2024年7月の日記

2024年7月24日

なぜ会員制なの?

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会員資格基準の見直しに併せて次のような詳細説明を付け加えました。既に会員資格を取得済みの皆様も情報共有していただいでご理解いただけると感謝です。

なぜ会員制なの?

公開時は参加自由でしたが、無料であるゆえに心無い参加者が類友をなし、ルール無視で句座を席巻してモラルある運用ができなくなったという過去の経緯があります。

会員制にしているのは、そうしたネット荒らしの侵入を抑止して安全で健全なサイト運営を維持するためですのでご理解下さい。

2024年7月23日

郵送無料添削の廃止

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ここにきて郵送無料添削の奉仕をやめることにしました。

プレバト人気が引き金になって無料添削希望者が急増したことは感謝なことだったのですが、無料だからとりあえず…という衝動的な訪問者があとを絶ちません。

没つづきの指導に忍耐できずに挫折される方も多く舵取りに苦慮する日々が多くなったこともその一因ですが、 運営の終活というのが正直な本音です。

無料添削をやめると毎日句会参加への道も閉ざされるので、新たに「 資格承認申請 」という仕組みを設けました。

自信作10句を添えて申請していただき作品を拝見した上で資格承認の可否をご返事するというものです。

伝統俳句を正しく理解し実践されている方ならどなたでも歓迎します。

というキャッチフレーズですが、作品を拝見することで概ねそれが計り知れるからです。

非承認の場合でも何度も再申請できるようにしました。上手下手ではなくて俳句と向き合う姿勢の問題だということに気づいていただけるように促していこうと思います。

2024年7月22日

良い俳句を作る練習

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クリスチャンの人は日課として聖書を通読するという習慣があります。短期日に一気読みするのではなくて一年間365日をかけて聖書の全巻を読むというものです。そのために「今日はどの箇所を読む」というようにスケジュールされたものを聖書日課といいます。

読みすすむ聖書日課や薔薇の雨

読んでおしまいなのではなくて、その箇所を通して今日神が私に何を語りかけておられるのかを祈り心で聴くのです。これを デボーション とも言います。

仏教や他の宗教でも「日々経典を読む」という習慣はあるでしょうね。

入門俳句レッスン のページに「 俳句バイブル」という青畝師の俳話集があり、聖書の旧新約あわせて66巻と同じように66の記事に分けられています。一日一記事というふうに決めて読み進めると66日で読み終えるので、一年間通読すれば5回は読める計算になります。

一読何のことかわからない…という記事もあるでしょうが気にせず続けてください。日々の修練で壁にぶち当たったようなときに突然「なるほど!」と理解できることがあります。盲目的に知識を丸暗記しても実作には役立ちません。体験を通して納得できたノウハウこそが本物なのです。

今日私が読んだ箇所は表題のような記事でした。

24.

良い俳句を作る練習には二つあるように思う。

一つは良い俳句を読まねばならぬ。これは良い俳句から学び取り、自分への滋養を吸収する。たとえば古格を知り格調に馴れ、切字の働き、含蓄をもつ言語を選ぶための練習である。であるから古今にわたる立派な作品を鑑賞する。暗記せずともよいがすぐ思い出させるのほどなじんでおけばよい。

もう一つは周囲をよく観察する。いわゆる写生の目を常に向けておく習慣が必要である。句の生まれるヒントは向こうからやってくるのだが、といって棚ボタで待つようではいつまでも来ないのだから、自分で努力して変化する周囲に気をつける。するといろいろな興味を惜しみなく与えてくれる。自然の美の発見や想像が自分をして行為せしめるようにするであろう。

右の二つの練習は、物の本質である大観を捉えることと、作者たる自分の発見創造とをアレンジしつつ上達する一つの方法であると思う。

剣法でいう白眼の構えと青眼の構えとに似ている大事なことである。

(青畝師著「自然譜」より引用)

2024年7月19日

オンライン句会の実施は見送ります

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7月度から実施を考えていた月例のオンライン句会の実施は見送ることにしました。

第四土曜日固定という運用がみなさまの生活リズムを制約してしまうのはよくないと気づきました。みのるの独断先行をお許し下さい。

毎日句会や吟行句会と衝突せず、より愉しい俳句ライフの助けとなる仕組みについて、もう一度ゆっくりと考え直すことにしました。「こんなシステムがあったらいいな」というようなご要望があればぜひFeedbackで教えて下さい。

2024年7月18日

梅雨明け

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今朝は熊蝉が鳴き始めました。

九州南部は梅雨明けしたとのこと、今週末には関西、関東も梅雨明けの見通しだそうです。梅雨明後は一気に猛暑が予想されるそうで、いよいよ夏本番を迎えます。

7月上旬、家内にメニエル症状がでました。

一日中家の中にいたのですがどうやら軽い熱中症だったようです。高齢になると発汗による体温調整がうまくできないのでしっかり水分補給をするとともに苦手であっても上手に冷房と付き合うなどの注意が必要ですね。

私の場合、エアコンは29℃に設定し、遠く部屋隅から扇風機を回す…という方法をとっています。

猛暑では吟行も叶わず作句意欲も減退しますから無理をせず夏やすみも必要です。ただ漫然としていたのでは俳句脳が退化するので、私の場合は先人の句集を読むのを日課にしています。

今朝も阿波野青畝選の四季選集を繰っていたら、こんな句が見つかりました。

冷房が表まで効くパチンコ屋 水口徹

外まわり仕事の途次にパチンコ屋の前に佇って汗を拭いていた若き日のサラリーマン時代を思いましました(^o^)

2024年7月16日

家内の俳句

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二十数年前の話ですが、家内も二年ほど俳句結社「ひいらぎ」に在籍していたことがあります。

みのるが結社の事務的な奉仕で多忙なときは家内にも手伝って貰うことがあり、そんな中で紫峡師や主宰夫人とのご縁も生まれたからです。

吟行や吟旅にもときどき参加しましたが、彼女の一番の目当てはグルメでした。日々家事に追われる主婦にとって旅先での据え膳は最高の癒やしなんでしょうね。

彼女の詠む俳句には野心がなく独り言のような稚拙な句が多かったですが、かえってそれが良かったのか思いがけず紫峡選に選らばれたりして大喜びしていました。

防虫剤匂ふセーターバス混みぬ

空腹にひびく太鼓や村まつり

レストラン花見弁当ありと札

"あのときの地産料理美味しかったわね!"

と懐かしみながら、紫峡師の人となりを偲びつつお饅頭でお茶しています。先生も甘党でした(^o^)

2024年7月15日

参加資格を見直ししました

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毎日句会への参加を望まれるみなさんのために新しい入口を設けました。

 資格承認申請

従来の参加資格は「添削で学んでいただく」ことが前提でしたので、敷居を跨ぐ前に二の足を踏まれる方があったかも知れません。

運営理念そのものは基本的に変わらないのですが、すでに伝統俳句を正しく理解されていてネット上の健全な句座を探しておられる方には近道になるかと思います。

2024年7月13日

上達の道しるべ

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入門俳句レッスンに表記のページを追加しました。青畝師の俳話集から転載したものですが初学を卒業され実作経験を積まれた方に読んでいただきたい内容になっています。

上達の道しるべ

2024年7月12日

LINEミーティング

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「LINEミーティング」は、新しくスタートしたオンライン句会で採用している仕組みですが、まだあまり良く知られていないようなので紹介しておきます。

LINEでグループや複数人のトークを作らずとも、指定のURLにアクセスするだけで最大500名でグループビデオ通話ができる機能です。スマートフォン版LINE、パソコン版LINEの両方で利用できて、ミーティングURLの発行や共有も簡単に操作できます。

Zoomによく似た機能ですが、人数制限や時間制限なく無料で使えますし、スマホで気軽に使えるのが利点です。詳細は下記リンク先の説明がわかりやすいです。手軽で使いやすいので小グループのミーティングには最適と思います。

2024年7月9日

涼しさを見つける

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池の鯉涼しく向きを変へにけり 

これだけ猛暑が続くと外へでかけて吟行しても思うように集中できないのでどうしても自然写生句の切れ味が悪くなります。このような時期は視点を変えて身辺の句材を探すといいです。

「暑さ」を詠むと常識や観念的になりやすいので「涼し」を詠むといいです。なにかしら涼し気な情景や雰囲気を見つけて詠むのです。窓涼し、卓涼し、椅子涼し、音涼し、樹下涼し、道涼し等々例を上げれば無尽蔵ですね。

灰皿は浜の貝殻卓涼し 

「明易」「端居」「籐椅子」「風鈴」「釣忍」「団扇」「冷蔵庫」などの生活季語を念頭に置いて涼しい情景に想を巡らすと案外身近に句材は拾えるものです。

そしてなるべく季語の説明をしないで「とり合せ」で詠みます。とり合わせの句を上手に詠む秘訣は常識や観念を捨てて遊び心で想像力、連想力を働かせることです。

この夏是非挑戦してみて下さい。新しい世界が拓けるかも知れません。

2024年7月3日

気になる句

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言い訳するようで恥ずかしいのですが、みのるの添削には幾通りかのパターンがあります。

選者としてはタブーの領域だと思いつつも、俳句を通して作者の境涯を知っているとどうしても斯く直したいという誘惑に負けてしまうのです。

今週のみのる選でもそのパターンがいくつかありました。作者の了解を得ず勝手に添削してしまったことはお詫びするしかないのですが、意を汲んでいただいてご寛容いただければ幸甚です。

亡き夫の部屋の窓開け夏の月

原句:使はれぬ部屋の窓開け夏の月

「使はれぬ部屋」としたのは、作品に主観が現れることを自戒している作者らしいと思った。何故に使われなくなった部屋なのかということは鑑賞者の連想に委ねたのである。

でも私には地域の山野草を愛し研究に打ち込んでおられたご主人の部屋のことではないかと直ぐに分かった。永年の思い出が詰まっているのでなかなか片付けられずにそのままになっているのである。

春の月でも秋の月でも同じでは…と思うかもしれないが決してそうではない。

閉め切りがちな部屋ゆえにこの梅雨の時期、虫干しを兼ねて窓を開いて風を入れ、涼し気な月を仰いで天国のご主人に思いを馳せ「なんとか守られて生きてるから安心してね」と語りかけている作者の姿が見えてこないだろうか。

実際作者にはそこまでの具体的な意図はなく切磋琢磨の修練によって身についた季節感、俳句感が無意識のうちにごく自然に揚句を詠ませたのである。

落し文三刀殿の便りかも

原句:落し文かの世より来し便りかも

この作者とご主人との鴛鴦ぶりは知る人ぞ知るところである。

俳句経験でいえばご主人よりも作者の方が先輩だと思うが、決して批判したり表立つようなことは微塵もなかった。

ときどきみのる宛に届くメールでも「三刀殿が、三刀殿が…」といつもご主人の話題が先であった。ご主人が佳句を得て入選されたときも我が事のように喜んでおられた姿はとても麗しかった。

最愛のご主人を天に見送られてはや三年近い月日が経とうとしています。ご主人亡き後の整理、ご自身の終活にもとり組まれご高齢ながらも毎日句会にリバイバルしてくださったことは私にとって何よりの励みです。

深い悲しみの日々も時間の癒やしによって落ち着かれたからであろう。そこで得たのが揚句である。

原句のままでも十分作者の思いは伝わってくる。むしろ添削句では分かる人にしか伝わらない。でも私はどうしてもこの句を短冊に書いてご主人の霊前に手向けてほしいと願ったので斯く添削させていただいた。

万人に安らぎと共感をあたえるような作品づくりを目指すことが の理念であることは言うまでもないのですが、他の人には解らなくても自分だけの宝物としての作品も又ゴスペル俳句だと思うのです。

2024年7月2日

17音のストーリー

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親睦を目的とした新生月例句会は、席題でスタートすることになりました。

頑なに自然賛美を提唱している が「何故いまさら席題なの?」と云われそうですが、これを説明するには、俳諧の歴史「連歌と俳諧と連句」について触れる必要があります。

俳句の起こりは「俳諧の連歌」つまり連句の最初の五・七・五を独立させたものです。連歌は五・七・五だけではなく、五・七・五を発句として次に七・七をつけ、この繰り返しを三十六回行う「連句」だったのです。

  • 発句:575 正客の座。季語と切れ字を詠み込む。
  • 脇句:77  亭主の座。発句と同季同所同時刻を原則とする。
  • 第三:575 発句・脇句の世界から離れ、丈高く詠むことを要する。
  • 平句:4句目から挙句の前まで、575の長句と77の短句を繰り返す。
  • 挙句:77  前句と同季。めでたく巻き納める。

座に招かれた正客が挨拶代わりの発句をたて、座を主催した宿主が脇句で迎えます。第三句からはシーンを一変して新しい展開が始まり、車座に集まった連衆が輪番に平句を繰り返しつつ連句を巻いていくのです。

共同で一巻の物語を創作するという遊びなので、粛々とストーリーが展開していく必要があります。つまり「前句の内容に憑きすぎないように詠み進むこと」が何よりも大事なのです。

ゆえに連句には、機知に富む想像力や連想力が求められ、熟達した経験も必要になります。初心者が安易に極められるものではありませんが、その面白さ嵌ると中毒になるとも云われています。

即興で掛け合いの面白さを楽しむ連歌は、風流人たちの高貴なことば遊びの座であったのでしょう。

連歌の発句には季語を入れるのがマナーとされていたので、俳句でも季語を入れることが必須となりました。俳句には、座の文芸としての連句の伝統が根強く残っており、席題俳句もまた連句を詠む要領に似ているのです。

席題で詠む俳句はある意味虚構です。上級者には抽斗が沢山あるので写生風に創作出来ますが、連想力が未熟な初学者は得てして季語の説明になりやすいです。常識的な類想を避けるために次のことを意識して作句してみて下さい。

  • 季語を説明しないこと、できるだけ季語から離れて詠む(とり合せの句に仕立てる)
  • 理屈を云わないこと、観念や常識、俗から離れる

小説のワンシーンを切り取ったかのようにドラマチックに創作する

と言ったほうがイメージしやすいですかね。小説家になった気分で挑戦すると楽しいですよ。

座の協調が必要な連句では長考できませんから即吟が求められます。限られた時間内で詠む席題俳句も同じです。でもこうした訓練の成果は写生句を詠むときにもよい傾向となって現れます。

恥ずかしい…という思いを払拭しなければ挑戦できない世界です。

席題句会で秀作を授かるのはまぐれでない限り難しいです。でも言葉巧みにこねくり回して作るよりも即吟で素直に詠んだ作品のほうが遥かに佳句となる確率が高く、それはそれで楽しいものです。

2024年7月1日

半夏生

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しよぼしよぼの雨にうなづく半夏生

みのる庵の庭の半夏生が色づきました。緑の葉が白変するのかと思っていたのですが違うようで、花穂が揚がると同時に白く半化粧した葉っぱが出てくるみたいです。

今年は6月21日が夏至(ウツボグサが枯れだす)、そして今日7月1日が半夏生、7日が小暑(温かい風が吹き始める)、23日が大暑と続き、8月7日には早くも立秋となります。

実際にはまだまだ猛暑のさなかで厳しい残暑と続くのですが、気分だけでも季節を先取りして心を遊ばせることのできるのは俳人の特権ですね。

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