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前のページ次のページ 12 蝿選ぶ食べ物よりも汗馬だけ 汗馬 13 長き夜やラグビー選手の粋な髭 広夢 14 肩車の小さき手追う赤蜻蛉 小牧 15 踏みゆけば山路やはらか山胡桃 風民 16 まさお空ハング足もと山粧ふ れいこ

2023年11月02日

1 かぎろいの紅なずむ秋の空 えいじ
2 千両の実はほんのりと色づいて 丹三
3 小春日よ階段下は風もなし 丹三
4 朝刊を捲る音聞く文化の日 睦花
5 辞書たどる片仮名言葉文化の日 睦花
6 危うきや皮まですくう熟柿 れいこ
7 陰干の裾駆け回る秋座敷 れいこ
8 螇蚸逃ぐ矢となり迫る猫の先 風民
9 頭手にランドセル馳く霰急や 長操
10 枯れ葉にも生きた証しの矜持ある 小牧
11 冬へ向かい椿艶やかなる花芽 小牧
12 秋暑し塩こびりつく塩地蔵 広夢
13 風呂タイルこしごし削る汗たまる 汗馬
14 風呂タイルごしごし削る汗たまる 汗馬
15 秋雨に霊山拝む旅の人 語后池
16 崩れたるかぼちやは檻にハロウィーン ふくふ

2023年11月01日

1 金秋に紙の飛機行く真青空 えいじ
2 高原のペンションのあと冬木立 しげ木
3 落ち葉霏霏朝な夕なの熊手かな 長操
4 太りゆく月の名美し夜な夜なよ 長操
5 動画くるゾンビの顔が冷たそう 丹三
6 晴れた日はミニ熊手持ち落葉掃く 丹三
7 舞い終えてみごとな着地銀杏の葉 小牧
8 美しき女性も老いて文化の日 広夢
9 影揺れて水底に鯉冬隣る 風民
10 玉すだれ八輪九輪わっと咲き 小牧
11 武道館に怒気の掛け声十三夜 ふくふ
12 最果ての大間に鮪幸の海 語后池

2023年10月31日

1 かぎろいの空に真白き月の円 えいじ
2 秋終わるハロウィンらしい仮装の子 丹三
3 空晴れて部屋はやや寒時期らしく 丹三
4 トラクタの風防閉めるそぞろ寒 しげ木
5 急カーブのぼる全山の紅葉 しげ木
6 勝鬨の橋や汽水に夕時雨 睦花
7 時雨るるやカフェの硝子に顔歪む 睦花
8 新米に何もいらない塩むすび れいこ
9 目覚や新米の香に誘われて れいこ
10 赤ん坊に握る力や秋祭り ふくふ
11 静寂な園のひいらぎ地をしろき 長操
12 牛鬼の口髭まばら文化の日 広夢
13 秋の水静かに滑り出づ和船 水琴窟
14 百日紅溢れる茶亭池の庭 水琴窟
15 水引に水引ほどの雨の粒 風民

2023年10月30日

1 稲妻の遠き闇夜を横走る えいじ
2 秋晴れや家並の隙間富士の山 丹三
3 いつの間に柿を収穫この空き家 丹三
4 夕鐘の止みて白風のこりけり 長操
5 自動ドア色なき風の出入りする 長操
6 星の飛ぶカミオカンデの山を行く しげ木
7 末枯れの沙羅のこずえに雀二羽 しげ木
8 鐘一打ピリピリしまる夏木立 小牧
9 放尿をしつつ見上げるスポーツ日 広夢
10 文化の日明治天皇産湯の日 広夢
11 秋簾や緑さやけき池の庭 水琴窟
12 名にし負う女官の墓や秋の草 水琴窟
13 自主練のスタジオの窓十三夜 睦花
14 稲妻は借景となりし十三夜 睦花
15 足元に空の色あり花サフラン 風民

2023年10月29日

1 照紅葉ひとりの空を埋めにけり えいじ
2 柿採りは高枝ばさみシート敷き 丹三
3 開けた窓小鳥の声が今聞こえ 丹三
4 煉瓦敷くプロムナードの美術展 しげ木
5 藤の実の中庭に出る非常口 しげ木
6 燭灯す大正カフェの秋深し 水琴窟
7 秋気満つ大杉参道大聖寺 長操
8 月見餅出町ふたばの人の列 水琴窟
9 満ち満ちて月柔らかに十三夜 長操
10 半数は曲がったままの秋の茄子 広夢
11 新しい職場に慣れず四苦八苦 小牧
12 煌めくや一条の日の山紅葉 語后池
13 目凝らせば松のそこここ新松子 風民
14 廃屋のひとかたまりの紫苑かな れいこ

2023年10月28日

1 短夜へ祭り太鼓を打ち鳴らす 小牧
2 不揃いの藷の相和す籠のなか えいじ
3 午後の陽が背中温めまだ長月 丹三
4 街路樹に我が町初の紅葉よ 丹三
5 冬隣はさの木が立ち並ぶ道 しげ木
6 逆光の銀杏黄葉の影まだら しげ木
7 黄昏の山芒野や豊鬚髯 れいこ
8 まさお空屋敷賑わす泡立草 れいこ
9 秋澄めり山頂カフェから望む街 水琴窟
10 放蕩の父に似ている枯れ野菊 広夢
11 島原の遊女の社木犀花 水琴窟
12 ほの明き庭静まりて十三夜 風民

2023年10月27日

1 もじもじと鞄の隅に赤い羽根 えいじ
2 木犀が散って車の屋根掃除 丹三
3 草刈らぬお宅に伸びた薄の穂 丹三
4 国道の最高地点きょうも霧 しげ木
5 道なかばダム湖に映る初紅葉 しげ木
6 向日葵に紛れ黄色のジャケットか 小牧
7 サフランを植えたる父も母もなし れいこ
8 庭紅葉端色づけば喪の匂い れいこ
9 団栗や歩む歩幅に散りばめて 長操
10 一人ゐのゆがむ川面にかけし月 長操
11 濃紺菊夕暮れ遠き色に咲き 広夢
12 一輪の白きピースや秋の昼 風民
13 遠くより下校児の声ねこじゃらし 風民
14 韓ドラの三度目も泣ける夜長かな 睦花
15 カザルスをブルートゥースで聴く夜長 睦花
16 蒼空やいつでも秋晴飛機の上 語后池

2023年10月26日

1 秋祭り天にさしあぐ桴二本 えいじ
2 夕明り稲田を分ける街路灯 しげ木
3 竹竿を青空に向け柿をもぐ しげ木
4 新しい職場に慣れず四苦八苦 小牧
5 傷心の身を癒すかな郷の風 小牧
6 白線を蹴立てて走りし運動会 広夢
7 木犀の匂う小径や深呼吸 語后池
8 爽やかにスカイツリーの立ち姿 語后池
9 真っ直ぐに秋の空指す月桂樹 丹三
10 騒がしく空き家の柿を烏食う 丹三
11 零磁場の温もり肩に雁渡る 睦花
12 引越しのトラック発ちて雁渡る 睦花

2023年10月25日

1 さにつらう紅葉色めく鏡池 えいじ
2 日記買う新しき日々すぐそこに 小牧
3 咲くを待つ日々のときめきつぼみかな 小牧
4 秋寒や旅の支度のあれこれと 語后池
5 縮こまり床で読書の夜寒かな 語后池
6 敬老の日子が覚えてた父母の家 丹三
7 伸びた枝切り時は秋月桂樹 丹三
8 フォグランプを点けて濃霧のつづら折り しげ木
9 婚家から玄米でくる今年米 しげ木
10 家に待つ人を忘れて大花野 広夢
11 身に入むや一人暮らしの母振る手 睦花
12 身に入むやアルバム褪せし故郷の家 睦花
13 貴船菊暮れて雪洞掲ぐごと 風民

2023年10月24日

1 静謐の黒部湖抱へ山粧う えいじ
2 にらの種飛んだと思う風の日よ 丹三
3 虫卵静かに庭の隅に居り 丹三
4 再開の散歩の道に草の種 しげ木
5 パンくずを置く濡れ縁に小鳥二羽 しげ木
6 信濃路を行けば金色むら薄 風民
7 豊の秋村の家みな富士に向く 風民
8 いみじくも復路みじかしもみじ径 長操
9 新米のおにぎりですと言葉添え 小牧
10 新緑のゴールネットを揺らしきり 小牧
11 柿たわわしなる曲線定規かな 長操
12 カラオケへ楽器担いで秋の宵 語后池
13 カラオケの芸大生の夜長かな 語后池
14 木枯らしや母の靴音待つ夜半 水琴窟
15 重い靴転勤辞令冬の夜 水琴窟
16 正倉院曝涼奈良の朝静か 睦花
17 曝涼や鹿の斑点めく木洩れ陽 睦花
18 干布団パラパラ落ちる屁こき虫 れいこ
19 仰向けに手足ゆすぶる屁こき虫 れいこ

2023年10月23日

1 飛機挽ける一に乗りたる昼の月 えいじ
2 柿熟す隣の空き家からの枝 丹三
3 半分は地面で黄色金木犀 丹三
4 軒先にたわわに垂れる熟し柿 長操
5 てなし豆今朝採れたてが昼の菜 しげ木
6 椿の実を砕き雀に石の上 しげ木
7 脚萎えを励ましくるる蝶の舞い おはる
8 新しき楽譜広げて春の風 小牧
9 台本の無き人生や露の道 小牧
10 四つ辻に黄色のライン金木犀 睦花
11 金木犀一呼吸してチャイム押す 睦花
12 赤い羽根さけて通れり茶店前 広夢
13 戦ぐ葦光る細波秋の川 語后池
14 ブロワーの孕みた袋枯れ落ち葉 れいこ
15 蟷螂の十二頭身髭ニ本 れいこ

2023年10月22日

1 蟷螂や父は半身の後退り えいじ
2 新品のまわしが擦れる秋相撲 丹三
3 秋バザー優待券を貰う歳 丹三
4 前栽に秋の菊菜の新芽摘む しげ木
5 鋸を手に見上げる紅葉ハナミズキ しげ木
6 柿日和飛行機雲の近く見ゆ 風民
7 まる見えのスカイツリーや秋の空 語后池
8 上弦や薄青空に真半分 語后池
9 風止みて上から目線泡立ち草 長操
10 黄落や石段登る古き街 水琴窟
11 堤防の白線たたく秋驟雨 睦花
12 満員の江ノ電揺する秋驟雨 睦花
13 好きな道好きに歩いて秋の風 広夢
14 神苑や森に包まれ秋の空 水琴窟
15 しぐるるや十九人のひさし顔 れいこ
16 小朝顔ぱらぱら蒼き荒れし庭 れいこ

2023年10月21日

1 秋の野やまむきそむきのリフティング えいじ
2 草の上大かまきりがひとり居る 丹三
3 藷掘りの幼き記憶今日も掘る 丹三
4 ゆったりとうねる峠の草紅葉 しげ木
5 新藁の屋外アート潟の端 しげ木
6 秋祭絵巻の如き姫御列 水琴窟
7 百合香るはげしい波が押し寄せる 小牧
8 憂いあり散歩帰りの蝶の昼 広夢
9 空高くさかな泳ぐや鱗雲 語后池
10 お昼寝や木犀香る保育園 語后池
11 秋寒や暮色に消える長き影 風民
12 電線に候鳥しばし旧街道 風民

2023年10月20日

1 秋そぞろ栞くわえた本が呼ぶ 小牧
2 秋の野にまむきそむきのリフティング えいじ
3 菜畦の青い匂ひや秋の蝶 ばん
4 大空に舞う葉の如き秋の蝶 ばん
5 朝顔の芯の白さを見て帰る 広夢
6 四方から金木犀が薫る辻 丹三
7 甘藷掘る小さなものも捨てがたく 丹三
8 声はずむ工期の迫る秋の晴 しげ木
9 櫓田の株先につく実らぬ穂 しげ木
10 秋の日や緑に染まる九条池 水琴窟
11 咲き疲れコスモス枯れし吾に似し 長操
12 抜け路地の木犀の香を犬と往く 長操
13 秋風や落葉の踊る散歩道 水琴窟
14 寄合を歩いて帰る秋夜かな 語后池
15 掛け布団ぬくもり仄か秋深し 語后池
16 柳葉向日葵パットあかるく登坂 れいこ
17 お礼肥施すあとの秋時雨 れいこ

2023年10月19日

1 金風を紙飛行機の急落下 えいじ
2 秋蝶の高風に舞ふ葉の如き ばん
3 秋蝶の柩となりし水溜り ばん
4 三角巾がバザーキビキビ文化祭 しげ木
5 十株の稲を刈り取りひと束に しげ木
6 行く秋や石庭独りただ涙 水琴窟
7 いつのまに庭いっぱいの甘藷蔓 丹三
8 思い出の母と飛ばした鳳仙花 丹三
9 秋気澄み手の届くやう麓街 水琴窟
10 酒匂ふ新酒の匂ひ風匂ふ 長操
11 徹夜して目覚めてみれば秋の空 語后池
12 目を凝らし芋虫見たり身震いす 語后池
13 信州の友来今宵は新走り 睦花
14 新しき猪口になみなみ新走り 睦花
15 近づけばまた別の方ちちろ鳴く 風民
16 ふんわりと月晩年の夜に咲けり 広夢
17 早や一年今やふるさと赤蜻蛉 小牧
18 穭田をまっすぐ走る送電線 れいこ
19 栗拾い敷き詰められし皮と毬 れいこ

2023年10月18日

1 金秋の空をのたりと観覧車 えいじ
2 金木犀居間に向かって薫る日よ 丹三
3 秋高し下校時間を見守る日 丹三
4 入りし日を仄かに返す三日の月 語后池
5 三日月やビルの谷間に笑みの如 語后池
6 見送りて闇に香の満つ金木犀 風民
7 ひとひらを開きてひとひ冬薔薇 風民
8 水澄て四万十川に小魚群 広夢
9 禅林や人影消えし秋の暮れ 水琴窟
10 白鷺の一羽遊べり秋の水 水琴窟
11 朝ぼらけ秋明菊の白一輪 しげ木
12 冬隣北越雪譜の資料館 しげ木

2023年10月17日

1 鍵穴から見えるすっかり秋の味 小牧
2 山登りしようと誘う藤袴 小牧
3 濃紺の空に雲浮く秋の夜 語后池
4 おでん屋に来たり一杯古き友 語后池
5 秋晴や神馬像蹄蹴り上ぐる えいじ
6 道に伸びた金木犀を嗅いでみる 丹三
7 寄り道は金木犀の多い道 丹三
8 一本が窓から覗く秋桜 しげ木
9 末枯の藪蘭の叢そことここ しげ木
10 禅林に我独り居り秋時雨 水琴窟
11 花街の紅柄格子秋灯し 水琴窟
12 八冠のさらなる極み天高し れいこ
13 長き夜俳句始める天赦日 れいこ

2023年10月16日

1 秋深しフォーク行き交うフォンデュ鍋 えいじ
2 ゐのこずちひっつき虫も犬の背な 長操
3 墓参り帰りは母と磯部餅 丹三
4 枝切る秋薫る枝葉は捨てす置く 丹三
5 待避所でお先にどうぞ紅葉狩る しげ木
6 藁塚の日なたにまわり凭れいる しげ木
7 向日葵の種降れ焦土となりし地に 広夢
8 形良きどんぐり落つるままにあり 風民
9 八巻は心意気よと秋祭り れいこ
10 阿波踊り五臓涙す大太鼓 れいこ
11 八千草や小蝶の群れの舞い来る 語后池

2023年10月15日

1 ジョギングにさやかなる風木犀香 えいじ
2 木犀の香り今日窓開け放つ 丹三
3 秋冷よ物干す時間長くなり 丹三
4 コンバインの軌跡の残る大刈田 しげ木
5 早退の車輌にひとりそぞろ寒 しげ木
6 金木犀散りて一花の可憐なる 風民
7 秋燈にそぼ降る雨や光りをり 語后池
8 山頂の庵枯れ葉の降りしきり 水琴窟
9 柳散る島原大門灯をともし 水琴窟

2023年10月14日

1 秋晴や指差す妻の車押す えいじ
2 朝涼し名もなき人の靴の音 広夢
3 敬老の日貰うお菓子は紅白よ 丹三
4 濡れ縁に薄を飾る団子添え 丹三
5 肌寒や影がまづ入る待合所 風民
6 出でて入るスノーシェードの谷紅葉 しげ木
7 冬支度おもての花壇を植え替える しげ木
8 落ち枝を集めキャンプや子らの秋 語后池
9 秋寒やポケットの空ナフタリン れいこ
10 渋柿と甘柿見分く生御霊 れいこ

2023年10月13日

1 猫まろむいつもの椅子に草の花 えいじ
2 遊ぶ子ら半袖ばかり秋の夕 語后池
3 やはらかに蕊を包みて貴船菊 風民
4 ドローンがパッチワークの刈田撮る しげ木
5 坂バカのスポークに照る初紅葉 しげ木
6 ようやくに金木犀の蕾見え 丹三
7 庭に椅子父にバリカン秋の陽よ 丹三
8 主を待つ框の犬に月あかり 長操
9 自傷という静かなるもの夜のメロン 広夢

2023年10月12日

1 団欒の灯の点す窓や暮の秋 えいじ
2 眼帯をかければ秋を見失う 広夢
3 楼閣の開け放つ窓秋の苑 水琴窟
4 生垣の葉先燃え初め秋来けり 水琴窟
5 快晴の空へ喚声運動会 しげ木
6 大楓さけて線路は向こう岸 しげ木
7 板壁に齧られし穴菱紅葉 ふくふ
8 勲章の神経痛や菊の宴 ふくふ
9 薄明けの三日月映える姉妹星 長操
10 ぽつり見ゆ実りの如き薄紅葉 語后池
11 コロナ禍に消え鎮魂の大花火 小牧
12 秋風やポケットに空ナフタリン れいこ
13 曼珠沙華見ぬまに過ぎし河川敷 れいこ

2023年10月11日

1 落日に照り映えゆれる秋簾 えいじ
2 小雨やみ黄昏に立つ秋の虹 語后池
3 大門をくぐり格子戸秋ともし 水琴窟
4 露けしや久坂玄瑞ここに散る 水琴窟
5 どうだんの根方どくだみの紅葉 しげ木
6 公園の木立の紅葉ビルの下 しげ木
7 吾亦紅昔の風の吹く日かな 広夢
8 羽のよな葉に露草の飛ぶ如く 語后池
9 月明かり夜道の人の独り言 修晶美
10 曇天を舞って切り裂く秋燕 修晶美
11 十六夜の主待ち犬の框かな 長操

2023年10月10日

1 日の映る黄花コスモス残り雨 語后池
2 藤前の海面かがやく今日の月 えいじ
3 甘柿を摘みて一日を老いゆけり 広夢
4 原点となれジュニア美術展覧会 しげ木
5 紅葉のコキアが誘うアプローチ しげ木
6 通草つる雫を抱きて揺るるかな 長操
7 秋伸びす薄く濃き色槙の庭 長操
8 夕刻の迫る石庭秋時雨 水琴窟
9 神苑の歌結ふ萩や風に揺れ 水琴窟
10 重き戸を引けば爽爽秋の風 ふくふ
11 落ち胡桃みみず這い出る雨後の道 れいこ

2023年10月09日

1 仰け反つて青空のなか体育の日 えいじ
2 旧道の端にたわわの柿の枝 しげ木
3 秋の宵雲のあたまに日が残る しげ木
4 鯉尾びれさざ波立てて秋澄めり 水琴窟
5 新秋や色染め始む如意ケ嶽 水琴窟
6 ちちろ鳴く闇や坩堝の火を落とす 広夢
7 寄り添いの銀杏の実未だ葉に隠れ 語后池
8 無情にも叢雲流れ月陰り 長操
9 雨返し帰省準備の秋燕 修晶美
10 雨降りに一家飛び交う秋燕 修晶美

2023年10月08日

1 向日葵の迷路の出口待つ笑顔 小牧
2 神木の銀杏黄葉や日本晴れ えいじ
3 秋日射斑に黄ばむ大欅 語后池
4 神輿担ぎ神の重さに肩が腫れ 翡翠
5 布袋草咲いた紫朝に枯れ 翡翠
6 鉄道の通らぬ村の鵙の贄 広夢
7 月の雲仄かに縁は紅綿毛 長操
8 あいにくの叢雲流れ月陰り 長操
9 ひたき来る渡りなかばの三四日 しげ木
10 砂山の浜ぐみ探すランドセル しげ木
11 煌々ともみじを映し寺の床 水琴窟
12 秋迫る石庭彼方比叡山 水琴窟
13 曇天にゆるるコスモス抗はず おはる
14 いつ開くハクモクレンの花芽かな 語后池
15 草紅葉観察小屋の小さき窓 ふくふ

2023年10月07日

1 秋晴や空にとりどり万国旗 えいじ
2 秋時雨全山濡らす正伝寺 水琴窟
3 波模様秋色映す水の庭 水琴窟
4 石段の目の前の花金木犀 しげ木
5 放課後の防風林に茸とり しげ木
6 柿の実や熟れる日を待つ晴天日 広夢
7 転院はベリーショートよ小春空 ふくふ
8 昨日今日足音はやし初冠雪 れいこ

2023年10月06日

1 夕映えに子猫じゃれつく秋簾 えいじ
2 誰が詠むや萩に吊る和歌風に揺れ 水琴窟
3 秋の夜や島原大門ほの灯り 水琴窟
4 朝顔の地を這う蔓に紺の花 しげ木
5 河の名の変わる棚田の刈田原 しげ木
6 リズミカル髪刈る音の空高し 語后池
7 お参りを忘れし白き彼岸花 語后池

2023年10月05日

1 猫まろむ背に珊珊と今日の月 えいじ
2 産土ににをゐやさしき新走り 長操
3 秋澄めりさざ波の中光る鯉 水琴窟
4 山庵や木の間に遥か京の秋 水琴窟
5 大西風の電波灯台砂の浜 しげ木
6 窓埋める屋根のあいだに鱗雲 しげ木
7 一筋の明かり見えたり曇りそら おはる
8 ゆうぐれに誘はるるごと重ね着を おはる
9 色変へぬ松の四方や彩りて 長操
10 鉢土に突如のきのこ妻笑う 語后池
11 長き夜のゴルトベルクの調べかな 語后池
12 コスモスや会いたき人がふと浮かぶ 広夢
13 七辻の標識なしや秋の風 れいこ
14 新涼やペダル漕ぐ頬あさひ滿 れいこ

2023年10月04日

1 掌に伏して秋の蚊動かざる えいじ
2 鰯雲の天井見上げ飛ぶ烏 翡翠
3 かしづきて神に振る舞ふ新酒かな 長操
4 軽トラがあげる埃のなか野菊 しげ木
5 台風に木の葉の群れが道走る しげ木
6 鶏頭や森の深さの面構 広夢
7 つくつくし時間に終れ今日も暮れ 広夢
8 大伽藍つくばいに一つ浮き紅葉 水琴窟
9 秋の水青鷺降りる船の先 水琴窟
10 秋雨や枯れ紫陽花の一雫 語后池
11 秋の灯や傘の雨粒光りをる 語后池
12 霧雨に潤む街灯帰宅人 れいこ
13 速攻の離せぬ視線秋五輪 れいこ

2023年10月03日

1 秋風や河岸に転げる猫車 えいじ
2 長袖の散歩も増えて鰯雲 翡翠
3 名月や薄きベールに顔隠し 翡翠
4 刈田原砂丘の先にのぞむ島 しげ木
5 新藁で作る屋根かべ秘密基地 しげ木
6 王朝の女官の悲恋萩の花 水琴窟
7 山の茶屋見下ろせば古都秋の色 水琴窟
8 軟風に酔い覚ましたり居待月 語后池
9 一粒の小さき零余子に託す味 おはる

2023年10月02日

1 欄干に濡羽烏の秋夕焼 えいじ
2 空白みコロコロ響く虫の声 修晶美
3 鴉の子親を急かせて羽をふり 修晶美
4 電柱の支線で熟れる烏瓜 しげ木
5 帚木の紅葉の枝自己相似 しげ木
6 鳥の声遠く響くや秋の朝 語后池
7 爽やかや目覚めの風と差す朝日 語后池
8 虫の庭さ行た行のカタカナ音 長操
9 秋空や稜線すがし比叡山 水琴窟
10 枯れ葉舞う山の庵や旅の果て 水琴窟
11 それぞれに愛を奏でる千の虫 長操
12 カンナ燃ゆ黒人霊歌丘の上 広夢
13 夕暮れの雲怖ろしき色と形 おはる
14 帰りにはなかりけり露草の露 れいこ

2023年10月01日

1 太刀魚のぶつた切られて卓の上 えいじ
2 CDが光る上着の遠案山子 しげ木
3 秋茄子が転がる廊の新聞紙 しげ木
4 大和美し鬼灯それぞれに夕日 広夢
5 都路を行くや黄葉大銀杏 水琴窟
6 石庭や包む秋麗東山 水琴窟
7 雲かかり瞳の如し月潤む 語后池
8 望月の電球色に灯る窓 語后池
9 梨届き愛でるひととき安らぎぬ おはる

2023年09月30日

1 漆黒を打ち貫く色や今日の月 えいじ
2 終章のどんでん返し蚯蚓鳴く 広夢
3 骸かと螳螂の背に触れてみる しげ木
4 藁塚を積む頂上へたば投げる しげ木
5 十五夜の雲靡かせて昇りけり 語后池
6 匂いくる隣家の夕餉月明り 語后池
7 夕焼の紅葉照らす東山 水琴窟
8 陽を受けて静かに光る青紅葉 水琴窟
9 いにしえの秋風吹けり正伝寺 梅羊羮
10 短冊に込める祈りや萩祭 梅羊羮
11 苦瓜の苦みがいいと隣人 おはる
12 ずっしりと白く滴る傷の梨 れいこ

2023年09月29日

1 快晴に咲きて無垢なる花芙蓉 えいじ
2 年かさね原種の色の秋桜 しげ木
3 木のそばでゴマのはいった柿かじる しげ木
4 陽を受けて静かに光り青紅葉 水琴窟
5 門前に一つ水浮く赤紅葉 水琴窟
6 丑三つの掬ふ名月手のひらに 長操
7 名月を自由自在につつむ曇 長操
8 翻る白き羽裏や小鳥二羽 語后池
9 栗ご飯去りたる記憶よみがへる おはる
10 秋風とそよぐ風のみ正伝寺 梅羊羮
11 秋時雨石庭はるか比叡山 梅羊羮
12 鯉廻る底の底まで秋の池 れいこ
13 水音がしじま開きし秋の夜 れいこ

2023年09月28日

1 落水の田に罅深く稲の秋 えいじ
2 山羊鳴いて野の秋風を従える 広夢
3 むらさきの花食用の菊茹でる しげ木
4 水遣りのホース収める暮の秋 しげ木
5 吉田山庵に落葉降りしきる 水琴窟
6 秋の陽のグラスに映る山のカフェ 水琴窟
7 銀匙のカレーのまろし白き月 睦花
8 音漏れのライブの海や月の道 睦花
9 手作りの餃子に包む秋の香を おはる
10 洋梨のうすき皮剥く幼き手 おはる
11 秋暑し日はじりと射し散歩なし 語后池
12 小望月振り向かんとすをみな如 語后池
13 振り返るためのふる里いわし雲 広夢
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