みのる選:2021年4月度

最新へ戻る 過去一覧 縦書PDF

2021年4月25日

4月19日~4月24日投句分

2021年4月24日
忘れ潮陽を照返す力あり愛正
いつせいに堰へ跳ねをり上り鮎素秀
白樺の芽吹きの中の足湯かなはく子
訪ね来て雨の御室は葉桜に凡士
ものうげな日永のラジオ株報づ凡士
清水の舞台奈落へ落花舞ふ和子
春愁の回転椅子の軋みかなうつぎ
抽斗の奥の口紅春灯しよう子
麗かやと見かう見して風見鶏わかば
スニーカー泥にまみれし遍路かな宏虎
捨てられぬ昭和レトロの椅子温しよう子
大鍋に筍踊る糠の泡よう子
蝶々に譲られし木のベンチかなむべ
吟行の一歩一歩に囀れるよし子
石畳濡らして古都の若葉雨こすもす
古里は言葉かざらず葱坊主うつぎ
タンカーの航跡白く風光るわかば
耕運機行き交ふ里や山笑ふかかし

2021年4月18日

4月12日~4月17日投句分

2021年4月17日
つばくらや淡路瓦のいぶし銀うつぎ
白玉の椿清楚と言ひつべしはく子
落椿拾へば昨夜の雨こぼすうつぎ
引潮の浜に吸ひつく屑若布なつき
ダンプカー大吊橋にかげろへる素秀
雨晴れてきて花の窓明るうすわかば
吾が面ふいに翳りて昼の蝶むべ
沈丁の香に誘はれ古刹訪ふ愛正
山桜高鳴る雨の疏水かなわかば
列乱す園児帽子に花の屑かかし
校門の守衛の肩に桜蘂むべ
花見の子リュックにのぞくテディベアなつき
甲冑の武士の面差し春の闇うつぎ
下山せし夫の土産や落し角むべ
な滑りそ春落葉積む散歩道よし子
公園の桜見せんと療法士うつぎ

2021年4月11日

4月5日~4月10日投句分

2021年4月10日
聖書カバー娘らに縫ふ春灯下むべ
春灯下忿怒やはらぐ不動尊菜々
春眠をやめて遊べと猫パンチかかし
春陰や土偶の四股のどこか欠け凡士
杣小屋の板戸を塞ぐ蔦芽かな素秀
雪解風法衣はためく墓所愛正
老いたれば子に従ひて桜狩せいじ
落花巻上げて駈け行くツーリングよう子
靴跡も轍も消して田水張るなつき
彩窓のクルス貫く春日かなむべ
リハビリの予定を超へし花堤かかし
仏壇の太陽のごと土佐文旦うつぎ
葉ごと食ぶ祖母の流儀や桜餅むべ
馬の背に動くともなき春の雲わかば
夕遍路岬の艀に急ぎ足素秀
名も歳も忘れし人や花は葉にむべ
シャンソンは別れの歌よ花ミモザよし子
花見してしばし煩悩封じけり宏虎
朱の橋の袂に岐かれ花の道小袖
山峡を処処に彩る桜かなわかば
花の寺極彩色の天井絵はく子
花吹雪く旧参道に朽ちし茶屋うつぎ
日暮まで解けぬ数独万愚節よし子
黙々と漁網繕ひ老い長閑こすもす
養花天伏し目に祈るマリア像はく子
潮吹の岬を染めたる浜大根素秀
長堤を埋め尽くして花の雲せいじ
池半分占めて犇めく花筏こすもす

2021年4月4日

4月29日~3月3日投句分

2021年4月3日
長靴の花屑洗ふ園丁らむべ
鰐口を空打ちしをる春疾風うつぎ
雪洞のやうな日輪霾れり凡士
杉山の襞を埋めて山桜うつぎ
古都駈くる俥夫の背に花の雨凡士
花満ちて格いや高し南禅寺たか子
ナナハンの縦列駐車花の坂うつぎ
インクライン天蓋なせる桜かなこすもす
潮引いて現るる断層磯遊なつき
長閑なり乗れば五分で着く渡船小袖
卒寿翁杖をうつちやり春耕すかかし
教室に追試の二人春休み素秀
昼網や一番競りは桜鯛うつぎ
汀いま渚のごとし雪柳小袖
飛び石の一つぐらつき野芹摘なつき

 

 Search  Feedback  Twitter About Me About This Site