが大切と思います。そうして育まれた人間関係は必ず人生を支えてくれる大切な財産になると思います。
家内のためにお祈りやお見舞いをいただき感謝します。
昨日から術後の治療が始まりました。膀胱がんの場合、放射線治療はできないそうで、小一時間ほど BCG液を臓器内に注入するという治療法です。結核菌でがん細胞をやっつけるらしいです。一週間に一回で7〜8週続けます。
人によって違うそうですが家内の場合は、さほど苦痛はなく続けられそうだと言ってます。今朝は、能勢の小袖さん宅で収穫されたという八朔(はっさく)を美味しそうに食べてました。一安心です。
GHに触れたページを WEB検索していて何だか難しい研究報告を見つけました。書庫に保存したので興味のある方は読んでみて下さい。
報告書は5人の大学教授の共同執筆としてまとめられているのですが、その概要をご紹介しましょう。
- クロスメディア俳句研究フォーラムの発足に寄せて -
グローバル化,マルチメディア化等,今世紀に入って変貌を遂げようとしている俳句を,認知心理学,比較文学,情報科学等の多様な学際的視点から研究対象として取り上げ, 教育や異文化コミュニケーション等での新たな可能性を拓く方向について展望する。
…
以下各先生の長〜い論文が続きます。
GHのことに触れた記事は、「俳句を対象とした感性モデルの構築」という論の中にあります。
…
最後に,画像や音響効果と俳句を組み合わせたマルチメディア俳句について考える。 画像と俳句と組み合わせた「俳画」と呼ばれる作品形態があるが,近年では,「ゴスペル俳句*1」や「SF俳句*2」 といった,これまで組み合わせること自体考えられなかった作品形態が見られるようになった。
…
(九州工業大学 吉田香)
*1 http://www.gospel-haiku.com/ *2 http://www.scifaiku.com/
論文の日付は2003年ですから GHのホームページを公開してから3年目くらいに書かれた記事です。いまは Google検索でも上位にヒットするようになりネット俳句の魁として認識されるようになりましたが、当時はある意味では異端視されていたんでしょう。
俳句が学術研究の対象になるとは思いませんでしたが、桑原武夫が第二芸術論を書いた頃とは違って文学の一として認められているという証ではないかと嬉しくなりました。
でも驚きましたね(^o^)
春になりましたね。昨日は家内の誕生日、家族で太巻きを食べケーキを頂いて古希を祝いしました。
2月の WEB句会の兼題は「啓蟄」にしました。じつはこの季題には青畝先生の思い出があるのです。
「啓蟄の大地に漫画描く子かな」の原句を青畝先生が添削して特選として選んでくださり選評まで書いてくださったのです。先生の評が掲載されてから先輩諸氏に囃されて赤面した若き日の思い出です。
「現代の俳句を味わう」 阿波野青畝
啓蟄の大地漫画の描かれけり 山田 實
現代は漫画流行する世の中になった。絵本とかテレビとかで既にありふれて見ているけれど、あたたかになった地面に描かれた漫画に作者は驚いた。啓蟄とは時候を表すとともに地上へ出てくる虫類をも指すのであるから漫画の普及として面白い新しい作である。
月刊誌「声俳壇」より引用
いま振り返ってみて、自身の作品云々よりも、90歳近かった当時の青畝師がこの作品を新しいと捉えてくださったその選句眼にただただ驚くのです。
青畝先生の啓蟄の句を見てみましょう。
啓蟄の穴同然と開きけり
啓蟄のみみず日光浴を忌む
啓蟄の蟻今何を求むるや
啓蟄の堤を列車走りけり
啓蟄や杭の頭のつぶれたる
啓蟄の奥へと槌のひびきけり
なんだか楽しくなるでしょう(^o^)
啓蟄にまず小手だしぬもぐらもち 青畝
この句は、みなで合評していますので懐かしいですね。
青畝全句集には啓蟄とともに「地虫出づ」の句も掲載されています。なので WEB句会の兼題も「啓蟄 / 地虫出づ」どちらでいいことに変更します。
2月は開始日が22日です。早めに準備してしっかり推敲しましょう。
5句とも捉え処がよく個性的で良い句です。少し添削しました。
原:待春の傘をはみ出すランドセル
添:春雨の傘をはみ出すランドセル
ぴかぴかのランドセルを背負って入学を待ちわびる幼子のワクワクした気分が伝わってきます。待春の傘…でそれを伝えたい作者の意図は十分理解できるが季語として無理を感じます。ピントはずれになるかも知れないけれど素直な表現にしてあとは鑑賞者の連想に委ねるほうがよいでしょう。
原:かばかりの梅園なれど堪能す
添:かばかりの梅園なれど香に満つる
ごく近場の小さな梅園を訪ねた。思いのほか良い香りを放って自分を歓迎してくれたことに作者自身の気分も満たされたのである。具体的なことばを選ぶことでより力強い句になる。
原:ゆるび無き砂紋に梅の影揺るる
添:乱れなき砂紋にしるき梅の影
波のように描かれた美しい砂模様を直線で貫くように梅の枝が影を落としている様子である。原句はしだれ梅の写生だと思うが「梅の影」の季語はシャープさを捉えなければ活きない。揺れると何の影でも良くなる。
原:鈍色の景一変す今朝の雪
添:鈍色の景白変す今朝の雪
冬ざれて色彩感のなかった里の風景が朝窓を繰ってみると昨夜に降った雪で浄化されたように真っ白に変わっていたのに驚いた。雪に白の措辞をあてるのに抵抗があるかも知れないが、この句では白変のほうが具体的で鮮烈。
原:荒縄の井の字六段大根干す
添:荒縄の井の字井の字に大根干す
丁寧に荒縄で括られた大根がすだれのように干されている情景を美しいと感じた。寒い季節の里人たちの健気な生活ぶりも想像できる。この句の場合具体的な段数には意味がない。句のリズムを大切にするためにリフレインという表現法も工夫したい。
吟行案内:詳細のブログを更新して3月の定例吟行(中山寺)とスワン吟行(太閤園・藤田邸跡公園)の案内を掲載しました。
このブログの記事にはタグがつけてあります。現状は、合評会・吟行句会・定例句会・年度計画の4つですが将来増えるかも知れません。
各記事のタイトルの下に、[ 定例句会 ] のような表示があると思います。どのタグでも構わないのですがこれをクリックすると同じタグのつけられた記事だけが絞り込まれて一覧表示されます。
検索しなくてもシステムが勝手に処理してくれるのです。
宏虎さんやぽんこさんがそれぞれ早め早めに会場確保してくださってイベント情報に登録してくださるので感謝です。ただかなり先付で情報が開示されますので勘違いが生じるおそれもあります。必ず 吟行案内 で確認するようにして下さい。こちらには当月と翌月の予定を載せるようにしています。
WEB句会で初雀の句を沢山の方が選んでくださって感謝です。モデルは 能福寺 にある兵庫大仏です。
二週間ほど前、家内のアッシー君で神戸百年記念病院へ行ったときに立ち寄って授かったものです。能福寺は清盛が出家した平家の祈願寺で近くには清盛にまつわる史跡や有名な兵庫運河もあって吟行向きの場所です。機会があれば案内します。
兵庫大仏は、奈良、鎌倉と並んで日本三大大仏と言われています。明治24年に建立された初代大仏は青銅製の立派なものだったそうですが、第二次世界大戦の金属類回収令で無残にもひきづり倒されたそうです。現在の大仏は平成3年に再建された二代目です。