みのる選:2020年7月度
2020年07月24日 | |
ギプスの児抱いて汗の香いとほしむ | なつき |
青田ゆく風の翼の渺渺と | やよい |
蝉しぐれ包丁の手を急かせけり | 満天 |
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2020年07月23日 | |
採れ過ぎてあの手この手や茄子料理 | 菜々 |
コロナ禍に負けじと処する大暑かな | 三刀 |
箱庭の芝生の中に子犬飼ふ | ぽんこ |
藻の花を潜る魚影のいと速し | 智恵子 |
コロナ禍の賓頭盧様は簾奥 | 明日香 |
鉾立ては無してふコロナ禍の憎し | もとこ |
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2020年07月22日 | |
青田風ま白き鷺の見え隠れ | 隆松 |
お泊まりの孫寝かしつけ冷し酒 | なつき |
朝顔の鉢いだきあぐ一年生 | もとこ |
夜濯ぎをテラスに干して旅終る | たか子 |
蔵屋敷古し老舗の麻のれん | 智恵子 |
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2020年07月21日 | |
恙なき八十路の夫婦冷や奴 | 菜々 |
神苑の上枝飛び交ふ蝉つぶて | せいじ |
仏壇の西瓜たたいて子ら拝む | なつき |
片陰に出棺待てる霊柩車 | 素秀 |
京の辻暮れて賑はふ川床提灯 | もとこ |
冷奴庭の青紫蘇きざみ添へ | 菜々 |
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2020年07月20日 | |
まだはねる夫の釣果の鯵料る | やよい |
溶接の鉄に弾ける汗しづく | 素秀 |
山車蔵の龍遊ばせて土用干 | 隆松 |
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2020年07月19日 | |
子と散歩茅の輪くぐりて帰りけり | なつき |
青葉木菟巣立ち鎮もる大欅 | うつぎ |
真清水にどしりと沈む豆腐かな | 素秀 |
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2020年07月18日 | |
暑気払泡こまやかに抹茶点て | 満天 |
残像に覆ひ被さり大花火 | みきお |
アナベルが緑になれば梅雨明けと | 明日香 |
梅雨晴の波止に釣竿ひしめきて | やよい |
幼子の手の届きさう青瓢 | せいじ |
2020年07月17日 | |
長雨のテニスコートに大蚯蚓 | ぽんこ |
露天湯に傘置かれある梅雨の宿 | やよい |
乳牛の乳房張りたる大夏野 | 素秀 |
車窓今オホーツク海大夕焼 | はく子 |
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2020年07月16日 | |
大和富士のみに日矢さす梅雨晴間 | 明日香 |
睡蓮の花押しのけて鯉の口 | 満天 |
風鈴の戸ごとに奏づ長屋かな | 素秀 |
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2020年07月15日 | |
雨晴れて待つてましたと蝉時雨 | せいじ |
どれ履こかどの靴もみな梅雨湿り | 菜々 |
上潮の夜や蟹這ふ通し土間 | 素秀 |
広重の絵のごと走る夕立かな | たか子 |
梅雨深しくぐもるラヂオ深夜便 | もとこ |
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2020年07月14日 | |
荒梅雨や濁りし池に鯉躍如 | ぽんこ |
下闇に対の岩座社守る | 明日香 |
はちすの葉雨にひろげて玉づくり | たか子 |
雨三日お化け胡瓜となりにけり | なつき |
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2020年07月13日 | |
玉葱を吊るして島の駐在所 | うつぎ |
三線の聞こえて来さう海紅豆 | はく子 |
釣り忍京の町屋の深庇 | みづき |
無番地てふ番地の宿や海開き | こすもす |
喪主ひと日終へて安堵や冷奴 | ひのと |
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2020年07月12日 | |
髪洗ひ今日の疲れを流しけり | 満天 |
ピカピカにキッチン磨き梅雨に処す | 菜々 |
朝方の厨に悲鳴パンの黴 | 豊実 |
出水禍に消ゆ思ひ出の湯宿かな | うつぎ |
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2020年07月11日 | |
ひとしきり簾を洗ひ雨上がる | せいじ |
長梅雨に音の籠りし古時計 | ぽんこ |
たつぷりと雨をふふみて芝青し | 菜々 |
2020年07月10日 | |
総玻璃のビルに白雲梅雨晴れ間 | もとこ |
顔よりも大き子猫の欠伸かな | みきお |
夏萩に肩触れのぼる戦人塚 | なつき |
受付のアクリル板や梅雨寒し | 豊実 |
青葉雨相合ひ傘に詣でけり | なつき |
月影を揺らして真夜のプールかな | ひのと |
葉裏なる空蝉背より雨しずく | やよい |
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2020年07月09日 | |
緑蔭や手櫛で髪に風入るる | なつき |
里山をひとあらひして夕立去る | 菜々 |
風通ふ何も置かざる夏座敷 | たか子 |
夕立去り白雲遊ぶにはたづみ | 菜々 |
緑蔭に羽根ひろげたる孔雀かな | なつき |
針ほどの鎌で威嚇す子蟷螂 | 素秀 |
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2020年07月08日 | |
眼福や風蘭松の枝に匂ふ | うつぎ |
心太茶屋の緑の透けてをり | たか子 |
瘡蓋のポロリと剥がれ梅雨あがる | みきお |
窓を打つ高き雨音明易し | 満天 |
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2020年07月07日 | |
傘の柄と七夕笹を抱く児かな | なつき |
手にとれば匂ふ桐箱蔵涼し | ひのと |
葉畳に睡蓮の花二つ三つ | はく子 |
梅雨籠ラジオ体操欠かさざる | 明日香 |
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2020年07月06日 | |
雑魚寝なる富士の山小屋黴匂ふ | はく子 |
斜交ひに座すコロナ禍の夏座敷 | せいじ |
竹叢を丸く組伏せ梅雨滂沱 | うつぎ |
窓越しに雨脚眺め梅雨籠 | 三刀 |
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2020年07月05日 | |
夜行バス眠れぬ窓の明易し | ぽんこ |
青田中ぽつんと茅葺一軒家 | うつぎ |
ソーダ水泡鎮まるを期に本音 | たか子 |
夏空へ青富士を模す滑り台 | なつき |
夕立急跳ねてかけだすランドセル | ひのと |
朝焼けに植田千枚展けけり | 智恵子 |
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2020年07月04日 | |
梅雨晴間献血叫ぶスピーカー | せいじ |
前沢に西瓜冷やして峡の宿 | 菜々 |
あぢさゐに包まれゐたり辻地蔵 | うつぎ |
梅雨籠テレビ相手に独り言 | はく子 |
2020年07月03日 | |
高鳴るは奈落の瀬音万緑裡 | はく子 |
すれすれに舟傾かせ箱眼鏡 | こすもす |
コロナ禍に続く自粛や梅雨寒し | ぽんこ |
蜘蛛の囲のシャンデリアめく雨後の晴 | 智恵子 |
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2020年07月02日 | |
魚臭き釣り銭もらふ土用かな | ひのと |
形代をのみて大波しざりけり | 素秀 |
山寺の庭ひろびろと沙羅双樹 | もとこ |
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2020年07月01日 | |
梅雨雲の切れて西空茜さす | みきお |
句座涼しアガパンサスを高く活け | 菜々 |
放課後の学び舎包む大夕焼 | 満天 |
産土神の重き鈴の緒梅雨深し | うつぎ |
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2020年06月30日 | |
朱の橋の右に左に蓮浄土 | たか子 |
潮の香に覚むる古里明易し | うつぎ |
手花火の残り香さらふ夜風かな | ひのと |
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2020年06月29日 | |
海坂のいまし展けて六月尽 | 素秀 |
水すまし己が影連れハイジャンプ | ぽんこ |
跳ね橋の跳ねて夏空展けけり | ひのと |
太鼓橋貫きくぐるつばくらめ | こすもす |
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2020年06月28日 | |
梅雨晴れ間あれもこれもと切り戻し | 明日香 |
終ひ湯に手足伸ばすや遠河鹿 | ひのと |
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2020年06月27日 | |
端山いま茜に染まり夕涼し | やよい |
撃ち下ろす面の一声堂涼し | ひのと |
鉄打てば青嶺谺を返したる | 素秀 |