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15 ヘルニアの痛み眠れぬ寝正月 | 語后池 |
16 燃えあがる輪島のなゐや大旦 | れいこ |
17 炎上の全救出機はや二日 | れいこ |
2024年01月01日
1 冬日さす甕にまつ赤な金魚留む | ひで |
2 高架線窓に一瞬初富士が | 丹三 |
3 配布する札飛ばぬよう柚乗せる | 丹三 |
4 風花が枝を器用にくぐり抜け | しげ木 |
5 房総で見たい伝説雪女 | 汗馬 |
6 大晦日車影も絶ゆる大路かな | 寝子 |
7 元旦も掃除洗濯布団干し | 水琴窟 |
8 昇龍の如き雲ゆく初御空 | 寝子 |
9 注連縄の新た香し我家かな | 語后池 |
10 初詣おみくじひくも皆笑顔 | 語后池 |
11 参道に鈴の音響く破魔矢かな | 栞 |
12 障子透く揺るる影絵や濯ぎもの | 栞 |
13 年納め鐘撞く音やまた一つ | 和生 |
14 繋がりてひらく笑顔の福寿草 | 和生 |
2023年12月31日
1 年の瀬に雪やこんこの歌の路地 | ひで |
2 掃いた庭雨が洗った大晦日 | 丹三 |
3 除夜詣時報聞くまで列で待つ | 丹三 |
4 ちぎれ来る潮花をワイパーゆるく拭く | しげ木 |
5 霧雨の静けき朝の大三十日 | 語后池 |
6 あれそれと声際立てて年用意 | 長操 |
7 路線バス無客ゆくりと除夜の路 | 語后池 |
8 お化け大根節に仕上げし妻の腕 | 水琴窟 |
9 大晦日一年洗ひ流す雨 | 水琴窟 |
10 寝落ちして年越しすぎた時計観る | 汗馬 |
11 黒豆を炊きておわりの大晦日 | れいこ |
12 家々の声と匂いや大晦日 | 栞 |
13 年用意玄関を掃き終わりとす | 栞 |
2023年12月30日
1 冬銀河孤独を抱き冴え渡る | まゆ |
2 星空に寒柝二音突き抜けり | 語后池 |
3 大晦日終夜はなしのアナウンス | 語后池 |
4 欄干になかば乗り出し真鴨撮る | ひで |
5 幼子も一家総出の除夜詣 | 丹三 |
6 大晦日社務所で氏子酒盛りを | 丹三 |
7 年の瀬の大浴場でつらら見る | 陽温 |
8 凍てついたフロントガラスを爪で掻く | しげ木 |
9 まだ進化途中のつもりかたつむり | 小牧 |
10 部屋まで聞こえる夜回り鐘の音 | 汗馬 |
11 懐手解いて合掌大鳥居 | 栞 |
12 冬靄やゆるむゲレンデ滑走す | 和生 |
13 歳の市吾の財布の紐固し | 寝子 |
14 夕映えて奥まで光る枯木立 | 栞 |
15 ダウン着子等無言で啜るカップ麺 | れいこ |
16 年の暮れ患者のいない待合室 | れいこ |
2023年12月29日
1 鯉群れて水輪重なる小春かな | ひで |
2 カレンダー渡さず送る年の暮れ | 丹三 |
3 年越しそば今年は家で食べられる | 丹三 |
4 冬木の芽並木はもとのリゾート地 | しげ木 |
5 寒波来て縮む背伸ばす猫の声 | 妙重 |
6 冬凪の東京湾の晴れ予報 | 妙重 |
7 蒼空に切り立つ崖の雪もなし | 陽温 |
8 冬茜自転車駆って帰る子ら | 水琴窟 |
9 日の暮れの灯り一つの飾売 | 語后池 |
10 あと三日夜を徹して煤払 | 語后池 |
11 だらだらと過ごすことだけ年の暮 | 汗馬 |
12 注連縄に日向のにほひありにけり | 寝子 |
13 燥ぐ子のオーバー腰に引き摺られ | 栞 |
14 雪吊りや池の真中で天を差し | 栞 |
15 オリオンや黙す男の狩姿 | 和生 |
16 木立皆彫刻の如凍てる街 | 水琴窟 |
17 来る年を待てぬ訃報やシクラメン | れいこ |
18 また明日ねと手袋のハイタッチ | れいこ |
2023年12月28日
1 金襴の袖の煌めく池小春 | ひで |
2 枯草に見えた万年青が青い葉を | 丹三 |
3 風邪下火町に買い出し行ってみた | 丹三 |
4 風吹けば子らの天下や冬の園 | 語后池 |
5 葉牡丹を花キャベツと呼ぶ友想う | 妙重 |
6 初句会詠みて読み知る年詰まる | 妙重 |
7 数へ日や仕事納めて大掃除 | 語后池 |
8 実南天葉の先までも赤くして | 風民 |
9 足元に竜の玉秘し屋敷神 | 風民 |
10 新雪を踏むゴム長の音させて | しげ木 |
11 川沿いの木々の水滴朝霧氷 | 汗馬 |
12 日に透けて黄を重ねゆく蝋梅花 | 寝子 |
13 家族増え包丁弾む年用意 | 栞 |
14 雪吊りを支ふる竹の青さかな | 栞 |
15 事始め末広がりや注連飾り | 和生 |
16 電飾の衣侘しい年の暮れ | まゆ |
17 忠敬の旅立つ春や八幡宮 | 水琴窟 |
18 下町に雪洞灯し年用意 | 水琴窟 |
19 父母眠る広き屋敷に寒の鯉 | れいこ |
2023年12月27日
1 空青く点群なせる浮寝鳥 | ひで |
2 除夜詣酒の振舞今年あり | 丹三 |
3 五年ぶり落葉掻き出す石灯籠 | 丹三 |
4 試みにコーヒーの香の濃い葛湯 | しげ木 |
5 受験子の煌々深夜光る窓 | 水琴窟 |
6 煤払い箒ずらりと不動尊 | 水琴窟 |
7 朝の日に寒紅並ぶ停留所 | しげ木 |
8 年流れ掛け替えを待つカレンダー | 妙重 |
9 寒い夜の薄情なもの見て暮れの空 | 妙重 |
10 西空に真鯛の鱗冬夕焼 | 負乗 |
11 大人よりどいてどいてと年の暮 | 和生 |
12 冬日浴び佇み眠る鷺一羽 | 語后池 |
13 晴天の伊達の薄着やからつ風 | 語后池 |
14 湯を注ぎとけた柚子味噌カオリ嗅ぐ | 汗馬 |
15 マフラーを巻かるる母や車椅子 | 栞 |
16 起き抜けの五臓巡りし南瓜汁 | 寝子 |
2023年12月26日
1 うしろより風におぼゆる花柊 | ひで |
2 ひいらぎに黄ばんだ葉あり水涸れる | 丹三 |
3 クリスマス値引きのケーキ二個残る | 丹三 |
4 鍋の湯気広がる柚子の香りかな | 水琴窟 |
5 雪だるま作る子を呼ぶ声高く | しげ木 |
6 木枯しや深夜の下水道工事 | 負乗 |
7 連山の未来を醸す小春かな | 負乗 |
8 山眠り梟の声しみとおる | 妙重 |
9 並べたり葉牡丹の鉢年詰まる | 妙重 |
10 歳の瀬の繁華に聞こゆ良い年を | 語后池 |
11 冬日入り上り来る月ほの白く | 語后池 |
12 早朝のバケツの水薄氷張る | 汗馬 |
13 空を透くメタセコイアの枯木立 | 栞 |
14 ベビー服選ぶカップル冬ぬくし | 栞 |
15 龍の絵馬眼光強し年用意 | 水琴窟 |
16 冬うらら眩ひほどに眼の眩む | 和生 |
17 剪定の噛んで脱がせる軍手かな | 寝子 |
2023年12月25日
1 フレームの電照灯る風の丘 | ひで |
2 門の前八手の花を葉が受ける | 丹三 |
3 枯草の脇で元気な笹を刈る | 丹三 |
4 冬空や微笑むように浮かぶ月 | 水琴窟 |
5 ドーム型溢れるばかり紅椿 | 陽温 |
6 五日目のインフルエンザとお茶を飲む | 陽温 |
7 笹藪が北風防ぐ通学路 | しげ木 |
8 しんしんと病院棟に月冴えり | 水琴窟 |
9 教会の十字架を観るクリスマス | 汗馬 |
10 ワイン過ぎ紅い笑顔のクリスマス | 妙重 |
11 帰り道聖夜の星を仰ぎ見て | 妙重 |
12 遊園地揺るるうさぎの冬帽子 | 栞 |
13 病院の朝を待つ列年の暮 | 栞 |
14 お礼肥済ませ畑も年納め | まゆ |
15 水鳥や陸に草食む夕散歩 | 語后池 |
16 大枝の天に影成す冬の月 | 語后池 |
17 かんじきや踏めばアートのごとく跡 | れいこ |
18 廃屋にひときわ長けて枇杷の花 | 寝子 |
19 白菜の大きな穴にみどりむし | れいこ |
2023年12月24日
1 ホームにて発車ベル鳴る冬夕焼 | ひで |
2 白木焼く河原に浮かぶ寒昴 | まゆ |
3 古木柚子高さを競う棘と香 | まゆ |
4 寒波来ぬ襟元締めて買い物に | 妙重 |
5 クリスマス準備楽しや教会の | 妙重 |
6 波寄せる吹雪の崖に親不知 | しげ木 |
7 冬草刈細い玉竜見えてくる | 丹三 |
8 クリスマスポニーテールで踊る婆 | 丹三 |
9 裏庭は雪ひといろに紅き実や | 長操 |
10 山眠る最愛の妻早逝す | 水琴窟 |
11 数日後一人迎える年の宿 | 汗馬 |
12 冬麗や夕陽に富士の青き影 | 水琴窟 |
13 ささやかにショートケーキのクリスマス | 語后池 |
14 落日にメタセコイアの大聖樹 | 語后池 |
15 サンタ帽家族総出のケーキ店 | 栞 |
16 電飾の家々巡りクリスマス | 栞 |
17 おせちよりケーキ先よと腕まくり | れいこ |
18 アイスバーン粉雪すさぶ虎落笛 | れいこ |
19 追う人も追われる犬も息白し | 寝子 |
2023年12月23日
1 夕暮れの花屋に灯るシクラメン | ひで |
2 残雪の残れる山々みどりかな | 小牧 |
3 川底の柔らかき日や水草生う | 小牧 |
4 若葉の上やつでの枯葉落ちてこず | 丹三 |
5 庭掃除落葉と砂利と花びらと | 丹三 |
6 幹ごとに雪が張り付く風上に | しげ木 |
7 濡れ縁の餌場にぎわう外の雪 | しげ木 |
8 タワー建つ紅葉移れど然りとては | おざき |
9 山茶花や開きしんなり香の小径 | 語后池 |
10 遙かなる平野の先の雪の雲 | 語后池 |
11 雪庭やパンくずつつく雀をり | おはる |
12 友の声聞きてぬくもる冬の夜 | 妙重 |
13 雑踏の駅に迷いで年の瀬よ | 妙重 |
14 東雲に蝋梅一枝香りけり | 寝子 |
15 朋友の遺児の鳴き声冬の夜 | 水琴窟 |
16 ぷかぷかと湯船浮かぶ柚子と香り | 汗馬 |
17 冬の薔薇友の櫃に手向けけり | 水琴窟 |
18 松風を聞いて飲む酒冬北斗 | 負乗 |
19 鴇色の空川面に濃きや霜の朝 | れいこ |
20 足裏の畳の冷えや奥座敷 | れいこ |
2023年12月22日
1 電線にならび観ておる寒雀 | ひで |
2 山茶花の盛りは今よピンク濃く | 丹三 |
3 高齢者お使い兼ねて煤逃げし | 丹三 |
4 叡電にコトコト揺られ紅葉寺 | 水琴窟 |
5 ビルの谷風駆け巡る年の暮れ | 水琴窟 |
6 水かきを滑らせ降りる大白鳥 | しげ木 |
7 かたまりがパサリと落ちる枝の雪 | しげ木 |
8 白椿胸に挿したり語るとき | 陽温 |
9 氷柱の真洞の奥に父の声 | 陽温 |
10 移るかぜ然りとてはかな紅葉山 | おざき |
11 茶畑のうねりに沿うて木枯らしよ | 妙重 |
12 日の入りに足止め触れるお茶の花 | 妙重 |
13 列の中子供咳き込む手を口に | 汗馬 |
14 湯の花に浸りて聖夜目を閉じる | まゆ |
15 枯葉舞うつむじ風めくスケボの子 | 語后池 |
16 居酒屋の出面に掛かる良い年を | 語后池 |
17 懐手ときて樹の瘤さすりをり | 寝子 |
18 雪風の花咲くごとき梢かな | れいこ |
19 グラタンのかぼちゃの潜む冬至かな | れいこ |
2023年12月21日
1 火炎めく鏡に映えるシクラメン | ひで |
2 年用意塗った壁だけくっきりと | 丹三 |
3 クリスマスイブのパーティーメール来る | 丹三 |
4 円窓に広がる紅葉小宇宙 | 水琴窟 |
5 冬空を登るゴンドラ星巡り | 水琴窟 |
6 千代紙で聖樹を作るガラス窓 | しげ木 |
7 綿雪の夜明け前から降り続く | しげ木 |
8 陽鐘と鳥らの聖歌ハーモニー | 陽温 |
9 鮭還る生まれた川へ紅光と | 陽温 |
10 枯葉舞う日々の想いと友垣と | 小牧 |
11 炊き出しの雑炊食べに集まる人 | 汗馬 |
12 冬日向まだ動きたる庭の亀 | 語后池 |
13 裸木の息吐くごとし流れ雲 | 語后池 |
14 冬帽子寄り添ひ歩く老夫婦 | 栞 |
15 曇天に小雪が踊る峠道 | まゆ |
16 ビル街の落ち葉車で運ばれり | 栞 |
17 漣や風のなすまま浮寝鳥 | 寝子 |
18 急カーブ群乱れなき寒雀 | れいこ |
19 枯れてなおまっすぐにたつ芒かな | れいこ |
2023年12月20日
1 粉雪のベール被りて山眠る | ひで |
2 ただ一輪玄関わきの冬薔薇 | 丹三 |
3 田舎駅暗い駅前星が冴え | 丹三 |
4 ポーチわきに赤い結界実南天 | しげ木 |
5 庭明り葉ごと葉ごとに薄く雪 | しげ木 |
6 碧天に残る紅葉やあかあかと | 語后池 |
7 艶やかにひこ生えの葉も紅葉す | 語后池 |
8 浮き沈み壕に集いし鴨遊ぶ | 水琴窟 |
9 蒼空に枯れ木そびえる道標 | 陽温 |
10 廃屋のゆかしき様よ冬の草 | 負乗 |
11 馬走る鼓動歓声意気白し | 陽温 |
12 冬麗や枯葉踏み踏み山をいく | 妙重 |
13 白息や吐いては消ゆる富士の嶺 | 妙重 |
14 ぶるぶると体震わせくしゃみ出る | 汗馬 |
15 街路樹の銀杏や金のマント着て | 水琴窟 |
16 献杯の陽気な声や年の暮 | 寝子 |
17 吹き抜けに響くピアノや冬ぬくし | 栞 |
18 数へ日ややる事メモの増え続け | 栞 |
19 やわらかき穂絮臥しゆく朝日かな | れいこ |
20 目覚の布団出る間の至福かな | れいこ |
2023年12月19日
1 庭に出て白くふきでる大嚔 | ひで |
2 悴みてポケットの飴電飾樹 | 長操 |
3 見下ろせば枯木を飾る街イルミ | しげ木 |
4 冬ざれのマコモの原に楊立つ | しげ木 |
5 散り果てて裸ん坊の冬並木 | 水琴窟 |
6 店の窓輝き放つクリスマス | 水琴窟 |
7 壁氷を砕き光へ漕ぎいでつ | 陽温 |
8 赤色をえらぶ十枚年賀状 | 陽温 |
9 冬草をもぐもぐ山羊は柵の中 | 負乗 |
10 昼のうち爺が集まる年忘れ | 丹三 |
11 木枯よ遠い子供の声届き | 丹三 |
12 短日の去ってはまた来る富士の雲 | 妙重 |
13 かさかさと落葉鳴る山黄昏か | 妙重 |
14 傷んだ一畳畳替えず放置 | 汗馬 |
15 模様替えしばし窓辺で日向ぼこ | 栞 |
16 年用意まずは玄関ピカピカに | 栞 |
17 冬雲の白き夕日や木々包み | 語后池 |
18 高窓の雪七竈今朝の床 | れいこ |
19 白菜や美味しいところ青き虫 | れいこ |
20 散り際の紅葉ひときわ炎えたちぬ | 寝子 |
2023年12月18日
1 朝戸開け隣家あるじの大嚔 | ひで |
2 年籠古札燃やす火の揺らぎ | 丹三 |
3 菜園に綿毛降るごと今朝の霜 | 水琴窟 |
4 クリスマスサンタの服で踊り出し | 丹三 |
5 つくばいをつつき出勤初氷 | しげ木 |
6 繭糸めく薄雲浮かぶ冬温し | 陽温 |
7 ああ皆で笑っていられる雪合戦 | 陽温 |
8 主なきも雨に艶めく実南天 | 長操 |
9 裸婦像の指の先まで公孫樹降る | 長操 |
10 うとうととスマホするりと冬日向 | 語后池 |
11 雲も葉も蹴散らし来る空つ風 | 語后池 |
12 落葉踏むかさかさ音の面白し | 妙重 |
13 祈らんと座する影伸び冬の朝 | 妙重 |
14 土手沿い並ぶ冬木立の枝群 | 汗馬 |
15 青空へ竿はみ出して布団干し | 栞 |
16 息白し内緒話の母子かな | 寝子 |
2023年12月17日
1 夕映へに提灯ともす枇杷の花 | ひで |
2 吹き溜まり知らぬ落葉が赤く染め | 丹三 |
3 風邪はやり薬局の外薬待つ | 丹三 |
4 まっすぐに宇宙線のごと霙降る | しげ木 |
5 日の当たる霧氷のこずえ峠越え | しげ木 |
6 旅土産沖縄そばとクリスマス | 陽温 |
7 イブの夜野球の練習輝けり | 陽温 |
8 寒声や聖歌にのせる祈りかな | 妙重 |
9 差入れと紙袋嬉し冬の朝 | 妙重 |
10 はためくや一枚残る紅葉あり | 語后池 |
11 鈴なりの実を携えて楓黄葉 | 語后池 |
12 重ね着しすぎた祖父着太り姿 | 汗馬 |
13 枯蔦や高きフェンスをのぼりきり | 栞 |
14 着膨れしよちよち歩く子犬かな | 栞 |
15 淡路まで千年越えて冬の海 | 負乗 |
16 大玉も小玉も浮かべ柚子 | 寝子 |
2023年12月16日
1 散る紅葉濡れて切り絵の石畳 | ひで |
2 花言葉薔薇百本に騙される | 小牧 |
3 我が庭の紅葉上から散り始め | 丹三 |
4 冬木立欅並木の下走る | 丹三 |
5 通勤の浦を一台冬の時化 | しげ木 |
6 駅弁をひろげ目をやる冬の畑 | 妙重 |
7 冬ぬくし富士灰色に迫りくる | 妙重 |
8 ゆく年に花巻蕎麦と母と悦 | 陽温 |
9 幾冬も迎え踏み行く二本足 | 陽温 |
10 短日や高速縫つて伊丹まで | 負乗 |
11 吹き込む空風書類を吹き飛ばす | 汗馬 |
12 公園で鳩と並びて日向ぼこ | 語后池 |
13 落葉なか地蔵の如く立つ気根 | 語后池 |
14 曇天に見えぬ飛機の音冬ざるる | 栞 |
15 日を弾くスワンボートや池小春 | 栞 |
16 裸木の露はとなりし洞と瘤 | 寝子 |
2023年12月15日
1 シクラメン綺麗な赤と妻のいふ | ひで |
2 紅葉にならず橙葉が染まり | 丹三 |
3 師走でも緑竹林元気あり | 丹三 |
4 山茶花の地に紅を差す花弁かな | 語后池 |
5 猪鍋やうん臭くないとお客様 | 負乗 |
6 猪鍋やうん臭くないとお客人 | 負乗 |
7 石庭の砂の波間に散り紅葉 | 水琴窟 |
8 嵐去りテトラポッドに氷柱照る | しげ木 |
9 旅の路椿の白に清められ | 陽温 |
10 三号館走り込みたる蔦の紅 | 陽温 |
11 修道の径は果てずと鐘冴ゆる | 妙重 |
12 窓を開け久遠の星観る冬の空 | 妙重 |
13 揺ら揺らと簪のごと木の葉の枝 | 語后池 |
14 指つまむみかん一房口入れる | 汗馬 |
15 白樺の抜きん出てゐる枯木立 | 栞 |
16 通勤のバックにひらり紅葉かな | 栞 |
17 親友の供養帰りの冬の月 | 水琴窟 |
18 遊ぶ子のひとりひとりに落葉降る | 寝子 |
19 冬夕焼妹背負ふ兄の頬 | 風民 |
2023年12月14日
1 乱雲を翔けぬけたるや椋鳥の群れ | ひで |
2 母植えし蜜柑の香り両の手に | ひで |
3 新盆のギターケースが椅子の上 | 小牧 |
4 街灯に煌めく銀杏冬の道 | 水琴窟 |
5 焼き芋の呼び声長く響く夜 | 水琴窟 |
6 向山煙微かに冬便り | 陽温 |
7 雪催い峠の谷はモノクロに | しげ木 |
8 翁ふたりレース予想の日向ぼこ | 語后池 |
9 ふと見れば足もと冬の赤とんぼ | 語后池 |
10 ゆりかごでなくすこしまえ母と雪 | 陽温 |
11 天竜の河畔はサバナ空つ風 | 負乗 |
12 鉛筆も閑かな霜夜句帖かな | 妙重 |
13 宅配の宛名貼る手の冷たさよ | 妙重 |
14 家族への歳暮受け取る留守番よ | 丹三 |
15 世界見る炬燵の上のパソコンで | 丹三 |
16 そっと咲きそっと散りゆく野辺の花 | 小牧 |
17 神殿の映る池面に散紅葉 | 栞 |
18 散紅葉朱に染まりたる石の橋 | 栞 |
19 電話来た元同僚と年忘れ | 汗馬 |
20 柊の花の匂へる露地親し | 寝子 |
21 冬枯れや空地の隅の古タイヤ | 負乗 |
22 穏やかに朝日届けり枯れ尾花 | れいこ |
2023年12月13日
1 群れなして空に大書の寒雀 | えいじ |
2 山茶花の花びら一枚地に赤く | 丹三 |
3 クリスマスパーティーまでにワクチンを | 丹三 |
4 カラフルな児童園地に空っ風 | しげ木 |
5 溝一凛路地裏照らす石蕗の花 | 長操 |
6 陽の照らすもみじオレンジ・赤・黄色 | 水琴窟 |
7 参道に沿いて積もれり散り紅葉 | 水琴窟 |
8 ありのまま見せし桜樹の冬木立 | 長操 |
9 花梨の名教えて弾む帰り道 | 陽温 |
10 富士白み枯枝揺らす鳥の舞 | 妙重 |
11 老梅の静寂の妙茶の湯にて | 陽温 |
12 クリスマスツリー煌めくカフェの午後 | 妙重 |
13 大菩薩嶺より高く木守柿 | 風民 |
14 山門を紅く染めたる落椿 | 栞 |
15 行厨は落葉時雨のベンチかな | 栞 |
16 短日や烏の宿か大欅 | 語后池 |
17 見上げると夜空大きいオリオン座 | 汗馬 |
18 降る星へ命あずけて露天風呂 | 小牧 |
19 冬日入る茶釜より湯気たっぷりと | 風民 |
20 落日の大樹黄落頻りなる | 寝子 |
2023年12月12日
1 葉隠れの神楽鈴めく枇杷の花 | えいじ |
2 散歩中窓から覗く寒稽古 | 丹三 |
3 小春日よ今日は落葉を穴に埋め | 丹三 |
4 緩やかに鴨曳く波の縄目かな | 語后池 |
5 振り向きて無花果の葉よからからと | 長操 |
6 雨止むや赤芽の黄葉ひとつ舞ふ | 負乗 |
7 松明のはぜ飛ぶ火の粉大文字 | 水琴窟 |
8 鴨川を囲う峰々秋の色 | 水琴窟 |
9 冬の雨山の工場の吐く煙 | 負乗 |
10 晴れて飛ぶ枯葉がひとつ又ひとつ | しげ木 |
11 息白し朝の司祭の祈りかな | 妙重 |
12 一日を終える夜着で焙じ茶を | 妙重 |
13 照らされし蒔絵のごとく銀杏黄葉 | 陽温 |
14 炬燵にておはじき広げ祖母の前 | 陽温 |
15 秋晴れや紙風船がふんわりと | 小牧 |
16 物忘れぼやきで終える菜種梅雨 | 小牧 |
17 寒空にメタセコイアの燃ゆる道 | 語后池 |
18 街へ出るダメージシューズ歳用意 | 広夢 |
19 足裏に柔き落葉の堆き | 栞 |
20 護美箱の鮮やかなりし散紅葉 | 栞 |
21 海岸に打ち上げられた鰯群 | 汗馬 |
22 枯菊の根元犇めく芽生えかな | 寝子 |
2023年12月11日
1 ふちどりのまあるくみえる冬三日月 | えいじ |
2 雪曇り火焚きに起きる母強し | 陽温 |
3 楼門に龍の絵掲ぐ年用意 | 水琴窟 |
4 石庭の赤き滴や散り紅葉 | 水琴窟 |
5 バスルーム煤払いせず黴払う | 丹三 |
6 冬萌を誰摘み取った今日は無し | 丹三 |
7 青空へステンドグラス照紅葉 | 語后池 |
8 寒晴やハモニカの音の乾きおり | 睦花 |
9 短日や言い終へぬ間に電車来る | 睦花 |
10 骨密度冬の小径で脚に問う | 妙重 |
11 ハンカチで暖冬の汗押し拭う | 妙重 |
12 寒菊のひしめいているプランター | しげ木 |
13 銀杏落葉を踏むスキップで小学校 | しげ木 |
14 先尖の銀杏残る空見上げ | 陽温 |
15 連山に帽子が一つ冬の雲 | 風民 |
16 ゆるやかに開きゆく日々冬薔薇 | 風民 |
17 雑草のよめな息吹きてたおやかに | 小牧 |
18 満ち潮の風に馴れ染む海紅豆 | 小牧 |
19 震度7寒濤おほふわれの町 | 広夢 |
20 ありのまま見せし樹形の冬木かな | 長操 |
21 初体験鯨刺身の味を知る | 汗馬 |
22 車追ふ落葉夜道に光りけり | 栞 |
23 人波の靴に舞い上ぐ落葉かな | 栞 |
24 柚子湯して一日の疲れほぐしをり | 寝子 |
25 小雨降る色なき庭に石蕗の花 | れいこ |
2023年12月10日
1 オレンジのメタセコイアに冬日燦 | えいじ |
2 裸木となりて欅の潔さ | 小牧 |
3 車押す人が集まる雪だまり | しげ木 |
4 湯煙の見上げる空に冬の星 | 水琴窟 |
5 庭掃除合間に長い日向ぼこ | 丹三 |
6 ダンサーはサンタの帽子クリスマス | 丹三 |
7 褒められしスキーの手話を繰り返す | 陽温 |
8 夜明け前冬の沖縄旅立つ子 | 陽温 |
9 麦秋の熊本県に入りけり | 広夢 |
10 啓蟄や人に会いたい語りたい | 小牧 |
11 親子熊食べ物求め街に出る | 汗馬 |
12 小流れに映る黄葉の揺らめけり | 栞 |
13 黄落の褥に落とす影長し | 寝子 |
14 ふかふかの落葉の覆ふ野草園 | 栞 |
15 晴天の銀杏落葉や降る光 | 語后池 |
16 西ビルを燃えたたせたる冬朝日 | れいこ |
2023年12月09日
1 岩を断つ鎌のごときや冬の月 | えいじ |
2 苔庭に花咲く如し散り紅葉 | 水琴窟 |
3 約束の紅葉饅頭手のひらに | 陽温 |
4 眼前のひとつ静かに冬仕事 | 陽温 |
5 うろうろと窓拭き回る年用意 | 丹三 |
6 パーカーのマフポケットに懐手 | 丹三 |
7 有明の月に金星年用意 | しげ木 |
8 われ先に向かう脱衣所柚子湯の香 | しげ木 |
9 クローバーの四葉探して幾年ぞ | 小牧 |
10 見上げれば見下しくだす冬木かな | 長操 |
11 忍耐の花言葉なり貴船菊 | 小牧 |
12 丸まりて寄り添ふ穂先枯すすき | 栞 |
13 落葉して埋め尽くさるる屋敷林 | 栞 |
14 屋根下の蜂の巣放水で落とす | 汗馬 |
15 落日のひかりはなさず木守柿 | 寝子 |
16 餌袋にもぐる跛の寒雀 | れいこ |
17 夜鳴きそば聖夜の祈り冷えぬまま | 妙重 |
18 たぬきいで暮れなずむれば六つの花 | 妙重 |
19 竹箒しなる手応え冬日和 | 風民 |
20 山間の日向のかたち蜜柑畑 | 風民 |
2023年12月08日
1 鉛雲風と競りあう椋鳥の群れ | えいじ |
2 枝透かし我が家の庭も冬木立 | 丹三 |
3 早起きし煮凝り食べた今朝自炊 | 丹三 |
4 溢れ出で明るく照らす冬日かな | 陽温 |
5 爛漫の島山茶花に立ち尽くす | 陽温 |
6 枝ごとに枯葉一枚風が吹く | しげ木 |
7 冬木の芽なかには先の丸い木も | しげ木 |
8 無駄削ぎて震いおののく冬木かな | 長操 |
9 白帽子園児の如き冬芽たち | 語后池 |
10 母植えし南天の実の戸口かな | 語后池 |
11 神殿の玻璃窓映る黄葉かな | 栞 |
12 雪吊りや苑の真中に綱光り | 栞 |
13 会社辞めボーナスない自由業 | 汗馬 |
14 パワーナップコーヒーの香と冬の雨 | れいこ |
2023年12月07日
1 夕映えにくれない燃ゆる鶏頭花 | えいじ |
2 隙間風換気のできる安心も | 丹三 |
3 吹き曝し庭の手すりに霜降りる | 丹三 |
4 見上げればまるい洞あり鳥の柿 | 陽温 |
5 それぞれの冬木に落とす夕日かな | 長操 |
6 詫助の蕾が五つ丈二尺 | しげ木 |
7 宵の垣白の山茶花浮かび立つ | しげ木 |
8 鳥発ちて島山茶花の流れ落つ | 陽温 |
9 初湯殿あとがつかへてゐたりけり | 広夢 |
10 焼鳥の缶詰買って酒をのむ | 汗馬 |
11 ビルの山銀杏黄葉を下に見る | 語后池 |
12 蒼天の白き鴎ら残り鷺 | れいこ |
13 今年も四季を走りて櫻紅葉 | れいこ |
14 紅葉の洩れ日を映す石畳 | 栞 |
15 静かなる小径に転ぶ落葉の音 | 栞 |
16 街道を車と走る枯れ葉かな | 風民 |
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