みのる選:2019年5月度
2019年05月24日 | |
初生りの胡瓜根性曲りをり | 董雨 |
夏空へ切妻屋根の連なりぬ | せいじ |
波飛沫浴びて遊覧船涼し | 智恵子 |
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2019年05月23日 | |
源流の森に群生著莪の花 | 愛正 |
十薬の群落廃坑隠すほど | 智恵子 |
持て余すかちんかちんの氷菓かな | なつき |
迷ひなく鋏を入るる雨後の薔薇 | さつき |
亡き夫の恋文ならめ落し文 | はく子 |
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2019年05月22日 | |
新茶揉む老婆の皺の手窪かな | 愛正 |
摺り足で闇に踏み入る蛍狩 | 素秀 |
渓流の楽に和すごと遠河鹿 | 隆松 |
代田いま入江のごとく広ごりぬ | せいじ |
膝ついて傅くごとく薔薇手入れ | 菜々 |
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2019年05月21日 | |
谷戸広し代田に青天井展け | せいじ |
雨晴れてさ緑深きお茶畑 | やよい |
雨粒の珠を宿して薔薇真紅 | 満天 |
ジョギングの影が縫ひゆく夏木立 | さつき |
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2019年05月20日 | |
野辺草の風の波間に石仏 | たかを |
緑風や真白き馬柵に凭るれば | こすもす |
和太鼓の打ち揃ひたる五月晴 | 満天 |
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2019年05月19日 | |
堂涼し阿弥陀の前に朱印受く | なつき |
渓谷の茶屋に一服河鹿鳴く | 智恵子 |
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2019年05月18日 | |
一村に水匂ひ立つ植田風 | うつぎ |
五月雨のオランダ坂をたもとほり | やよい |
百磴の緑さす途に石仏 | ぽんこ |
2019年05月17日 | |
玻璃皿の透明感や夏料理 | 宏虎 |
緑陰に集合したるベビーカー | 満天 |
麦の穂の整列乱し風渡る | 明日香 |
池ほとりの涼し靴づれ休めけり | なつき |
長屋門大鉈振るふごと飛燕 | たか子 |
耳鳴りにあらず間遠の蝉の声 | 素秀 |
衣更へてお洒落楽しむ米寿翁 | 宏虎 |
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2019年05月16日 | |
田水張り終えて連邦パノラマに | もとこ |
浜駈けてゆく白帯の裸足かな | 智恵子 |
庭いぢりしたる手なれば蚊も打てず | せいじ |
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2019年05月15日 | |
川底に銀翻し鮎遡上 | 智恵子 |
里山に摘みきしといふ蓬餅 | うつぎ |
噴水の弧を駈け抜けて児ら遊ぶ | ぽんこ |
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2019年05月14日 | |
次々に干潟呑み込む五月潮 | 三刀 |
高木の森を砦に薔薇の園 | 菜々 |
塗香して仏にまみゆ安居寺 | はく子 |
耕運機土くれこぼす青田道 | 小袖 |
降り始む雨に田蛙騒がしき | うつぎ |
竹秋の脊山を戸々に棚田村 | うつぎ |
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2019年05月13日 | |
母の日や子の来て弛む夫の顔 | よし女 |
百畳の棚に滝なす藤の花 | やよい |
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2019年05月12日 | |
山藤の彩を失ふ暮色かな | うつぎ |
ハーブティー試飲コーナー園薄暑 | さつき |
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2019年05月11日 | |
青蔦や象のはな子を偲ぶ檻 | さつき |
山路いま森林浴となる奈落 | せいじ |
若楓磴はたたみにたたみたる | やよい |
えごの花散って星屑撒き散らす | よし女 |
靴跡のハの字ヘの字や田水張る | よう子 |
2019年05月10日 | |
新樹光見守り隊のかんばせに | 明日香 |
早朝の夏の山気を深呼吸 | たか子 |
スナックの看板に添ふ薔薇の鉢 | ぽんこ |
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2019年05月09日 | |
今年竹さざめく中にエジソン碑 | 菜々 |
小手毬の組んづ解れつす風いなす | せいじ |
風の丘見渡す限りラベンダー | ぽんこ |
魚河岸に飛ぶだみ声や初鰹 | 宏虎 |
若葉風大きく逸れるフリスビー | なつき |
河鹿鳴く早瀬に摩崖弥勒仏 | もとこ |
夏落葉分水嶺はこのあたり | たか子 |
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2019年05月08日 | |
沖つ島見え隠れする卯波かな | 智恵子 |
天指して鬩ぎ合ふやに松の芯 | 素秀 |
首塚の主寧かれとれんげ畑 | もとこ |
百蝶のとまりたるかに花水木 | れいこ |
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2019年05月07日 | |
夏燕沖ゆく船のゆつくりと | うつぎ |
坂がちの歌劇の道の花水木 | 宏虎 |
実の数を当てつこしつつ豌豆剥く | こすもす |
下闇に苔むす墓の累々と | はく子 |
水底に届く日差しや水草生ふ | れいこ |
吟行は始発電車や明易し | さつき |
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2019年05月06日 | |
窓繰れば卯の花匂ふ雨上がり | せいじ |
吊橋は丸太造りや渓若葉 | さつき |
出港の弧を曳く水脈に風光る | やよい |
薔薇香るグリンチャペルの広庭に | さつき |
夕牡丹耐えきれずして崩れけり | うつぎ |
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2019年05月05日 | |
道渡り終えし毛虫に安堵しぬ | たか子 |
麦の秋地平線から飛行雲 | たかを |
普賢岳まなかひにして潮干狩り | さつき |
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2019年05月04日 | |
母の唄上機嫌なる菖蒲の湯 | 智恵子 |
2019年05月03日 | |
種を蒔く背中合わせに老夫婦 | 愛正 |
潮干狩り母の背中を探しをり | 素秀 |
御手洗の掬ふ柄杓に藤の屑 | ぽんこ |
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2019年05月02日 | |
鬼瓦なづる楓の若葉影 | ぽんこ |
笊を手に一芯ニ葉新茶摘む | 三刀 |
梵鐘を撞いて近江の春惜しむ | 宏虎 |
豆腐屋の来る頃と待つ遅日かな | よう子 |
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2019年05月01日 | |
嶮磴に苔の花咲く行者道 | やよい |
川堤歩けば蝶のつききたり | そうけい |
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2019年04月30日 | |
遠足の列を呑みこむ大仏殿 | 宏虎 |
山車を組む若衆にとぶ老の檄 | なつき |
漁師町鹿尾菜干さるる防波堤 | やよい |
雑木山斑模様に若葉萌ゆ | 明日香 |
時なしの鐘の間遠や奈良暮春 | はく子 |
新しき御世の朝や聖五月 | やよい |
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2019年04月29日 | |
藤の香や万葉人は恋多き | うつぎ |
石庭の白砂の波へ新樹光 | せいじ |
沖の船動くともなく春霞 | よし女 |
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2019年04月28日 | |
宮参り嬰薄目あく新樹陰 | なつき |
万葉の歌碑に触れもす棚の藤 | たか子 |
社家町や筍見ゆる破れ築地 | うつぎ |
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2019年04月27日 | |
藤の苑相聞歌碑のをちこちに | せいじ |
無人家の賑ひ立てる松の芯 | そうけい |