みのる選:2019年2月度
2019年02月22日 | |
外つ国の客も利き酒蔵ぬくし | たか子 |
ママだけに判る喃語や山笑ふ | 宏虎 |
対岸の芽柳淡き蔵通り | 智恵子 |
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2019年02月21日 | |
春光をはじきて尖る波頭 | 愛正 |
飛び石の角削るごと春の川 | たか子 |
温かや樹齢百年杉に触れ | 満天 |
富士の峰をさして消えゆく雁の棹 | もとこ |
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2019年02月20日 | |
蔵寒し樽に箍打つ槌の音 | たか子 |
蔵日永樽造り見て試飲して | 菜々 |
揚雲雀みるみるうちに空の点 | 素秀 |
家苞に辛口選ぶ寒造 | 満天 |
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2019年02月19日 | |
たんぽぽや茅葺き屋根の助産院 | さつき |
酒樽の箍編む手練れ寒造り | はく子 |
熟成をうながす蔵の春灯し | たか子 |
堰落ちし水に躍るは落椿 | さつき |
板壁のつづく蔵町春しぐれ | 菜々 |
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2019年02月18日 | |
林立す摩天楼ビル春霞 | 三刀 |
引き潮の忘れものらし桜貝 | 智恵子 |
探梅や産み月の娘に歩を合はし | なつき |
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2019年02月17日 | |
雛の家ここら卯建の残る町 | なつき |
樽酒を割れば芳し新走 | さつき |
吹奏楽高らか卒業コンサート | 菜々 |
竹林のかかる高きに藪椿 | せいじ |
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2019年02月16日 | |
番所跡ここぞとあまた落椿 | さつき |
花菜畑ゆるがせ一両列車過ぐ | 素秀 |
願ひ絵馬あひ打ち合ひて東風強し | 智恵子 |
2019年02月15日 | |
チャイム鳴り全校生徒雪遊び | 智恵子 |
行きつけの主治医に貰ふ愛のチョコ | やよい |
薬局の常連さんへ愛のチョコ | よし女 |
スノボーの空中遊泳風光る | もとこ |
身に入むや兵士の墓に罅走る | ぽんこ |
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2019年02月14日 | |
堵列せる百基の墓に下萌ゆる | ぽんこ |
朝市女身を切る風に鰤さばく | なつき |
春兆す屋根修復の槌の音に | せいじ |
頑張れとリハビリの道笹子鳴く | 智恵子 |
天満宮犇めく絵馬や梅まつり | 智恵子 |
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2019年02月13日 | |
カラフルな小鉢並べて花舗の春 | 満天 |
霜の道狼藉めける鳥の跡 | 愛正 |
焼き牡蠣の弾けて吾を一喝す | 董雨 |
一筋の春水走る神の森 | 菜々 |
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2019年02月12日 | |
観音の裳裾つづきに菜の花黄 | ぽんこ |
春の鳶真澄の空をほしいまま | 三刀 |
しだれ枝のバスに触れもす梅の里 | さつき |
夫風呂を上がるころかと栄螺焼く | よう子 |
孕み猫吾を一瞥してゆきぬ | こすもす |
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2019年02月11日 | |
啓蟄や重責終へて肩軽し | 明日香 |
呉線の今日の人出や牡蠣まつり | 智恵子 |
癌告知知らすメールに春憂ふ | せいじ |
下萌のジャングルジムに子らの声 | たか子 |
寒卵良きことあらむ黄身ふたつ | やよい |
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2019年02月10日 | |
干し物の広ぐまもなく凍りけり | よう子 |
村あげて奉納神事宮の春 | 明日香 |
父さんが遺影の母へ愛のチョコ | なつき |
春風が頭撫でゆくトロッコ車 | 愛正 |
供華とせし父の遺愛の梅にほふ | 菜々 |
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2019年02月09日 | |
吊り橋をはさみて梅の遅速かな | 宏虎 |
二タ三言交はして路地の春寒し | 満天 |
猫柳縺れほぐれつ風光る | はく子 |
2019年02月08日 | |
春めきて花壇の土のふつくらと | 菜々 |
大の字に寝そべつてみる浜四温 | せいじ |
早春の気を廻しをる大風車 | たか子 |
さざ波のと行き斯くゆき湖は春 | せいじ |
雪を敷くごとき大樹の落椿 | 三刀 |
旅の朝氷柱雫の音に覚む | 智恵子 |
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2019年02月07日 | |
ものの芽に昨夜の雨粒ひかりをり | ぽんこ |
下萌や更地となりし風呂屋址 | はく子 |
蔵開き一升瓶で手酌かな | なつき |
恙なきひと日を感謝蜆汁 | 満天 |
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2019年02月06日 | |
色褪せし売地の幟春寒し | 満天 |
朝靄の中より現れし蜆舟 | 菜々 |
こうのとり降り立つ川辺水温む | こすもす |
マニュキュアの十指をかざす大火鉢 | なつき |
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2019年02月05日 | |
啓蟄や嬉々として夫畑へと | 明日香 |
たる酒に金箔浮かべ蔵開き | なつき |
単線の通過待ちなる余寒かな | たか子 |
春の海達磨のごとき夕日落つ | せいじ |
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2019年02月04日 | |
遊覧船あがるしぶきに風光る | ぽんこ |
ブルドーザート野仏かすめ川普請 | なつき |
高枝の虜となりし凧の糸 | やよい |
春寒し絵踏の島の入り江かな | たか子 |
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2019年02月03日 | |
托鉢の仄と寒紅差しゐたり | うつぎ |
春光ののつぽの影と漫歩せり | やよい |
鐘一打撞く早暁の余寒かな | 宏虎 |
年取らぬ夫の遺影へ年の豆 | はく子 |
力石にも小ぶりなる注連飾 | そうけい |
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2019年02月02日 | |
梅が香に万葉歌碑をたもとほり | さつき |
三輪車らしき轍や露地四温 | 菜々 |
始発来る雪野の果てに前照灯 | 隆松 |
暖かや棺の妻に感謝多々 | はく子 |
2019年02月01日 | |
春雨の傘をはみだすランドセル | せいじ |
素足なる托鉢僧に風花す | よう子 |
オリオンや底冷えつのる通夜帰り | はく子 |
荒縄の井の字井の字に大根干す | こすもす |
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2019年01月31日 | |
初詣願掛け撫づる力石 | そうけい |
海の風集めて猛る浜とんど | なつき |
乱れなき砂紋にしるき梅の影 | よう子 |
剪定を終へて日当たる一山家 | さつき |
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2019年01月30日 | |
牧の朝ジャージー牛の息白し | さつき |
つんと出て土の匂ひの蕗の薹 | 宏虎 |
残り火の舌ちよろちよろと浜とんど | なつき |
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2019年01月29日 | |
かばかりの梅園なれど香に満る | たか子 |
命綱結ぶ庭師に雪しまく | さつき |
亡き夫の遺影と福茶ことほげり | そうけい |
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2019年01月28日 | |
淡雪の楚々とふりつむ八つ手の葉 | たかを |
寒晴れや切れ味見せて刃物売る | 菜々 |
引き絞る矢羽根を頬に弓始 | よう子 |
若布干す島銀座てふ商店街 | 宏虎 |
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2019年01月27日 | |
七谷へとどろく法鼓初不動 | 菜々 |
海猫に綺羅なす冬日船溜り | なつき |
日脚伸ぶ仕事帰りの美術館 | さつき |
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2019年01月26日 | |
替へに替へ最後は禰宜と鷽替ふる | うつぎ |
ストーブ燃ゆ娘が児にうたう子守唄 | なつき |
みりん干し焼けば起き出すかじけ猫 | 素秀 |
鈍色の景白変す今朝の雪 | 明日香 |
仕事なし終へ待春の髪を切る | せいじ |