みのる選:2020年4月度
2020年04月24日 | |
花筏わけて大きな鯉の口 | 満天 |
潮の香の日毎に強く夏近し | 宏虎 |
茶摘女が新茶の振舞ふ道の駅 | 智恵子 |
鯉幟家宝の一本松の上に | なつき |
水郷に流る舟歌鳥曇に | 愛正 |
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2020年04月23日 | |
はしゃぐ火を叩いて叱る野焼かな | たか子 |
綺羅綺羅と雨粒光る柿若葉 | こすもす |
職退ひて四国巡りの御祓かな | 素秀 |
花散って山の一樹に戻りけり | うつぎ |
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2020年04月22日 | |
広前に神遊びしか散り椿 | うつぎ |
ニ頁を行ったり来たり目借時 | うつぎ |
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2020年04月21日 | |
長堤や思ひ思ひに春惜しむ | もとこ |
中島にうたた寝をして残る鴨 | 素秀 |
雨晴れて山吹の黄に癒やさるる | 満天 |
泥神楽煙幕に蝌蚪かくれんぼ | 宏虎 |
独活香る媼の背負ふ籠の中 | 愛正 |
風待ちに呆け蒲公英背比べ | ぽんこ |
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2020年04月20日 | |
春しぐれ那智黒敷へ音もなく | 菜々 |
まくなぎに支離滅裂の手の動き | たか子 |
走り根を越えて続きぬ蟻の道 | 素秀 |
無住寺の人の居るやに紫木蓮 | うつぎ |
花芽見つけて春愁を忘れけり | 明日香 |
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2020年04月19日 | |
山寺の一隅明し柿若葉 | 素秀 |
水たまり畑に広がる穀雨かな | なつき |
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2020年04月18日 | |
柿若葉子規の句碑へと日を注ぐ | かかし |
毎朝が絵踏のごとし体重計 | 素秀 |
篁の風ざはざはと春寒し | 菜々 |
雨溜めて重さに耐ふる八重桜 | もとこ |
八景の池を巡りて春惜しむ | はく子 |
2020年04月17日 | |
若葉萌ゆ鎮守の杜に鳥語降る | 智恵子 |
ままごとのお客はママよ庭温し | 菜々 |
フラスコでコーヒーブレイク春の午後 | ぽんこ |
草取りの夫に教える名草の芽 | なつき |
久に訪ふ延命地蔵花は葉 | たか子 |
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2020年04月16日 | |
山頂を守る老幹の八重桜 | せいじ |
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2020年04月15日 | |
雨粒の光とどめて柳の芽 | はく子 |
昼食に帰らず夫は畑返し | 明日香 |
切り難き春愁というふ長電話 | 満天 |
バスタブへ春愁の身を深々と | 菜々 |
左右にゆれ笑つているよチューリップ | ぽんこ |
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2020年04月14日 | |
花吹雪鍬休めをる老夫婦 | かかし |
ふるさとの味噌こそよけれ木の芽和え | 菜々 |
落椿城址にのこる隠れ道 | なつき |
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2020年04月13日 | |
黒猫の瞳の奥に花御堂 | 素秀 |
電話でのよもやま話日短 | 明日香 |
能舞台絶え間なく舞ふ花吹雪 | 愛正 |
媼ひとり座す筍の直売所 | せいじ |
潮風に落花逆巻くの花の山 | 三刀 |
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2020年04月12日 | |
花吹雪総身に浴びる地蔵かな | 愛正 |
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2020年04月11日 | |
春愁を払拭せんむと句集読む | 満天 |
一穢無き空皓々と春の望 | はく子 |
こうのとり歩す脚元は川霞 | 素秀 |
2020年04月10日 | |
水引けば濁りの下に蝌蚪の影 | 素秀 |
コロナ自粛なる春昼を持て余す | たか子 |
健やかに目覚めて感謝百千鳥 | せいじ |
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2020年04月09日 | |
コロナ禍の長き自粛や花は葉に | ぽんこ |
境内の小さきお砂場巣立鳥 | 明日香 |
散る花や本丸跡に辞世歌碑 | なつき |
今日の憂さすべて忘れて春の月 | 満天 |
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2020年04月08日 | |
大寺の要の桜散りはじむ | 三刀 |
春温しスーパームーン耿耿と | 智恵子 |
園児らの植えて満開ちゅうりっぷ | はく子 |
山門を額縁にして桜満つ | 素秀 |
春光の綺羅波に浮く竹生島 | 隆松 |
空真青ひばり野となる河川敷 | はく子 |
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2020年04月07日 | |
春暁や靄の内なる畝傍山 | 明日香 |
幾たびも庭に降り立ち春の月 | 菜々 |
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2020年04月06日 | |
足跡なき落花畳や城の朝 | やよい |
湧水に陽を吸ひ込みて藻草生ふ | 智恵子 |
ウイルス禍よそに仄々春の月 | 菜々 |
初つばめ見しより憂さの晴れにけり | たか子 |
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2020年04月05日 | |
万朶の枝重ね重ねて花隧道 | せいじ |
巡り来る花時夫の忌なりけり | こすもす |
花筏より赤目なる亀の首 | なつき |
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2020年04月04日 | |
城池の大き日溜まり花筏 | なつき |
2020年04月03日 | |
露天湯の湯気にこもりし声朧 | 愛正 |
バイバイをして幼子の雛納め | こすもす |
野路うらら地蔵の口の開きしまま | もとこ |
葱坊主背比べして畝埋む | 菜々 |
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2020年04月02日 | |
花万朶文化財なる女学院 | はく子 |
遊園地跡に名残の桜かな | 素秀 |
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2020年04月01日 | |
ふらここの高みに海の風匂ふ | そうけい |
花散らす程にはならず小糠雨 | たか子 |
石畳ほつほつ濡らす花の雨 | 菜々 |
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2020年03月31日 | |
子を抱く観音像へ花吹雪 | 菜々 |
観覧車さくら吹雪の高みへと | 智恵子 |
野良猫もうち仰ぎをる花堤 | なつき |
連翹のひと枝貫く四ツ目垣 | 愛正 |
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2020年03月30日 | |
人影のなき大寺の桜かな | 三刀 |
黒潮の岬鼻に佇つ夕遍路 | 素秀 |
着陸の尾灯おぼろに明滅す | 宏虎 |
江ノ電の窓に貼りつく花吹雪 | 智恵子 |
木蓮の白の浮き立つ小雨かな | たか子 |
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2020年03月29日 | |
有明の日差し広がる大干潟 | やよい |
産湯なる二の井三の井苔青む | なつき |
家籠る日や白粥と花菜漬 | うつぎ |
園庭の大き日溜りタンポポ黄 | 菜々 |
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2020年03月28日 | |
春寒の淀を眼下に水難碑 | 菜々 |