投句控 :500句/1頁
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12 蝿選ぶ食べ物よりも汗馬だけ | 汗馬 |
13 長き夜やラグビー選手の粋な髭 | 広夢 |
14 肩車の小さき手追う赤蜻蛉 | 小牧 |
15 踏みゆけば山路やはらか山胡桃 | 風民 |
16 まさお空ハング足もと山粧ふ | れいこ |
2023年11月02日
1 かぎろいの紅なずむ秋の空 | えいじ |
2 千両の実はほんのりと色づいて | 丹三 |
3 小春日よ階段下は風もなし | 丹三 |
4 朝刊を捲る音聞く文化の日 | 睦花 |
5 辞書たどる片仮名言葉文化の日 | 睦花 |
6 危うきや皮まですくう熟柿 | れいこ |
7 陰干の裾駆け回る秋座敷 | れいこ |
8 螇蚸逃ぐ矢となり迫る猫の先 | 風民 |
9 頭手にランドセル馳く霰急や | 長操 |
10 枯れ葉にも生きた証しの矜持ある | 小牧 |
11 冬へ向かい椿艶やかなる花芽 | 小牧 |
12 秋暑し塩こびりつく塩地蔵 | 広夢 |
13 風呂タイルこしごし削る汗たまる | 汗馬 |
14 風呂タイルごしごし削る汗たまる | 汗馬 |
15 秋雨に霊山拝む旅の人 | 語后池 |
16 崩れたるかぼちやは檻にハロウィーン | ふくふ |
2023年11月01日
1 金秋に紙の飛機行く真青空 | えいじ |
2 高原のペンションのあと冬木立 | しげ木 |
3 落ち葉霏霏朝な夕なの熊手かな | 長操 |
4 太りゆく月の名美し夜な夜なよ | 長操 |
5 動画くるゾンビの顔が冷たそう | 丹三 |
6 晴れた日はミニ熊手持ち落葉掃く | 丹三 |
7 舞い終えてみごとな着地銀杏の葉 | 小牧 |
8 美しき女性も老いて文化の日 | 広夢 |
9 影揺れて水底に鯉冬隣る | 風民 |
10 玉すだれ八輪九輪わっと咲き | 小牧 |
11 武道館に怒気の掛け声十三夜 | ふくふ |
12 最果ての大間に鮪幸の海 | 語后池 |
2023年10月31日
1 かぎろいの空に真白き月の円 | えいじ |
2 秋終わるハロウィンらしい仮装の子 | 丹三 |
3 空晴れて部屋はやや寒時期らしく | 丹三 |
4 トラクタの風防閉めるそぞろ寒 | しげ木 |
5 急カーブのぼる全山の紅葉 | しげ木 |
6 勝鬨の橋や汽水に夕時雨 | 睦花 |
7 時雨るるやカフェの硝子に顔歪む | 睦花 |
8 新米に何もいらない塩むすび | れいこ |
9 目覚や新米の香に誘われて | れいこ |
10 赤ん坊に握る力や秋祭り | ふくふ |
11 静寂な園のひいらぎ地をしろき | 長操 |
12 牛鬼の口髭まばら文化の日 | 広夢 |
13 秋の水静かに滑り出づ和船 | 水琴窟 |
14 百日紅溢れる茶亭池の庭 | 水琴窟 |
15 水引に水引ほどの雨の粒 | 風民 |
2023年10月30日
1 稲妻の遠き闇夜を横走る | えいじ |
2 秋晴れや家並の隙間富士の山 | 丹三 |
3 いつの間に柿を収穫この空き家 | 丹三 |
4 夕鐘の止みて白風のこりけり | 長操 |
5 自動ドア色なき風の出入りする | 長操 |
6 星の飛ぶカミオカンデの山を行く | しげ木 |
7 末枯れの沙羅のこずえに雀二羽 | しげ木 |
8 鐘一打ピリピリしまる夏木立 | 小牧 |
9 放尿をしつつ見上げるスポーツ日 | 広夢 |
10 文化の日明治天皇産湯の日 | 広夢 |
11 秋簾や緑さやけき池の庭 | 水琴窟 |
12 名にし負う女官の墓や秋の草 | 水琴窟 |
13 自主練のスタジオの窓十三夜 | 睦花 |
14 稲妻は借景となりし十三夜 | 睦花 |
15 足元に空の色あり花サフラン | 風民 |
2023年10月29日
1 照紅葉ひとりの空を埋めにけり | えいじ |
2 柿採りは高枝ばさみシート敷き | 丹三 |
3 開けた窓小鳥の声が今聞こえ | 丹三 |
4 煉瓦敷くプロムナードの美術展 | しげ木 |
5 藤の実の中庭に出る非常口 | しげ木 |
6 燭灯す大正カフェの秋深し | 水琴窟 |
7 秋気満つ大杉参道大聖寺 | 長操 |
8 月見餅出町ふたばの人の列 | 水琴窟 |
9 満ち満ちて月柔らかに十三夜 | 長操 |
10 半数は曲がったままの秋の茄子 | 広夢 |
11 新しい職場に慣れず四苦八苦 | 小牧 |
12 煌めくや一条の日の山紅葉 | 語后池 |
13 目凝らせば松のそこここ新松子 | 風民 |
14 廃屋のひとかたまりの紫苑かな | れいこ |
2023年10月28日
1 短夜へ祭り太鼓を打ち鳴らす | 小牧 |
2 不揃いの藷の相和す籠のなか | えいじ |
3 午後の陽が背中温めまだ長月 | 丹三 |
4 街路樹に我が町初の紅葉よ | 丹三 |
5 冬隣はさの木が立ち並ぶ道 | しげ木 |
6 逆光の銀杏黄葉の影まだら | しげ木 |
7 黄昏の山芒野や豊鬚髯 | れいこ |
8 まさお空屋敷賑わす泡立草 | れいこ |
9 秋澄めり山頂カフェから望む街 | 水琴窟 |
10 放蕩の父に似ている枯れ野菊 | 広夢 |
11 島原の遊女の社木犀花 | 水琴窟 |
12 ほの明き庭静まりて十三夜 | 風民 |
2023年10月27日
1 もじもじと鞄の隅に赤い羽根 | えいじ |
2 木犀が散って車の屋根掃除 | 丹三 |
3 草刈らぬお宅に伸びた薄の穂 | 丹三 |
4 国道の最高地点きょうも霧 | しげ木 |
5 道なかばダム湖に映る初紅葉 | しげ木 |
6 向日葵に紛れ黄色のジャケットか | 小牧 |
7 サフランを植えたる父も母もなし | れいこ |
8 庭紅葉端色づけば喪の匂い | れいこ |
9 団栗や歩む歩幅に散りばめて | 長操 |
10 一人ゐのゆがむ川面にかけし月 | 長操 |
11 濃紺菊夕暮れ遠き色に咲き | 広夢 |
12 一輪の白きピースや秋の昼 | 風民 |
13 遠くより下校児の声ねこじゃらし | 風民 |
14 韓ドラの三度目も泣ける夜長かな | 睦花 |
15 カザルスをブルートゥースで聴く夜長 | 睦花 |
16 蒼空やいつでも秋晴飛機の上 | 語后池 |
2023年10月26日
1 秋祭り天にさしあぐ桴二本 | えいじ |
2 夕明り稲田を分ける街路灯 | しげ木 |
3 竹竿を青空に向け柿をもぐ | しげ木 |
4 新しい職場に慣れず四苦八苦 | 小牧 |
5 傷心の身を癒すかな郷の風 | 小牧 |
6 白線を蹴立てて走りし運動会 | 広夢 |
7 木犀の匂う小径や深呼吸 | 語后池 |
8 爽やかにスカイツリーの立ち姿 | 語后池 |
9 真っ直ぐに秋の空指す月桂樹 | 丹三 |
10 騒がしく空き家の柿を烏食う | 丹三 |
11 零磁場の温もり肩に雁渡る | 睦花 |
12 引越しのトラック発ちて雁渡る | 睦花 |
2023年10月25日
1 さにつらう紅葉色めく鏡池 | えいじ |
2 日記買う新しき日々すぐそこに | 小牧 |
3 咲くを待つ日々のときめきつぼみかな | 小牧 |
4 秋寒や旅の支度のあれこれと | 語后池 |
5 縮こまり床で読書の夜寒かな | 語后池 |
6 敬老の日子が覚えてた父母の家 | 丹三 |
7 伸びた枝切り時は秋月桂樹 | 丹三 |
8 フォグランプを点けて濃霧のつづら折り | しげ木 |
9 婚家から玄米でくる今年米 | しげ木 |
10 家に待つ人を忘れて大花野 | 広夢 |
11 身に入むや一人暮らしの母振る手 | 睦花 |
12 身に入むやアルバム褪せし故郷の家 | 睦花 |
13 貴船菊暮れて雪洞掲ぐごと | 風民 |
2023年10月24日
1 静謐の黒部湖抱へ山粧う | えいじ |
2 にらの種飛んだと思う風の日よ | 丹三 |
3 虫卵静かに庭の隅に居り | 丹三 |
4 再開の散歩の道に草の種 | しげ木 |
5 パンくずを置く濡れ縁に小鳥二羽 | しげ木 |
6 信濃路を行けば金色むら薄 | 風民 |
7 豊の秋村の家みな富士に向く | 風民 |
8 いみじくも復路みじかしもみじ径 | 長操 |
9 新米のおにぎりですと言葉添え | 小牧 |
10 新緑のゴールネットを揺らしきり | 小牧 |
11 柿たわわしなる曲線定規かな | 長操 |
12 カラオケへ楽器担いで秋の宵 | 語后池 |
13 カラオケの芸大生の夜長かな | 語后池 |
14 木枯らしや母の靴音待つ夜半 | 水琴窟 |
15 重い靴転勤辞令冬の夜 | 水琴窟 |
16 正倉院曝涼奈良の朝静か | 睦花 |
17 曝涼や鹿の斑点めく木洩れ陽 | 睦花 |
18 干布団パラパラ落ちる屁こき虫 | れいこ |
19 仰向けに手足ゆすぶる屁こき虫 | れいこ |
2023年10月23日
1 飛機挽ける一に乗りたる昼の月 | えいじ |
2 柿熟す隣の空き家からの枝 | 丹三 |
3 半分は地面で黄色金木犀 | 丹三 |
4 軒先にたわわに垂れる熟し柿 | 長操 |
5 てなし豆今朝採れたてが昼の菜 | しげ木 |
6 椿の実を砕き雀に石の上 | しげ木 |
7 脚萎えを励ましくるる蝶の舞い | おはる |
8 新しき楽譜広げて春の風 | 小牧 |
9 台本の無き人生や露の道 | 小牧 |
10 四つ辻に黄色のライン金木犀 | 睦花 |
11 金木犀一呼吸してチャイム押す | 睦花 |
12 赤い羽根さけて通れり茶店前 | 広夢 |
13 戦ぐ葦光る細波秋の川 | 語后池 |
14 ブロワーの孕みた袋枯れ落ち葉 | れいこ |
15 蟷螂の十二頭身髭ニ本 | れいこ |
2023年10月22日
1 蟷螂や父は半身の後退り | えいじ |
2 新品のまわしが擦れる秋相撲 | 丹三 |
3 秋バザー優待券を貰う歳 | 丹三 |
4 前栽に秋の菊菜の新芽摘む | しげ木 |
5 鋸を手に見上げる紅葉ハナミズキ | しげ木 |
6 柿日和飛行機雲の近く見ゆ | 風民 |
7 まる見えのスカイツリーや秋の空 | 語后池 |
8 上弦や薄青空に真半分 | 語后池 |
9 風止みて上から目線泡立ち草 | 長操 |
10 黄落や石段登る古き街 | 水琴窟 |
11 堤防の白線たたく秋驟雨 | 睦花 |
12 満員の江ノ電揺する秋驟雨 | 睦花 |
13 好きな道好きに歩いて秋の風 | 広夢 |
14 神苑や森に包まれ秋の空 | 水琴窟 |
15 しぐるるや十九人のひさし顔 | れいこ |
16 小朝顔ぱらぱら蒼き荒れし庭 | れいこ |
2023年10月21日
1 秋の野やまむきそむきのリフティング | えいじ |
2 草の上大かまきりがひとり居る | 丹三 |
3 藷掘りの幼き記憶今日も掘る | 丹三 |
4 ゆったりとうねる峠の草紅葉 | しげ木 |
5 新藁の屋外アート潟の端 | しげ木 |
6 秋祭絵巻の如き姫御列 | 水琴窟 |
7 百合香るはげしい波が押し寄せる | 小牧 |
8 憂いあり散歩帰りの蝶の昼 | 広夢 |
9 空高くさかな泳ぐや鱗雲 | 語后池 |
10 お昼寝や木犀香る保育園 | 語后池 |
11 秋寒や暮色に消える長き影 | 風民 |
12 電線に候鳥しばし旧街道 | 風民 |
2023年10月20日
1 秋そぞろ栞くわえた本が呼ぶ | 小牧 |
2 秋の野にまむきそむきのリフティング | えいじ |
3 菜畦の青い匂ひや秋の蝶 | ばん |
4 大空に舞う葉の如き秋の蝶 | ばん |
5 朝顔の芯の白さを見て帰る | 広夢 |
6 四方から金木犀が薫る辻 | 丹三 |
7 甘藷掘る小さなものも捨てがたく | 丹三 |
8 声はずむ工期の迫る秋の晴 | しげ木 |
9 櫓田の株先につく実らぬ穂 | しげ木 |
10 秋の日や緑に染まる九条池 | 水琴窟 |
11 咲き疲れコスモス枯れし吾に似し | 長操 |
12 抜け路地の木犀の香を犬と往く | 長操 |
13 秋風や落葉の踊る散歩道 | 水琴窟 |
14 寄合を歩いて帰る秋夜かな | 語后池 |
15 掛け布団ぬくもり仄か秋深し | 語后池 |
16 柳葉向日葵パットあかるく登坂 | れいこ |
17 お礼肥施すあとの秋時雨 | れいこ |
2023年10月19日
1 金風を紙飛行機の急落下 | えいじ |
2 秋蝶の高風に舞ふ葉の如き | ばん |
3 秋蝶の柩となりし水溜り | ばん |
4 三角巾がバザーキビキビ文化祭 | しげ木 |
5 十株の稲を刈り取りひと束に | しげ木 |
6 行く秋や石庭独りただ涙 | 水琴窟 |
7 いつのまに庭いっぱいの甘藷蔓 | 丹三 |
8 思い出の母と飛ばした鳳仙花 | 丹三 |
9 秋気澄み手の届くやう麓街 | 水琴窟 |
10 酒匂ふ新酒の匂ひ風匂ふ | 長操 |
11 徹夜して目覚めてみれば秋の空 | 語后池 |
12 目を凝らし芋虫見たり身震いす | 語后池 |
13 信州の友来今宵は新走り | 睦花 |
14 新しき猪口になみなみ新走り | 睦花 |
15 近づけばまた別の方ちちろ鳴く | 風民 |
16 ふんわりと月晩年の夜に咲けり | 広夢 |
17 早や一年今やふるさと赤蜻蛉 | 小牧 |
18 穭田をまっすぐ走る送電線 | れいこ |
19 栗拾い敷き詰められし皮と毬 | れいこ |
2023年10月18日
1 金秋の空をのたりと観覧車 | えいじ |
2 金木犀居間に向かって薫る日よ | 丹三 |
3 秋高し下校時間を見守る日 | 丹三 |
4 入りし日を仄かに返す三日の月 | 語后池 |
5 三日月やビルの谷間に笑みの如 | 語后池 |
6 見送りて闇に香の満つ金木犀 | 風民 |
7 ひとひらを開きてひとひ冬薔薇 | 風民 |
8 水澄て四万十川に小魚群 | 広夢 |
9 禅林や人影消えし秋の暮れ | 水琴窟 |
10 白鷺の一羽遊べり秋の水 | 水琴窟 |
11 朝ぼらけ秋明菊の白一輪 | しげ木 |
12 冬隣北越雪譜の資料館 | しげ木 |
2023年10月17日
1 鍵穴から見えるすっかり秋の味 | 小牧 |
2 山登りしようと誘う藤袴 | 小牧 |
3 濃紺の空に雲浮く秋の夜 | 語后池 |
4 おでん屋に来たり一杯古き友 | 語后池 |
5 秋晴や神馬像蹄蹴り上ぐる | えいじ |
6 道に伸びた金木犀を嗅いでみる | 丹三 |
7 寄り道は金木犀の多い道 | 丹三 |
8 一本が窓から覗く秋桜 | しげ木 |
9 末枯の藪蘭の叢そことここ | しげ木 |
10 禅林に我独り居り秋時雨 | 水琴窟 |
11 花街の紅柄格子秋灯し | 水琴窟 |
12 八冠のさらなる極み天高し | れいこ |
13 長き夜俳句始める天赦日 | れいこ |
2023年10月16日
1 秋深しフォーク行き交うフォンデュ鍋 | えいじ |
2 ゐのこずちひっつき虫も犬の背な | 長操 |
3 墓参り帰りは母と磯部餅 | 丹三 |
4 枝切る秋薫る枝葉は捨てす置く | 丹三 |
5 待避所でお先にどうぞ紅葉狩る | しげ木 |
6 藁塚の日なたにまわり凭れいる | しげ木 |
7 向日葵の種降れ焦土となりし地に | 広夢 |
8 形良きどんぐり落つるままにあり | 風民 |
9 八巻は心意気よと秋祭り | れいこ |
10 阿波踊り五臓涙す大太鼓 | れいこ |
11 八千草や小蝶の群れの舞い来る | 語后池 |
2023年10月15日
1 ジョギングにさやかなる風木犀香 | えいじ |
2 木犀の香り今日窓開け放つ | 丹三 |
3 秋冷よ物干す時間長くなり | 丹三 |
4 コンバインの軌跡の残る大刈田 | しげ木 |
5 早退の車輌にひとりそぞろ寒 | しげ木 |
6 金木犀散りて一花の可憐なる | 風民 |
7 秋燈にそぼ降る雨や光りをり | 語后池 |
8 山頂の庵枯れ葉の降りしきり | 水琴窟 |
9 柳散る島原大門灯をともし | 水琴窟 |
2023年10月14日
1 秋晴や指差す妻の車押す | えいじ |
2 朝涼し名もなき人の靴の音 | 広夢 |
3 敬老の日貰うお菓子は紅白よ | 丹三 |
4 濡れ縁に薄を飾る団子添え | 丹三 |
5 肌寒や影がまづ入る待合所 | 風民 |
6 出でて入るスノーシェードの谷紅葉 | しげ木 |
7 冬支度おもての花壇を植え替える | しげ木 |
8 落ち枝を集めキャンプや子らの秋 | 語后池 |
9 秋寒やポケットの空ナフタリン | れいこ |
10 渋柿と甘柿見分く生御霊 | れいこ |
2023年10月13日
1 猫まろむいつもの椅子に草の花 | えいじ |
2 遊ぶ子ら半袖ばかり秋の夕 | 語后池 |
3 やはらかに蕊を包みて貴船菊 | 風民 |
4 ドローンがパッチワークの刈田撮る | しげ木 |
5 坂バカのスポークに照る初紅葉 | しげ木 |
6 ようやくに金木犀の蕾見え | 丹三 |
7 庭に椅子父にバリカン秋の陽よ | 丹三 |
8 主を待つ框の犬に月あかり | 長操 |
9 自傷という静かなるもの夜のメロン | 広夢 |
2023年10月12日
1 団欒の灯の点す窓や暮の秋 | えいじ |
2 眼帯をかければ秋を見失う | 広夢 |
3 楼閣の開け放つ窓秋の苑 | 水琴窟 |
4 生垣の葉先燃え初め秋来けり | 水琴窟 |
5 快晴の空へ喚声運動会 | しげ木 |
6 大楓さけて線路は向こう岸 | しげ木 |
7 板壁に齧られし穴菱紅葉 | ふくふ |
8 勲章の神経痛や菊の宴 | ふくふ |
9 薄明けの三日月映える姉妹星 | 長操 |
10 ぽつり見ゆ実りの如き薄紅葉 | 語后池 |
11 コロナ禍に消え鎮魂の大花火 | 小牧 |
12 秋風やポケットに空ナフタリン | れいこ |
13 曼珠沙華見ぬまに過ぎし河川敷 | れいこ |
2023年10月11日
1 落日に照り映えゆれる秋簾 | えいじ |
2 小雨やみ黄昏に立つ秋の虹 | 語后池 |
3 大門をくぐり格子戸秋ともし | 水琴窟 |
4 露けしや久坂玄瑞ここに散る | 水琴窟 |
5 どうだんの根方どくだみの紅葉 | しげ木 |
6 公園の木立の紅葉ビルの下 | しげ木 |
7 吾亦紅昔の風の吹く日かな | 広夢 |
8 羽のよな葉に露草の飛ぶ如く | 語后池 |
9 月明かり夜道の人の独り言 | 修晶美 |
10 曇天を舞って切り裂く秋燕 | 修晶美 |
11 十六夜の主待ち犬の框かな | 長操 |
2023年10月10日
1 日の映る黄花コスモス残り雨 | 語后池 |
2 藤前の海面かがやく今日の月 | えいじ |
3 甘柿を摘みて一日を老いゆけり | 広夢 |
4 原点となれジュニア美術展覧会 | しげ木 |
5 紅葉のコキアが誘うアプローチ | しげ木 |
6 通草つる雫を抱きて揺るるかな | 長操 |
7 秋伸びす薄く濃き色槙の庭 | 長操 |
8 夕刻の迫る石庭秋時雨 | 水琴窟 |
9 神苑の歌結ふ萩や風に揺れ | 水琴窟 |
10 重き戸を引けば爽爽秋の風 | ふくふ |
11 落ち胡桃みみず這い出る雨後の道 | れいこ |
2023年10月09日
1 仰け反つて青空のなか体育の日 | えいじ |
2 旧道の端にたわわの柿の枝 | しげ木 |
3 秋の宵雲のあたまに日が残る | しげ木 |
4 鯉尾びれさざ波立てて秋澄めり | 水琴窟 |
5 新秋や色染め始む如意ケ嶽 | 水琴窟 |
6 ちちろ鳴く闇や坩堝の火を落とす | 広夢 |
7 寄り添いの銀杏の実未だ葉に隠れ | 語后池 |
8 無情にも叢雲流れ月陰り | 長操 |
9 雨返し帰省準備の秋燕 | 修晶美 |
10 雨降りに一家飛び交う秋燕 | 修晶美 |
2023年10月08日
1 向日葵の迷路の出口待つ笑顔 | 小牧 |
2 神木の銀杏黄葉や日本晴れ | えいじ |
3 秋日射斑に黄ばむ大欅 | 語后池 |
4 神輿担ぎ神の重さに肩が腫れ | 翡翠 |
5 布袋草咲いた紫朝に枯れ | 翡翠 |
6 鉄道の通らぬ村の鵙の贄 | 広夢 |
7 月の雲仄かに縁は紅綿毛 | 長操 |
8 あいにくの叢雲流れ月陰り | 長操 |
9 ひたき来る渡りなかばの三四日 | しげ木 |
10 砂山の浜ぐみ探すランドセル | しげ木 |
11 煌々ともみじを映し寺の床 | 水琴窟 |
12 秋迫る石庭彼方比叡山 | 水琴窟 |
13 曇天にゆるるコスモス抗はず | おはる |
14 いつ開くハクモクレンの花芽かな | 語后池 |
15 草紅葉観察小屋の小さき窓 | ふくふ |
2023年10月07日
1 秋晴や空にとりどり万国旗 | えいじ |
2 秋時雨全山濡らす正伝寺 | 水琴窟 |
3 波模様秋色映す水の庭 | 水琴窟 |
4 石段の目の前の花金木犀 | しげ木 |
5 放課後の防風林に茸とり | しげ木 |
6 柿の実や熟れる日を待つ晴天日 | 広夢 |
7 転院はベリーショートよ小春空 | ふくふ |
8 昨日今日足音はやし初冠雪 | れいこ |
2023年10月06日
1 夕映えに子猫じゃれつく秋簾 | えいじ |
2 誰が詠むや萩に吊る和歌風に揺れ | 水琴窟 |
3 秋の夜や島原大門ほの灯り | 水琴窟 |
4 朝顔の地を這う蔓に紺の花 | しげ木 |
5 河の名の変わる棚田の刈田原 | しげ木 |
6 リズミカル髪刈る音の空高し | 語后池 |
7 お参りを忘れし白き彼岸花 | 語后池 |
2023年10月05日
1 猫まろむ背に珊珊と今日の月 | えいじ |
2 産土ににをゐやさしき新走り | 長操 |
3 秋澄めりさざ波の中光る鯉 | 水琴窟 |
4 山庵や木の間に遥か京の秋 | 水琴窟 |
5 大西風の電波灯台砂の浜 | しげ木 |
6 窓埋める屋根のあいだに鱗雲 | しげ木 |
7 一筋の明かり見えたり曇りそら | おはる |
8 ゆうぐれに誘はるるごと重ね着を | おはる |
9 色変へぬ松の四方や彩りて | 長操 |
10 鉢土に突如のきのこ妻笑う | 語后池 |
11 長き夜のゴルトベルクの調べかな | 語后池 |
12 コスモスや会いたき人がふと浮かぶ | 広夢 |
13 七辻の標識なしや秋の風 | れいこ |
14 新涼やペダル漕ぐ頬あさひ滿 | れいこ |
2023年10月04日
1 掌に伏して秋の蚊動かざる | えいじ |
2 鰯雲の天井見上げ飛ぶ烏 | 翡翠 |
3 かしづきて神に振る舞ふ新酒かな | 長操 |
4 軽トラがあげる埃のなか野菊 | しげ木 |
5 台風に木の葉の群れが道走る | しげ木 |
6 鶏頭や森の深さの面構 | 広夢 |
7 つくつくし時間に終れ今日も暮れ | 広夢 |
8 大伽藍つくばいに一つ浮き紅葉 | 水琴窟 |
9 秋の水青鷺降りる船の先 | 水琴窟 |
10 秋雨や枯れ紫陽花の一雫 | 語后池 |
11 秋の灯や傘の雨粒光りをる | 語后池 |
12 霧雨に潤む街灯帰宅人 | れいこ |
13 速攻の離せぬ視線秋五輪 | れいこ |
2023年10月03日
1 秋風や河岸に転げる猫車 | えいじ |
2 長袖の散歩も増えて鰯雲 | 翡翠 |
3 名月や薄きベールに顔隠し | 翡翠 |
4 刈田原砂丘の先にのぞむ島 | しげ木 |
5 新藁で作る屋根かべ秘密基地 | しげ木 |
6 王朝の女官の悲恋萩の花 | 水琴窟 |
7 山の茶屋見下ろせば古都秋の色 | 水琴窟 |
8 軟風に酔い覚ましたり居待月 | 語后池 |
9 一粒の小さき零余子に託す味 | おはる |
2023年10月02日
1 欄干に濡羽烏の秋夕焼 | えいじ |
2 空白みコロコロ響く虫の声 | 修晶美 |
3 鴉の子親を急かせて羽をふり | 修晶美 |
4 電柱の支線で熟れる烏瓜 | しげ木 |
5 帚木の紅葉の枝自己相似 | しげ木 |
6 鳥の声遠く響くや秋の朝 | 語后池 |
7 爽やかや目覚めの風と差す朝日 | 語后池 |
8 虫の庭さ行た行のカタカナ音 | 長操 |
9 秋空や稜線すがし比叡山 | 水琴窟 |
10 枯れ葉舞う山の庵や旅の果て | 水琴窟 |
11 それぞれに愛を奏でる千の虫 | 長操 |
12 カンナ燃ゆ黒人霊歌丘の上 | 広夢 |
13 夕暮れの雲怖ろしき色と形 | おはる |
14 帰りにはなかりけり露草の露 | れいこ |
2023年10月01日
1 太刀魚のぶつた切られて卓の上 | えいじ |
2 CDが光る上着の遠案山子 | しげ木 |
3 秋茄子が転がる廊の新聞紙 | しげ木 |
4 大和美し鬼灯それぞれに夕日 | 広夢 |
5 都路を行くや黄葉大銀杏 | 水琴窟 |
6 石庭や包む秋麗東山 | 水琴窟 |
7 雲かかり瞳の如し月潤む | 語后池 |
8 望月の電球色に灯る窓 | 語后池 |
9 梨届き愛でるひととき安らぎぬ | おはる |
2023年09月30日
1 漆黒を打ち貫く色や今日の月 | えいじ |
2 終章のどんでん返し蚯蚓鳴く | 広夢 |
3 骸かと螳螂の背に触れてみる | しげ木 |
4 藁塚を積む頂上へたば投げる | しげ木 |
5 十五夜の雲靡かせて昇りけり | 語后池 |
6 匂いくる隣家の夕餉月明り | 語后池 |
7 夕焼の紅葉照らす東山 | 水琴窟 |
8 陽を受けて静かに光る青紅葉 | 水琴窟 |
9 いにしえの秋風吹けり正伝寺 | 梅羊羮 |
10 短冊に込める祈りや萩祭 | 梅羊羮 |
11 苦瓜の苦みがいいと隣人 | おはる |
12 ずっしりと白く滴る傷の梨 | れいこ |
2023年09月29日
1 快晴に咲きて無垢なる花芙蓉 | えいじ |
2 年かさね原種の色の秋桜 | しげ木 |
3 木のそばでゴマのはいった柿かじる | しげ木 |
4 陽を受けて静かに光り青紅葉 | 水琴窟 |
5 門前に一つ水浮く赤紅葉 | 水琴窟 |
6 丑三つの掬ふ名月手のひらに | 長操 |
7 名月を自由自在につつむ曇 | 長操 |
8 翻る白き羽裏や小鳥二羽 | 語后池 |
9 栗ご飯去りたる記憶よみがへる | おはる |
10 秋風とそよぐ風のみ正伝寺 | 梅羊羮 |
11 秋時雨石庭はるか比叡山 | 梅羊羮 |
12 鯉廻る底の底まで秋の池 | れいこ |
13 水音がしじま開きし秋の夜 | れいこ |
2023年09月28日
1 落水の田に罅深く稲の秋 | えいじ |
2 山羊鳴いて野の秋風を従える | 広夢 |
3 むらさきの花食用の菊茹でる | しげ木 |
4 水遣りのホース収める暮の秋 | しげ木 |
5 吉田山庵に落葉降りしきる | 水琴窟 |
6 秋の陽のグラスに映る山のカフェ | 水琴窟 |
7 銀匙のカレーのまろし白き月 | 睦花 |
8 音漏れのライブの海や月の道 | 睦花 |
9 手作りの餃子に包む秋の香を | おはる |
10 洋梨のうすき皮剥く幼き手 | おはる |
11 秋暑し日はじりと射し散歩なし | 語后池 |
12 小望月振り向かんとすをみな如 | 語后池 |
13 振り返るためのふる里いわし雲 | 広夢 |
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