みのる選:2018年11月度
2018年11月23日 | |
池めぐり樹形たしかめ松手入 | さつき |
野地蔵へ蓑笠つけて冬支度 | 智恵子 |
一斗缶並べ煎餅屋冬温し | うつぎ |
ふかし藷吹いて勤労感謝の日 | 三刀 |
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2018年11月22日 | |
山深き荒神さんへ留守詣 | たか子 |
まづ落ち葉掃いてグランドゴルフかな | さつき |
幽閉の勘兵衛思ひ落葉踏む | よう子 |
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2018年11月21日 | |
漁り火に銀波ひろごる冬の沖 | やよい |
山と積む納め火箸に冬日燦 | 満天 |
岩床もあらはに涸るる御祓川 | 宏虎 |
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2018年11月20日 | |
女子寮の有刺鉄線鵙の贄 | さつき |
結界の内外隔てず銀杏散る | 菜々 |
抽んでし皇帝ダリア庭小春 | こすもす |
一句得て句帳に栞る散紅葉 | 満天 |
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2018年11月19日 | |
石庭の箒目しるき神の留守 | ぽんこ |
鎖場を過ぎて見下ろす紅葉渓 | さつき |
園丁に草の名問うて小春かな | たか子 |
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2018年11月18日 | |
暮急ぐ峡の岨道すがれ虫 | はく子 |
天蓋の紅葉影さす切り通し | 智恵子 |
文添へて卒寿の父へ新走 | うつぎ |
眼帯の取れてこれほど石蕗黄なり | なつき |
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2018年11月17日 | |
鬼の面夕日に染まる里神楽 | さつき |
厚き雲切れて一条冬日射す | 明日香 |
倒木の折り重なりて川涸るる | たか子 |
夕照の京の疎水に鴨の影 | せいじ |
ほかほかの焼き芋母と半分こ | 智恵子 |
2018年11月16日 | |
路地小春ごみ出しに出て立ち話 | 満天 |
新米で作る奉納団子かな | 明日香 |
路地に洩る湯けむり甘き寒造 | 智恵子 |
七五三草履脱ぎすて歩きだす | さつき |
岩陰に身を寄せ会ひて番鴨 | うつぎ |
池の面に錦あやなす散紅葉 | やよい |
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2018年11月15日 | |
白無垢を寿ぐ紅葉あかりかな | さつき |
手入れ終へたる松の秀に風わたる | さつき |
朝霜の車体に指で落書きす | 明日香 |
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2018年11月14日 | |
賑ひて木の葉しぐれのカフェテラス | はく子 |
目瞑りて木の葉しぐれに佇みぬ | たか子 |
ガイド本読みつつ足湯旅小春 | さつき |
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2018年11月13日 | |
石蕗の黄が一隅照らす屋敷神 | よう子 |
我が影へ鯉の寄りくる小春かな | 満天 |
錦絵のごと展けたる紅葉山 | 明日香 |
読み返す母からの文冬ぬくし | 菜々 |
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2018年11月12日 | |
撫で牛の耳こちょこちょと七五三 | なつき |
絵馬堂に銘酒並びし菊日和 | さつき |
山霧の消えて湯煙たちのぼる | なつき |
玉のごとき小春日和を授かりし | ともえ |
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2018年11月11日 | |
嶺に佇てば眼下時雨るる村灯り | 愛正 |
残照の空の高みに匕首の月 | せいじ |
七五三侍者のごとくにカメラマン | 宏虎 |
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2018年11月10日 | |
開きたる句帳に触れて銀杏散る | 更紗 |
球児らの鋭声小春の河川敷 | 菜々 |
2018年11月09日 | |
と見る間に青空覗く里時雨 | はく子 |
写し絵の母の笑顔に石蕗明り | やよい |
欠礼の葉書相次ぎ身にぞしむ | 満天 |
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2018年11月08日 | |
窓ガラス拭けば小春の空ま靑 | 菜々 |
凍み豆腐からから鳴らす山颪 | 智恵子 |
豪邸の門扉を閉ざし柿たわわ | 三刀 |
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2018年11月07日 | |
百度石桜紅葉の吹き溜まる | なつき |
勅使門右近桜のもみづりぬ | よう子 |
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2018年11月06日 | |
翳したるこの指とまれ赤とんぼ | やよい |
深々と落葉に埋もる力石 | そうけい |
庭畑にいそしむ夫や冬ぬくし | 菜々 |
落暉いま銀杏黄葉を荘厳す | せいじ |
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2018年11月05日 | |
二人居に十列ほどの吊るし柿 | うつぎ |
船虫の近づく足湯秋うらら | 明日香 |
ネクタイを緩めランチや街小春 | たか子 |
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2018年11月04日 | |
秋草が膝撫でをる摩崖仏 | 明日香 |
秋天や袂みやびに蹴鞠びと | もとこ |
土石流痕生々し渓紅葉 | さつき |
間引き菜の小鉢彩添ふ夕餉かな | よう子 |
菊レンジャーとは子らの作菊花展 | なつき |
通過する汽車透けて見ゆ冬木立 | 愛正 |
力石撫でるやに散る紅葉かな | こすもす |
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2018年11月03日 | |
女子高生どつと乗り来る駅小春 | こすもす |
墨絵めく八重の遠山夕時雨 | 智恵子 |
丘の上に佇つマリア像小鳥来る | ぽんこ |
2018年11月02日 | |
広報版余地なく埋まる文化の日 | うつぎ |
小鳥来る峠茶屋守る老夫婦 | さつき |
一茎の石蕗に明るき書院かな | 小袖 |
旅愉しホームですする走り蕎麦 | 智恵子 |
意地悪な風いなしつつ落葉掃く | たか子 |
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2018年11月01日 | |
秋夕焼水上バスを染めにけり | やよい |
里山の闇の深さや銀河濃し | 隆松 |
菊薫る志士らゆかりの宿坊に | さつき |
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2018年10月31日 | |
婚の列玉砂利踏みて菊日和 | 智恵子 |
城壁を攻めのぼるごと蔦紅葉 | もとこ |
百歳と子らが卓球文化の日 | はく子 |
紅葉狩ウエストポーチに朱印帳 | なつき |
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2018年10月30日 | |
幼らの男女対抗宮相撲 | さつき |
錦秋の茶事にくつろぐ古都の庭 | 智恵子 |
媼らは笑ひ上戸や温め酒 | なつき |
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2018年10月29日 | |
推敲す無花果ジャムを煮詰めつつ | やよい |
疎に密にもみづり始む杜の樹々 | たか子 |
拝殿にひびく泣き声七五三 | 三刀 |
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2018年10月28日 | |
到来のカステラも添へ月の膳 | 菜々 |
花薄分けゆく里の通学路 | 愛正 |
世話係てふ名誉職敬老会 | こすもす |
秋惜しめとぞ風に舞ふ木つ葉かな | 明日香 |
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2018年10月27日 | |
坐禅堂沈黙破り鵙高音 | 智恵子 |
活き活きとデパ地下めぐり木の葉髪 | 菜々 |
秋思の吾医師の所見は異常無し | せいじ |
小田の藁塚チェスの如くに散らばりぬ | ぽんこ |