みのる選:2022年2月度

最新へ戻る 過去一覧 縦書PDF

2022年2月27日

2月21日~2月26日投句分

2022年2月26日
神輿蔵ひたと閉ざされ梅開くはく子
浮び来る鯉の大口水温む凡士
雪深き峡の駅舎の灯の淡しよう子
薄氷の朝日をはじく汀かなわかば
雄鶏のつつくにまかせ落椿素秀
梅東風や一つ傾ぎし六地蔵なつき
薄氷の中に蠢くものの影わかば
学僧の新説をかし涅槃絵図うつぎ
青空を見よと指さす松の芯むべ
赤子抱きお礼参りの梅の寺よう子
山笑ふ鑿音高き石切り場凡士
雨水なる菜園通ひ日課とすかかし
囀りにすれ違ひたる笑顔かなむべ
僧総出大涅槃図の掛りけりうつぎ
キャタピラの轍の跡にもの芽出づこすもす
畦道を塗りはじめけり犬ふぐりこすもす
春の風邪机の上のうす埃愛正
梟もけふは地に降り涅槃変うつぎ

2022年2月20日

2月14日~2月19日投句分

2022年2月19日
剪定の済みたる小路浅間見ゆ愛正
春寒や頬さす風の尖りをりわかば
鶯の声の過ぎりし切通し素秀
小流れの光に遊ぶ春の鳥むべ
せせらぎの奏でそめたり蕗の薹素秀
白寿なる友健やかや梅の句座こすもす
木喰仏の虫食ひの面あたたかしうつぎ
淡雪の竹林駈くる人力車凡士
焼網に身を捩りあふ霰餅愛正
神木の千手を翳す芽吹きかなうつぎ
よく空いて春日の席を置く電車よう子
盆梅に括るうぐひす飛ぶ構へなつき
くれないのおちよぼ口見せ梅ふふむむべ
手習ひの窓の下なる猫の恋よし子
ショベルカー雪解河原に動き出すこすもす

2022年2月13日

2月7日~2月12日投句分

2022年2月12日
二ン月の雪に晒して草木染凡士
末黒野の道の青きを踏みにけりよう子
あひ誘ひ合ひ立春の野に集ふうつぎ
丘の上の園記念樹の梅開くはく子
薄氷の鳳凰堂を映しけり凡士
マスクしてコロナ失せよと豆を打つよし子
降り止まず除雪車も立ち往生すこすもす
早春のせせらぎを聞く白杖子むべ
妙見の山烟らせて野を焼けるうつぎ
暖かき雨へ首伸ぶきりんかな素秀
村息吹くごとおちこちと野を焼けるよう子
駄菓子屋に夫とより道路地の春なつき
ジョギングの靴も新調寒明くる愛正
立春の陽に浮き出でし句碑の文字うつぎ
春めくや地球儀廻し旅ごころかかし
田起こしの黒き土塊力満つよう子
たんぽぽに弾む一会の会話かな小袖
上りきし古墳の丘の梅開くはく子
源流のかそけき水の温みけりかかし
春立ちて川面にゆらぐ陽の光よし子
枯れ果てしごとき盆梅蕾持つわかば

2022年2月6日

2月31日~1月5日投句分

2022年2月5日
女正月孫のままごと客となりなつき
友訪ふや梅の里なる鄙の家むべ
春のカフェ好みのカップ選びけりなつき
冬凪ぐといへど波よす舟屋かな素秀
蛸壺に水仙活けて海人の家うつぎ
朝刊の誤植にあらず冬の蠅うつぎ
冬服のポケット去年の覚書よし子
冬ざれの山裾赤き一両車よう子
白樺の幹より白し霧氷林愛正
超高層ビルの底ひに出初式素秀
蔀戸を潜り冬日の堂内へはく子
トタン屋根叩く霰に飛び起きぬこすもす
笹鳴きに出勤の足緩めけりむべ
夫の待つ駅へ凍て星道連れによう子
梅香る穴太積なる里の道凡士
魁としてさみどりの蕗の薹わかば
探梅の道ゆきバードウォッチング凡士
女神像翳すもろ手に冬日燦はく子
日の当たるなぞえに溢れ水仙花わかば
本読みのうたた寝誘ふ春隣むべ

 

 Search  Feedback  Twitter About Me About This Site