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2023年12月06日

1 一刷の風に傾れて木の葉散る えいじ
2 並木道毎日いちょう落葉掃き 丹三
3 孫二人動画で話す息白し 丹三
4 枯れ葉踏む観光道路の火山ガス しげ木
5 早番の道木枯に向かう朝 しげ木
6 くれゆきて仄かに残る冬木立 長操
7 陽光の雲雨掃き澄む冬の朝 陽温
8 奥能登の波濤砕けし冬木立 長操
9 小松菜を真水で洗いここからと 陽温
10 竹藪の鳴る筍を剝きており 広夢
11 坪庭を白く灯してひめつばき 風民
12 山茶花の我が領分に散りてをり 風民
13 葬儀の日破れた障子張り替える 汗馬
14 一枚のカレンダー揺る師走かな 栞
15 雨晴れて手指の潤ふ冬の朝 栞
16 蒼天の研ぎし爪痕木守柿 れいこ
17 冬囲ハサミの音の響きけり れいこ
18 産毛つけぱかりと開く花冬芽 語后池

2023年12月05日

1 錦木の紅一点に誘われり 語后池
2 踊りさりまた踊りくる綿虫や 語后池
3 空へたつ冬たんぽぽのわたぼうし えいじ
4 晴れた朝下弦の月が真上で冴え 丹三
5 自炊中切干は煮て味噌汁にも 丹三
6 冬銀河KAGRAが覗く百億年 しげ木
7 朝活もまばらに泳ぐ十二月 陽温
8 夜勤へと凍星の下ドア開ける しげ木
9 帰還して鮭のパエリア綻ぶ子 陽温
10 電飾の自縄自縛も冬木立つ 長操
11 紅葉のひさしを抜けて苑に入る 栞
12 竹林の小径を照らす石蕗の花 栞
13 幸せと孤独シュワッとソーダ水 広夢
14 茸狩り図鑑を持って山入る 汗馬
15 吊し柿筵に皮も並びをり 風民
16 目貼りして篭城のごと母独り れいこ

2023年12月04日

1 木の葉いま錐揉み落つる鏡池 えいじ
2 ビニールの破れぬ障子張ってみる 丹三
3 母が掃く落葉のための穴二つ 丹三
4 赤い枝で作る箸置きもらう暮 しげ木
5 冬至湯の種のぬめりをいじる子ら しげ木
6 生け替えて家人照らす冬の花 陽温
7 街路樹の黄紅葉はらりバスの道 陽温
8 冬木立映し川面をながれおり 長操
9 ネギ醤油納豆入れて箸で混ぜる 汗馬
10 枝先に残る紅葉や風に揺る 栞
11 御手先の足元照らす石蕗の花 栞
12 雪館訪うは餌こう小鳥達 れいこ
13 命日の冬の白百合花粉手に れいこ

2023年12月03日

1 枝垂れてメタセコイアの冬紅葉 えいじ
2 壁暦あと一枚の十二月 陽温
3 掘った藷熟成五週焼いてみる 丹三
4 悴む手朝一番のごみ出しよ 丹三
5 白菜を使いきる路脳作業 陽温
6 畳替え椅子の跡あるテレビ前 しげ木
7 じんわりと片頬火照り冬日向 語后池
8 大空へ冬芽を抱き反る木末 語后池
9 晴れた日に秋耕するトラクター 汗馬
10 朝日待つ晒し尽くした冬木立 長操
11 冬霧や朝日に向かふ熱気球 栞
12 凩にいづくともなく塵の舞ふ 栞
13 冬の月黄葉の道やわらかき れいこ
14 侘助や李朝青磁の静かなる 風民
15 悴む掌餌を啄む傷の鳩 れいこ

2023年12月02日

1 綿虫のふわりとよぎる空ま青 えいじ
2 肉よりも風呂吹きが好きこの頃は 丹三
3 孫の声電話長引き湯冷めする 丹三
4 散歩道菊名人の笑顔あり 小牧
5 鉢植えのパイ包みのごと雪積もる しげ木
6 てっぺんまで黄色き銀杏青き空 水琴窟
7 新調のブーツで駆ける石畳 陽温
8 伊勢海老に塩ひとつまみ白ワイン 陽温
9 高速に続く車灯や冬の暮れ 水琴窟
10 磯荒れの音に悴む千枚田 長操
11 小春日や南京はぜの実の白き 負乗
12 土の上土色守宮足で踏む 汗馬
13 届きけり柚子六十個おおわらわ れいこ

2023年12月01日

1 綾なして雲間に流る月の暈 えいじ
2 熱覚悟ワクチン欲しい流行風邪 丹三
3 公孫樹の葉毎朝拾う暇ができ 丹三
4 百合の花白色越しに母の顔 小牧
5 擦る指フロントガラスに霜の華 長操
6 駆ける朝赤い実照らす蒼空と 陽温
7 秋灯す花街島原石畳 水琴窟
8 軒つらら光の雫こぼしけり 水琴窟
9 鈍色の空にハーケン冬木の芽 しげ木
10 小木のいろとりどりに吸い込まれ 陽温
11 さわさわと籬濡らせり能登時雨 広夢
12 千代紙を撒きたるやうに散色葉 語后池
13 卵割り小粒卵黄飯の上 汗馬
14 もてなして新そばの翁蒼き空 れいこ
15 刈株の上を揺らぐ冬の月 れいこ

2023年11月30日

1 フレームの黄花色めく電照灯 えいじ
2 晴れた日に坂から見えた富士の雪 丹三
3 山茶花が一枚散った今朝の庭 丹三
4 まなじりを決してすがし受験生 水琴窟
5 合否見て大きくばつをせし友よ 水琴窟
6 坂道の上に雪積む奥社の朱 しげ木
7 ガラスビル銀杏黄葉堀に見ゆ 語后池
8 いよいよ来北北西の空つ風 語后池
9 くずれけれ一夜の雨の山茶花よ 長操
10 風鳴らし行く櫨の実の水辺かな 小牧
11 冬薔薇植木師のふと立ち止まり 風民
12 枯れ葉からそらに恋した風ふわり 陽温
13 オリオンと無限に光る蒼のよる 陽温
14 爪先で玉ねぎの茶色皮剥く 汗馬
15 大花火終えたる土手を歩けけり 小牧
16 沈む日の大きく揺れて落ち葉掃 れいこ
17 妣好きな浮雲一つ冬の空 れいこ

2023年11月29日

1 碧天へ白く群れ立つ百合鴎 えいじ
2 椅子しまい炬燵で見てるユーチューブ 丹三
3 動画きた孫三人の七五三 丹三
4 白霧の教会包む聖夜かな 水琴窟
5 柿の箱故郷満杯届きけり 水琴窟
6 航跡の鈍色にして冬の空 長操
7 木枯が駅へフォローの通勤路 しげ木
8 沙罹の木をバサリ剪定時雨の間 しげ木
9 酔芙蓉ほめ風をほめ老い見せず 小牧
10 秋空に浮雲流れうかれくる 小牧
11 綿虫の浮遊裡に妻土弄り 語后池
12 通るひと皆挨拶の日向ぼこ 語后池
13 草餅を歯で食いちぎり黒あんこ 汗馬
14 秋空に大工の仕事響きけり 梅羊羮
15 湯船にて遠くに聞こゆ除夜の鐘 梅羊羮
16 街灯のもとに小さき返り花 れいこ
17 白山の裾野動かす大白鳥 れいこ

2023年11月28日

1 日を浴びて雪崩れのごとく落葉降る えいじ
2 色づいた梢が先に散る公孫樹 丹三
3 年寄はサーモンよりも塩鮭を 丹三
4 縁側の前掃く人に木の実ポトッ しげ木
5 夕映えに重ね燃え立つ冬紅葉 長操
6 しだれ梅雫のごとくごぼれけり 小牧
7 千両が好き万両はもっと好き 小牧
8 あかあかと玻璃戸の端を冬朝日 ふくふ
9 秋風に道を転がる空バケツ 汗馬
10 谷底の村を紅葉包みたり 水琴窟
11 枝を切る大声聞ゆ小春空 語后池
12 日明かりで書の字も読める日向ぼこ 語后池
13 手の拳ぬくもりきたる冬の朝 れいこ

2023年11月27日

1 フレームの不夜城なるや伊良湖崎 えいじ
2 晴れた日は落葉を拾う濡れぬうち 丹三
3 椅子寒し炬燵で見てるユーチューブ 丹三
4 海に湧く雲山並みへ雪起し しげ木
5 冬桜凛々しき枝へふわり咲く 語后池
6 溜池の堤に近く浮寝鳥 しげ木
7 山間の日向こぞりて蜜柑園 風民
8 静謐を纏ひて白し冬薔薇 風民
9 そっと咲きそっと散りゆく野辺の花 小牧
10 一期一会ときめき拾う春の風 小牧
11 クルーズ船赤々として冬落暉 長操
12 ほんのりと裸電球冬の月 語后池
13 好物の鮭の切り身も高価品 汗馬

2023年11月26日

1 橋なかば高まる波に北止まず えいじ
2 ぐにゃぐにゃのガードレールに白く霜 しげ木
3 西風の雲が連れくる雪女 しげ木
4 つるし柿影をひろげて部屋美し 長操
5 草笛を若き音色と耳すます 小牧
6 黒星の千秋楽の力士たち 汗馬
7 幾筋も小雨滴る大朱欒 語后池
8 群れ立つや日を追い傾ぐ石蕗の花 語后池
9 冬薔薇開きて紅の現はるる 風民

2023年11月25日

1 滲み出た秋刀魚油が燃え上がる 汗馬
2 冬の日に白く羽根虫漂へり えいじ
3 憎しみを掻き消す様な大花火 小牧
4 螺旋描く霜融かす指ドアミラー しげ木
5 楢の木に残る下葉に初時雨 しげ木
6 吊るし柿障子撮らへし微動かな 長操
7 久しぶり背広着た上襟巻も 丹三
8 寒卵薄皮強く割り損ね 丹三
9 桜落葉道をいろどり穏やかに 語后池
10 山の端に月真白なる冬の夕 風民
11 手を触れば満天星紅葉熱からむ 風民
12 カラフルや配色の妙落葉かな 語后池
13 四キロも漬けし大根妣レシピ れいこ
14 良寛の掛け軸廻る年の暮れ れいこ

2023年11月24日

1 風ともに日に映えながら落葉降る えいじ
2 公孫樹の葉てっぺんだけは黄に染まり 丹三
3 山茶花の一輪赤く庭の隅 丹三
4 石門のいよいよ黒く夕時雨 しげ木
5 木枯があおる玄関ドア掴む しげ木
6 照明に雪吊の庭舞台めく 風民
7 上を向くかどかどの瘤冬芽かな 語后池
8 袖まくり上着を肩に行く小春 語后池
9 木炭や旅の途中の木賃宿 広夢
10 日向ぼこはやものがちのベンチかな れいこ
11 息弾む朝のジョギング冬帽子 れいこ

2023年11月23日

1 大空に星団なせる金鈴子 えいじ
2 幼子に手を洗わせるはやり風邪 丹三
3 雑炊を見た目で食べぬ我が孫よ 丹三
4 高原に再開準備の店冬芽 しげ木
5 忙しく秋を終いて木々そびゆ 長操
6 夜半に聞く幽かな響き木の葉雨 語后池
7 冬麗や二条流るる千切れ雲 語后池
8 吾老師故人の湘子玉子酒 広夢
9 百均で甘栗買って口入れる 汗馬
10 冬の月どこにおわすか考と妣 れいこ
11 大根を洗う手しばし懐手 れいこ

2023年11月22日

1 露天湯に水輪広ごる月時雨 えいじ
2 煮込み過ぎ箸で崩れる朝のおでん 丹三
3 庭に立つ母に落葉よ竹ぼうき 丹三
4 捨て難き一書を友に秋の夜 小牧
5 橡の実や朽ちたベンチを転がりぬ 長操
6 天国の友も見下ろす大花火 小牧
7 海に湧く雲から鬼が冬の雷 しげ木
8 木枯が人ごとに吹くビルのかど しげ木
9 冬の日を浴びる烏よ青のなか おはる
10 茶を供す銀杏黄葉の神木に 風民
11 銀杏散る掃き清めたる参道へ 風民
12 初雪の堀水となり松江城 睦花
13 参道の守人めくや松の冬 睦花
14 湯たんぽの温もりに足そっとおく 汗馬
15 枯葉鳴る風に寄せ引く波如く 語后池
16 赤茶けしたわわの実如冬紅葉 語后池

2023年11月21日

1 冬たんぽぽ真青の空を仰ぎけり えいじ
2 焼藷は家のオーブン甘くでき 丹三
3 葉を拾い見上げる紅葉空は青 丹三
4 ダリ展へ小春日の道五十キロ しげ木
5 足早の落葉踏む音の家路かな 語后池
6 大欅枝現れし冬便り 語后池
7 耳朶の美し日のさるすべり 広夢
8 一遍の一歩を灯すコスモスや 小牧
9 青北風を介護の部屋へ通しけり 小牧
10 焼き芋がケースの中で湯気をだす 汗馬
11 最果ての沈む冬日の七ツ島 長操
12 悴むや眼下に煌めく千枚田 長操

2023年11月20日

1 蓮掘の伊吹おろしに乱る髪 えいじ
2 水面から見上げる紅葉船揺れる 丹三
3 手袋を外しスマホのキーを打ち 丹三
4 消雪の水玉おどる試運転 しげ木
5 くるくると枯葉回すやつむじ風 語后池
6 御代柿の風落ち葉となりにけり 長操
7 物音の少なき家の夜の秋 広夢
8 から風や微風の唸る古我家 語后池
9 波砕け波生まれくる冬岬 睦花
10 灯台を抱き寄せ凌ぐ神渡し 睦花
11 襟巻きをネクタイ結び温まる 汗馬
12 浮雲は空の飛び石小鳥来る 小牧
13 村中の地熱集めて彼岸花 小牧

2023年11月19日

1 夕映えのポインセチアの深紅燃ゆ えいじ
2 準夜勤終えてハンドル冬昴 しげ木
3 冬の雷地に落ちきれず雲の中 しげ木
4 春雷の不意の一撃決断す 小牧
5 外套はタンスの中の主役なり 丹三
6 冬帽子耳まで覆う暖かさ 丹三
7 冬空や飛行機巡る星の旅 水琴窟
8 大すすき活ける大正モダンバー 水琴窟
9 寒空の肩寄せふたり人の字に 語后池
10 墓地杉のひかりの筋に蜜柑かな 長操
11 毛玉取る母の隣や日向ぼこ 睦花
12 日向ぼこ格子模様の夫の影 睦花
13 真贋のことはさておき冬の風 広夢
14 日を溜めて日を溜めて山梔子の色 風民
15 冬はじめ骨董店に長居せり 広夢
16 午の刻寂しく一頭トンボ飛ぶ 汗馬
17 菜の花の香に誘われて散歩道 小牧
18 夕日いま銀杏黄葉を照らすのみ 風民

2023年11月18日

1 鳥はねて枯葉微塵にひかり落つ えいじ
2 ワイパーの拭き跡凍るウオッシャー しげ木
3 膝掛もヒーター付きが欲しくなり 丹三
4 セーターを二枚重ねて着る朝よ 丹三
5 新米に諭吉忍ばせ里帰り 小牧
6 花街や人影は無し秋の暮れ 水琴窟
7 寒椿足摺岬情死かな 広夢
8 雲に立つ白鷺一羽水鏡 小牧
9 教会の塔めき銀杏黄葉かな 風民
10 足音におのが驚く時雨かな 風民
11 銀嶺や庭にたわわな林檎の実 水琴窟
12 暮れなずむ落葉踏む音の散策路 語后池
13 冬日出物干す影の内障子 語后池
14 風に舞う足下に絡むイチョウの葉 汗馬

2023年11月17日

1 蓮根掘り終えて颪に正対す えいじ
2 雨落葉歩道貼絵となりにけり 語后池
3 着ぶくれよ部屋でフードをかぶるまで 丹三
4 朝早し毛布を掛けてテレビ見る 丹三
5 宵のくちコートで巡る竹オブジェ しげ木
6 胡蝶蘭に花芽の出窓冬立つ日 しげ木
7 不夜城の手がかじかむや千枚田 長操
8 荒海に拡げ不夜城千枚田 長操
9 葉の先に珠に成りたる初時雨 語后池
10 寒林や飛行雲追ひジェット音 風民
11 目つぶれば山茶花の白なほ白し 風民
12 木枯しの本郷に用ありにけり 広夢
13 夜の道手袋はめて犬散歩 汗馬
14 新盆のギターケースが椅子の上 小牧
15 すがれたる庭にむらがる石蕗の花 れいこ
16 掌にぽったり透きし熟柿 れいこ
17 柚子の香を髪に残してしまい風を 小牧

2023年11月16日

1 鯉泳ぐ濁りふくらむ秋日和 えいじ
2 つづら折り落ち葉集める二人連れ しげ木
3 千両が好き万両はもっと好き 小牧
4 エアコンとスクラム組んで夏を越す 小牧
5 甘藷掘りひと月置いて食べて見る 丹三
6 花八手坊主頭のようになり 丹三
7 野良猫の天を指す尾にある冬日 風民
8 海鳴りの響き変はりぬ冬構 睦花
9 松たちの鎧つけたる冬構 睦花
10 ぱらぱらと森に流るる落ち葉の音 語后池
11 からからと落葉の転ぐ帰り道 語后池
12 観音へ延びる参道石蕗の花 風民
13 葛飾や舳先に坐る破魔矢の子 広夢
14 恥ずかしい股引を履く歳になる 汗馬

2023年11月15日

1 やけに白き女性徒の顔冬の鳥 負乗
2 寝転んで飛鳥の空に添水鳴る えいじ
3 濡れ縁から見上げる紅葉白い雲 丹三
4 山茶花を上から眺め丸く切る 丹三
5 石組の池のほとりに石蕗の花 しげ木
6 墓石に「笑顔」の文字や今朝の冬 風民
7 ハミングの様な春風木の芽萌ゆ 小牧
8 紅葉のトンネル秋をお膳立てし 小牧
9 影長く土手往く人の日入る冬 語后池
10 冬日没る畔のきらめき千枚田 長操
11 干し柿の皺の深みによだれ出す 汗馬
12 晩秋の卒塔婆の朽ちて墓仕舞 睦花
13 芒野に売地看板友の家 睦花

2023年11月14日

1 黄金の風にそばえし荻の原 えいじ
2 島原や格子戸の路地秋灯し 水琴窟
3 どの家も西側囲う冬搆 しげ木
4 花八手今年も多くまた白く 丹三
5 千両よ真っ直ぐ空へ背を伸ばし 丹三
6 新しき切り株にある冬日かな 風民
7 光差す空見続けて石蕗の花 風民
8 ぶら下がり上がりきるべし尺取り虫 小牧
9 タービンの羽根空回す鄙の秋 睦花
10 秋澄むや風車十機の白き羽根 睦花
11 冬帽を脱ぐや蒼茫たるたる夜空 広夢
12 葉落つ小枝空に伸びたり手の如く 語后池
13 冬の朝ビルの彼方に白き富士 語后池
14 今年またあかぎれの指同じ場所 汗馬

2023年11月13日

1 薄雲の月に翳りてきららめく えいじ
2 霜月の夕陽染めにし草も木も 長操
3 暖房の欲しい季節が突然に 丹三
4 切り株の溜まり水面に彩映し 長操
5 落ち葉掃き赤い花びら共に掃く 丹三
6 帰り花車輌の熱のパーキング しげ木
7 家という枷を背負いて蝸牛 小牧
8 花の夜の星を占う古書店舗 広夢
9 氷上を舞うスケーター風を切る 水琴窟
10 黒茶紺行き交う人の冬の色 語后池
11 野生馬の一頭逸れ露寒し 睦花
12 野生馬の喰みては喰みて秋渇く 睦花
13 包丁で慎重にむく柿の皮 汗馬

2023年11月12日

1 火の国の峙つ城や冬晴る えいじ
2 鐘一打余韻に開く白芙蓉 小牧
3 荒ら家の元気な色群れ庭蜜柑 長操
4 黒竹の垣に花だけ出す八手 しげ木
5 紅葉映す川面に波が鳥潜る 丹三
6 冬の陽を見たく庭木の枝を切る 丹三
7 行き会いの空は曼荼羅六地蔵 広夢
8 飫肥杉の天突き抜けて秋澄めり 睦花
9 飫肥杉の軍団のごと天高し 睦花
10 高瀬川紅葉一葉流れけり 水琴窟
11 すすき活け花街のバーランプの灯 水琴窟
12 ぴいぷうと唄如き北風吹き始む 語后池
13 北吹く夜妻の出したる毛布かな 語后池
14 柿捥げば手に陽光の温かさ 風民
15 一山の黄葉に歩を進めをり 風民
16 散るまで大輪咲かす花でいる 小牧
17 話し込む部活仲間と肉を待つ 汗馬

2023年11月11日

1 掃除婦のベンチ払うて舞う落葉 えいじ
2 雪起しセル画重ねた雲照らす しげ木
3 人混みに手締め響くや酉の市 語后池
4 動画くる孫の仮装は蟷螂よ 丹三
5 渋滞の車黄色い落葉乗る 丹三
6 参道を熊手担いでお焼き食べ 語后池
7 薄紅は母恋の色返り花 小牧
8 苅田原県境超ゆるローカル線 睦花
9 ローカル線前に後ろに苅田かな 睦花
10 日蓮の万灯通る交差点 汗馬

2023年11月10日

1 照り映えて池畔に燃ゆる夕紅葉 えいじ
2 菊祭り菊人形は時の人 小牧
3 久しぶり寒さの中でコーヒーを 丹三
4 庭の隅いつもの場所に野菊咲く 丹三
5 鱈汁の昼餉を済ませ県越える しげ木
6 木枯の駅前広場に塵の巻く しげ木
7 アイドリング羊歯フロストの額硝子 長操
8 石蕗の花地蔵の背の向く辺り 風民
9 掌に青き重さよ新松子 風民
10 月と雲仄かなあはひ朱を帯びて 長操
11 冬枯れの草木は土を包みけり 語后池
12 花柊八十歳の学士号 広夢
13 老いの身にしとりと冬の雨の降る 語后池
14 山積みの捨て水鉄砲雨に濡れ 汗馬

2023年11月09日

1 黄変の葉叢くぐれり秋の蝶 えいじ
2 お地蔵の広き背中のかたつむり 小牧
3 出勤のマフラーの奥に眉キリリ しげ木
4 補講あと落ち葉踏む音二番線 しげ木
5 烏賊干しの縄晒されし浜の小屋 語后池
6 冬立や北寄りの風戦ぐ襟 語后池
7 銀行の花壇は冬も満開よ 丹三
8 渋滞の車に落ちる葉は黄色 丹三
9 回想を行きつ戻りつ夜長かな 広夢
10 海見ゆるホテルの窓や秋袷 広夢
11 敗荷の風に漂う寺の昼 風民
12 屋根瓦秋陽浴びて白くなる 汗馬

2023年11月08日

1 鯉跳ねて水の光れり秋の池 えいじ
2 道光る冬の通勤日の出頃 丹三
3 布団干す家の多さよ今日快晴 丹三
4 葦枯れの野鳥センターの大ガラス しげ木
5 霜の径ちゃりお踏む音やフォルテシモ 長操
6 食用菊買ってくれろと嗄れ声 おはる
7 また一人また一人逝く月のぼり おはる
8 蔓の揺れ露の落ちたる秋静寂 長操
9 立冬の匂ひもなくて朝ぼらけ 睦花
10 立冬や襟元立てて終バス待つ 睦花
11 コスモスや山は真白き雲を生む 風民
12 手で広げ靴下履いた色違い 汗馬

2023年11月07日

1 ママーンの呼び声白く冬の丘 えいじ
2 木枯は空にも吹くか雲速し 丹三
3 置き配を取りに門まで風寒し 丹三
4 手で洗車を済ませたばかり初時雨 しげ木
5 虫食い葉削がれ霜枯れ落霜紅 長操
6 西風に流るる雲や冬隣 語后池
7 秋深し水面を雲の流れゆく 小牧
8 欅散る忘れられてる昼の月 小牧
9 水霜やだれも渡らぬ丸木橋 広夢
10 秋暑し石段見あぐ下社かな 睦花
11 新米の研ぎ汁捨てず瓶の中 汗馬
12 能舞台しまひは無音冬に入る 風民

2023年11月06日

1 楠落葉音たて一葉落ちにけり えいじ
2 ハミングのような春風木の芽萌ゆ 小牧
3 向日葵の謀反太陽に背を向ける 小牧
4 流行風邪ワクチン打った寒の入り 丹三
5 公園の落葉で止まるそり滑り 丹三
6 朝焼けの紅鱗雲宙拡げ 長操
7 闇なのに柊かをり道しるべ 長操
8 渡り鳥鈎になり竿に又鈎に しげ木
9 初蝶や新芽ばかりを食ひ荒らし 広夢
10 軒先へ母の背伸びや干し大根 睦花
11 烏賊漁か漁火二つ冬近し 語后池
12 恐山風車を回す北の風 語后池
13 忽然と蒸す風と雨秋曇り 汗馬
14 能管の射貫く一声九月尽 風民

2023年11月05日

1 風ちらす雑木紅葉に透ける空 えいじ
2 荷台から手をポケットにそぞろ寒 しげ木
3 雨戸開け冬の朝日を顔に浴び 丹三
4 冬晴れよ銀杏の梢色づいて 丹三
5 秋灯すステンドグラス花模様 水琴窟
6 桜咲く新島襄と八重の家 水琴窟
7 本番を終えてひと息爽やかに 睦花
8 終演の花束抱いて爽やかに 睦花
9 夜半目覚む名月手のひら撫でてやる 長操
10 畑しまふ煙ゆるりと暮れの秋 風民
11 葉の消えし撓わに見ゆる実る柿 語后池
12 前屈み電柱先の秋カラス 汗馬

2023年11月04日

1 大空を鈴なし震るる楝の実 えいじ
2 ハロウィンの菓子孫にやり秋終る 丹三
3 穴深く落葉を埋める庭の隅 丹三
4 限界の集落蛍乱舞する 小牧
5 軒先の干し柿往なす夕日かな 長操
6 黄落をチヨコレイトとおお跨ぎ しげ木
7 秋芽とは翠の感じする景色 長操
8 落鮎や色の褪せたる父の魚籠 睦花
9 落鮎や故郷の川の匂ひして 睦花
10 畝立ててその鍬先に小鳥来る 広夢
11 大すすき活けし町家のバーの卓 水琴窟
12 妻の出す深ゆく秋の更衣かな 語后池
13 窓辺から樋錆びついたトタン屋根 汗馬

2023年11月03日

1 秋海を臨む朝日の二タ分けす えいじ
2 助手席でおでん両手につく家路 しげ木
3 シャッターの街で屋台の太鼓焼 しげ木
4 落葉拾い屈んだままで朝日浴び 丹三
5 流行風邪まごが絵入りの見舞い文 丹三
6 秋雨に声をからしてボール蹴る 小牧
7 庭の木々寸暇を競ひ黄落す 長操
8 朝顔やいまだに開くといち月 語后池
9 千住宿若者闊歩秋麗 語后池
10 稜線に朱色の秋や十七時 睦花
11 秋の宵富士稜線に茜帯 睦花
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