投句控 :500句/1頁
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12 新しき地蔵の頭巾冬日和 | 風民 |
13 銀嶺に飛び込みゲレンデ直滑降 | 水琴窟 |
14 咲き初めし臘梅香る狭庭かな | 水琴窟 |
15 病室の消灯告げゆ余寒かな | 長操 |
16 凩に大きく電線撓みをり | 寝子 |
17 吹く風に大きな耳の兎かな | 寝子 |
18 遠隔のカメラの映す雪のかさ | れいこ |
19 ゆっくりと厚着老犬冬帽子 | れいこ |
2024年01月26日
1 山茶花の散りてまつかな風の道 | ひで |
2 冬の庭土竜が上げる土目立つ | 丹三 |
3 春はすぐ手のひび割れが良くなって | 丹三 |
4 寺の町風を力に寒雀 | 長操 |
5 頬白や結露で曇る朝の窓 | 博充 |
6 余寒なほ寄り添ひ生くる余震村 | 長操 |
7 老いの身の寒さを聴くもボランティア | 妙重 |
8 冬の朝ポケットから出ぬ両手かな | 妙重 |
9 カゼじゃない鼻がむずむず花粉かな | 汗馬 |
10 これ以上着れぬ着膨れ吟行子 | 栞 |
11 頭上よりこぼるる鳥語春隣 | 寝子 |
12 東雲に番の鵯の声しきり | 寝子 |
13 改札の応援ポスター受験子へ | 栞 |
14 手に届きそうな大きな寒の月 | れいこ |
15 足音についてくる影寒の月 | れいこ |
16 日脚伸ぶ妻に同意を求められ | のりお |
2024年01月25日
1 野良猫の雪を冠りて円くなり | ひで |
2 フリージアもらって嬉しテーブルに | 博子 |
3 寒雷やパニクる犬の背なを撫で | 長操 |
4 我と同じ病の訃報冬越せず | 丹三 |
5 鳩のよう首振る鳥よ冬の川 | 丹三 |
6 寒風に友の耳たぶ赤くなる | 汗馬 |
7 寒波来て人影まばらの散歩道 | 妙重 |
8 冬の暮気温下がるを背に感じ | 妙重 |
9 梅花や寒さに耐へた池の鯉 | 博充 |
10 冬帝やしろがねの日を弾きをり | 寝子 |
11 おもはざる探梅となる宮参り | 寝子 |
12 寒の雨したたる枝の華やけり | れいこ |
13 寒月や耳を離れぬ母の声 | れいこ |
14 大寒や犬も家路を急ぎけり | のりお |
2024年01月24日
1 机狭し重ね置かれし新日記 | ひで |
2 冬籠はやり病の第十波 | 丹三 |
3 頭上から年賀の声が植木屋よ | 丹三 |
4 雪景色近くに見える鳥海山 | 博子 |
5 花が落つなぜか哀しき花椿 | 博充 |
6 予報士の指す地図白く寒波来て | 妙重 |
7 病室の窓に当たるは北風か | 妙重 |
8 赤キャベツザワークラウト彩まぶし | 陽温 |
9 援軍がのど伝いゆく卵酒 | 陽温 |
10 庭手入れして万両の庭となる | 風民 |
11 大寒やドカジャン着たり今季初 | 語后池 |
12 空の青寒紅梅の深くして | 風民 |
13 寒鯉の緋色全く動かざり | 寝子 |
14 ストックの香り来る部屋春近し | 語后池 |
15 外灯でばえるフェンスの寒椿 | 汗馬 |
16 と見る間に帷下るごと雪催 | のりお |
17 超高層ビルの突き上ぐ冬満月 | 栞 |
18 はらはらとどんとの灰や夕の庭 | のりお |
19 寒禽の声に手繰りし雨戸かな | 寝子 |
20 一雫夕日に光るつららかな | れいこ |
21 霜焼けのピアス耳朶踊る靴 | れいこ |
2024年01月23日
1 ピラー手ににんじん滑るごとく剝く | ひで |
2 みかん剥き白い筋なし老爺でも | 丹三 |
3 この年でジャイブ踊れた初稽古 | 丹三 |
4 耳当てしスマホ片手に出勤す | 汗馬 |
5 冬枯れの池に写りし天眩し | 博充 |
6 雪模様生まれし吾子に帽子編む | 陽温 |
7 耳澄まし要塞守る母うさぎ | 陽温 |
8 雪道に赤い実落ちて閑寂よ | 妙重 |
9 リス来たり枯木くぐりて実もなしか | 妙重 |
10 山路に踏める濃き影春隣る | 風民 |
11 潤ひて背筋を伸ばす冬木の芽 | 風民 |
12 掌の窪によき塩梅に寒卵 | 寝子 |
13 頬白や庭の木渡るいと楽し | 博充 |
14 さざ波に一水返す猫柳 | 寝子 |
15 豪雪に道譲り合ふ車の灯 | のりお |
16 雪晴れて見上ぐ深夜の御空かな | のりお |
17 方言の親しきことば龍の玉 | れいこ |
18 奥深く秘めたる闘志龍の玉 | れいこ |
2024年01月22日
1 吾も犬も連鎖反応して嚔 | ひで |
2 山茶花の花びらを掃く毎朝よ | 丹三 |
3 鬼の面貰えど孫の来ぬ節分 | 丹三 |
4 寒晴れや尻振る鳩が二歩先に | 長操 |
5 雪庭に放つ仔犬の尿黄し | 長操 |
6 頬白や庭の木渡り虫を食む | 博充 |
7 冬の陽と名も知らぬ鳥来て目覚め | 陽温 |
8 早咲きの紅梅の宴目に温し | 陽温 |
9 額拭き滝まで来ても水が涸るる | 妙重 |
10 着ぶくれて揺れに任せる終電車 | 妙重 |
11 雪が降る美しくても困りごと | 玲美 |
12 低気圧苦しみながら春疾風 | 玲美 |
13 ぱあの葉にぐうばかりの手花八手 | 風民 |
14 磴登る善男善女息白し | 寝子 |
15 猫団子冬の日向に動かざり | 寝子 |
16 紅色をすでに宿して冬木の芽 | 風民 |
17 歌姫の声の響きや春近し | 水琴窟 |
18 垣根より顔覗かせり冬薔薇 | 水琴窟 |
19 茹で汁粉お椀の中の餅がない | 汗馬 |
20 人波を闊歩する翁冬帽子 | 栞 |
21 ビル街の日向に集ふ寒雀 | 栞 |
22 雪晴れや屋根のあちこちナゼの音 | れいこ |
23 寒の雨いとわず集うダンス人 | れいこ |
2024年01月21日
1 蒲団引く吾を眇し室の犬 | ひで |
2 冬の夜ステージのショー歌う君 | 玲美 |
3 澄んだ声漢の唄を聴く小春 | 玲美 |
4 どんど焼き法被の人が火を守る | 丹三 |
5 この寒さ軟膏を手にひび防ぐ | 丹三 |
6 木々につく蕾に見ゆる春の色 | 博充 |
7 午前午後止むときなきや雪の庭 | 長操 |
8 ささくれた「いろは」積み木の炬燵部屋 | 長操 |
9 木々を見て春の色見ゆ蕾かな | 博充 |
10 ひび割れて薬も塗れぬ母の手よ | 妙重 |
11 襟巻きを押さえて急ぐ夕の刻 | 妙重 |
12 遠目にも目立つ出窓や室の蘭 | 寝子 |
13 住み古れど知らぬ路地あり蝋梅香 | 寝子 |
14 丁字路を来る人迎ふ寒紅梅 | 風民 |
15 段畑の眼下に遥か冬霞 | 風民 |
16 騒がしやねずみもちの実鳥の宴 | 語后池 |
17 冷雨やみ急転の青空春隣 | 語后池 |
18 もくもくと闇夜を歩く雪灯り | れいこ |
19 夜半の雪裂けし杉肌紅はしり | れいこ |
2024年01月20日
1 嚔せば犬は愛想の尾をふれり | ひで |
2 霜柱石灯籠の足沈む | 丹三 |
3 春隣ミニ菜園の土替える | 丹三 |
4 冬の駅ポケットの手で日を数え | 妙重 |
5 陽を浴びて寒椿ひとつ足止める | 妙重 |
6 冬枯れの池に写りし青き空 | 博充 |
7 落日を借景として寒雀 | 長操 |
8 待ったなし場内静か初相撲 | 汗馬 |
9 古カフェに若き行列冬帽子 | 風民 |
10 フレームに所狭しと室の蘭 | 寝子 |
11 流れ着く鴨に続きて二羽三羽 | 寝子 |
12 大寒や微睡む列車椅子の上 | 水琴窟 |
13 天仰ぎ即家へ入る寒の朝 | 語后池 |
14 新年の宴ほの醒めし帰り道 | 語后池 |
15 老木を囲む水仙乱れ咲く | 栞 |
16 吟行の悴む手足長湯かな | 栞 |
2024年01月19日
1 風邪ひきのだちより不参メールかな | ひで |
2 我が庭の年のはじめよ土均す | 丹三 |
3 流行風邪ワクチン予約開始日よ | 丹三 |
4 寒すずめ枝のつぼみに似てふくら | 長操 |
5 各々の場所をゆづらず寒雀 | 長操 |
6 朝早くまぶしい日差し春思ふ | 博充 |
7 よく見てと咲き乱れるや花椿 | 博充 |
8 襟巻きを押さえて急ぐ夕の刻 | 妙重 |
9 ひび割れて薬も塗れぬ母の手よ | 妙重 |
10 答案を書き埋め尽くし嬉し泣き | 陽温 |
11 さまざまに助けてくれし風邪の神 | 陽温 |
12 大関が横綱目指す初相撲 | 汗馬 |
13 出窓いま百花繚乱室の花 | 寝子 |
14 銀輪を将棋倒して空っ風 | 寝子 |
15 夫ゆく雪の水上友乗せて | 玲美 |
16 息白く深々浸かる雪見風呂 | 玲美 |
17 水面を全力疾走鳰着水 | 栞 |
18 梅ふふむ古りしアパート学生寮 | 栞 |
19 しんしんと音呑み込んで夜半の雪 | れいこ |
2024年01月18日
1 掃除機の迫りくる音冬ごもり | ひで |
2 冬の川水面は黒い鳥ばかり | 丹三 |
3 年賀の娘きれいですねとお世辞初 | 丹三 |
4 寒月の下のしじまに家眠る | しげ木 |
5 陽が伸びて春はすぐそこ猫も伸び | 玲美 |
6 現場立つ耳当て装備警備員 | 汗馬 |
7 換え直しブーツの踵後半戦 | 陽温 |
8 寒き朝あの日想いし糸歌う | 陽温 |
9 湯豆腐のポン酢が過ぎておちょぼ口 | 妙重 |
10 切干しの味つけ変わる歳となり | 妙重 |
11 枯葉敷く古き家並み神楽岡 | 水琴窟 |
12 冬灯す花街の路地たもとほり | 水琴窟 |
13 綿入に残せる母のしつけ糸 | 風民 |
14 飛び立てる羽音逞し鶸の群れ | 風民 |
15 池袋枯れ木賑わう線路沿い | 玲美 |
16 室咲きや作業着のまま昼御飯 | 寝子 |
17 木枯に背ナを押されて出勤す | 栞 |
18 客人を待つ鶯の餅ふたつ | 寝子 |
19 枝陰の零るる落つ日冬木立 | 語后池 |
20 吹き止みて密かに街へ冬茜 | 語后池 |
21 太陽の光日脚伸び伸びる空 | 博充 |
22 ふぐ食べてこのいつ年も福来る | 博充 |
23 賑やかに水木垂れて落花餅 | れいこ |
24 すき焼きの弁当の蓋開かずかな | れいこ |
2024年01月17日
1 茹で上がるブロッコリーの森のやう | ひで |
2 腰引いてお札投げ込むどんど焼 | 丹三 |
3 庭先の冬の鳥みなふっくらと | 丹三 |
4 パンくずを食べた雀の日なたぼこ | しげ木 |
5 路地裏で肩をすくめて咳ひとつ | 妙重 |
6 墓参り甥へと遅いお年玉 | 玲美 |
7 四阿の軒深々と寒すずめ | 長操 |
8 これやこの宇宙を映す氷面鏡 | 長操 |
9 枯野の地売地物件の表示立つ | 汗馬 |
10 蒼空に急降下する鷲の冬 | 陽温 |
11 アナ雪を手話コーラスで通じ合い | 陽温 |
12 春服や写真撮ってとポーズの子 | 栞 |
13 老木と同化してをる寒烏 | 栞 |
14 凩の狼藉や路地一大事 | 寝子 |
15 大鍋にふくれしおでん三世代 | れいこ |
16 春になったらと幾度も聴きし聞けぬ声 | れいこ |
17 細波の仄かに光る冬夕日 | 語后池 |
18 群青の暮れゆく空に冴る月 | 語后池 |
2024年01月16日
1 寒の水起きぬけ呑みて芯に落つ | ひで |
2 鏡餅割れずに食べたお汁粉よ | 丹三 |
3 冬晴よ亀が寝ている放水路 | 丹三 |
4 郊外のビルにノスリのホバリング | しげ木 |
5 凍る朝背筋伸ばして陽を仰ぐ | 妙重 |
6 寒波来て旅への誘い聞かぬふり | 妙重 |
7 亀壺の蒼し空見ゆ氷面鏡 | 長操 |
8 落・壊・破・崩れし棚田冬雀 | 長操 |
9 晴れてても気温上がらぬ冬深し | 汗馬 |
10 餅巾着風邪の子笑う冬の鍋 | 陽温 |
11 鳥居前紅梅垂れて花かんざし | 陽温 |
12 北風や雲蹴散らして青空に | 語后池 |
13 空風や架線呻らせ吹き抜ける | 語后池 |
14 凩に一条太き道ありぬ | 寝子 |
15 懐手解いて黙祷被災地へ | 栞 |
16 パック開け割れて出てくる鏡割 | 栞 |
17 風やみてシリウスの青冴返る | 寝子 |
18 ひとつがい動かぬままに寒鴉 | 風民 |
19 風花やかの世のたより母月忌 | れいこ |
20 二十年経ても硬きや寒九水 | れいこ |
2024年01月15日
1 泥つきの大根二本妻帰還 | ひで |
2 初雪を隣の家の屋根で知る | 丹三 |
3 どんど焼き氏子総代お祓いを | 丹三 |
4 六花舞いて夜道に迷いけり | 妙重 |
5 氷柱越し訳知り顔の地蔵尊 | 妙重 |
6 朝の路地振袖冴える二人連れ | しげ木 |
7 高鳴りの冬の雷夜空照 | 汗馬 |
8 飾焚くにほひ纏ひて家路まで | 寝子 |
9 雪もよひ頭痛肩凝りうべなひて | 寝子 |
10 森林の葉擦ざわめく冴ゆる風 | 語后池 |
11 ベランダに寒九の風の容赦なし | 風民 |
12 瞬かぬ街の灯遠き寒九かな | 風民 |
13 木枯に押されて渡る歩道橋 | 栞 |
14 竹爆ぜてたたらを踏むやどんど焼き | 栞 |
15 正月や玄関の花華やかに | 語后池 |
16 軋む錠光いっきに蔵開 | れいこ |
17 妣編みの帽子で集うどんど焼き | れいこ |
2024年01月14日
1 寒の水一気呵成に呑みし朝 | ひで |
2 七草のあるものだけで粥ができ | 丹三 |
3 心地良い靴で踏む音朝の霜 | 汗馬 |
4 夕闇に松の絵剥がす松納め | 丹三 |
5 濡れ縁の餌場にソロリ寒雀 | しげ木 |
6 西かぜに吹雪く暗がり鈍の空 | しげ木 |
7 朝日まづさして駿河の密柑山 | 風民 |
8 子犬かと紛ふや枯葉駆け来たり | 風民 |
9 標なき川面の落ち葉沈まりぬ | 長操 |
10 電飾樹風と親しく冬並木 | 長操 |
11 炬燵猫蜜柑ぷしゅりと嫌な顔 | 玲美 |
12 霜柱踏んで音聞く童かな | 妙重 |
13 寂然と滝水涸る散歩道 | 妙重 |
14 瑠璃の日に擡げつ開くシクラメン | 語后池 |
15 水桶の小正月待つ榊の香 | 語后池 |
16 冬ざれし迷子の犬のビラ古りて | 寝子 |
17 コッツンと温もり残る寒卵 | れいこ |
18 藁ぼっち覗く一輪寒牡丹 | れいこ |
19 相願ふ再会の文字年賀状 | 栞 |
2024年01月13日
1 寒釣の先ずは人出を観にゆけり | ひで |
2 着ぶくれの幼児駆け出す花畑 | 丹三 |
3 万両の赤い実はまだ生き残り | 丹三 |
4 ストーブの反射板見てにらめっこ | しげ木 |
5 レポートの仕上げは疎ら蝉氷 | のりこ |
6 梅月夜影の気配に振り返り | のりこ |
7 冬の海彼の地の岸まで巡りたし | 妙重 |
8 まろうどの宴眩しや冬館 | 妙重 |
9 渋滞のすこしやわらぎ冬の虹 | 寝子 |
10 寒風や産毛振はす鳩二匹 | 負乗 |
11 厨より香るは榊小正月 | 語后池 |
12 妻の駈る自転車かごにシクラメン | 語后池 |
13 赤き実の冬曙にまだ見えず | 風民 |
14 音立てて風に追ひ来る枯葉かな | 風民 |
15 ゆっくりと庭に降り落ち牡丹雪 | 汗馬 |
16 ハイボール夜寒き呑み酔いどれて | 玲美 |
17 店先の苺をねだる子の涙 | れいこ |
18 小寒や見慣れぬ名前亡き便 | れいこ |
2024年01月12日
1 繕いの水輪広がる逸れ鴨 | ひで |
2 コスチュームきつくなったよ初稽古 | 丹三 |
3 草銜え浮かぶオオバン冬の川 | 丹三 |
4 縮ぢこみし背筋まっすぐ寒桜 | のりこ |
5 今年こそ色濃く咲かむ寒桜 | のりこ |
6 いささ竹ふくら雀を呼び込みて | 長操 |
7 雪晴にビニールハウスの破れ接ぎ | しげ木 |
8 冬布団喉を鳴らすの虎の猫 | 玲美 |
9 日溜りをふくら雀が譲りをり | 長操 |
10 寒雀瞳つぶらに実をつつく | 妙重 |
11 鼻風邪の声に爪立つ膝の猫 | 妙重 |
12 ムササビはギョロ目と爪で森を飛ぶ | 汗馬 |
13 寒暁を先づほどきたる鳥の声 | 風民 |
14 パック入り小餅出てくる鏡割 | 語后池 |
15 天頂へ斑無く広ぐ冬茜 | 語后池 |
16 冬温しテラスに独りティータイム | 寝子 |
17 寒禽の鋭声や子らの声隠れ | 栞 |
18 遠くより次々集ひ浮寝鳥 | 栞 |
19 上向いて顔に風受け新しき春 | 陽温 |
20 目を閉じてウグイスの声追いかける | 陽温 |
21 結い上げし晴れ着の吾子の細き頸 | れいこ |
2024年01月11日
1 日を受けて千手拡げし冬枯木 | ひで |
2 白い顔庭に降り立つ冬の鳥 | 丹三 |
3 山茶花の花びら土に色を添え | 丹三 |
4 四阿に見え隠れしや寒すずめ | 長操 |
5 残照をふくら雀に譲りをり | 長操 |
6 繭玉はエアコンの風軽く受け | しげ木 |
7 タオル干し冷し朝の一仕事 | 玲美 |
8 黒潮で身がプリプリ千葉伊勢海老 | 汗馬 |
9 旅の夢炬燵のなかで地図を追う | 妙重 |
10 書を開き湯呑み湯気立つ昼下がり | 妙重 |
11 風花や解体家屋の煤け塀 | 負乗 |
12 冬の街白い服選ぶ点つなぎ | 陽温 |
13 冬の月滑らぬように露天まで | 陽温 |
14 松籟や春着乗せゆく人力車 | 寝子 |
15 袂振り庭でままごと春着の子 | 栞 |
16 晴着の娘苑の華やぐ成人日 | 栞 |
17 突然の跳ね上がる竹垂雪 | れいこ |
18 葡萄の木冬青空をさえぎらず | 風民 |
19 道なき道闇夜を歩く雪灯り | れいこ |
2024年01月10日
1 白蓮の蕾きらめく冬日和 | ひで |
2 悴むと指で実感今朝の風 | 丹三 |
3 冬木立枝の先にはもう蕾 | 丹三 |
4 寒晴の紺きわだたす白い雲 | しげ木 |
5 「あの音」に裸足の庭は寒雀 | 長操 |
6 警告音飛び出す庭の寒雀 | 長操 |
7 枕元温もる猫のおなかかな | 玲美 |
8 朝散歩冷たい風を突き進む | 玲美 |
9 冬座敷籠城気取りの本開く | 妙重 |
10 冬の星数へて歳と比ぶれば | 妙重 |
11 湯畑でもうもう白く集い合い | 陽温 |
12 眼をこらしがく描き入れる福寿草 | 陽温 |
13 転がって糸を操る暴れ凧 | れいこ |
14 春嵐暴騰続く今日の株 | れいこ |
15 片手袋ポツンと待てり道の上 | 水琴窟 |
16 ラジオから「逃げて」の叫び冬の海 | 水琴窟 |
17 パーゴラのたかきに一輪冬薔薇 | 寝子 |
18 朝日浴び紅をさす芽や梅の枝 | 栞 |
19 小走りの着ぶくれ主の引く小犬 | 語后池 |
20 冬雲に滲む夕日のほの明かり | 語后池 |
21 夜の森梟威嚇ギャーと鳴く | 汗馬 |
2024年01月09日
1 初稽古みぎにひだりに飛ぶショット | ひで |
2 平凡な道で良かったいわし雲 | 小牧 |
3 成人式今日は賑わう駅前よ | 丹三 |
4 着ぶくれて袖が擦れてる音しゃっしゃ | 丹三 |
5 成人の日の受付の白い襟 | しげ木 |
6 干し柿の甘さほどよく味わって | 玲美 |
7 朝の猫二匹寄り添い暖をとる | 玲美 |
8 曳き猿が笑いの渦に宙を舞い | 妙重 |
9 冬の朝オルガンにのせ胴間声 | 妙重 |
10 鎮まりて熾見る黙やどんど焼 | 風民 |
11 広がりてまた輪の縮むどんど焼 | 風民 |
12 ガサガサと庭で採餌す寒雀 | 汗馬 |
13 昏れきって仄かにのこる冬木立 | 長操 |
14 年始め眼科検診くぐり抜け | 陽温 |
15 黄百合花勉強部屋の女神なり | 陽温 |
16 早梅や紅い小珠の勢揃い | 語后池 |
17 走り行く不点修理や初仕事 | 語后池 |
18 紅の小さき鎧や冬木の芽 | 寝子 |
19 初仕事ないのごとくの大発会 | れいこ |
2024年01月08日
1 いかのぼりひつぱつてゐる白き糸 | ひで |
2 オオバンの群現れた冬の川 | 丹三 |
3 飲み込みが不安今年は餅食べず | 丹三 |
4 雪晴に目を閉じ薄く開けてみる | しげ木 |
5 窓際に観葉移す寒の入 | しげ木 |
6 嶽望む古木に満つる冬芽かな | 風民 |
7 黒々と畑を守りて枯桜 | 風民 |
8 母産んだ子が迎える成人式 | 汗馬 |
9 一二と奥ゆかしきや早梅花 | 語后池 |
10 松飾外しエンジン始動かな | 語后池 |
11 ドラマ観て蜜柑の筋取り風邪の君 | 玲美 |
12 福袋お茶と珈琲幸を呼ぶ | 玲美 |
13 温顔の友と愛でる茶冬うらら | 妙重 |
14 ならひ吹き入相急ぐ靴の音 | 妙重 |
15 冬日射し白き観音森に浮く | 栞 |
16 一人住むマンションのドア凍て着けり | 水琴窟 |
17 冬紅葉読みさしの書の栞とす | 寝子 |
18 年賀状だけの付き合い三十余 | れいこ |
19 振袖のつまづく袂初仕事 | れいこ |
2024年01月07日
1 真つ青な空を堂々凧 | ひで |
2 冬茜学童たちが帰る時 | 丹三 |
3 風吹けど落ちる葉はなし冬木立 | 丹三 |
4 彼の句集読んで供養草城忌 | 汗馬 |
5 終日や我が影と踏む落ち葉径 | 長操 |
6 冬木立おくの奥間に空青し | 長操 |
7 薄日さす鉢に纏わる冬の蝶 | しげ木 |
8 赤と黄の園路華やぐ実千両 | 語后池 |
9 松原のこも巻き照りし冬日かな | 語后池 |
10 新年会椅子席選ぶ者増えて | 妙重 |
11 瞼閉じ若菜のかほり粥すする | 妙重 |
12 赤いミシン買い替え米寿春まとう | 美佐 |
13 もふもふの冬毛撫でると喉鳴らす | 玲美 |
14 踊り初め太極拳で颯爽と | 玲美 |
15 太陽が必ず昇るこの春も | 陽温 |
16 椿から鳥跳び降りて舞い上がる | 陽温 |
17 幾つかは人の顔なる冬木の芽 | 寝子 |
18 珈琲を買ひてベンチへ苑四温 | 栞 |
19 新暦めくり楽しむ世界旅 | 水琴窟 |
20 被災地の崩れし家屋虎落笛 | 水琴窟 |
21 仏の座思い出せずに食す粥 | れいこ |
2024年01月06日
1 赤マフラー黒の革ジャン吾米寿 | 美佐 |
2 着ぶくれて街を闊歩す美脚の娘 | ひで |
3 絵が動くラインメールの年賀状 | 丹三 |
4 着衣始晴れ着の孫の動画来る | 丹三 |
5 空っ風窓の敷居に砂が寄る | しげ木 |
6 何もかも包んで雪の夜が明ける | しげ木 |
7 空中の翼ひろげる寒鴉 | 汗馬 |
8 鶴首に背を正して水仙花 | 寝子 |
9 暖冬にとっとことっと忍猫 | 玲美 |
10 境内の大杉凛と初詣 | 水琴窟 |
11 楼門に掲げる画龍淑気なり | 水琴窟 |
12 重ね着も避難所なか薄くなり | 妙重 |
13 葛湯飲み子供時代のこと語る | 妙重 |
14 コスモスの芯の強さを垣間見る | 小牧 |
15 冬日なか季寄の御仁佇みて | 語后池 |
16 日向ぼこ犬も乗りたる車椅子 | 栞 |
17 猿の尻ひかる猿山冬うらら | 栞 |
18 青空に臘梅ひとつ鈴のごと | 語后池 |
19 お正月作り忘れた京の蕪 | れいこ |
20 初便伯母の文字の固きかな | れいこ |
2024年01月05日
1 寒の鵜の先ず天仰ぎ潜りけり | ひで |
2 鉢寄せて賀客の車置く場所を | 丹三 |
3 煙顧慮去年の破魔矢焚く場なし | 丹三 |
4 寺社からの年始に廻る小学生 | しげ木 |
5 キティラ差し窓辺に眩しく眠る猫 | 玲美 |
6 冬の灯に句帖開きて友想ふ | 妙重 |
7 年守りテレビで祈る世の安寧 | 妙重 |
8 初競の魚の赤身に黒い目 | 汗馬 |
9 音止みて煙草の匂ひ剪定師 | 寝子 |
10 冬の夜光燃え立つ東京タワー | 水琴窟 |
11 袴着し犬も並んで初参り | 栞 |
12 筋雲を赤く光らせ初日出づ | 栞 |
13 初詣楼門高く龍の絵馬 | 水琴窟 |
2024年01月04日
1 翔ぶ鳥に日矢を放てる寒の雲 | ひで |
2 この正月孫の背丈が我を越し | 丹三 |
3 初景色交叉点には我一人 | 丹三 |
4 玄関のセンサーライトに実万両 | しげ木 |
5 凧上げず遊ぶ子供はゲームする | 汗馬 |
6 枯蔓や初湯の窓に揺らぎけり | 長操 |
7 沈黙も会話の一つ淑気かな | 長操 |
8 果樹園に枝切る音のある四日 | 風民 |
9 御降りの止みて草木を輝かす | 風民 |
10 ガーベラを活けて今年が始まるわ | 玲美 |
11 餅焼けて頬張りつつもお酒もね | 玲美 |
12 北風に抗ひ向かふ事務始め | 水琴窟 |
13 三が日終わりて街に風流れ | 語后池 |
14 夕日差し金の上枝や枯木立 | 語后池 |
15 三が日十大ニュース早や二つ | 水琴窟 |
16 紅梅と白梅の社温詣で | 陽温 |
17 初売りのブルーのコート目が覚める | 陽温 |
18 持ち寄りて机上いつぱい節料理 | 栞 |
19 年長者より床の間に初写真 | 栞 |
20 山茶花のあはひに鳥の見え隠れ | 寝子 |
21 まっすぐの畦の果てには雪烟 | れいこ |
2024年01月03日
1 遡上せる水鳥ひろぐ水脈の跡 | ひで |
2 コテージでお屠蘇を祝う爺と婆 | 丹三 |
3 おろしたて稽古始のコスチューム | 丹三 |
4 手で触れると痛み走る寒の水 | 汗馬 |
5 草よけの砂利に薺のローゼット | しげ木 |
6 蝋梅のにほひ此処まで厨まで | 寝子 |
7 御降りの雫に集ふ光かな | 風民 |
8 三日はや烟立ちたる山の畑 | 風民 |
9 枯蔓の湯気立つ窓の揺らぎかな | 長操 |
10 抜き抜かれ沿道沸かす駅伝児 | 水琴窟 |
11 駅伝児応援の声追い風に | 水琴窟 |
12 みくじ棒振る音止まぬ初詣 | 栞 |
13 見事なる庭で育てた年賀芋 | 語后池 |
14 うとうとと瞼閉じれば去年今年 | 語后池 |
15 身重なる嫁にひざ掛けそっと当て | 栞 |
16 お降りのサイレン続く羽田かな | れいこ |
17 小吉のみくじ高きに結いしかない | れいこ |
2024年01月02日
1 冬晴の空に曙杉仰ぐ | ひで |
2 おみくじもスマホ決済初詣 | 丹三 |
3 大人でも爺の子供よお年玉 | 丹三 |
4 飛び石を飛び雪にする今朝の雪 | しげ木 |
5 年明けて天変地異が始まった | 汗馬 |
6 爺の手や孫に返しぬ龍の玉 | 長操 |
7 新年の堅き句帳を開きをり | 長操 |
8 元日や一本道の真中ゆく | 風民 |
9 三代の遊ぶ声ある二日かな | 風民 |
10 初春を無残に砕き地震一打 | 寝子 |
11 溜め込みし新聞読んで二日暮る | 水琴窟 |
12 頭へと値札貼られる福達磨 | 栞 |
13 一歳の孫につぎつぎお年玉 | 栞 |
14 吾娘の来る年に一度の初春かな | 語后池 |
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