みのる選:2019年6月度
2019年06月28日 | |
玄関の白壁夜ごと家守来る | ぽんこ |
梅雨の鬱一掃せむと美容院 | 明日香 |
散らばれる山羊の白さよ大夏野 | 素秀 |
滴りや洞窟に在す不動尊 | やよい |
川風の通ひ来る宿夕河鹿 | 愛正 |
母里へどの道とるも青田風 | 菜々 |
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2019年06月27日 | |
梅雨工房絵筆明るき色選ぶ | 満天 |
煙吐くごと山腹の梅雨の雲 | 明日香 |
縺れては闇に寄り添ふ恋螢 | 智恵子 |
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2019年06月26日 | |
白鷺の見え隠れせる苗の丈 | たか子 |
奥の院抜けてこれより登山道 | せいじ |
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2019年06月25日 | |
宿下駄の弛き鼻緒や蛍狩 | 宏虎 |
亡き夫の古びし黴の革鞄 | はく子 |
点と線闇に縺れる蛍かな | たか子 |
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2019年06月24日 | |
霊峰の水を湛へし代田かな | さつき |
篝火に浮かぶ夜涼の能舞台 | やよい |
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2019年06月23日 | |
虚子句碑の文字をなぞりて蜥蜴這ふ | 宏虎 |
峡の田の頭上過ぎりて時鳥 | 三刀 |
片陰に終はるともなき立ち話 | 満天 |
丘一つ覆ひて風のラベンダー | たか子 |
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2019年06月22日 | |
桔梗のポンと開きて星となる | はく子 |
間遠なるバスのひびきは蟇 | せいじ |
2019年06月21日 | |
浮世絵のやうに走りし夕立かな | たか子 |
尻上げて指先ほどの子蟷螂 | なつき |
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2019年06月20日 | |
茅花咲く島の緊急滑走路 | なつき |
京薄暑肩巾ほどの路地をゆく | 菜々 |
同郷の夫婦の訛り茗荷汁 | よう子 |
潮風の通ふ畑に辣韮掘る | 智恵子 |
降りさうで降らぬ一日や蝸牛 | こすもす |
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2019年06月19日 | |
庭先の鉢に収穫茄子胡瓜 | はく子 |
保育士が人魚に扮し海開き | さつき |
カメラマン欄に整列滝見台 | さつき |
野良猫が道案内す菖蒲苑 | ぽんこ |
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2019年06月18日 | |
身構へし守宮の喉の息遣ひ | 宏虎 |
苔庭の松の根方に梅雨きのこ | 菜々 |
せせらぎに一つ瞬く蛍かな | せいじ |
投句箱戸口に置かれ滝見茶屋 | さつき |
一望の青田に四囲の山襖 | やよい |
大夕立コンクリートを穿つやに | 素秀 |
姫女苑叢を二タ分け風の道 | ぽんこ |
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2019年06月17日 | |
睡蓮の浮島なせる池広し | よし女 |
泣いてるやうに潤みて梅雨の月 | 明日香 |
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2019年06月16日 | |
割烹の品書新た文字涼し | かかし |
梅雨寒や芳名帖の文字滲む | よう子 |
噴水の踊りに睡魔覚えけり | たか子 |
朱の鉄橋駆けるD51万緑裡 | 智恵子 |
鍵要らぬ離島の暮らし紫蘇の花 | 宏虎 |
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2019年06月15日 | |
台杉の秀の直立す大夕焼 | 明日香 |
恙無き余生の暮し心太 | 宏虎 |
2019年06月14日 | |
抽んでし架橋の主塔夏霞 | 素秀 |
よき風をいなして揺るる軒簾 | せいじ |
林道を抜けて展けし麦の秋 | 愛正 |
八つ橋の陰頼みとす蝌蚪の国 | たか子 |
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2019年06月13日 | |
どくだみの花の白さや夕散歩 | こすもす |
水遣ればふはり風立つ菖蒲茶屋 | なつき |
腰下ろす畦に干し草匂ひ立つ | 三刀 |
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2019年06月12日 | |
下校児の奇声に覚めし昼寝かな | せいじ |
峠茶屋足休ませて心太 | 宏虎 |
田の泥に足取られつつ苗起こす | 明日香 |
青天井縦横無尽みずすまし | たか子 |
名水の岩の常濡れ苔の花 | ぽんこ |
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2019年06月11日 | |
ジャンプして脚長きこと雨蛙 | たか子 |
医通ひもドライブ気分青葉道 | 菜々 |
初生りの茄子で夕餉や共白髪 | よう子 |
たたなづく青嶺幾座や展望台 | 明日香 |
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2019年06月10日 | |
立葵谷戸に明治の木の校舎 | 宏虎 |
夕焼を映して燃ゆる忘れ潮 | 素秀 |
ごろ寝ふと覚むれば傍に蚊遣香 | せいじ |
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2019年06月09日 | |
葉隠れにお化け胡瓜となつてゐし | やよい |
丹精のトマトを孫の家苞に | 三刀 |
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2019年06月08日 | |
公園の要の古墳青葉闇 | 菜々 |
日々太る庭のトマトに夫機嫌 | 菜々 |
堀端に小舟一艘花菖蒲 | 愛正 |
燕の巣今朝は空つぽ小糠雨 | 智恵子 |
2019年06月07日 | |
夫の船戻るを待てる日焼海女 | やよい |
雨憎し庭の紫陽花皆お辞儀 | 明日香 |
大杉に侍るがごとく濃紫陽花 | さつき |
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2019年06月06日 | |
夏草に隠れて傾ぐ売地札 | たかを |
保育士の四囲より子らの水鉄砲 | たか子 |
蟻の道たたらを踏みし靴の先 | たか子 |
達筆の御朱印帳の文字涼し | そうけい |
かけつこの子らを追越すつばくらめ | 素秀 |
飛行雲スクランブルす夕焼空 | せいじ |
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2019年06月05日 | |
蛍火の水面に乱舞高瀬舟 | 素秀 |
花あふち砦に縄文遺跡あり | 三刀 |
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2019年06月04日 | |
豆飯を炊いて遺影に話しかく | はく子 |
たまねぎ干す不揃ひなれど庭の幸 | 菜々 |
さす棹に蛍火絡む高瀬舟 | 素秀 |
万緑の底ひに隠れ耶蘇の里 | なつき |
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2019年06月03日 | |
クレーンの掴まんとする雲の峰 | やよい |
注連縄の古りて下闇なせりけり | こすもす |
園児らの目の高さなる花しょうぶ | たか子 |
改札を出で入り自由つばくらめ | やよい |
汗光る屋根師口より竹の釘 | よう子 |
会釈して菖蒲田の畦譲り合ふ | たか子 |
明易や夫を看取りし日々のごと | はく子 |
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2019年06月02日 | |
野辺の草摘みて供華とす露の墓 | ぽんこ |
笑ひ声路地に洩れくる簾かな | 智恵子 |
鉢のもの息も絶え絶え大西日 | 明日香 |
梅雨じめりしたる投薬袋かな | たか子 |
シルバー族薔薇のテラスにテイータイム | 菜々 |
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2019年06月01日 | |
餌を欲りて鯉の競りあふ池薄暑 | ぽんこ |
廃坑を塞ぐ格子に滴れる | 素秀 |
野仏に鳴りつぐ風の小判草 | 智恵子 |
2019年05月31日 | |
せせらぎの涼しく奏づ詣で道 | 菜々 |
漣に植田の風の見えにけり | こすもす |
微かなる木々のそよぎや池涼し | やよい |
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2019年05月30日 | |
車椅子押して寄せたる若葉陰 | 満天 |
濃紫陽花山の樹間を埋め尽くし | 素秀 |
青蔦を御手に絡ませ六地蔵 | ぽんこ |
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2019年05月29日 | |
万緑の丘を一望道の駅 | ぽんこ |
あひたがひ釣り具自慢や鮎の宿 | 宏虎 |
大仰に風をいなして今年竹 | 宏虎 |
流木を仏と祀る寺涼し | なつき |
大橋を見上ぐ露天湯明易し | やよい |
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2019年05月28日 | |
雨弾きをる枇杷の実の産毛かな | 素秀 |
まなかひに朝焼の富士露天の湯 | 智恵子 |
瀬しぶきに光る一筋蜘蛛の糸 | さつき |
さみだるる四囲の翠黛滲ませて | 菜々 |
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2019年05月27日 | |
潮干狩り迷い子を告ぐるスピーカー | 智恵子 |
小流れを狭む汀の花菖蒲 | さつき |
そら豆の莢の無垢なる白さかな | たか子 |
松の芯大空指して鬩ぎあふ | ぽんこ |
山上のキャンパスフェスタ囀れる | はく子 |
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2019年05月26日 | |
今年竹もろ肌脱ぎに皮つけて | 明日香 |
素麺をすする老舗の江戸切子 | 智恵子 |
巣燕のちぎれんばかり首伸ばし | さつき |
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2019年05月25日 | |
浜木綿を籬としたる島食堂 | 智恵子 |
木下闇五百羅漢の苔むして | はく子 |