みのる選:2019年1月度
2019年01月25日 | |
早梅の忌明けの朝に匂ひけり | 素秀 |
風邪の吾に夫の手作りおじやかな | 明日香 |
訪へば仄と梅が香尼の寺 | よう子 |
古びたる扁額ゆかし冬座敷 | 菜々 |
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2019年01月24日 | |
大吉を句帳にしをる初みくじ | そうけい |
鰤かまをせせりては杯重ねけり | やよい |
着膨れてリュックの紐に縛らるる | うつぎ |
寒晴や禅苑砂紋みだれなし | 菜々 |
しぐるるや石庭砂紋ゆるぎなく | はく子 |
缶蹴りの鬼で終わりし寒夕焼 | なつき |
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2019年01月23日 | |
山荘へ一筋道や冬木立 | 愛正 |
寒柝と和す子等の声街巡る | たか子 |
石畳ゆるゆる歩み京四温 | 菜々 |
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2019年01月22日 | |
日当たれば消えいりさうや冬桜 | はく子 |
鰤起し闇に轟く旅枕 | 宏虎 |
ショーウインドウ見て着膨れの背を伸ばす | 満天 |
小春日のテラスに母の髪染める | 智恵子 |
冬凪すまさな空に鳶放ち | やよい |
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2019年01月21日 | |
急ぎ足寒夜の路地に音響く | 満天 |
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2019年01月20日 | |
白雲を脱ぎて雪嶺現れにけり | たかを |
雨晴れてより春宵の街あかり | せいじ |
着膨れてボロ市覗き巡りけり | なつき |
海上に模糊と島影寒満月 | 三刀 |
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2019年01月19日 | |
庭手入れ四温の日ざし摘むごとく | 菜々 |
身の箍のゆるむごとくに初笑 | 宏虎 |
ここだけの話に倦みし新年会 | もとこ |
受験子の横ではばかる咳一つ | なつき |
2019年01月18日 | |
青畝師の句碑存問す初詣 | 三刀 |
左義長の灰の裾野に残る注連 | せいじ |
今日はしも父の命日冬日燦 | たか子 |
寒禽の声透き通る神の森 | 菜々 |
宿り木の杉玉めける冬木立 | せいじ |
其処此処に手締め賑はふ逹磨市 | 智恵子 |
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2019年01月17日 | |
灯籠につなぐ心や阪神忌 | やよい |
老どちら紅顔となるどんどかな | 宏虎 |
雲一朶無き高空に冬の鳶 | 素秀 |
声嗄るるまでおしやべりし女正月 | なつき |
松過ぎてもとの退屈老い二人 | 菜々 |
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2019年01月16日 | |
推敲すどんどの灰を被りつつ | 満天 |
歳かさね俳句三昧女正月 | もとこ |
五百基の陸墓見渡す冬椿 | ぽんこ |
新妻と見し人小さき飾焚く | 菜々 |
白壁に綾なす蔦の枯れ極む | はく子 |
炎ごし人垣揺らぐどんどかな | よう子 |
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2019年01月15日 | |
とんど灰句帖に降るも吉とせむ | うつぎ |
邪の的に一矢命中弓始め | 三刀 |
山茶花の飴玉のごと蕾みけり | そうけい |
大とんど臥龍となりてなほ猛る | うつぎ |
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2019年01月14日 | |
風邪の子に添寝して本読み聞かす | なつき |
鼻筋の目立つは鷭の陣ならむ | 明日香 |
あつあつのカレーに落とす寒卵 | 満天 |
成人式祝ふ列島日本晴 | 智恵子 |
波しぶき被る岬の落椿 | さつき |
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2019年01月13日 | |
帰宅時告ぐるチャイムや寒夕焼 | せいじ |
寒昴月の光に負けまじと | うつぎ |
しもやけの薬指揉む仕舞ひ風呂 | なつき |
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2019年01月12日 | |
初鏡老いてもお洒落忘れじと | 宏虎 |
どさと来る旅行のチラシ春隣 | 満天 |
電線におしくらのごと寒雀 | こすもす |
大どんど全校生徒車座に | さつき |
咳するは吾を呼ぶサイン床の夫 | なつき |
2019年01月11日 | |
御降の雪へと変はる湖鏡 | 隆松 |
曙光さす日本海の初景色 | こすもす |
雪かづく山巓に日矢射しにけり | 明日香 |
人波に身を委ねたる初参り | たか子 |
餅花の揺れて賑はふ繁盛亭 | 菜々 |
このあたり御狩野あとや若菜摘む | 菜々 |
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2019年01月10日 | |
参道の店を梯子や初戎 | ぽんこ |
実千両気づかぬ盗人鴉かな | 董雨 |
狛犬の疵そのままに震災忌 | ぽんこ |
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2019年01月09日 | |
歳時記の一頁より読始 | もとこ |
玉の日に蕩けさうなる臘梅花 | せいじ |
本宮の千木に日の射す淑気かな | たか子 |
播磨灘綺羅を敷き延べ初凪す | うつぎ |
風花や友の訃報を疑ひぬ | よう子 |
新調のテニスシューズで初打す | ぽんこ |
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2019年01月08日 | |
次々と万両増えて家古りぬ | うつぎ |
乳母車福笹挿して戻りけり | さつき |
寒昴妣のウインクかも知れず | 宏虎 |
初恵比須赤子が引きし大当たり | さつき |
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2019年01月07日 | |
屠蘇の酔ひ大きな夢を語りけり | なつき |
人日やあまたの敷布洗ひけり | やよい |
いそいそと七草取りの夫と外へ | 明日香 |
初湯殿たつぷりと湯を溢れしめ | 宏虎 |
ごみ出して普段着で述ぶ御慶かな | やよい |
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2019年01月06日 | |
無意識に両手は拳霜の朝 | 三刀 |
寒の水喉をするりと常備薬 | 満天 |
悴む手息吹きかけて励ましぬ | 菜々 |
朝厨先ず一杯の寒の水 | よう子 |
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2019年01月05日 | |
四日はや園丁苑にちらほら | さつき |
襖絵の虎の眼光淑気満つ | 宏虎 |
元朝の水を静かに使ひけり | うつぎ |
2019年01月04日 | |
紋付の父の発声屠蘇祝ふ | 菜々 |
薄氷の虜となりしあぶくかな | さつき |
高らかに一本締めや初相場 | 宏虎 |
舞ふ巫女の払ふ剣に淑気あり | ぽんこ |
初東風にあひ打ち合へる祈願絵馬 | たか子 |
寒晴にグランドゴルフ音高し | 満天 |
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2019年01月03日 | |
初春や庭に鳩来て雀来て | 菜々 |
幸あれと眼を射るほどの初日かな | 明日香 |
お辞儀して鸚鵡返しの御慶かな | ぽんこ |
鍋底の焦げを磨きぬ初厨 | なつき |
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2019年01月02日 | |
初座敷磨き上げたる床柱 | 菜々 |
屠蘇一献妻に感謝のダイヤ婚 | 宏虎 |
遠近に打つ音たがへ除夜の鐘 | はく子 |
健康と大書し祈る初日記 | かかし |
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2019年01月01日 | |
病む夫の好みに合はせ節料理 | うつぎ |
平凡がいちばんよろし去年今年 | たか子 |
初空や眉山に残る一つ星 | 素秀 |
墨香る長寿二文字の筆始め | 愛正 |
去年今年千転すなる一句あり | うつぎ |
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2018年12月31日 | |
年送る干支の色紙を入れ替へて | やよい |
刃物研ぎ終へて完了年用意 | 三刀 |
家中にお節の匂ふ大晦日 | 満天 |
身に入むや昨夜見舞ひしに天国へ | はく子 |
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2018年12月30日 | |
鰐口の紐も取り替へ年用意 | ぽんこ |
大晦日退院かなはぬ人見舞ふ | はく子 |
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2018年12月29日 | |
ベランダの冬日は杜へ移りけり | そうけい |
寒オリオン仰ぎぬ旅の機窓より | 智恵子 |
来る子等にひと臼多く餅をつく | 明日香 |
年暮るるブルーシートの屋根のまま | せいじ |